DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

肉眼で観測できる最も暗い恒星

 今回は肉眼で観測が可能な恒星の中で最も暗い恒星について書いて行きたいと思う。

 目次

1. 最も暗い恒星 白鳥座61番星

 肉眼で観測することが可能な恒星は8,600個ほどもあると言われており、その中でも明るい恒星はほぼ全てが太陽よりも明るい恒星である。その理由は単純に恒星の明るさが明るいから見えるからであり、暗い恒星だと1光年先にあったとしても見えないほどである。そして、地球から見て明るい恒星は近いから明るい恒星と恒星の明るさが非常に明るいために遠くから見ても明るいタイプの2通りに分けられる。

 しかし、3.5等星であるくじら座τ星や3.74等星であるエリダヌス座ε星は大して明るく見えない割には地球からの距離が極めて近く、くじら座τ星は11.9光年とアルタイルよりも近くエリダヌス座ε星に至っては10.5光年とプロキオンよりも近い。そのため、両恒星の絶対等級は太陽よりも暗く、くじら座τ星は太陽の43%ほどでエリダヌス座ε星に至っては太陽の28%の明るさしかない。

 そして、くじら座τ星やエリダヌス座ε星は肉眼で観測することが可能な恒星の中では最も暗い部類に入るが全恒星から見るとかなり明るい部類に入っており、例えば太陽系から8.3光年しか離れていないラランド21185という恒星は肉眼で観測することは不可能なほどの明るさではあるが上位25%に入っているほどである。

 ここまでは肉眼で見える恒星の中にも太陽よりも暗い恒星があることを書いてきたがここからは肉眼で見える恒星の中で最も暗い恒星について書いて行きたいと思う。

 肉眼で見える恒星で最も暗い恒星は冒頭でも書いたように白鳥座61伴星という恒星であり、この恒星は地球からは11.4光年程度しか離れておらず、この距離はプロキオンとほぼ同等である。しかし、プロキオンはお世辞にも明るい恒星と言う訳では無いが0.37等と非常に明るく、この理由は単純に地球からの距離が近いからであるが白鳥座61番星は肉眼で観測することが困難であるほど暗い。白鳥座61番星は2つの恒星が周り合っている連星系であり、主星は5.2等星、伴星は6.03等星である。この明るさは肉眼で観測することは可能ではあるが郊外でも観測することは困難であり、光が無い所でようやく観測することが可能となる程度の明るさである。

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 白鳥座61番星はデネブ, γ星(デネブの右側の明るい恒星), ε星(61伴星の右側の明るい恒星)とほぼひし形を作れる位置にあるが観測には困難を極める。

 そして、当然ではあるが白鳥座61番星は両恒星とも太陽よりも非常に暗く、明るい主星でも太陽の8.7%, 暗い伴星に至っては太陽の4パーセント程度の明るさしか無く、絶対等級はそれぞれ7.48等, 8.31等とかなり暗いものとなっている。当然表面温度, 直径, 質量ともに太陽と比較すると非常に小さく、どちらの恒星もスペクトル型がK型の主系列星である。

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 白鳥座61番星は軽量の主系列星であり、表面温度はアルクトゥルスやアルデバランのような赤色巨星と大差が無いのでオレンジ色の恒星ではあるが年齢は若く、太陽が寿命を迎えた後でもまだ余裕で輝いているほどである。

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また、直径も太陽と比較しても小さく、両恒星共に100万キロを下回っている上に質量もかなり軽い(左から太陽, 61番星A, 61番星B)。

 このように白鳥座61番星は主星, 伴星共に非常に暗い恒星であり、両恒星は肉眼で見える恒星の中では主星が2番目, そして伴星は最も暗い恒星である。

2. 他の暗い恒星

 白鳥座61番星は非常に暗い恒星であり、肉眼で見える恒星の中では最も暗い恒星であるがここからは他の恒星と比較していきたい。肉眼で見える恒星の中でワースト1,2は白鳥座61番星だがその次に暗い恒星は何だろうか?

 その答えはへびつかい座70番星の伴星であり、絶対等級は7.47等と白鳥座61番星の主星とほぼ同レベルの明るさである。この恒星は太陽系とは16.6光年離れており、アルタイルよりも若干近い所にある連星系であり、主星は太陽よりも幾分か小ぶりの恒星である。そして、その伴星がこの恒星であり、肉眼で一応観測することが可能ではあるが非常に暗く、やはりギリギリ見える程度の明るさではあるが主星は太陽と比較すると暗いもののくじら座τ星程度の絶対等級を有しているので恒星系ならそこそこ明るく見えるほどである。

 その次に暗い恒星は同じくへびつかい座に位置している36番星の第二伴星であり、この恒星系は3重連星によって成り立っている。

 また、いずれの恒星も太陽と比較すると暗いものの全て肉眼で観測することが可能な恒星であり、どの恒星もK型の主系列星である。そして、この中で最も暗い恒星が全天の恒星の中では4番目に絶対等級が暗い恒星であり、7.45等とやはり白鳥座61番星の主星やへびつかい座70番星の伴星と大差がないほどである。

 5番目に暗い恒星はインディアン座ε星であり、この恒星はギリシャ文字がついている恒星の中では絶対等級が最も暗い恒星である。この恒星は地球からの距離が11.8光年と非常に近距離にあるものの4.68等と非常に暗く、褐色矮星の伴星があるものの恒星系には恒星が1つしかないので実質的には単独星として見なすことが出来る。インディアン座ε星は単独星の中でも最も絶対等級が小さな恒星であり、6.89等しかないので太陽の15パーセント程度の光しか放っていない計算となる。ちなみに直径は太陽の74パーセント程度なので一応100万キロメートルよりかは大きく、103万キロメートルほどである。そして、質量は太陽の76%、表面温度は4,590 Kと太陽よりかは低いものの白鳥座61伴星と比較すると若干高い。

 

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上恒星は肉眼で見える恒星の中でワースト5位の恒星と太陽であり、太陽は肉眼で観測できる恒星の中ではワーストクラスではあるがこれらの恒星と比較すると非常に明るい。また、これらワースト5位までの恒星はいずれもK型の主系列星であり、更に下位のM型主系列星の中で地球から肉眼で観測できる恒星は存在しておらず、最も明るいラランド21185(8.3光年)でさえ7.47等しかない。

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 ラランド21185は地球から見て最も明るいM型主系列星の中では最も明るい恒星であると同時に物理的にも最も明るいM型主系列星でもあり、直径は64万キロほであり、質量は太陽の46%にも及ぶ。しかし、シリウスよりも近いのにもかかわらず肉眼で観測することが不可能なほど暗く、更に白鳥座61番星Bと比較してもかなり暗い。このように肉眼で見える恒星の中にも太陽よりも暗い恒星は多少ながら存在しており、これらの恒星は少しでも離れるとすぐ暗くなるのでいずれも近隣の恒星ばかりである。

 以上、肉眼で観測できる最も暗い恒星についてでした。