DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

2,000光年以内の恒星の明るさ それでもリゲルは...

今回は2,000光年以内の明るい恒星について書いて行きたいと思う。

 

1. 恒星の絶対等級

恒星の絶対等級は大小さまざまであるが大半の恒星は暗く、いわば認知されることすらないような恒星も多数と言うよりもほぼすべての恒星がそうである。

けれども明るい恒星はけた違いに明るく、中には太陽の数万倍クラスの恒星でさえある。

しかし、このような恒星は全恒星の中でも非常にまれであり、2日前の記事でも書いたように肉眼で観測が可能な恒星は全恒星の中でもトップクラスに明るく、分かりやすく言うと超高倍率に勝ち抜いてきた恒星である。

そして、また2日前の記事の話になるが地球から10パーセク、即ち32.6光年以内には太陽を除くと56もの恒星が肉眼で観測することが可能であり、肉眼で観測できないものも含むとその数は更に増えることになり、1,000は超えるのではないかと考えられる。

当然範囲を広げていくと恒星の数も急増し、100光年以内には数十万単位の恒星が存在していると思われる。

 

ここまでは恒星の数と明るさについて書いてきたが今度は絶対等級について書いて行きたいと思う。

絶対等級は恒星の明るさを示す指標であり、恒星を10パーセク先に置いたときの明るさで太陽は4.83等と決して明るいとは言えないが大半の恒星はこの明るさよりも暗い。

そして、絶対等級は5等増えると明るさは100倍となるので明るい恒星の代表例であるカノープスの絶対等級はマイナス5.6等であるので太陽の15,000倍近くも明るい。

また、恒星は質量が大きければ大きいほど明るさが増し、更に高齢なものも明るくなる傾向がある。

実際にカノープスは高齢な恒星であり、更に質量も太陽の10倍程度とかなり重い。

けれどもカノープスの質量は太陽と比較するとかなり大きいがそれでもせいぜい10倍と特に圧倒する等な質量ではないがそれとは裏腹に光度は桁違いに明るい。

この理由は恒星は質量が少しでも増すと急激に光度が上昇し、太陽の二倍の質量しかない若い恒星であるシリウスの光度が太陽の23倍もあることを考えるとこの傾向が正しいことが分かる。

そのため、カノープスは太陽の10倍と言う質量から15,000倍と言う格段に明るい光度を放つことが可能であり、質量がさらに大きな恒星は更に光度が増すこととなる。

しかし、これほどの光を放つと当然ではあるが燃費の相当なものとなり、結果として寿命も桁違いに短くなる。

実際にカノープスの寿命はせいぜい2,600万年と言われており、更に質量の大きなリゲルの場合は1,000万年ももたないとされている。

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以上のことより恒星は明るいものは極端に明るいが寿命も極端に短くなるので昔から極端に明るく輝いている恒星は無いのである。

では、次からはX光年以内の明るい恒星について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. 500光年以内の明るい恒星

500光年以内には多数の恒星が含まれており、太陽のような恒星は肉眼では観測できなくなっており、シリウスの様な恒星も340光年ほど離れると肉眼では観測できなくなる。

このことより遠くにある恒星で肉眼で観測可能なものは必然的に絶対等級が強いものに限定され、「遠い恒星=明るい恒星」と言えるようになる。

しかし、500光年以内に絶対等級がマイナス5等を超えている恒星は確実なものでは1つしか存在しておらず、その恒星は先ほども紹介したカノープスである。

カノープスは地球から309光年離れた位置にある超巨星であり、絶対等級はマイナス5.6等もある。

そのためカノープスは近場の恒星(ベガ, アルタイルなど)よりも明るく輝いており、その明るさは全天で二番目に及ぶほどである。

また、カノープスの距離は309光年と太陽からすると相当遠く、実際にこの位置から太陽を観測しても肉眼では余裕で観測することが不可能であり、更にシリウスクラスの光でさえこの距離まで離れるとほぼ見えなくなる。

しかし、カノープスにとってはこの距離でさえ非常に近距離とも言え、実際にカノープスは850光年ぐらいまで一等星として観測することが可能である。

 

ちなみに次に明るい恒星はケンタウルス座のハダルであり、この恒星は太陽系から392光年離れた所にある0.61等星であり、絶対等級はマイナス4.8等にも及ぶ。

けれどもハダルの表面温度は太陽の4倍もあるので可視光領域の割合は小さく、総合的なエネルギー量ともなるとカノープスを軽々と上回るようになる。

また、三番目に明るいアクルックス(南十字座α星, Alpha Crucis)は太陽系から321光年離れており、地球からの明るさは0.81等であるので絶対等級はマイナス4.16等ぐらいであるがこの恒星の表面温度はハダルよりもさらに高く、29,000 Kほどもあり、最も高温な一等星である。

 

 

 

3. 1000光年以内の明るい恒星

1,000光年ともなると恒星の数は単純計算で500光年以内の恒星の数の8倍となり、非常に多くなるので明るい恒星も必然的に増加する。

そして、1,000光年以内で最も明るい恒星はリゲルであり、この結果は1,900光年まで離れても覆されることは無い。

ちなみに次に明るい恒星はベテルギウスとされる場合もあるが距離によってはカノープスの可能性もあり、この理由はベテルギウスの距離が資料によってまちまちだからである。

実際にベテルギウスまでの距離は497光年とするものと642光年とするものがあり、ベテルギウスの視等級は平均で0.42等であるので497光年の場合はマイナス5.49等、642光年の場合はマイナス6.05等となり、後者の場合はカノープスを上回ることになる。

そして、1,000光年以内でマイナス5等を可視光だけで超えている恒星はリゲル, ベテルギウス, カノープス以外にはアンタレス, アルニタクの2恒星があり、アンタレスはさそり座の主星、アルニタクはオリオン座の三ツ星の一つである。

  1. リゲル 863光年 -6.98
  2. ベテルギウス(上方) 642光年 -6.05
  3. カノープス 309光年 -5.60
  4. アンタレス 557光年 -5.07
  5. アルニタク 736光年 -5.01

ちなみにアンタレスはベテルギウスと同様に表面温度が非常に低い恒星であり、いつ超新星が起こっても不思議ではない状態の恒星であるがアルニタクは逆に表面温度が極端に高い恒星であり、その表面温度はアクルックス以上であるが決して若い恒星ではない。

 

 

 

4. 2000光年以内の明るい恒星

最後に2,000光年以内の明るい恒星について書いて行きたいと思う。

2,000光年以内の恒星ともなるとカノープスでさえ負けるような明るい恒星が出現し始め、カノープスの順位はかなり落ちる異なるがそれでもリゲルの順位は2位に落ちる程度であり、実際にリゲルの順位は5,000光年以内の恒星の中でも3位と非常に高い。

では、どの恒星がリゲルよりも上位にいるかというとリゲルと同じ星座に位置しているアルニラムという恒星であり、この恒星はオリオン座の中心、つまり三ツ星の真ん中の恒星である。

  1. アルニラム 1,977光年 -7.22
  2. リゲル 863光年 -6.98
  3. デネブ 1,411光年 -6.93
  4. おおいぬ座δ星 1,615光年 -6.63
  5. はくちょう座γ星 1,831光年 -6.52
  6. おおいぬ座η星 1,988光年 -6.47
  7. ベテルギウス(上方) 642光年 -6.05
  8. ほ座γ星 1,116光年 -5.92
  9. さそり座ι1星 1,930光年 -5.83
  10. カノープス 309光年 -5.60

の順になっており、カノープスでさえ10位にまで転落している。

そして、3位はデネブとなっているが5位もはくちょう座の恒星となっており、この恒星(γ星)はいわば巨大な北極星のとも言える姿をしているために絶対等級はマイナス6.52等と底知れない明るさとなっておる。

 

また、おおいぬ座の恒星も4位と6位にランクインしているがこれらの恒星も極端に明るい恒星であり、おおいぬ座δ星は先ほどのはくちょう座γ星よりも更に明るい恒星であるがその光度差はせいぜい0.11等程度しか無く、はくちょう座γ星とおおいぬ座δ星は非常に似通った天体であることが分かる。

加えてη星はデネブよりも若干若い恒星であり、η星が高齢化するとデネブのような姿となると考えられる。

なので可視光だけだとはくちょう座γ星やおおいぬ座δ星に負けているが総エネルギーともなるとこれらの恒星を上回ることとなり、可視光だけでは測れないことが分かる。

 

更に8位のほ座γ星は可視光だけではマイナス5.92等とそこまで明るくは無いが(それでもカノープスは上回っている)表面温度はアルニタクと同等か更に高いので総合的なエネルギー量ともなるとリゲルをも上回り、銀河系で最も強大な恒星であることに疑いはないほどである(ちなみにアルニラムも表面温度は極端に高く、先ほど書いたハダルとアクルックスの間程度の表面温度を有しているので総エネルギー面においてもほ座γ星を上回っている)。

 

このように2,000光年ともなるとカノープスでさえかすんで見える恒星が出現し始め、宇宙には極端な恒星があることが分かるがそれでもリゲルに順位は高いままなのでリゲルの明るさがとてつもないことが分かるのである。

 

 

 

以上、X光年以内の明るい恒星についてでした。