DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

かつて存在した巨大星座アルゴ りゅうこつ座編

今回はアルゴ座について3回に分けて書いて行きたいと思う。

 

1. 巨大星座アルゴ

アルゴ座はかつて存在した巨大な星座であり、アルゴとは神話に登場する船のことを表しているが余りにも大きかったために現在ではりゅうこつ座, ほ座, とも座の3星座に分割されている。

そして、この中でもりゅうこつ座には全天で2番目に明るいことで有名なカノープスを含んでいるがアルゴ座で2番目に明るい恒星は同じりゅうこつ座に属しているミアプラキドゥスであり、この恒星は明るいことは明るいが1等星ではなく、1.68等であるので2等星に分類される。

けれどもミアプラキドゥス以降も明るい恒星が多く含まれており、2等星の数は8個にも及び、これほど多くの2等星が含まれている星座はアルゴ座しかない(現在は解体されてしまったが)。

 

では、ここからはアルゴ座の恒星をα~ω星まで書いて行きたいと思う。

α: カノープス (Canopus) -0.72等

β: ミアプラキドゥス (Miaplacidus) 1.68等

γ: アル・スハイル・アル・ムーリフ (Al Suhail Al Muhlif) 1.75等

δ: アルセフィナ (Alsephina) 1.96等

ε: アヴィオール (Avior) 1.86等

ζ: ナオス (Naos) 2.25等

η: 4.42等(銀河系トップクラスの恒星であり、明るさが大きく変わる)

θ: 2.74等

ι: アスピディスケ (Aspidiske) 2.25等

κ: マルケブ (Markeb) 2.48等

λ: アル・スハイル・アル・ワズン (Al Suhail Al Wazn) 2.21等

μ: 2.68等

ν: カイマナ (Kaimana) 3.17等

ξ: アスミディスケ (Azmidiske) 3.34等

ο: ゼスタス (Xestus) 3.60等

π: アハディ (Ahadi) 2.71等

ρ: トゥレイス (Tureis) 2.78等

σ: ハディル (Hadir) 3.25等

τ: 2.94等

υ: 2.92等

φ: 3.52等

χ: 3.46等

ψ: 3.58等

ω: 3.29等

のようになっており、明るい順に並べるとカノープス(α)>ミアプラキドゥス(β)>アル・スハイル・アル・ムーリフ(γ)>アヴィオール(ε)>アルセフィナ(δ)...の順となっており、これら5つの恒星は北極星よりも明るく、5つの恒星が北極星よりも明るい星座は他にはオリオン座しかほどである。

また、色分けがされているが赤色の恒星はりゅうこつ座, 青色の恒星はほ座, そして緑色の恒星はとも座に属している恒星であり、明るい恒星が多い順に並べるとりゅうこつ座>ほ座>とも座の順になるが実は星座の面積が一番広いものは最も明るい恒星が含まれていないとも座である。

 

そして、りゅうこつ座にはここには書かれていない恒星、つまりギリシャ文字を持たない恒星も数多く含まれているがそれらの恒星の中にも明るいものは数多く含まれており、中には絶対等級がマイナス7等をも超える恒星さえも含まれている。

勿論、上記のギリシャ文字がついている恒星も絶対等級が明るい恒星も多く含まれており、総合的に見るとアルゴ座は絶対等級的にも明るい恒星が多いとも言える。

では、ここからはアルゴ座から派生した3星座について書いて行きたいと思うが全てを書くとあまりにも長くなりすぎるので今日はりゅうこつ座のみ書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. アルゴ座で最も明るいりゅうこつ座

りゅうこつ座はアルゴ座の中で最も明るい恒星を含む星座であり、その中でもカノープスは全天で2番目に明るいほどである。

そして、絶対等級も明るい恒星も数多く含まれており、ギリシャ文字がついている恒星の中ではカノープス(α), アヴィオール(ε), η星, アスピディスケ(ι), υ星の(可視光)絶対等級が強く、マイナス4等を超えている。

特にη星に至っては銀河系屈指の明るさを誇る恒星であり、最盛期にはマイナス12.6等もの絶対等級に達したほどである。

では、ここからはギリシャ文字を含む恒星と含まない恒星に分けて書いて行きたいと思う。

 

2.1 ギリシャ文字を有する恒星

ギリシャ文字を有する恒星は9つあり、この中でもカノープスはアルゴ座で唯一の(マイナス)1等星である。

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位置関係は上図のようになっており、カノープスはりゅうこつ座の中でもかなり西寄りにある恒星である。

そして、カノープスまでの距離は309光年であるがここで詳しく書くと時間がかかるので以下の記事を参照していただきたい。www.rigelultragiant.com

 そして、カノープス以外の恒星はカノープスと比較したらあまり明るくないがこれはカノープスが0等星はおろかマイナス1等星と極端に明るいからであり、全体的に見てみるとかなり明るい恒星が多い。

また、絶対等級も面に関しても明るい恒星が多く、2番目に明るい恒星であるミアプラキドゥスの絶対等級はマイナス1等とそこまでは明るくないが偽十字星を構成するアヴィオールやアスピディスケの絶対等級はマイナス4.5等前後と非常に明るく、この明るさは1,000光年以内の恒星の中ではトップ10に入るほどである。

 

りゅうこつ座の中で3番目、アルゴ座全体で見ても4番目に明るいアヴィオールは地球からの距離が600光年ほども離れた所に位置している老齢の天体であり、表面温度は4,000 K程度しかない上に質量が太陽と比較するとかなり大きいので近い将来超新星爆発を起こすのではないかとも考えられている(ベテルギウスと比較するとまだ先だが)。

そして、りゅうこつ座に属している偽十字星のもう一つの恒星であるアスピディスケも非常に明るい恒星であり、表面温度はカノープスと同等、絶対等級はマイナス4.6等程度であるので小さいカノープスと言っても過言ではなく、こちらはギリギリ超新星を起こせず、大規模な白色矮星になると考えられる。

これ以上書くと記事が充満してしまうのでこれらの恒星については以下の記事を参照していただきたい。www.rigelultragiant.com

 

ここまでは地球から見た明るさが比較的明るいものについて簡潔に書いてきたがここからは少し暗い3等星について書いて行きたいと思う。

先ほど書いたアヴィオールとアスピディスケは偽十字と言う南十字に似た十字を形成しているが実はもう一つりゅうこつ座には十字が存在しており、その十字はダイヤモンド・クロス(Diamond Cross)と呼ばれている。

この十字に含まれている恒星は2等星であるミアプラキドゥス以外に3等星であるθ星, υ星, そしてω星の3つがある。

そして、これらの恒星は地球からの距離はまちまちであり、特にυ星は地球からの距離が1,437光年と1等星の中で最も遠いデネブ(1,411光年)をわずかに上回るほども距離に位置している。

この遠さは全恒星の中でも非常に遠い部類に入るので当然この恒星も非常に明るい恒星であり、絶対等級はマイナス5等を超えているほどである。

この明るさはカノープスをわずかに下回るほどであり、そして表面温度もカノープスに似ているのでこの恒星もまたカノープスに似ていると言ってもよいほどである。

 

また、υ星以外の恒星にはθ星とω星があるがθ星は表面温度が非常に高い主系列星であり、その表面温度は30,000 Kほどと後に紹介するγ星やζ星と比較すると低めであるが全恒星の中では最も熱い恒星の一つであることには変わりがない。

ちなみに地球からの距離は456光年程度と極端には遠くなく、絶対等級もマイナス3等程度とそこまでは強くないが表面温度が非常に高いので総合的なエネルギー量は可視光だけと比較すると非常に強くなる。

そして、最後に残されたω星はリゲルと同じ程度の表面温度の恒星であるが絶対等級はマイナス1.81等とリゲルの100分の1も無く、明るい恒星とは言えないがそれはリゲルの明るさが異常なだけであり、この恒星も全体から見れば比較的明るい部類に入る。

ちなみに地球からの明るさは3.29等と実はω星の中では唯一の3等星であり、他のω星は3等星よりも暗いものばかりである(りゅうこつ座ω星の地球からの距離は342光年)。

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上図がダイヤモンド・クロスの位置。ミアプラキドゥスは最も明るい恒星だが距離が近いので絶対等級では最も暗い恒星である。

 

以上が2等星とダイヤモンド・クロスの恒星についてであったが実はまだギリシャ文字がついている3等星は1つだけ残っている。

その恒星はりゅうこつ座χ星であり、この恒星は地球からの明るさが3.46等とかなり4等星に近い恒星であるが実はこの恒星もω星と同様にχ星の中では最も明るい恒星であり、この恒星以外のχ星には当然3等星以上の恒星は含まれていない(ちなみにギリシャ文字最輝星の中ではχ星が最も暗い)。

つまり、この恒星もギリギリではあるが3等星と言う訳であるがこの恒星はどれほどの明るさなのだろうか?

その答えはω星よりも若干明るい恒星であり、絶対等級はマイナス2.26等とそこそこ明るい準巨星である。

そして、この恒星の表面温度は17,000 K程度とω星に比べると比較的高く、今度は巨星化が進行し、最終的には大規模な白色矮星になると考えられる。

ちなみに地球からの距離は455光年と大体θ星と同じぐらいであるが比較的θ星とは離れているのでθ星とは188光年と少し距離を隔てることとなる。

 

では、最後にギリシャ文字がついている恒星で最も遠いη星について書いて行きたいと思う。

η星は地球からの明るさは現在4.42等ほどと暗く、一見するとあまり見ごたえの無い恒星のようにも思えるが実はこの恒星は地球からの距離が7,500 光年も離れており、この距離は他のアルゴ座の恒星の中でもぶっちぎりで遠く、更にこの恒星の明るさは相当変化している。

どれほど変化しているかと言うと10等星からマイナス0.8等星ぐらいまでであり、このマイナス0.8等級は1840年ぐらいに観測され、この時の絶対等級は可視光でマイナス12.6等と太陽の800万倍ほどにも達したほどである。

当然可視光だけでこの明るさに達した恒星は他には一切存在しておらず、この恒星の明るさが異常であることは想像に難くなく、この理由はこの恒星がLBVと呼ばれる極端に明るい恒星だからである。

LBVは高光度青色変光星とも呼ばれる恒星で質量は最低でも太陽の30倍はあり、りゅうこつ座η星の質量は不明ではあるが太陽の70~120倍はあるのではないかと考えられている。

当然これほどの質量を有している恒星は寿命も極端に短く、近い将来極超新星爆発を引き起こし、ブラックホール化すると考えられる。

そして、言うまでも無いがこの恒星はギリシャ文字を有している恒星の中では絶対等級はぶっちぎりの1位であり、他の恒星の追従を許さないほどである。

 

 

2.2 ギリシャ文字を有さない恒星

ここまではギリシャ文字がついている恒星について書いてきたがここからはギリシャ文字の無い恒星について書いて行きたいと思う。

ギリシャ文字のついていない恒星と言うとそこまで明るい恒星は無く、実際に他の星座ではギリシャ文字のついていない恒星は暗いものが大半であるがアルゴ座は明るい恒星が非常に多いのでギリシャ文字が無い恒星の中にも3等星が含まれているほどである。

りゅうこつ座にはギリシャ文字を含まない3等星は4つも含まれており、りゅうこつ座a星, りゅうこつ座p星, りゅうこつ座q星、 そしてりゅうこつ座l星がこれに当てはまっている。

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そして、この中で最も明るい恒星はりゅうこつ座p星であり、この恒星は3.30等とχ星よりも明るく、更に絶対等級もマイナス2.55等とχ星よりも明るい。

この恒星は地球から483光年ほど離れた位置にある主系列星であり、表面温度はやはりχ星と同じぐらいである。

しかし、超新星爆発を起こせるほどの質量は無いので今後は小規模な超巨星と化した後に白色矮星になると推測される。

 

また、次に明るい恒星はりゅうこつ座q星であり、この恒星はp星のすぐそばに見える恒星であり、地球からの明るさは3.4等ほどである。

そして、この恒星は地球からは658光年ほどとp星と比較すると距離は遠く、絶対等級もp星と比較すると強く、大体マイナス3.13等ほどもある。

この恒星は表面温度が比較的低いK型の輝巨星であり、アンドロメダ座γ星(アルマク)やぎょしゃ座ζ星(サダトニ)あたりと比較的良く似ており、今後は超新星も起こすことも無く白色矮星になると考えられる。

ちなみにq星からp星を見ると1.10等星に見え、逆にp星からq星を見ると0.52等星として見える。

 

次にa星について書いて行きたいと思うがa星については以前の記事でも書いたのでここでは簡潔に書いて行きたいと思う。

a星は地球からは暗い3等星程度にしか見えず、アスピディスケ(ι星)のすぐそばで輝いて見える。

そして、この恒星は連星であるが実は非常に接近している連星であり、両恒星間はわずか2,000万キロメートル程度しか離れていないので将来的には白色矮星型の超新星爆発を起こすと考えられる(以下の記事はりゅうこつ座a星について書いてある)。www.rigelultragiant.com

 

そして、最後にl星について書いて行きたいと思う。

l星は上記の3恒星と比較すると光度が大きく変わる変光星であり、明るい時は3等星であるが暗い時は4等星になる。

この恒星はケフェウス座δ型変光星と呼ばれるタイプの恒星であり、この変光型はスペクトル型がFまたはG型の黄色超巨星に見られるタイプである。

そして、りゅうこつ座l星も例外なくG型の超巨星であり、地球からの距離は1,561光年と非常に離れており、絶対等級も最も明るい時にはマイナス5等を上回るほどになる。

また、この恒星は先ほど書いたりゅうこつ座υ星とは140光年程度しか離れていないのでりゅうこつ座υ星がマイナス2.12等星と地球から見たシリウスよりも余裕で明るく見える(逆にりゅうこつ座υ星からこの恒星を見てもシリウスよりも明るく見える時がある)。

 

このようにりゅうこつ座には明るい恒星が多いが絶対等級で見るとリゲルほど明るい恒星は意外なほど見られない。

しかし、実はりゅうこつ座にはリゲルよりも明るい肉眼で観測できる恒星が3つも含まれており、これらの恒星は全てが5,000光年以上も離れているので地球からは明るく見えないだけである。

その恒星とはりゅうこつ座x星(V382星)とりゅうこつ座P星(V399星)、及びりゅうこつ座y星(V533星)の3つであり、これらの恒星の絶対等級はマイナス7等を普通に超えており、特にy星に至ってはマイナス8.34等地球から肉眼で見える恒星の中では最も絶対等級の強い恒星である(第二位はカシオペア座ρ星のマイナス8.25等であり、この2つの恒星のみマイナス8等を超えている)。

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これらの恒星はりゅうこつ座の中でも東側にある恒星であり、地球からの距離はいずれも6,000光年を超えており、特にV533星に至っては1万光年以上も離れている。

また、V399星は先ほど書いたりゅうこつ座η星と相当近い距離(1,000光年以内)にある。

ちなみにりゅうこつ座V382星は比較的有名な恒星であり、WIkipedia等にも挙がっているが地球からの距離が8,900光年と書かれており、この距離はかつて測られた距離であり、実際には年周視差は0.52ミリ秒程度であるので6,272光年が正しい。

※これらの恒星までの距離は凄まじく遠く、正確に年周視差を測ることは難しいので多少距離に誤差があるとも考えられるがスペクトル型はⅠa型であるので極端に明るいことには間違いはない

 

一応これらの恒星が書いている記事を挙げときます。www.rigelultragiant.comwww.rigelultragiant.com

 

 

 

以上、りゅうこつ座の恒星についての記事でしたが次はほ座の記事について書いて行きたいと思います。