DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

多くの元素が発見された村 イッテルビー

今回は元素の名前の由来について書いて行きたいと思う。

 

1. 元素の由来と発見場所

現在発見されている元素は118種類にも及び、昔から存在が知られている元素には伝統的な名称がついている。

例えば原子番号が26番は鉄(Iron)で29番は銅(Copper)と金属原子の末尾に付けられている-iumと言う語尾は無い。

そして、空気中に数多く存在している酸素(Oxygen)や窒素(Nitrogen)は目に見えないからか発見されたのは鉄や銅と比較すると遅く、日本語の意味はそれぞれ酸化させる、窒息させることに由来している。

まあ、窒素の窒息させるという性質は酸素が無いことに由来しており、その点ではヘリウムも「窒素」と呼ぶことが出来るが...

 

そして、このような元素が発見された後もまだ発見されていない元素が数多くあり、周期表を見ると大体わかるとは思うが金属元素が大半を占めている。

そのため新しく発見された元素にはスカンジウム(Scandium), ヴァナジウム(Vanadium)等語尾に-iumがついており、この-iumの前半の部分は地名や人名に由来していることが多い。

例えばスカンジウムはスカンディナヴィア(Scandinavia)半島が由来となっており、スカンディナヴィア半島とはヨーロッパに位置する北極圏に近い半島である。

ちなみに筆者はスカンディナヴィア半島よりもスカンジウムのほうを先に知りました。

また、人名に由来する元素としては原子番号99番のアインスタイニウム(Einsteinium)が挙げられ、この名称は言うまでも無く誰もが知る天才物理学者のアルベルト・アインシュタインが由来となっている。

 

このように後に発見された原子には「人名+ium」や「地名+ium」に由来するものが多く、他にもキュリウム(キュリー)やローレンシウム(ローレンス)などがあるが実は複数の原子が同じ地名を由来としていることもある。

それはイッテルビー(Ytterby)と言うスウェーデンの村であり、この村は村と言うだけあり、更に人口調査さえ行われていないほどであるが実は多くの元素が発見されたことで有名な村である。

その元素とはイットリウム, ガドリニウム テルビウム, ホルミウム エルビウム, ツリウム, イッテルビウムの7つの元素であり、一つの小さな村からこれほど多くの元素が発見されたことには大変驚きである。

そして、この元素たちはガドリン石と言う鉱石から発見、分離されたものであり、この元素はイッテルビー村から採掘されるものである。

言うまでも無いがこのガドリン石が新種の元素の発見に貢献し、更にイッテルビー村を名のある村にしたと言っても過言ではなく、実際に名称がイッテルビー村に由来する元素の数は最多である。

では、次にこれらの元素について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. 元素の村イッテルビーで発見された元素

イッテルビー村は人口調査さえも行われていない村であるがこの村は多数の元素が発見されたため、元素の村と言っても過言ではない。

そして、元素の村イッテルビーでは7種類の元素が発見され、その中でもイットリウム, テルビウム, エルビウム, イッテルビウムの名称は直接イッテルビー村に由来している。

では、ここでそれぞれの元素の原子番号と英名を書いて行きたいと思う。

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上表がイッテルビー村に由来している元素であるがこれらの元素はイットリウム以外は全てランタノイドに属しており、更にイットリウムを含めたすべての元素は希土類元素と呼ばれるものである。

そして、後に書くことになるがイッテルビー村で発見された他の3つの元素(ガドリニウム, ホルミウム, ツリウム)も全て希土類元素であると同時にランタノイドでもある。

 

また、英名に着目してみると直接イッテルビー村に由来している元素は原子番号70番のイッテルビウムであり、他の元素はイッテルビーから文字を少し抜いたものとなっている。

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このように赤字で書いたところが直接由来している部分であり、それぞれイッテルビウムから文字を少し抜いた形となっており、エルビウムに至っては相当省略されている。

ここまでは名称がイッテルビー村に由来している元素について書いてきたが今度はイッテルビー村で発見されたもののイッテルビー村以外に由来している原子について書いて行きたいと思う。

 

 

イッテルビー村で発見されたもののイッテルビー村以外の名称に由来する元素はガドリニウム, ホルミウム, ツリウムの3種類があり、これらの元素の原子番号は64, 67, 69であり、先ほどの原子の番号とよく似ている。

実際にイッテルビー村で発見された元素の原子番号をイットリウムを除いたものを書くと

64, 65, 66, 67, 68, 69, 70

となり、赤字がイッテルビー村に由来する元素, 青字がイッテルビー村以外に由来する元素であり、66番以外の元素全てがイッテルビー村で発見されたものとなっている。

このため、原子番号64~70番までの元素はイッテルビー村が無いと発見されることも無く、イッテルビー村の偉大さが分かる。

ちなみに原子番号66番はジスプロシウム(Dysprosium)と言うかなりかっこいい名称の元素であるがこの元素はホルミウムから分離されたことによって発見された元素であり、この元素もある意味ではイッテルビー産の元素とも言える。

 

では、これらの元素の名称は何に由来しているかについて書いて行きたいと思う。

これらの元素の名称は以下の表の通りに由来している。

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このようにガドリニウムはフィンランドの鉱物学者であるヨハン・ガドリン(Johan・Gadolin)に由来しており、ガドリンはイットリウムの発見者と同時にガドリン石の由来ともなっている。

また、ホルミウムはストックホルムのラテン名であるホルミア(Holmia)に由来している。

そして、ツリウムはスカンジナビアの旧名であるトゥーレ(Θουλη, ギリシア語, Thoulee)に由来しているので時代は違うものの由来としてはスカンジウムと同じである。

以上のことよりガドリニウムは人名, そしてホルミウムとツリウムは地名に由来している。

 

ちなみにツリウム(Thulium)の元素記号はTmとなっているがこれはThuliumの赤字の部分に由来している、つまり-iumの部分に由来していることになり、このような元素はツリウムぐらいである。

 

 

 

3. イッテルビー産の元素の性質

最後にイッテルビー産の元素の性質について書いて行きたいと思う。

イッテルビー村では数多くの元素が発見され、実際に4つの元素の名称の由来となっているがこれらの元素の性質について簡単に書いて行きたいと思う。

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上の表はイッテルビー産の元素の融点沸点であり、原子番号が最も小さいイットリウムの密度は小さいが融点や沸点は高い。

また、ランタノイドであるガドリニウムからイッテルビウムまでの元素は原子番号が増えれば増えるほど密度, 融点が少しずつであるが高くなる傾向があり、これらの元素の密度や融点は鉄(7.87 g/㎤, 1,538 ℃)に比較的似ているがイッテルビウムとなると両者ともに大きく下がっている。

また、沸点は融点とは裏腹に原子番号が増えるほど下がっていく傾向があり(エルビウムの融点は比較的高く、逆転しているが)、イッテルビウムともなると急激に下がる。

このため、ランタノイドでは原子番号が大きいほど液体である領域が短くなる傾向があることが分かる。

※原子番号66番のジスプロシウムは密度8.54 g/㎤, 融点1,407 ℃, 沸点2,562 ℃と沸点は低いものの密度と融点はこの傾向に当てはまっている。

 

このようにランタノイドの密度や融点はイッテルビウムを除くと規則性が見えてくることになり、これは原子配置と関係があるからであると考えられ、ランタノイドは3価の陽イオンになりやすい傾向がある。

 

 

 

以上、イッテルビー由来の元素についてでした。