DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

かつて存在した巨大星座アルゴ とも座編

 今日はとも座について書いて行きたいと思う。

 

4. あまり明るくないとも座

とも座は旧アルゴ座の一つであり、旧アルゴ座のなかでは最も面積の広いものの明るい恒星はそこまで含まれておらず、2等星も1つしかない。

そして、ギリシャ文字を有する恒星は7つあり、ギリシャ文字はζ, ν, ξ, π, ρ, σ, τである。

 

3.1 ギリシャ文字を有する恒星

ギリシャ文字を有する恒星は先ほども書いたように7つあり、下図のようになっている。

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縦に表示すると星座の全図が写らないので横倒しに書いたが白丸の恒星がとも座の恒星である。

そして、この中で最も明るい恒星はζ星のナオス(Naos)であり、この恒星は表面温度が極めて高い恒星で、ウォルフ・ライエ星のような特殊な恒星を除くと最も表面温度が高く、42,000 Kと尋常ではないほど高い。

この表面温度は当然2等星の中では最も高く(γ星の伴星はもっと高いが主星は35,000 Kと若干低い)、言うまでも無く非常に青色光が強い恒星である。

また、この恒星は地球から見た明るさが2.25等であり、この明るさはとも座の中では最も明るいがアルゴ座全体で見ると7番目とそこまで明るくは無く、とも座には2等星は個の恒星しかない。

そして、この恒星は地球からは1,084光年とかなり遠くの位置にあるので絶対等級はマイナス5.39等と非常に明るく、更にこの明るさは可視光だけの明るさであるので総エネルギー量ともなると太陽の数十万倍はあると推測されている(表面温度が40,000 Kを超えているため可視光の割合は相当小さく、ほとんどが紫外線であるため)。

そのため、可視光だけではカノープスを下回っているものの総合的なエネルギー量だとリゲルをも上回っており、やはりナオスも銀河系屈指の明るさを誇る恒星だと言える。

 

次にナオスの次に明るい恒星について書いて行きたいと思う。

ナオスの次に明るい恒星はπ星のアハディ(Ahadi)であり、この恒星は2.71等と比較的明るい恒星であるが2等星ではなく3等星である。

そして、この恒星はナオスとは裏腹に表面温度の低い恒星であり、表面温度は4,000 K程度、スペクトル型がK3Ⅰbタイプの赤色超巨星である。

赤色超巨星ということは当然絶対等級も強く、ほ座の記事で書いたアル・スハイル・アル・ワズン(λ星)よりも明るいマイナス4.26等にも及ぶ。

この明るさはぺガスス座のエニフとほぼ同等であり、エニフも似たような表面温度の赤色超巨星であるので外見だけならほぼ同じように見えるが実は若干両恒星間には違いがある。

その違いとは変光型であり、エニフの場合はスハイルと同じ不規則変光星であるがアハディは半規則変光星であり、このタイプにはベテルギウスなどが属している。

そして、アハディはアンタレスやベテルギウスと比較するとまだ若く、小規模ではあるが超新星爆発の時期は迫っており、遠くない将来に起こすと考えられているが地球からは807光年も離れているので影響はほぼないとみられている。

ちなみにアハディはCr135と呼ばれる星団に属しており、この星団の恒星はアハディとは異なり表面温度は比較的高いので橙色の明るい恒星の周りに青色の暗い恒星が散らばっているように見える。

 

アハディの次に明るい恒星はρ星のトゥレイス(Tureis)であり、地球からは2.78等星として観測できる。

そして、この恒星はアルタイルやベガと同じようにたて座デルタ型の変光星を示しており、絶対等級的にはシリウスと同じぐらいの1.38等程度とアルゴ座の恒星の中ではψ星についで弱い恒星である。

絶対等級がシリウス程度ということは地球からはそこまで離れていないことを意味しており、距離は63.5光年と比較的近距離にある。

また、この恒星は40万年ほど前は地球から11.6光年(プロキオン程度の距離)の距離にまで近づき、その時の明るさはマイナス0.88等と非常に明るかったがシリウスや未来のベガのように全天で最も明るい恒星にまでは至らなかった。

 

そして、その次に明るい恒星はτ星であり、この恒星は2.94等と明るくカノープスのすぐ近くに輝いているので頻繁にカノープスと間違えられることが多い。

一見カノープスはマイナス0.72等で見間違えるようなことなど無いように見えるがカノープスは東京からだと非常に観測しずらい恒星であり、実際の明るさよりかは大きく暗く見える。

そのため、そこまで明るくないτ星とカノープスを見間違えることが必然的に多くなり、本当のカノープスはτ星よりも更に南にある恒星である。

ちなみに地球からは182光年離れており、絶対等級はマイナス0.80等とそこまで明るくない黄色の恒星である。

 

ここまでの恒星は3.0等よりも明るい恒星であったがここからは3.0~3.5等の暗い3等星について書いて行きたいと思う。

τ星の次に明るい恒星はν星カイマナ(Kaimana)であり、この恒星は地球からの距離が371光年の3.17等星であるので絶対等級はマイナス2.11等と比較的明るい。

更にこの恒星はカノープスとは物理的に非常に近い位置にあり、わずか85光年しか離れていない。

85光年は太陽基準に考えるとかなり遠く、実際に太陽に光は85光年も届くことは無いが太陽の15,000倍も明るいカノープスを基準にしているので当然この距離は極めて近く、カノープスがマイナス3.52等にも見えるほどである。

また、この恒星はトゥレイスと同じように地球に大接近をしたこともあり、その時の距離は26光年とトゥレイスと比較すると遠いが絶対等級が強いため地球からはマイナス2.60等星として観測された。

しかし、同時期にアダーラやミルザムといった絶対等級が強大な恒星も接近していたのでこの恒星が最輝星となることは無かった。

ちなみに表面温度は大体リゲルと同等である。

 

カイマナの次に明るい恒星はσ星ハディル(Hadir)であり、この恒星は3.25等とそこまで明るくなく、恒星としての規模は大体アルデバランと同等である。

アルデバランと同等ということは表面温度も低いわけであり、この恒星も4,000 K程度と橙色の恒星に見え、この表面温度はアハディとほぼ同じであるが絶対等級はアハディのほうが圧倒的に明るい。

また、この恒星は地球からは194光年程度離れており、先ほど書いたτ星とは33光年程度しか離れていないのでお互い非常に明るい恒星として観測することができる(まあ、カノープスのほうが普通に明るく見えるが...)。

 

最後にξ星のアスミディスケ(Asmidiske, Azmidiske)について書いて行きたいと思う。

この恒星は地球からは1,200光年と非常に遠く、そしてこの距離はナオスよりも遠い。

当然これほど遠いということは絶対等級も相当強く、大体マイナス4.48等にも及ぶ。

この明るさはアハディよりも明るいが距離がアハディと比較すると1.5倍近くも離れているので地球からは3.34等とアハディよりも普通に暗く見える。

また、表面温度は太陽よりも若干低い程度であるので黄色の恒星として観測され、将来的には超新星を起こすか起こさないかの境目であるので起こさない場合は大規模な白色矮星になると考えられる。

 

 

3.2 ギリシャ文字を有さない恒星

次にギリシャ文字を有さない恒星について書いて行きたいと思う。

ギリシャ文字を有さない恒星はりゅうこつ座やほ座と違い、全てがギリシャ文字を有する恒星よりも暗く、更に最も明るいc星でも3.62等と4等星である。

また、4.0等星よりも明るい恒星はc星, a星, l星の3星であるのでここからはこの3星について紹介していきたいと思う。

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初めにc星について書いて行くとこの恒星は地球からの明るさは3.62等と4等星の中では非常に明るい部類に入り、地球からの距離は1,113光年とかなり遠い。

当然、絶対等級も非常に強い部類に入り、その絶対等級はマイナス4.08等とマイナス4等を超えており、明るさ的にはスハイル以上アハディ以下と言ったところである。

スハイルやアハディを比較対象としたので表面温度は勿論低めであり、スペクトル型はK4の赤色超巨星と推測されている。

そのため、今後はアハディと同時期か少し遅い段階で超新星爆発を起こし、中性子星になるのではないかと考えられている。

 

次にa星について書いて行きたいと思うがこの恒星はそこまで注目度の高い恒星ではなく、地球からの明るさは3.71等である。

そして、この恒星は地球からは353光年ほど離れた所にあるG型星であり、太陽よりも若干低温の恒星である。

また、絶対等級もマイナス1.46等とそこまでは明るくないが暗くも無く、アルゴ座の中ではごく普通の恒星である。

 

最後にl星について書いて行きたいと思うがこの恒星はとてつもなく明るい恒星であり、絶対等級はリゲルやデネブ, 昨日紹介したほ座b星をも上回るほどである。

地球から見た明るさは3.94等とそこまでは明るくは無いが年周視差が0.59ミリ秒と極めて小さいので(ほ座b星でも0.67ミリ秒)地球からは5,528光年も離れており、絶対等級はマイナス7.2等にも及ぶ。

この明るさは肉眼で観測できる恒星の中では11番目に明るく、更にスペクトル型がデネブと同じA2Ⅰaであるのでデネブの上位の恒星と言っても過言ではないほどである。

そして、この恒星は強大な白色超巨星であるのではくちょう座アルファ型変光星を示しそうであるがこのような報告は何故かなされておらず謎である(他のAⅠa型の恒星は全て示している)。

まあ、それはさて置きこの恒星はとも座の中では当然可視光だけだと最も明るい恒星であり、更に旧アルゴ座の星座には絶対等級が可視光だけでマイナス7を超える4.0等星よりも明るい恒星がどの星座にも含まれている(りゅうこつ座: V382星, 3.93/-7.49 ほ座: b星, 3.77/-7.10 とも座: l星, 3.94/-7.20)。

 

 

このようにアルゴ座の恒星には明るいものが数多く含まれており、中にはリゲルよりも明るいものさえもある。

以上、アルゴ座についてでした。

 

 りゅうこつ座とほ座の記事です

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