DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

世界一深く、そして極端に寒い湖 バイカル湖

今回はバイカル湖について書いて行きたいと思う。

 

1. バイカル湖とは

バイカル湖(Lake Baikal)はシベリアに位置している三日月状の湖であり、面積は世界で7番目に大きいほどである。

そして、バイカル湖は塩水ではなく淡水の湖であり、バイカル湖よりも広い塩湖は世界で最も広いことで有名なカスピ海しか存在しないので淡水湖の中では世界第六位の面積を誇っている。

※かつてはアラル海がカスピ海に次ぐ世界第二位の面積を誇る塩湖であり、バイカル湖よりも面積が広かったものの自然破壊の影響で湖の面積が急速に小さくなり、現在ではバイカル湖よりも面積がかなり小さくなっている。このことは人類史最悪の環境破壊ともいわれており、原因は流入河川のせき止めによるものであると考えられている。

 

ここまで書くとバイカル湖は非常に広い湖で実際に面積は岩手県の2倍以上の31,722 ㎢もあり、この広さは琵琶湖の面積である669.26 ㎢の47.4倍にも及ぶ。

けれどもバイカル湖の面積は確かに非常に広いもののバイカル湖の最大の特徴は深さであり、最も深い場所では深さが1,642 mもあり、更に平均水深も750 mほどもある。

そのためバイカル湖の貯水量はカスピ海に次ぐ23,615 ㎦もあり、この量はスペリオル湖の量をも凌ぎ、淡水湖の中では最大であるとともに氷河を除く淡水の中でバイカル湖の占める割合は5分の1から6分の1ほどと言われている。

 

また、ここからは少し話がずれるがアフリカにはバイカル湖に似た非常に深い湖があり、その湖の名称はタンガニーカ湖である。

タンガニーカ湖はバイカル湖と同じように非常に細長い淡水湖であり、こちらも最大水深が1,470 mとバイカル湖には及ばないものの非常に深く、また平均水深も570 mとやはりバイカル湖には及ばないものの非常に深い。

そして、平均水深や最大水深はバイカル湖には及ばないものの面積はバイカル湖よりも若干広い32,900 ㎢あり、この面積は世界第六位である。

けれども面積はバイカル湖よりも若干広いものの深さがバイカル湖と比較したら浅いため(それでも非常に深い湖だが)貯水量はバイカル湖よりも若干小さい小さい18,900 ㎦ほどであるがあくまで「バイカル湖」と比較してなので貯水量は湖の中ではカスピ海, バイカル湖に次ぐ世界第三位である。

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琵琶湖, タンガニーカ湖, バイカル湖の貯水量の比較。

上図はそれぞれの湖の貯水を立方体として表した図であり、琵琶湖の貯水量は一辺が3 kmほどしか無いがタンガニーカ湖は一辺が26.6 kmほど、バイカル湖は28.7 kmほどもあり、貯水量はそれぞれ琵琶湖の687倍, 859倍もある。

ここまではタンガニーカ湖とバイカル湖の共通点について書いてきたがこの2つの湖には大きな違いがある。

それは緯度の違いであり、タンガニーカ湖は南緯6.5度程度と赤道に非常に近いがバイカル湖は北緯53.5度とかなり高緯度側に位置しており、そのためバイカル湖の周辺部は亜寒帯に分類されている。

そして、次章ではバイカル湖の気候について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. バイカル湖の気候

バイカル湖の緯度は53.5度とかなり高く、モンゴルのウランバートルとはかなり近く、大体ほぼ真北に位置している。

そのためバイカル湖は非常に寒い気候であり、実際に冬場になると湖が凍結するほどであるが実はバイカル湖はシベリアの中では緯度は非常に低く、ロンドンと大差がないほどである。

ロンドンの緯度は北緯51.5度ほどであるのでバイカル湖とはわずか2度程度しか違わず、この違いは南北方向でわずか222.7 km程度しか変わらない。

更にネッシーで有名なネス湖の緯度は北緯57.3度とバイカル湖よりも高緯度側に位置しており、ネス湖の周辺部が非常に寒冷な地であるかというとそうでは無く、実際にネス湖が凍結するなどと言った話は聞いたことが無い。

仮にネス湖が凍結すると爬虫類と推測されているネッシーが生息することは確実に不可能となるのでネス湖にネッシーがいるという話は無くなると思われるが...

つまり、このことを踏まえるとネス湖の気温はそこまで高くは無いことは明白であり、この理由はイギリスの周囲の環境に依存している。

イギリスは周囲を海に囲まれており、更に西岸には暖流が流れているので冬場になっても暖流に暖められた空気がイギリスに吹き込んでくるので高緯度側に位置している割にはイギリスの冬場の気温は低くはならず、東京の冬場の気温と同等程度である。

けれども夏場の気温は高緯度側に位置しているので太陽の南中高度はそこまで高くはならないので気温もそこまでは上がらず、最暖月の平均気温でも22℃を下回るほどである。

この気候のことを西岸海洋性気候と言い、この気候は涼しい夏と比較的気温の高い冬を有し、ヨーロッパのような暖流の影響を受ける高緯度側にこの気候は位置している。

 

ここまではイギリスの気候について書いてきたがここからは本題であるバイカル湖の気候について書いて行きたいと思う。

バイカル湖の緯度は高いことには高いもののイギリスの緯度と大差は無く、更にネス湖よりも低い程度であるが気候はネス湖とは比較にならないほど過酷な気候となっている。

どれほど過酷かというと先ほども書いたように湖が凍結するほどであり、1月から5月にかけての半年近くの間凍結するほどである。

更に気温も非常に低く、冬場になるとマイナス10℃を下回ることは普通にある。

では、バイカル湖はイギリスと同等の緯度であるのにもかかわらずここまで寒くなるかというとバイカル湖が非常に内陸部にあるからであり、最も近い海からでさえ1,000 ㎞以上も離れている。

内陸部は海岸部と比較すると気温が下がりやすい傾向があり、更にバイカル湖は暖流の影響も全くないので冬場の気温は下がる一方となる。

そのためバイカル湖は亜寒帯気候に属しており、更に冬場の降水量は非常に少ないので亜寒帯冬季少雨気候(Dw)に属している。

亜寒帯冬季州気候とは冬場の最小降水月が夏場の最大降水月の10分の1を下回る気候であり、更に亜寒帯であるので最暖月の平均気温が10℃以上であるかつ最寒月の平均気温がマイナス3℃を下回ることが条件である。

この中で重要なことは「最寒月の平均気温がマイナス3℃を下回ること」であり、最暖月の平均気温が10℃を上回れば最寒月の平均気温がどれほど低くても亜寒帯に分類され、更に亜寒帯では水の蒸発量が非常に少ないので乾燥帯に分類されることは非常にまれである。

そのためバイカル湖の最寒月の平均気温は極端に低くなる場合が多く、バイカル湖の周辺都市であるセヴェロバイカリスク(Severobaykalsk)の最暖月の平均気温は10℃を超えるが最寒月の平均気温はマイナス20℃を下回るほどである。

ちなみにセヴェロバイカリスクの緯度はバイカル湖の平均よりも若干高い北緯55度ほどであるがこれでもネス湖よりかは低い。

まあ、シベリアの中にはさらに過酷なオイミャコン村があり、最寒月の平均気温がマイナス50℃程になるのでオイミャコンと比較するとまだましなほうであるが...

 

このようにバイカル湖は緯度が極端に高いところに位置していないのにもかかわらず気温が極端に低くなり、この理由は海から距離が非常に離れている内陸性気候だからである。

また、亜寒帯冬季少雨気候は亜寒帯の中でもシベリア東部限定の気候と言っても過言ではなく、同じ亜寒帯でも亜寒帯湿潤気候と比較すると冬場の気温が極端に下がることが特徴である(オイミャコンもこの気候であると考えられているが統計によっては亜寒帯湿潤気候となっていることもある)。

 

 

 

以上、バイカル湖についてでした。