DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

最も赤道に近い気候 熱帯雨林気候

 今回は熱帯雨林気候について書いて行きたいと思う。

 目次

1. 熱帯雨林気候とは

 熱帯雨林気候とは最も赤道に近い所に位置している地域のことである。

 赤道に近いということは太陽から一年中多くのエネルギーを受けることとなり、更に昼夜の長さも季節によってほとんど変わらず、昼の長さと夜の長さはほぼ12時間ずつである(厳密には太陽の大きさや光の屈折があるので若干昼のほうが長くはなるが)。そのため、熱帯雨林気候には季節による降水量の差や気温の差は無いので春夏秋冬による季節は存在せず、むしろ昼夜による気温差のほうが大きいほどである。

 また、熱帯雨林気候では降水量が多く頻繁にスコールと呼ばれる大雨が降ることがあり、熱帯雨林と呼ばれる大森林が広がっているため熱帯雨林気候と呼ばれている(熱帯雨林は東南アジアではジャングル, アマゾン川流域ではセルバと呼ばれている)。

 そして、熱帯雨林気候の年がら年中暑い理由は太陽が一年中高い角度から照りつけているからであり、赤道では最も南中(北中)高度が高い時は春分, 秋分の90度であり、最も低い夏至や冬至の時でさえ66.6度と高いところから照りつけることとなる。ちなみに夏至の時は太陽は北回帰線上に直角に照り付けるので北方向に北中をし、反対に冬至の時は南回帰線上に直角に照り付けるので南方向に南中することとなる。

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春分, 秋分時、太陽が赤道に直角に当たる

 

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夏至時、太陽が北方向に66.6度の高さで見える

 

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冬至時、太陽が南方向に66.6度の高さで見える

 このように赤道直下では太陽が直角に照り付ける時もあれば少し低くなることもあるが最も低い時でも66.6度もあり、これは直角に照り付けた時と比較すると91.8%程度に相当し、更に昼夜の長さは同じなので太陽が照り付ける量にはそこまで差が出るわけでは無い。そのため、赤道直下では太陽が年がら年中高い角度から照りつけるので気温による差が出ることは無い。

 また、熱帯雨林気候では降水量も多いがこの理由は2つあり、それぞれ以下の通りになっている。

  1. 赤道低圧帯による低気圧の影響
  2. 飽和水蒸気量が高温だと多い

 初めに赤道低圧帯による影響について書いて行きたいと思うが赤道直下の海域では年がら年中太陽が強く照り付けるので気温が上昇し、海水が蒸発しやすくなっている。海水が蒸発すると水蒸気となり、この水蒸気は軽いので段々と上昇することにより上昇気流が発生する。上昇気流が発生すると降水が起こり、この赤道低圧帯の影響を赤道付近では年がら年中受けることになるので降水量が多く、最も少ない月の降水量の合計値でさえ60 mmを上回っている。

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赤道では太陽の光が強く、上昇気流が発生しやすいので低気圧を形成しやすい環境にある。そして、ここで生じた上昇気流は亜熱帯地域にまで達し、亜熱帯地域では反対に加工することとなり、降水が極端に少なくなる。そして、この加工した気流は赤道付近に向かって「貿易風」として流れることとなり、再び赤道付近で上昇することとなる。

 この一連の流れのことを「ハドレー循環」と呼び、地球の三大循環に一つとなっている。そのため、赤道直下に位置している熱帯雨林気候では降水量, 気温の双方において季節による差は無く、どちらかというと日格差のほうが大きくなっている。

 また、もう一つの理由である飽和水蒸気量について書いて行きたいと思う。

 飽和水蒸気量は空気中に含むことが出来る水蒸気の量の最大値のことであり、気温が高ければ高いほど多くの水分を含むことが可能となる。そのため、気温の高い赤道付近では大気中に多くの水分を含むことが可能となり、そのため降水量が多くなる。逆に気温が低い亜寒帯や寒帯では空気中に水分をほとんど含むことができないために亜寒帯地域では低気圧が発生しやすいものの降水量は少なく、寒帯に至っては降水量がサハラ砂漠と大差がないほどである。

 ここまでは赤道付近の気候である熱帯雨林気候の特徴について書いてきたがここからは熱帯雨林気候の具体例について書いて行きたいと思う。

2. 熱帯雨林気候の地域

 熱帯雨林気候は赤道付近に存在する気候であり、以下の条件を満たしていれば熱帯雨林気候に属することとなる。

  1. 最寒月の平均気温が18℃以上
  2. 最小降水月の降水量が60 mm以上
  3. 降水量が乾燥限界以上

の3通りであり、1と3は熱帯の条件である。

 また、2の条件である最小降水月が60 mm以上であるということは降水が非常に多いことを意味しており、2の条件を満たしていると間違いなく湿潤気候であるので乾燥限界の式は以下のようになる(もし、冬季少雨型になると最大降水月が600 mm以上となり、これは現実的にはまずありえず、夏季少雨気候であると最大降水月が180 mm以上とあり得る数値ではあるが熱帯雨林気候が存在している地域は降水量に偏りが生じることは無いので基本的には湿潤気候と見なせる)。

r = 20(t+7)

この式のtは年平均気温であり、仮に年平均気温が30℃であると仮定すると乾燥限界は740 mmとなり、これは熱帯雨林気候の年降水合計量の最小値である720 mmをわずかに上回る程度であり、これよりも下回ることはまずないとみられるので2の条件を満たしていると3の条件も必然的に見なしているとも言える。そのため、1と2の条件さえ満たしていれば熱帯雨林気候とみることができ、熱帯雨林気候は年間の降水量がかなり多い地域であると言える。

 そして、熱帯の気候には熱帯雨林気候の他にサバナ気候と熱帯モンスーン気候があり、サバナ気候は基本的には冬場に降水量が少ない気候であるが他の冬季少雨気候(温帯冬季少雨気候, 亜寒帯冬季少雨気候)とは異なり、条件が若干特殊である。その条件とは熱帯の条件に加え、

  1. 最小降水月の降水量が60 mm以下
  2. 更に最小降水月の降水量が(100-0.04×年平均降水量)以下である

ことが条件につき、例えば最小降水月が50 mmであり年平均降水量が1500 mmであるとすると最小月降水量が60 mm以下であるかつ40 mm以下でもあるので最終的には最小月降水量が40 mm以下となることが条件となるのでこの条件には当てはまらない。

 この条件に当てはまらない場合は熱帯モンスーン気候に分類され、熱帯モンスーン気候の条件は最小降水月の降水量が60 mm以下であることは共通ではあるが2の条件が「最小降水月の降水量が(100-0.04×年平均降水量)以上」と変わる。そのため、熱帯の気候は降水量だけによって判断され、降水量が年がら年中多ければ熱帯雨林気候となり、少ない月はあるが乾季が明白なものはサバナ気候、弱いものは熱帯モンスーン気候となる。

 少し話はそれてしまったがここからは熱帯雨林気候の話に戻っていきたいと思う。

 熱帯雨林気候の代表的な都市はシンガポールであり、シンガポールは北緯1度と赤道直下に位置しているため、正に熱帯雨林気候に属している。

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シンガポールは上図のように年がら年中降水量が多く、最も少ない月である2月でさえ120.4 mmと熱帯雨林気候の最小値である60 mmの倍以上の降水があり、更に平均気温も若干の差はあるものの殆どさが無いと言っても過言ではなく、最も寒い月である12月でさえ26.3℃と高く、最も暑い月である6月の28.3℃とは2℃の差しか見られない(ちなみに横浜で最も暑い月は8月の26.7℃であり、この気温はシンガポールの平均気温よりも若干低い程度であり、温暖湿潤気候の夏場の気温は熱帯並みであることが分かる。この理由は緯度35度での太陽の南中高度は夏場になると赤道付近よりも高くなり、更に日照時間も赤道と比較すると長いからである)。

 この気候は赤道付近では典型的に見られ、特に目ずらしい気候では無く、赤道付近では年による季節差が無いことが分かる。

 ここまではシンガポールについて書いてきたがここからは石垣島について書いて行きたいと思う。

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石垣島の雨温図は上図のようになっており、最寒月の平均気温は18.6℃と18℃を上回っているので熱帯に分類される。更に最小降水月は12月の126.3 mmであり、これは60 mmを上回っているため熱帯雨林気候に分類され、更に年降水量もシンガポールよりも多く非常に多湿な地域であることが分かる。けれども最暖月の平均気温は29.5℃とシンガポールよりも高く、年較差は10℃以上もあるのでシンガポールのような赤道直下とは異なり、季節が存在している。

 この理由は石垣島の緯度が24度と比較的高く、石垣島はどちらかというと熱帯と言うよりは亜熱帯と言える気候であり、亜熱帯とは冬場になると若干気温が下がる気候であり、弱いながらも四季は存在する。

 しかし、亜熱帯地域は大陸西岸の場合だと非常に乾燥をするため、サハラ砂漠やアラビア半島のような砂漠となるために本来ならば熱帯と温帯の間は亜熱帯となる所がこのような事情があったが故に熱帯と温帯の間はケッペンの気候区では乾燥帯となっている。けれども大陸東岸ではモンスーンの影響を受けるので多湿になるという特徴があり、そのため石垣島の降水量は非常に多くなっている。

 以上のことをまとめると石垣島は熱帯雨林気候に分類はされているがどちらかというと亜熱帯に近い気候区とも言え、典型的な大陸東岸の亜熱帯気候であると言える。

 以上が熱帯雨林気候の特徴であるが一概に赤道に近い地域だけに位置しているだけではなく、亜熱帯の一部にも熱帯雨林気候は存在する。

 以上、熱帯雨林気候についてでした。

 

参照記事

シンガポールの雨温図

https://matome.naver.jp/odai/2141274938250202801/2141282911440828103

石垣島の雨温図

https://weather.time-j.net/Climate/Chart/ishigakijima