DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

最も暗い1等星と最も明るい2等星

今回は最も暗い1等星と最も明るい2等星について書いて行きたいと思う。

 

1. 最も暗い1等星

地球から見て最も明るい恒星はシリウスであり、その明るさはマイナス1.47等にも及ぶ。

そして、シリウスの次に明るい恒星はカノープスであり、次いでリギル・ケンタウルス, アルクトゥルス, ベガ, カペラ, リゲル, プロキオン...の順に続いていく。

1等星は正確には0.5~1.5等級までの恒星のことを指し、ハダル以降の恒星となるが一般的には1等星は1.5等よりも明るい恒星のことを指す。

つまり、この1.5等よりも明るい恒星こそが一般的に言われている1等星であり、厳密にはマイナス1等星, 0等星も含んでおり、厳密な意味での1等星は実は11個しかないが一般的な1等星は21個も含んでいる。

では、この21個の恒星の中で最も暗い恒星、つまり全天で21番目に明るい恒星は何なのかと言うとしし座のα星レグルスであり、この恒星は1.35等である。

そして、この明るさは全天で最も明るい恒星であるシリウスの7.4パーセント程度の明るさしか無く、同じ1等星でも明るさが大きく異なることが分かる。

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上の画像はレグルスの位置を表しており、しし座に位置している。

そのためレグルスは冬から春にかけて観測することが可能であるが先ほども書いたように明るさは2等星に比較的近いため他の1等星と比較すると特に明るいわけでは無い。

 

ここまでは最も暗い1等星がレグルスであると書いてきたがここからはレグルスの距離について書いて行きたいと思う。

レグルスは1等星で最も暗く、先ほども書いたようにシリウスの7.4%の明るさしか無いが絶対等級はどのようになっているのだろうか?

その答えはシリウスと比較すると明るめであるがカノープスのような超巨星と比較するとかなり暗い程度である。

レグルスは地球からの距離が79.3光年程度離れており、この距離はシリウス(8.6光年)と比較するとかなり遠く、視等級と距離からレグルスの可視光だけの絶対等級はマイナス0.58等程度であることが分かる。

この明るさはシリウスやベガと比較するとかなり明るく、巨星であるアルクトゥルスよりも絶対等級は強い。

 

では、ここからはレグルスの物理的性質について書いて行きたいと思う。

レグルスはスペクトル型がB7Ⅴ型の主系列星であり、表面温度は13,000 K程度とリゲルと比較すると若干高い(リゲルは11,500 K程度)。

更にレグルスはスペクトル型がB型の恒星の中では地球からの距離が最も近く、太陽系から100光年以内の恒星の中ではレグルスとペルセウス座β星(B8Ⅴ)、およびペガスス座α星(B8Ⅴ)しかB型の恒星は存在しない。

また、自転速度はアルタイルやベガと同じように非常に早くなっているために恒星の形状は楕円型である。

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上記の画像より、レグルスはベガがよりも明るく、そしてより大きくなったような恒星であることが分かり、質量に関しても太陽の3.8倍程度もある。

この質量は太陽系から100光年以内にある恒星の中では最も重い恒星であり、絶対等級もおうし座のアルデバランに次ぐほどであり、主系列星だけに限定すると絶対等級の面に関してもトップの恒星である。

ちなみに100光年以内の恒星の中で絶対等級がマイナスの主系列星はレグルス以外にはアンドロメダ座α星, ペルセウス座β星, おおぐま座ε星の4つしか存在しておらず、更にマイナス0.5を超えるものはレグルスだけであるのでこの恒星は近辺の主系列星の中では非常に明るい部類に入る。

 

ここまでは最も暗い1等星であるが100光年以内の恒星の中ではトップ級の恒星、レグルスについて書いたが今度は最も明るい2等星について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. ギリギリ1等星ではない2等星

今度は2等星の中で最も明るい恒星について書いて行きたいと思う。

2等星は1等星と比較すると知名度が高い恒星は少なく、有名な恒星と言うと北極星程度である。

けれども北極星は2等星の中では決して明るい恒星であるとは言えず、現に1.97等程度であるのでせいぜい真ん中程度の明るさしかない。

では、最も明るい2等星は何なのだろうか?

その恒星とはふたご座のカストルであり、地球からの明るさは1.58等と相当明るく、全天で23番目に明るい恒星である。

そのため、最も明るい2等星であるカストルについてここからは書いて行きたいと思

 

 

 

いたいが実は最も明るい2等星はカストルではない。

上記にも書いたようにカストルは全天で23番目に明るい恒星であり、最も暗い1等星であるレグルスは全天で21番目に明るい恒星であるので当然最も明るい2等星は22番目に明るい恒星になるはずである。

そして、この恒星は地球から見た明るさは1.50等と本当にギリギリのところで1等星に離れておらず、もしかしたら変光星であった場合には1等星になっている可能性も考えられるほどである。

では、この恒星とは何なのかと言うとシリウスと同じおおいぬ座に属しているアダーラという恒星であり、当然おおいぬ座の中ではシリウスの次に明るい恒星である。

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アダーラはおおいぬ座の中では比較的南に位置しており、そこまで見やすい恒星では無いが最も明るい2等星である上に他にも明るい恒星があるので見つけることはそこまで難しくはない。

 

では、ここからはアダーラの物理的性質について書いて行きたいと思う。

アダーラは地球から見た明るさは1.50等と非常に明るいがシリウスと比較するとかなり暗い。

そして、シリウスが明るい理由は単純に地球からの距離が近いからであり、恒星自体は特に明るいわけでは無いがアダーラの場合は地球からの距離が405光年も離れており、当然絶対等級もシリウスとは比較にならないほど強い。

アダーラの絶対等級は可視光だけでマイナス3.97等もあり、この明るさは相当なものである。

更にスペクトル型はB2Ⅱと表面温度の高い輝巨星であり、実際にアダーラの表面温度は20,000 K近くにも達しているほどである。

そのため、アダーラは太陽やシリウスと比較すると直径はそこまででは無いが質量は非常に大きく、直径は太陽の11倍程度に対して質量は太陽の12.6倍ほどもある。

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左から太陽, シリウス, アダーラ

 

このようにアダーラは非常に明るい恒星であり、現在の明るさは距離が比較的離れているためにギリギリ2等星であるほどであるが実はこの恒星は470万年ほど前に太陽系に34光年もの近さにまで接近したことがある。

当然ここまで絶対等級の強い恒星がポルックスぐらいの距離まで接近すると地球から見た明るさも相当なものとなり、マイナス3.88等と金星の半分ほどの明るさにまで明るくなったことがあったほどである。

この明るさは現在から前後500万年までに達した恒星は無く、実質アダーラは1000万年の間で最も明るくなった恒星である。

 

このように現在ではギリギリ2等星である恒星もかつては明るさから見ると異常と言えるほどの接近をし、その当時の地球からは想像もできないほどの明るさの恒星が観測できたことになるが実はもう一つとてつもなく明るい恒星がその当時には存在していた。

その恒星はアダーラと同じおおいぬ座に位置しているβ星, ミルザムであり、この恒星も非常に明るい恒星である。

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ミルザムの位置はシリウスのすぐ隣にあり、オリオン座の近くに位置している。

ミルザムはスペクトル型がB1Ⅱ型の輝巨星であり、絶対等級もマイナス3.96等とアダーラとほぼ同じであるが表面温度が高い分、総エネルギー量では上回っている。

そして、ミルザムも今から442万年前に地球から37光年とアルクトゥルスの距離程度にまで接近をし、その時の明るさはマイナス3.69等とアダーラほどでは無いが非常に明るくなったことがある。

このため、440~470万年前の夜空では現在はおおいぬ座の方向に数百光年離れているアダーラとミルザムが極めて明るい光度で輝いており、この明るさは絶対等級の強さから相当な期間の間続いたとされる。

 

ここまではアダーラ以外に地球に大接近をした恒星であるミルザムについて書いてきたが最後に余談を書いて行きたいと思う。

アダーラは地球から見ると最も明るい2等星であるが実はアダーラから見ると最低でも36個もの恒星が1等星以上の明るさとして観測することができ、その中でもカノープスはアダーラから179光年程度しか離れていないため、マイナス1.91等と地球から見たシリウスよりも明るく観測することが可能である。

ちなみにシリウスはアダーラから観測しても肉眼では見えない。

 

 

 

以上、最も暗い1等星と最も明るい2等星についてでした。