DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

全天で8番目に明るい恒星 プロキオン

 今回はプロキオンについて書いて行きたいと思う。

 目次

1. プロキオンとは

 プロキオンは冬の大三角形を構成する恒星の一つであり、地球からはシリウス, カノープス, リギル・ケンタウルス, アルクトゥルス, ベガ, カペラ, リゲルに次ぐ明るさであり(無論太陽は除く)、全天で8番目に明るい恒星である。そして、プロキオンの明るさは0.37等であり、地球から見た明るさは非常に明るいがこの理由は太陽系から非常に近距離にあるからである。太陽系からの距離は11.4光年と非常に近く、この距離は肉眼で観測が可能な恒星の中ではリギル・ケンタウルス, シリウス, エリダヌス座ε星に次ぐ近さであり、肉眼で観測が出来ないほど暗い恒星を合わせたとしても非常に近い。

 また、プロキオンから太陽を観測すると2.55等星として観測することが出来、この明るさは決して明るいものでは無いが暗いわけでもなく、仮にプロキオンから太陽を観測するとなると見つけることは難しくは無く、光が少ない所では余裕で観測することが可能となる。

 ここまではプロキオンは地球から近い恒星であることについて書いてきたがここからはプロキオンの明るさについて書いて行きたいと思う。

 プロキオンは地球から観測すると0.37等星として観測することが可能であり、地球からは11.4光年ほど離れているので絶対等級は2.65等となる。この明るさは太陽の7.43倍ほどであり、夜空で観測することが可能な恒星の大半が太陽の10倍以上の明るさを有する中でこの明るさは明らかに暗いほうである。実際に対して明るくない恒星であるアルタイルの絶対等級は2.22等でこの明るさでも太陽の10.7倍もの明るさを誇っており、シリウスに至っては太陽の23倍程度の明るさを有している。

 そのため、プロキオンの絶対等級は1等星以上の恒星の中ではリギル・ケンタウルスに次ぐ暗さであり、日本から観測できる恒星の中ではワースト1位である(リギル・ケンタウルスは日本から観測が出来ない)。

 更に2等星を入れたとしても2等星の中にはプロキオンはおろかアルタイルよりも暗い恒星は存在しないため(最も絶対等級が暗い2等星はデネボラの1.93等)、やはりプロキオンが最も暗い恒星であることには変わりはなく、プロキオンとほぼ同じ絶対等級であるヘルクレス座ζ星(2.81等, 35光年, 絶対等級2.66等)がプロキオンより僅差で暗いのでここでようやくプロキオンがワーストから脱出することとなる。

 このようにプロキオンは地球からの明るさが近いから明るいだけであり、実際の明るさはかなり暗く、太陽と極端に差があるわけでは無いが恒星の大半は太陽の数百から数千分の1程度の明るさしか有していないので全恒星から見ると上位2パーセント程度に入るぐらいの明るさである。

 ここまではプロキオンの明るさについて書いてきたがここからはプロキオンの物理的性質について書いて行きたいと思う。

2. プロキオンの性質

 プロキオンの絶対等級はそこまで強くは無く、肉眼で観測できる恒星の中では最も暗い部類に入るものの全恒星から見てみると非常に明るい部類に入る。そして、プロキオンは太陽よりも明るいということは太陽よりも直径や質量の面でも上回っている。直径は太陽の2.05倍程度(2,853,600 km)、質量は太陽の1.4倍程度であり、表面温度は6,500 Kぐらいである。

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プロキオンは質量こそ太陽の1.4倍しか無いがその割には直径が太陽の2倍以上もあり、更に質量から見てみると表面温度がかなり低く、太陽と大差がないほどである。この理由はプロキオンは主系列星ではあるものの主系列星の段階が終わりに近づいており、スペクトル型はF5Ⅳ-Ⅴ型である。これは太陽よりも若干表面温度が高く(スペクトル型はO, B, A, F, G, K, Mの7段階に分けられ、更に表面温度が高いほうから0~9の数字が振り分けられる。例えば太陽はG2型であり、プロキオンとはそこまで差があるわけでは無い)、Ⅳ-Ⅴ型とは主系列星と準巨星の間にある段階であり、1億年もしたら赤色巨星になると考えられている。プロキオンの現在の年齢は20億歳ぐらいであり、プロキオンの年齢からするとかなり高齢な恒星であるとも言える。

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現在のプロキオンと1億年後のプロキオン。背景が黒い理由はプロキオン(現在)の色が薄い上に小さいから見やすくするためであり、白い円は地球軌道である。

 そして、仮にプロキオンが赤色巨星と化した場合は現在の数十倍程度の明るさになると思われるので全天で最も明るい恒星になることは想像に難くなく、非常に明るい赤い恒星が観測されることになるがこのようになることはまずないとみられる。何故なら恒星は長い年月をかけて移動しており、1億年も経た後はプロキオンは数百数千光年も彼方に移動しており、観測することが不可能なほど離れてしまうからである。

 このようにプロキオンは主系列星ではあるがかなり高齢な天体であり、相対的な年齢はシリウスを普通に上回っているほどである。

 ここでシリウスと書いたがプロキオンはシリウスのすぐ近くで見ることが出来、実際にシリウスとは何かと比較されることが多い。

3. シリウスとの対比

 ここからはシリウスとの対比について書いて行きたいと思う。

 初めにプロキオンの意味から書いて行きたいと思うがプロキオン(Procyon)の意味は犬に先立つものを意味するギリシャ語Προκυων(Prokyon)に由来しており、ここで言う「犬」とはシリウスのことを指している。プロキオンはシリウスよりも先に地平線上に出現をするためにこのような名称で呼ばれるようになり、つまりシリウスにちなむ固有名である。

 そして、プロキオンはシリウスよりかは直径は大きいものの質量は70パーセント程度しかないので絶対等級もシリウスの3分の1程度とかなり暗く、実際にシリウスはプロキオンよりかは小さいもののプロキオンよりかは明るい恒星である。更に地球からの距離もシリウスのほうが近いので(プロキオン: 11.4光年, シリウス: 8.6光年)シリウスのほうがより明るく見えるのでどちらかというとプロキオンのほうがシリウスの後を追っている恒星のようにも見える。

 また、プロキオンはシリウスと同等に白色矮星の伴星を有しており、この点でもシリウスと似ているようにも見えるがこちらの白色矮星はシリウスの伴星よりも早い段階に恒星としての寿命を終えたのか表面温度がかなり下がりきっており、シリウスの伴星と比較すると表面温度が半分も無く、更に絶対等級もかなり暗い(白色矮星は恒星の残骸であるので余熱でしか輝くことが出来ず、そのため年を取ればとるほど暗くなっていく)。更に質量もシリウスの伴星と比較すると軽く、以上のことよりプロキオンの伴星は相当前の段階で恒星としての寿命を終えたのではないかと推測される。

 このようにシリウスとプロキオンには相違点があり、何かと対比されることが多いが実は物理的な距離も非常に近い。シリウスとプロキオンはわずか5.25光年程度しか離れておらず、そのためシリウスからプロキオンを観測するとマイナス1.32等星と非常に明るく見え、反対にプロキオンからシリウスを観測するとマイナス2.54等もの明るさで観測することが可能となる。

 以上のことより、シリウスとプロキオンは地球から見て近場にあるわけでもなく、実際の距離も非常に近く、更に白色矮星の伴星を有しているという点も共通しているのでこの点は興味深いとも言える。

 以上、プロキオンについてでした。