DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

地球破壊爆弾は実現できるのか? 

今回はドラえもんに登場する地球破壊爆弾について書いて行きたいと思う。

目次

1. 地球破壊爆弾とは

 地球破壊爆弾はドラえもんの道具の中でも比較的有名な道具で初登場した話は「ネズミとばくだん」という話であり、この話ではドラえもんがネズミに対する恐怖のあまり、地球ごとネズミを抹殺しようとした何とも物騒な回である。

 結局のび太とママの嘘で何とか地球の危機は無事免れたがのび太やママ、その他大勢の生物に取っては大変迷惑な話であり、未来から来たわけの分からないロボットのおかげで地球が崩壊したらたまったものではない。

 そして、実はドラえもんはこれ以外にも地球破壊爆弾を取り出したこともあり、その時の理由は好きな猫に対してライバルが出たという何とも小さいことであり、この時も結局はライバルと和解する形となり地球の危機は免れたが一刻も早くこの迷惑なロボットから地球破壊爆弾、およびそれ以外の危険兵器を没収したほうが良い。

 ここまではドラえもんの地球破壊爆弾とドラえもんの危険性について書いてきたがここからは地球破壊爆弾の威力について書いて行きたいと思う。

 地球破壊爆弾ということは当然地球を破壊できるほどの威力があると思われがちであるが地球破壊爆弾の大きさは思った以上に小さく、ドラえもんの大きさよりも小さい。そして、地球破壊爆弾の形状はカプセルの上下に支えの様なものが付いた形状であり(表現が下手ですみません)、おそらく中心のカプセルが爆弾の本体であると考えられる。

 つまり、爆弾は中心部のカプセルのみとなるが実はこのカプセルには原子軌道のようなものが書かれており、あまり良いことでは無いが実は地球破壊爆弾はもともとそのような名称ではなく、初めてこの話が世に出回った時は「原子爆弾」という物騒かつ不謹慎な名称であったという事実がある。

 勿論、この名称のままでは明らかに問題があるのでより抽象的な地球破壊爆弾に改名され、事無き?を得たがこのことより地球破壊爆弾のエネルギー源は核分裂では無いかと考えられる。核分裂はウランのように質量数の非常に大きい原子核が分裂する際に極めて大きなエネルギーを出し、この時のエネルギー発生量は化学反応とは比にならないほど大きい。

 では、何故エネルギー量が化学反応に比べて非常に大きいかというとエネルギーと質量には以下のような式が成り立っているからであり、この式はアインシュタインの式と呼ばれている。

E = mc^2

 この式のEはエネルギー(J)であり、mは質量(kg)、そしてcは光速(299,792,458 m/s)を示しており、このことより質量とエネルギーは変換することが出来る。

 ここまで書くと化学反応と核分裂のエネルギー量の違いが良く分からないが実は化学反応前と化学反応後では質量がほんのわずかだけ異なっており、例えばメタンを酸素と反応させると反応後には二酸化炭素と水が生成するが質量はメタンと酸素の質量合計のほうがほんのわずかだけ大きい。

 つまり、反応によって質量が失われたこととなるがこの失われた質量はどこに行ったのだろうか?

 それは化学反応を起こしている時に熱となり、実際に燃焼時にはエネルギーが放出されている。このエネルギーこそが失われた質量に相当し、質量は確かにエネルギーとなるがどれほどの質量がエネルギーとなっているのだろうか?

 メタンが分子が1 mol(6.02×10^23個)燃焼するするときに酸素はメタン1分子に対して2分子反応し、反応時には888 kJものエネルギーが発生する。つまり、この888 kJこそが質量から返還されたエネルギーということになるが888 kJどれほどの質量に相当するのだろうか?

 答えはわずか0.00000000988(9.88×10^-9) gであり、この質量はメタン1 molと酸素2 molの合計質量である80.042 gの81億分の1にしかすぎない。

 このことより化学反応では質量はほとんど消費されておらず、元の質量から見るとほぼエネルギーが発生していないことになるが核分裂の場合はこれとは比較にならないほどの質量欠損が生じ、核融合反応ともなると更に大きな質量欠損が生じることとなる。

 そのため、核融合反応の単位質量あたりのエネルギー量は化学反応の数百万倍以上とも言われており、実際に1 kgはあると9 gは質量が失われていると考えられている(化学反応と言っても様々なものがあるので一概に一括りにはできないが)。

 また、核分裂の場合はこれよりかは劣るもののやはり化学反応とは比にならないほどのエネルギーが発生する。

 では、この核反応を軸に地球破壊爆弾のエネルギー量を考察していきたいと思う。

2. 核反応における地球破壊爆弾の威力

 地球破壊爆弾のエネルギー量を考える上で必要となることは2つあり、その一つは地球破壊爆弾の体積、そしてもう一つは地球破壊爆弾の密度である。

 地球破壊爆弾の大きさはドラえもんが持てるほどの大きさであるのでそこまで大きくは無く、見る限りでは高さが80 cm、幅が60 cmの円柱に近い形状をしており、このまま計算すると0.2262 ㎥程度と考えられるがこれよりも体積は小さそうな形状をしているので0.2 ㎥と仮定しておく(計算がいい加減ですみません)。

 そして、燃料は不明ではあるが全てウランであると仮定すると密度が19.1 g/㎤であるので質量は3.82tと推測できる(これだとドラえもんが持っているのでおかしいように見えるがここではドラえもんが異常に怪力であるので持つことが出来ると考えておく)。

 また、広島型下遠視爆弾には65 kgのウランが搭載され、876.3 gが核分裂を引き起こしたと言われている。そして、広島型原子爆弾のエネルギー量は55兆ジュールであり、ここから計算すると質量欠損量はわずか0.612 gと計算されるので核分裂したウランに対して1,432分の1しか質量が失われていない計算となる。

 この結果を地球破壊爆弾に当てはめると3,820 kgの内、51.5 kgのウランが核分裂を起こし、35.96 gの質量が失われた結果となるので発生するエネルギー量は3,232兆ジュールとなり、このエネルギー量は阪神淡路大震災の58%ほどである。

 確かにこれほどのエネルギーが使われると野比家はおろか周辺は一瞬で蒸発し、数十キロ範囲の被害は免れないが地球を破壊するには全くエネルギーは足りず、せいぜい関東地方を壊滅させるほどのエネルギーしかない。そして、ここで核分裂ではなく核融合を使用したとしてもやはり地球を破壊するには至らない。

 当然これでは地球破壊など不可能となるがとある方法を用いれば更にすさまじいエネルギーを引き出すことが出来る。

3. 反物質

 反物質とは負電荷を帯びた陽子や正電荷を帯びた電子のように電荷が正反対になっている物質のことであり、この反物質と正物質が衝突すると全てエネルギーになる。つまり、0.5 gの正物質と0.5 gの反物質をぶつけると1 gまるまるエネルギーに変換されることとなり、この時エネルギーは光速の2乗分、つまり90兆ジュール近くも発生する。

 そして、地球破壊爆弾の中身がある方法で正物質と反物質が半々同士に分けられていると仮定し、更に反物質は陽子と電子さえ含んでいればなんでも良い。

 また、密度に関しても未来の技術を応用して非常に高められていると仮定し、ここでは100 g/㎤と置く。

 では、ここまでの仮定を考え、カプセルの体積が0.2 ㎥であることを踏まえるとカプセル内の質量は20 tにも及び、これが全てエネルギーに変換されると1.7975×10^21 Jにも及び、このエネルギーは世界で消費されるエネルギーの4.2年分に相当し、チリ地震の160.5倍にも及ぶ。

 当然このエネルギーが野比家で発生すると日本が崩壊するほどのエネルギーが発生するがこれでも地球が粉砕するほどのエネルギーには余裕で達することは無く、理論上地球を破壊できる地球の重力結合エネルギー(1.87×10^32 J)の60.5兆分の1程度しかない。

 以上のことより地球破壊爆弾を用いても地球を破壊することは不可能であり、そのためには密度を異常に高くする必要があるがドラえもんが普通に持っている描写を見るとその可能性は極めて低い。つまり、地球破壊爆弾を起爆させたとしても関東平野(悪く行ったら日本全体)が崩壊する程度であり地球は壊れることは無いが絶対に起爆をさせてはならない状態になることは間違いない。

※先ほどは20tと書いたがドラえもんが普通に持ち上げられる点を考えるとせいぜい100 kgほどしか無いと考えられ、これだとチリ地震の威力を若干下回るほどのエネルギー量となるがこれでもとてつもないエネルギーが発生するので発動を食い止めて本当に助かったと思う。

 以上、地球破壊爆弾についてでした。