DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

日本の気候の分類 実は湿潤気候は全て存在する

 今回は日本の気候について書いて行きたいと思う。

目次

1. 日本の亜寒帯

 日本の大半の部分はケッペンの気候区で分類すると温暖湿潤気候(Cfa)に属しており、この気候は温帯の中でも比較的低緯度の部分に位置している。そして、夏場の気温は太陽の角度が高く、更に昼間の時間も長いので熱帯と同等かそれ以上の気温になる一方で冬場になると太陽の角度がやや低くなり、更に昼間の時間も短くなるのでそこそこ気温が低い状態となる。

 しかし、日本の気候の全てが温暖湿潤気候かというとそうでは無く、中には亜寒帯や熱帯も存在しており、降水量に偏りのある場所も稀に存在している。亜寒帯は温帯と比較すると冬場の気温が非常に低い気候で最暖月の平均気温が10℃以上、最寒月の平均気温がマイナス3℃を下回り、更に降水量が乾燥限界を上回っている気候 (乾燥限界は平均気温が高いほど大きくなるので気温が低い亜寒帯では降水量がかなり少ないこともある)であり、世界的に見るとシベリアやカナダの大半部がこの気候に属している。

 そして、シベリアやカナダ以外にはあまり見られない気候であり、他には朝鮮半島の北部や北海道が属しているぐらいである。北海道や朝鮮半島は亜寒帯の中では緯度は非常に低く、場所によっては夏場になると気温が熱帯近くに上昇することとなるので季節による気温差が激しく、夏場は暑く冬場は寒い気候となる。

 この中でも降水量のバランスの良い気候Dfaと呼ばれており、この気候は亜寒帯の中では最も気温が高い部類に入り、札幌, シカゴ, デトロイトなどの都市が属している。この気候の条件は最暖月の平均気温は22℃を超え、最寒月の平均気温も亜寒帯の中では高いほうで極端な内陸でもない限りそこまで冷えない。

 そして、最暖月の平均気温が22℃を超えず、最寒月の平均気温がマイナス3~38℃に入る気候は暑い月が多い場合はDfb, 少ない場合はDfcと呼ばれ、日本では旭川や小樽などがDfbに属しており、Dfcは日本には見られない。

 また、日本の全ての地域の降水量のバランスが良いとは限らず、一部冬場に降水の少ないw気候も見られ、釧路町(釧路市の東に位置している町)では冬場の降水量が少なく、更にDbタイプの亜寒帯であるので気候は日本では非常に珍しいDwbとなっている。

 このことより日本で最も気温が低い気候はDfbとDwbとなり、これ以上気温が低いDfc, Dfd, Dwc, Dwd気候は更に高緯度のシベリアやカナダに行かないと見られない。

 ここまでは亜寒帯について書いてきたが今度は熱帯について書いて行きたいと思う。

2. 日本の熱帯

 北海道は緯度が日本の中では高いほうであり、更にヨーロッパのように暖流が流れているわけでは無いので亜寒帯に属するが反対に熱帯に属する地域もある。

 熱帯とは年がら年中気温が下がらない地域であり、最寒月の平均気温が18℃を上回り、更に降水量が乾燥限界を上回っている気候である (こちらは乾燥限界の数値が大きいので多雨である傾向にある)。

 そして、日本には一見熱帯は無さそうに見え、実際に沖縄本島の那覇でも最寒月の平均気温は17℃程であり、18℃を下回っている。では、日本に熱帯が無いかというとそうでは無く、那覇市よりも更に南の石垣島では最寒月の平均気温が18.6℃であるので熱帯に属している。

 そして、石垣島の年降水量は2,107 ㎜もあり、この降水量は乾燥限界である626 ㎜を余裕で上回っているので熱帯雨林気候(Af)に分類される。

 また、石垣島の緯度は北緯24度と北回帰線のすぐ上にあるので夏至の日には太陽が直角近くで南中し、そのため石垣島の平均気温は高く、実際に熱帯と温帯の境目は回帰線付近であると言われている(日本近隣では北緯25度ぐらい)。

 勿論、石垣島は他の熱帯雨林気候と比較すると緯度が相当高いので最暖月と最寒月の平均気温は10℃以上も違い、四季は見られ、平均気温もシンガポールなどと比較すると低い。このように石垣島は気温も高く、降水量も多いので熱帯雨林気候に分類されるがシンガポールのような熱帯雨林気候と同じかというと異なる点も多く、「冬場になると気温が下がる」と言う違いがあり、どちらかというと亜熱帯に近い気候である。

 そして、石垣島の緯度は24度と熱帯の中では比較的高く、本来ならば乾燥帯やサバナ気候(Aw)になるような緯度であるがこれはモンスーンの影響で降水が多くなっているからである。つまり、石垣島は赤道付近に見られる熱帯雨林気候ではなく、乾燥帯やサバナ気候に降水が加わった気候と言ったほうが正しく、実際に石垣島と同緯度にあるアラビア半島やサハラ砂漠では降水がほとんど無い。

 そのため、沖縄県は湿潤な気候にも関わらず亜熱帯高圧帯による砂漠のような干ばつに見舞われることもあり、これは亜熱帯地方ではよくみられる現象である。

 他には小笠原諸島や石垣島周辺の島でも亜熱帯性の熱帯雨林気候となっており、日本で最も東にある南鳥島(南端は沖ノ鳥島)では冬場に降水の少ないサバナ気候(Aw)となっている。

 ちなみに日本には乾燥帯は存在しない。

3. 日本の温帯

 最後に温帯について書いて行きたいと思う。温帯は日本で最も多くの割合を占める気候であり、南は那覇から北は函館までがこの気候である。

 そして、日本の温帯の大半は温暖湿潤気候(Cfa)となっており、実を言うと那覇も函館も最寒月の平均気温がマイナス3~18℃であるかつ最暖月の平均気温が22℃以上、更に降水が十分にあり、季節による偏りはない。

f:id:DS930810:20180321173144j:plain

 このように那覇と函館の最寒月の平均気温は大きく異なるが両者ともに温帯の領域に入っており、更に最暖月の平均気温も22℃以上となっているので共に温暖湿潤気候に属していることとなる(函館市は最暖月も最寒月も非常にきわどい位置にあり、最寒月の平均気温が0.4℃下回ると亜寒帯となり、最暖月の平均気温がほんのわずかでも下回ると西岸海洋性気候となり、両者ともに下回った場合はDfb気候となる)。

 以上のことより函館市と那覇市は同じ気候となるわけだがこれではさすがにおかしいと思う。そもそも温帯の最寒月の平均気温は下がマイナス3 ℃、上が18 ℃と21℃の範囲にわたっているため、上限と下限では全く異なる気候となる。

 温帯は非公式であるが大きく分けると3つに分けられ、亜熱帯, 暖温帯, 冷温帯に分類されることもあり、このなかでは冷温帯が最も気温が低い。

 そして、暖温帯とは亜熱帯よりかは気温が低いものの冷温帯よりかは気温が高い地域のことであり、温暖湿潤気候の冬の冷え込みがそこそこの所はここに属しており、緯度の高い温暖湿潤気候や西岸海洋性気候が冷温帯になっていると考えても良い。

 また、暖温帯には明確な定義はないものの年平均気温が13~21℃の地域のことを指すことが多く、東京(15.8℃), 千葉(15.7℃), 埼玉(14.8℃), 大阪(16.9℃)など日本の関東以南の都市は暖帯に属している。

 そして、那覇市の場合は年平均気温が23.1℃もあるので暖温帯ではなく亜熱帯に属しており、亜熱帯は最寒月平均気温が18℃未満であるかつ年平均気温が21℃以上ある地域であると考えられる(ここでは湿潤な亜熱帯のことを指しており、乾燥帯は除く)。

 また、冷温帯は暖温帯よりも気温が低く、年平均気温が13℃未満であるかつ最寒月の平均気温がマイナス3℃以上の地域を指し、東北地方の大半の都市(仙台, 12.4℃)や函館市がここに属している。

 そして、ここまでは温暖湿潤気候について書いてきたが日本の温帯の中には夏場の気温が低めの西岸海洋性気候(Cfb)も室蘭市などで見られ、更に温暖冬季少雨気候(Cwa)も高崎市の一部などで見られる。

 以上のことをまとめると日本の気候の大半は温暖湿潤気候であるが亜寒帯や熱帯もわずかに見られ、冬季少雨気候もわずかに見られる。

 また、熱帯, 温帯, 亜寒帯は乾燥限界を上回っているので湿潤気候と呼ばれ、日本にはこの全てが含まれているが降水量が乾燥限界を下回っている乾燥帯は含まれておらず、寒帯は富士山頂や大雪山等の高山にしか無く、平地には無い。

 ちなみに熱帯, 温帯, 亜寒帯の全てが含まれている国家は日本とアメリカ合衆国と中国しかない

 以上、日本の気候についてでした。