DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

太陽以外の恒星を置いたときの公転周期

今回は太陽以外の恒星を太陽の位置に置いたときの公転周期の影響について書いて行きたいと思う。

 

1. 公転周期の決まり方

公転は質量の大きな天体の周りを質量の小さな天体が(楕)円軌道を描いて周回する運動のことであり、地球は太陽の周りを、月は地球の周りを公転している。

しかし、公転は一方的に起こっているわけでは無く、厳密に言うと質量の大きな天体も質量の小さな天体の周りを公転している。

けれども質量の大きな天体は質量の小さな天体と比較するとほとんど動いておらず、例えば太陽は厳密には地球の質量による影響を受けているが太陽は地球の334,000倍もの質量を有しているので地球による影響はないに等しいが月の場合は地球の81分の1も質量があるので地球は月との引力によって多少の影響は受けている。

このように公転は質量の小さな物体だけがしているのではなく大きな物体も公転をしているがこの理由は両物体に同じ大きさの万有引力が働いているからである。

万有引力とは質量を有する物体同士に働く力であり、以下のような式で表すことが出来る。

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ここでのMは質量の大きな物体の質量(kg), mは小さな物体の質量(kg), rは両物体間の距離(m), Fは力(N)でありGは万有引力定数である。

万有引力定数は万有引力を表す際に出てくる定数のことであり、その大きさはわずか6.67408×10^-11 (m^3 kg^-1 s^-2)と非常に小さい値になっている。

この力は電磁気力などと比較すると非常に小さく、1160トン同士の物体間に働く力でようやく1 Nに達するほどである。

そのため、万有引力は質量の小さな物体同士ではまず感じることは無いが質量が大きくなると話は違ってくる。

質量の大きな物体ともなると万有引力の大きさは格段に大きくなり、例えば地球と月の間には2.057×10^20 Nもの万有引力がかかっている。

そして、万有引力はどんなに質量の差が大きくても両物体間には同じ力がかかるので質量の差が極端に大きい場合は質量の小さな物体が大きな物体に一方的に引き寄せられるように見える。

その代表的なものとしては重力があり、地球は地球上にある物体と比較すると質量が極端に大きいので地球上にある物体は地球に9.8 m/s^2もの加速度で引き寄せられている。

 

このように質量のある物体間には万有引力が働いており、万有引力は非常に小さな力ではあるが極端に質量の大きな天体間では想像も絶する程度の万有引力が働いているので宇宙の運動は万有引力によって支配されていると言っても過言ではない。

先ほども書いたように地球が太陽の周りを公転している理由も万有引力によるものであり、地球は太陽に、太陽は地球に引き寄せられている。

勿論万有引力しか働いていないと地球が太陽に引き寄せられることとなり、地球は消滅することとなるがこれは地球が太陽の周りを公転することにより防がれている。

公転すること、つまり円運動をしている状態では中心の物体に引き寄せられる万有引力と外側に逃げようとしている遠心力が釣り合っている状態であり、地球の公転はまさにこの状態となっている。

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遠心力の式は上図のようになっており、この遠心力と万有引力が釣り合っている時は中心の物体に引き寄せられることも無く、遠くに行くことも無くなるので公転が起こる。

そして、遠心力に出てくる記号の意味はmが公転している物体の質量, rが中心の物体との距離、そしてvが公転速度であり、公転速度が大きいほど遠心力は2乗に比例する形で大きくなる。

公転が起こっている際の公転速度の式は遠心力と万有引力が釣り合っている場合なので

v=(GM/r)^0.5

と表すことが出来る。

この式が意味することは公転速度は万有引力定数(G)と中心の物体の質量(M)を中心の物体との距離(r)で割った数の平方根であることであり、公転速度は公転している物体の質量(m)に比例しないことである。

つまり、中心の物体の質量が大きければ万有引力が増すのでより速い速度で公転しなければ中心の物体に引き寄せられ、距離が小さくても万有引力が増すのでやはり速い速度で公転しなければならないことになる。

 

また、速度を物体間の距離で割った物理量のことを角速度(ω)と言い、これは単位時間当たりにどれだけの大きさの角度を進んだことを意味している。

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角速度は単位時間当たりに進んだ角の大きさを表す物理量であり、上図は一秒間にθだけ進んでいるので角速度はθ (s^-1)である。

また、角速度を表す際は弧度法が用いられ、弧度法は円一周を2πで表し、これは半径の2π倍が円一周に相当するからである。

そのため2πは360度に相当するので直角は弧度法で表すと(1/2)π、30度は(1/6)πとして表記される。

 

そして、これだけ書いても良く分からないので例を挙げていきたいと思う。

例えば角速度が(1/6)π s^-1 (30度 s^-1)で円軌道の半径が30 mである円運動があるとする。

 

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このように円の一周の長さは30 m×2πであるので60π mとなり、角速度は(1/6)π s^-1であるので青い物体は12秒で一周することとなる。

60π mを12秒で一周ということは1秒当たりに5π m移動することとなるので速度は秒速5π mということとなる。

そして、これは半径(30 m)に角速度((1/6)π)をかけた値であり、角速度と速度との間には

速度(v)=軌道半径(r)×角速度(ω)

の関係が成り立つ。

 

ここまで角速度について書いてきたが公転周期を求める際には角速度が重要となっていき、例えば太陽が地球の周りを周るのにかかる時間を求めていきたいと思う。

太陽の質量は1.989×10^30 (kg), 太陽-地球間の距離は1.496×10^11 (m)であるのでここから地球の公転速度を求めることが出来る。

先ほども書いたように公転速度は(GM/r)^0.5であり、更にここから角速度を求めると以下のようになる。

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角速度は右式のようになっているので周期は以下のようになる。

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公転周期は2πに角速度の逆数をかけた値であり、中心物質の質量が大きいほど、距離が短いほど小さくなり、この2つのパラメータだけに依存している。

そして、地球の公転周期を求めると公転周期は31,554,708 秒と算出され、これはほぼ1年と一致している(1.000593221 年, 365.217日)。

しかし、この式はあくまで軌道が円であった場合の式であり、地球の軌道は厳密には楕円軌道であるので若干数値は異なる(地球の公転周期は365.24日)。

では、この式を用いて他の恒星を置いたときの公転周期を求めていきたいと思う。

 

 

 

2. 他の恒星を置いたときの公転周期

ここからは他の恒星を置いたときの公転周期を求めていきたいと思うが以下の条件を付けたす。

  • 地球の軌道半径は1.496×10^11 mの円軌道
  • いかなる距離にした場合も円軌道とする
  • 恒星に熱で地球が崩壊しない

 

では、初めに太陽の0.31倍の質量を有するグリーゼ581を置いたときで仮定していきたいと思う。

グリーゼ581はてんびん座の方向に輝いている暗い恒星であり、地球からはわずか20.4光年しか離れていないが肉眼で観測することは不可能である。

そして、この恒星には惑星が複数あることが確認されているため生命体がいるのではないかと期待されている。

では、グリーゼ581を太陽と入れ替えていきたいと思う。

グリーゼ581を太陽と入れ替えた時、地球の公転周期は56,673,928 sとなり、これは666日に相当し、大体1.8年に当たる。

つまり、地球の一年間は長くなるが意外にも2倍にはならず、そこまで生活に支障を得ることは無いがいかんせんグリーゼ581のエネルギー量は弱すぎるので地球は勿論のこと水星でさえ極寒の惑星と化す。

そのため、地球を現在の10分の1の距離である1,496万キロにまで近づける必要が出てくるがここまで近づけると地球の公転周期は1,792,187秒、つまり20.74日にまで短くなり、一カ月よりも早く一年を迎えることになる。

もし、このようになると地球の環境は滅茶苦茶になりとても生命体が住めるような惑星となれず、低質量星にはこのように恒星との距離が近くなり、結果として公転周期が短くなるという問題が発生する。

 

次にシリウスを置いたときの場合を仮定する。

シリウスは太陽の2.02倍の質量を有する恒星であり、仮に太陽の位置にシリウスを置くと公転周期は22,201,815秒、つまり257日にまで公転周期が短くなるもののそこまで生活には影響は出ない?ことになるがこれほど近ければ太陽の23倍ものエネルギーを受けることとなるので地球は灼熱の惑星となる。

当然、この距離のままであると地球は焼け焦げてしまうので現在の距離の4.8倍の距離にまで離す必要があるがここまで離すと公転周期は233,480,349秒、つまり2,702日、7.4年に相当するので一年の長さが非常に長くなり、季節の移り変わりが遅くなることで地球の気候が極端になる可能性が高くなる(白夜や極夜の時間が長くなるため)。

 

最後に観測史上最も質量の大きなr136-a1を太陽の位置に置いて行きたいと思う。

r136-a1は大マゼラン星雲内にある太陽の265倍もの質量を有する恒星であり、エネルギー量は太陽の870万倍にも及び、こちらの値も観測史上最大である。

そして、地球を今の距離にしたままで太陽をr136-a1に入れ替えると公転周期は1,938,390秒、つまり22.44日にまで短くなり、r136-a1の凄まじい質量に捕らわれないようにするにはこれほどの速度が必要となってくる。

当然このままでは地球は消し飛ぶ危険性が高いので安全な距離にまで離さなければならない。

安全な距離は現在の距離の2,950倍の距離、つまり4,413億キロメートルにまで離れなければならず、これは0.0466光年に匹敵し、光がこの距離を進むのに必要な時間は1.7日にも及ぶ。

そして、これほどの距離まで離れると公転周期は中心星がいくら重いと言っても310,580,546,666秒、つまり9,842年もかかることとなる。

要するに一年間が一万年近くにも及び、エジプト文明がつい半年前ぐらいになるほどである。

 

このように恒星の質量が大きくなると光度はそれ以上に増大するので恒星が小さいほどハビタブルゾーン内(水が液体で存在できる距離)の公転周期は短くなる傾向がある。

 

 

 

以上、太陽以外の恒星を置いたときの公転周期についてでした。