DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

北極と南極の生物の違い 実はホッキョクグマとペンギンは...

今回は北極と南極の生物について書いて行きたいと思う。

 

1. 極地の環境

初めに極地の環境について書いて行きたいと思う。

極地は地球の中で最も高緯度側に位置している場所であり、南北方向にそれぞれ2カ所ずつある。

そして、極地の周辺部は北極圏, 南極圏と呼ばれており、基本的には白夜と極夜が見られる緯度66.6度以上のことを指している。

※正確には太陽に大きさがあるので白夜と極夜の境界線は若干ずれ、白夜は緯度66.6度よりも若干低緯度側、そして極夜は緯度66.6度よりも若干高緯度側にずれている。

また、このように白夜と極夜が見られる理由は地球の地軸が傾いているからであり、「90-地軸の傾き」が白夜と極夜の境界線となっており、地軸の傾きは23.4度であるので境界線は66.6度となっている。

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地球の昼夜は太陽が当たっている面が昼, 当たらない面が夜となっており、春分, 秋分の日は太陽は赤道に対して直角に当たるが(北半球にとっての)夏至の日は太陽は北回帰線(北緯23.4度)で直角に南中し、冬至の日は南回帰線(南緯23.4度)で直角に北中する。

上図は北半球の夏至の日の太陽と地球の相対位置を表した図であり、太陽は北回帰線に対して南中している。

また、太陽が当たっている紫色の線より右側は太陽が当たっているので昼となっており、左側は当たっていないので夜となっている。

そして、赤い線は赤道の自転による位置を表したものとなっており、紫色の線で二等分されているので昼夜の長さは等しいが青色の線は緯度66.6度のものであり、北緯66.6度以上では最も太陽と遠い位置にあった時でも太陽の面が当たっているので一日中太陽が沈まない。

反対に南緯66.6度以下の地域では一日中太陽の当たらない極夜となるが北半球に取って冬至の日には反対に南半球が白夜, 北半球が極夜となる。

 

このように北極圏と南極圏には極夜と白夜があるが太陽の南中, または北中高度はどの季節でもかなり低く、北緯66.6度地点の南中高度は46.8度程度であり、これは札幌市の春分, 秋分の日の南中光度に等しい。

けれども、いくら南中高度が低くても太陽が一日中出ているので日照量の合計量は思った以上に多く、そのため北極圏の都市の中には夏場の気温がかなり高くなる所もあり、北極圏に近いレイキャビクは亜寒帯や寒帯ではなく温帯(Cfc)に属しているほどである。

 

このように北極圏は白夜があるので思った以上に夏場の気温は高くなるがこれは緯度があまり高くない地域に限る話であり、反対に冬場の気温は異常なまでに低くなる。

冬場になると太陽が一日中出ない極夜の状態が続き、緯度が高くなればなるほど極夜の時間も長くなり、北極点や南極圏ともなると半年近く極夜が続くことになる。

このような状態が続くと気温を上げる要因が無くなるので気温は太陽が再び出るまで下がり続け、北極圏や南極圏の冬場の気温は想像を絶するほどに寒くなる。

そのため、北極圏や南極圏でも高緯度側に行けば行くほど気温がより低温になり、夏場に白夜が続くようになっても冬場に下がった気温を取り戻すことが不十分となるので夏場の気温でさえ10℃を下回ることとなる。

このように最暖月の平均気温でさえ10℃を下回る気候のことを寒帯と呼び、最暖月の平均気温が0~10℃まではツンドラ気候(ET)、最暖月の平均気温でさえ0℃を下回る気候のことを氷雪気候(EF)と呼ぶ。

北極圏のほぼすべての領域や南極大陸の全ての地域はこのどちらかに属しており、緯度が高くなる、または内陸に行けば行くほど氷雪気候となっていき、ツンドラ気候は氷雪気候の周辺部にある。

実際に南極大陸の海岸部はツンドラ気候、少しでも内陸に行くと氷雪気候となっており、北極側でもシベリアやカナダの北部はツンドラ気候となっている。

また、島ではあるが世界で一番大きく、更に北極圏に位置しているので「北極大陸」と言っても過言ではないグリーンランドも海岸部はツンドラ気候、そして内陸部は氷雪気候となっている。

 

また、余談ではあるが極地に大気の循環より下降気流が生じやすくなっており、そのため意外にも降水量は砂漠並しかない。

大気の循環で下降気流、つまり高気圧が生じる地域は亜熱帯と極地であり、亜熱帯ではハドレー循環とフェレル循環により下降気流が生じるので砂漠となるが極地でも同じような現象が起こっており、極地では極循環により低緯度側から来た気流が下降気流を形成し、亜熱帯砂漠並に乾燥している。

しかし、乾燥帯を決める要因は水分の蒸発量であり、亜熱帯の場合は気温が高いので水分の蒸発が多く起こり、その上で雨が降らないので地表はからからに干からびるが極地の場合は気温が極端に低いため水分の蒸発はほとんど起こらない。

そして、定義上は年平均気温がマイナス14℃を下回ると降水量がゼロでも乾燥帯にはならず、そもそも寒帯には降水量については特に定義されていないので寒帯が砂漠気候になることは決して無いが降水量が極端に少ないのでその点では砂漠とも言える。

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このように同じ乾燥地域でも亜熱帯は気温が高いので多くの水が蒸発するのに対し極地では気温が非常に低いので水分の蒸発は起こらない。

 

以上のことより、北極圏や南極大陸の気温は極端に低く、更に乾燥もしているので生物が住むには明らかに不向きとなっているがこの過酷な環境にもかかわらず生息している生物もいる。

そして、ここからは極地に生息している生物について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. 極地の生物

極地の平均気温は最暖月でさえ10℃を下回ることも多く、そのため亜寒帯のような植生も見られない。

シベリアやカナダの冬場の気温は低く、マイナス20℃を軽々と下回る地域も数多くあるので寒帯のようにも思えるが寒帯とは違い夏場の気温は比較的上がるので大森林があるほどである。

そのため、シベリアやカナダは寒帯ではなく植生のある亜寒帯であり、亜寒帯と寒帯の一番の違いは森林地帯があるか無いかである。

実際に南極大陸には森林はおろか木が一本も生えておらず、そのため寒帯では草食動物が暮らしていくことはできない。

更に南極や北極の気温は夏場でも低い上に冬場ともなると更に低くなり、南極点ではマイナス90℃に達したことさえもある。

なので南極や北極では変温動物が暮らしていくことはまず不可能であり、実際に南極海や北極海でワニが泳いでいたり蛇が南極大陸に生息しているようなことは無く、これらの動物は寒帯はおろか温帯の冬でさえ乗り切ることはできない(昆虫類は夏場であると亜寒帯でも生息できるが気温が下がる冬場になると冬眠するかそのまま死に絶えるしかない、なので昆虫は熱帯か亜熱帯でない限り冬に活動が出来ない)。

つまり、南極や北極で暮らしていくには以下のような動物はまず不可能である。

  • 変温動物
  • 草食動物

このことより南極大陸や北極大陸で暮らしていくには肉食性の恒温動物に限り、ここでは陸生の動物のみ取り上げていきたいと思う(南極海や北極海には変温動物である魚類も生息しているが水中内であるので陸地のように極端に気温の下がることは無い)。

一応ツンドラ気候では樹木は無いが草が氷の中にあるので草食動物も暮らすことはできるが極地ともなると間違いなく氷雪気候であるので草食動物は暮らしていくことは不可能である。

 

ここで、南極と北極で生息している動物について例を挙げていきたいと思うが代表的な動物は以下のような動物である。

  • ホッキョクグマ
  • セイウチ
  • ペンギン
  • ヒョウアザラシ

これらの動物は全て肉食性の動物であり、更に恒温動物でもある。

そして、これらの動物はネコ目の動物(ホッキョクグマ, セイウチ, ヒョウアザラシ)か鳥類(ペンギン)である。

 

ここからはこれらの動物について書いて行きたいと思う。

ペンギンは南極大陸に生息しており、主に魚食性の動物であるが逆に捕食されることもある。

では、何に捕食されるかというとホッキョクグマ...

には実は捕食されることは無く、その理由はホッキョクグマはペンギンが嫌い...

ではなく単純に生息域が違うだけであり、ホッキョクグマはその名の通り南極には生息しておらず、反対にペンギンは北極には生息していない。

そのため、ホッキョクグマとペンギンの生息域は一万キロ以上も離れているのでお互い合うことも無く、ホッキョクグマはセイウチを捕食することがあり、ペンギンはヒョウアザラシに捕食されることがある。

セイウチはホッキョクグマと同じネコ目の動物であり、ヒョウアザラシと同じように鰭脚類(ききゃくるい, アザラシやアシカのような海に生息している足が鰭状となっているネコ目の動物のこと)に分類されている。

セイウチ自身もネコ目に属しているので肉食動物であり、主に魚類などを捕食しているが他の鰭脚類を捕食することがある。

そして、セイウチは先ほどホッキョクグマに捕食されると書いたが実はセイウチは戦闘能力が高く、ホッキョクグマよりも強いのでホッキョクグマがセイウチを捕食することはそこまで多くない。

また、他にもシャチに捕食されることもあり、更に言うとホッキョクグマもシャチに捕食されることも多い。

シャチは獰猛な肉食獣のイメージがあるが実はウシやシカと同じ(鯨)偶蹄目に属している動物であり、極論を言うと牛やシカのような草食獣の仲間がライオンや狼のような肉食獣の仲間(食肉目, ネコ目)を捕食しているという何とも怪奇的な現象が起きているとも言える。

まあ、シャチのようなクジラ類は偶蹄目の中でも極めて特異な動物であると言えるが...

 

このように北極圏にはホッキョクグマやセイウチなどが生息しているが南極圏ではヒョウアザラシやペンギンが生息しており、これらの動物は北極圏には生息していない。

ペンギンは主に魚食性の動物であるので大型の動物を捕食することは無いがヒョウアザラシは体格を見るとライオンやトラと同等かそれ以上であるので海に生息しているライオンやトラと言っても過言ではない動物である。

そのためヒョウアザラシはペンギンを捕食することも多く、更に多くの種の鰭脚類をも捕食することもある。

また、ここにもシャチは生息しており、ペンギンや極まれにヒョウアザラシも捕食することがあり、シャチの生息範囲の広さが伺える。

 

以上のことをまとめると北極圏と南極圏にはネコ目である鰭脚類, ホッキョクグマが生息しているがセイウチやホッキョクグマは北極限定、ヒョウアザラシは南極圏限定の動物であり、ペンギンは南極にしか生息していない。

また、陸地では無いが(北極海は凍結しているのでここでは便宜上陸地としておく)海にはシャチが南極, 北極の両極に生息しており、その行動範囲が伺える。

勿論、ここで書いた生物以外にも極地には生息しているが間違いなく陸生の変温動物である昆虫類, 爬虫類, 両生類は生息しておらず、この理由は単純に年がら年中気温が低く、活動する時間が全くないからである。

 

 

 

以上、南極圏の動物についてでした。