DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

リゲルに似た最遠星 アルドラ

今回は明るい恒星の中で最も遠い恒星であるアルドラについて書いて行きたいと思う。

 

1. アルドラとは

アルドラ(Aludra)とはおおいぬ座のη星であり、アルドラとは乙女を意味するアラビア語に由来している。

そして、おおいぬ座の中では6番目に明るい恒星であり地球から見た明るさは2.45等と2等星ではあるが非常に暗い部類に入る。

更にこの恒星は明るさを変える変光星であるが変光範囲は2.38~2.48等とそこまで明るさが変わることも無く、最も暗い時でも2等星であるので変光によって3等星に降格...なんてことはない(ベテルギウスは0等星と1等星の間を変光する)。

 

ここまで書くとアルドラはギリギリ2等星で輝いている恒星であるがこの恒星は冒頭でも書いたように距離が異常に遠い。

その距離は1,988光年と2等級以上の恒星の中では最も遠く、そこまで遠いのにもかかわらず2等星でいられる理由は単純にこの恒星が極端に明るいからである。

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アルドラはおおいぬ座の尾の位置にある恒星であり、おおいぬ座には太陽系から見て最も明るい恒星シリウスや2等星で最も明るいアダーラが含まれている。

そして、シリウスまでの距離は8.6光年と全恒星系の中ではリギル・ケンタウルス系, バーナード星, ウォルフ359, ラランド21185に次いで近く、恒星自体が明るいわけでは無い(それでも太陽23倍も明るいが)。

また、2番目に明るいアダーラはシリウスと比較すると非常に遠く、絶対等級も相当強いがこれでもアルドラには全くかなわないほどである。

では、アルドラの絶対等級はどれほど強いかというと...

 

 

 

2. 強大な青色超巨星

アルドラは先ほども書いたように非常に距離が遠い2等星であり、その距離は2,000光年近くも離れている。

そして、当然ではあるが絶対等級も極めて強く、その絶対等級は視等級2.45等、距離1,988光年から算出すると

2.45-5×log(1988÷32.616)=-6.475...

およそマイナス6.47等であることが分かり、この明るさはシリウスはおろか絶対等級が強いことで有名なカノープスの倍以上の明るさもある。

具体的にシリウスと比較すると地球から見た明るさでは37分の1程度の明るさしか無いが絶対等級の面では1,444倍も明るく、シリウスとは比較にならないほどであることが分かる。

 

このようにアルドラが極めて明るい理由はアルドラが青色超巨星であることに起因しており、青色超巨星で有名な恒星にはリゲルが挙げられる。

青色超巨星とはスペクトル型がO, Bの超巨星のことであり、リゲル以外には

O型

  • アル・スハイル・アル・ムーリフ(ほ座γ星)
  • アルニタク(オリオン座ζ星)
  • ナオス(とも座ζ星)

B型

  • リゲル(オリオン座β星)
  • アルニラム(オリオン座ε星)
  • サイフ(オリオン座κ星)
  • アルドラ(おおいぬ座η星)

などが明るく、これらの恒星はいずれも2等星以上の恒星である(リゲル以外, リゲルは0等星)。

 

そして、更に細かくスペクトル型を見ていくとアルドラのスペクトル型はB5Ⅰa型でこのスペクトル型は表面温度が15,000 K程度であることを意味しており、更に超巨星の中でも非常に明るい部類に入ってることも同時に意味している。

スペクトル型がⅠaの恒星は超巨星の中でも非常に明るい部類に入るものであり、絶対等級に換算すると少なくともマイナス6.6等は超えるような恒星が分類され、リゲルがこのスペクトル型の中で最も明るい恒星である。

つまり、アルドラはリゲルと似通った恒星であり、リゲルもアルドラと同じB型の超巨星である(リゲルのスペクトル型はB8Ⅰaであるのでアルドラよりかは低温)。

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上図は太陽とアルドラ, リゲルの大きさの比較図であり、太陽は左端の小さな級であり、青い球はアルドラ、そして水色の大きな球はリゲルである。

このようにリゲルとアルドラでは大きさが異なるもののこの理由は単純にリゲルのほうが高齢な恒星であるからであり、リゲルは表面温度が低い分直径が大きいので総合的なエネルギー量ではアルドラとそこまで大差があるわけでは無い。

 

そして、第一章でアルドラは明るさが変わると書いたが実はアルドラはスペクトル型がB~早期F型のⅠa超巨星特有の変光型を有しており、この変光星ははくちょう座α星型変光星と呼ばれている。

はくちょう座α星とはデネブのことであり、デネブもまたスペクトル型がⅠaの極端に明るい超巨星である。

そして、この変光型を示す恒星は

  • リゲル(B8Ⅰa)
  • デネブ(A2Ⅰa)
  • アルニラム(B0Ⅰa)
  • アルドラ(B5Ⅰa)
  • おおいぬ座ο2(B3Ⅰa)

などがこの変光型の属しており、実はリゲルもこの変光型でこのタイプの中では最も地球から見て明るい恒星である。

 

このようにアルドラはシリウスと同じおおいぬ座に属している恒星ではあるものの性質的にはリゲルと似ており、極めて明るい恒星である。

 

 

 

以上、アルドラについてでした。