DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

リゲル, ベテルギウスに次ぐ恒星 ベラトリックス

今回はオリオン座の恒星であるベラトリックスについて書いて行きたいと思う。

 

1. ベラトリックスとは

ベラトリックスはハリーポッターの悪役として有名であるがこの名前はオリオン座の恒星に由来する。

ベラトリックスは「女戦士」を意味するラテン語が由来となっており、地球kら見た明るさも非常に明るい恒星である。

どれほど明るいかというと1.64等星と全天で26番目に明るい恒星であり、この明るさは2等星の中でもトップクラスに明るい。

更に星座の中では最も有名と言っても過言ではないオリオン座に位置している恒星であり、更にその中でも3番目に明るいので観測も容易に行える恒星である。f:id:DS930810:20180311124402j:plain

ベラトリックスはオリオン座の中でも北西側に位置している恒星であり、隣にはベテルギウス、そして下にはリゲルが輝いている。

 

そして、ベラトリックスは表面温度が非常に高い恒星であり、20,000 Kを超えているが実はこの表面温度はオリオン座の中では低いほうであり、ベテルギウスとリゲル以外の恒星はこの表面温度を超えている。

ここまではベラトリックスについて簡潔について書いてきたが次の章では物理的性質について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. かなり明るい恒星だが...

ベラトリックスは地球から見た明るさが1.64等とかなり明るい恒星であり、更に観測も容易な恒星であるが実際の明るさはどれほどのものなのだろうか?

ベラトリックスは地球からの距離が252.5光年ほど離れている恒星であり、この距離は全恒星の中では比較的遠い部類に入る。

そして、ベラトリックスの視等級は1.64等であるので絶対等級はマイナス2.80等程度とかなり明るい部類に入っており、この明るさは太陽の1,130倍ほどである。

更にベラトリックスは先ほども書いたように表面温度が非常に高い恒星であるので総合的なエネルギー量だと更に明るくなり、太陽の数千倍にも及ぶと考えられている。

また、直径は太陽の6倍程度、質量は8.5倍程度と推測されており、この質量だと将来的に超新星爆発を起こす可能性も十分考えられる。

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ベラトリックスは太陽と比較すると直径は大きく、更に表面温度も高いのでエネルギー量は太陽とは比にならないが実はオリオン座の中では最も弱い恒星である。

 

オリオン座にはベラトリックス以外に6つの明るい恒星があり、その恒星とはベテルギウス, リゲル, サイフ, 三ツ星(アルニラム, アルニタク, ミンタカ)である。

これらの恒星は地球からの距離がベラトリックスと比較するとかなり遠く、ベラトリックス以外で最も近いベテルギウスですら500光年以上も離れており、最も遠いアルニラムに至っては2,000光年近くも離れている。

先ほども書いたようにベラトリックスは地球からはわずか252.5光年程度しか離れておらず、オリオン座の恒星の中では非常に近い部類に入るほどである。

更にこれらの恒星は絶対等級もベラトリックスよりも強大なものばかりであり、最も明るいアルニラムはマイナス7.22等、その次に明るいリゲルはマイナス6.98等とベラトリックスの40倍以上も明るい。

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上図の左端の小さな球が太陽, 真ん中の青い球がベラトリックス, そして右の巨大な水色の球がリゲルであり、リゲルは表面温度こそベラトリックスと比較するとかなり低いが直径が非常に大きいので光度もベラトリックスとは比にならないほど大きい。

また、ベラトリックスの質量は太陽の8.5倍程度であるがリゲルは21倍ほどもあるのでやはりベラトリックスとは比較にならないほど明るいことが分かる。

 

更にリゲル以外の恒星も非常に明るいものが多く、赤色超巨星のベテルギウスを除くとスペクトル型がB0~O9タイプ(30,000 K前後)の非常に表面温度が高い恒星ばかりで占められており、これらの恒星はベラトリックスよりも可視光の面でも光度が強い。

例えばオリオン座の三ツ星のアルニタクは非常に珍しいO型の超巨星であり、地球からの距離は736光年ほど離れている。

そして、表面温度は30,000 Kを超えている上に地球から見た明るさも1.76等とベラトリックスよりも若干暗い程度であり、絶対等級に換算するとマイナス5等程度となる。

しかもアルニタクは表面温度が30,000 Kを超えているので可視光領域はほんの一部にしかすぎず、総合的なエネルギー量では太陽の10万倍をも超えているのでは無いかともいわれている。

勿論他の恒星も非常に明るく、三ツ星のミンタカも表面温度が30,000 K以上もあり、三ツ星の中心のアルニラムは表面温度は若干低いものの(それでもベラトリックスよりかは高い)この恒星は銀河系トップ級の恒星であり、明るい恒星が多いオリオン座の中でも最も明るい恒星である。

そして、オリオン座の南東部に位置しているサイフは三ツ星ほどでは無いがやはり非常に高温であるかつ非常に明るい恒星であり、ベラトリックスとは比にならないほどである。

 

このようにベラトリックスは恒星の中ではかなり明るい部類には入るもののオリオン座の7つの恒星の中では最弱の恒星であり、これはベラトリックスが暗いのではなく、他の恒星が明るすぎるだけなのである。

実際にシリウスと比較してみると...

 

 

 

3. シリウスはやはり負ける

ベラトリックスと言うとハリーポッター界ではシリウスを負かしたことで有名ではあるがこの話は恒星界でも実際に当てはまり、やはりシリウスは簡単に敗北するのである。

ベラトリックスは先ほども書いたようにオリオン座の中では最弱であるが他の恒星と比較するとかなり明るい部類に入り、実際にベラトリックスよりも太陽系に近い恒星でボラとリックスよりも明るい恒星はスピカだけである。

それに対してシリウスは地球からの距離が非常に近い恒星であり、実際に地球kらの距離は8.6光年しか離れていないので全天で最も明るい恒星ではあるがその絶対等級はせいぜい1.42等にしかすぎない。

ここまでくると大体察することが出来ると思うが恒星界でもシリウスはベラトリックスにはかなうことは無く、更にベラトリックスにはギリギリではなく完敗するほどである。

 

では、どれほどの差があるかについて書いて行きたいと思う。

初めにシリウスとベラトリックスのデータの差について書いて行きたいと思う。

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以上のような結果に終わったがシリウスはベラトリックスに対して直径, 質量, 絶対等級, 表面温度の全てにおいて完敗しており、確かにこれではシリウスがベラトリックスに勝てないことが分かる。

特に絶対等級の面ではベラトリックスはシリウスの49倍(太陽とベガの差ぐらい)も明るく、更に表面温度もベラトリックスのほうが2倍以上も高いので総合的なエネルギー量ではベラトリックスはシリウスの100倍以上も上回っていることになる。

 

仮にベラトリックスがシリウスの位置にあった時の明るさはマイナス5.70等にも及び、この明るさは金星を超えるほどである。

このようにベラトリックスはシリウスとは比較にならないほど強いことが分かったがベラトリックスからシリウスを見ても5.80等程度にしか見えず、肉眼で見えることは見えるものの特に注目すべき恒星でなく、眼中には無さそうなのでシリウスサイドにとっては安心できるかもしれない。

逆にシリウスからベラトリックスを見ると1.58等と若干地球から見た明るさよりも明るくなっており、シリウスサイドから見るとあまり良いものでは無いが1等星でないだけ良いとも考えられる。

ちなみにベラトリックスから見るとシリウスではなく、地球から見て2番目に明るいカノープスが非常に明るく見え、その明るさは地球から見た明るさよりも明るいマイナス0.88等にも及ぶ。

そして、ベラトリックスはカノープスに勝てるかというとカノープスは高齢の天体で表面温度が下がっているので可視光の面ではカノープスの圧勝であり、更に質量, 総合的なエネルギー量でもカノープスのほうが勝っている。

 

このようにベラトリックスはシリウスと比較すると圧倒的に明るく、ハリーポッターの話は現実世界でも当てはまっているがオリオン座の中の恒星やカノープスのような強大な恒星には残念ながら勝てるほどの明るさは無い。

ちなみにハリーポッターに出てきた恒星名が由来の登場人物のもととなった恒星の中ではベラトリックスが一番強大な恒星である。

 

 

 

以上、ベラトリックスについてでした。