DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

恒星と非常に近い惑星 1,000万キロも離れていないものも

今回は恒星と極めて近い惑星について書いて行きたいと思う。

太陽系の中で最も太陽と近い位置にある水星は太陽から6,000万キロと地球の40%ほどの距離にあり、太陽から多量の熱と重力を受けているが宇宙の中には水星とは比にならないほど中心恒星と距離が近い惑星もある。

 

1. HD 209458

恒星との距離が近い惑星を有するもので比較的有名なものにHD 209458がある。

この恒星はペガスス座の方向に154光年ほど離れた位置に存在しており、地球からの明るさは7.65等と肉眼で観測することは不可能である。

また、この恒星のスペクトル型はF8Ⅴ、つまりF8型の主系列星であり、太陽のG2型と比較すると若干ではあるが表面温度が高い(スペクトル型の表面温度はOBAFGKMの順で、Oが一番高温)。

そして、絶対等級は視等級7.65等、距離154光年であるのでここから計算すると

計算式 : 7.65-5×log(154/32.616)≒4.28

4.28等となり、これは太陽の4.83等よりも若干明るく太陽の1.66倍程度の光度を有しており、スペクトル型を考慮すると妥当な値である。

 

ここまではこの恒星までの距離とスペクトル型, および絶対等級について書いてきたが今度はこの恒星の直径や質量についてのデータについて書いて行きたいと思う。

f:id:DS930810:20180207123225j:plain

このように、この恒星は全ての面において太陽よりも若干上回っており、年齢だけは太陽よりも若干若いがそれでも太陽とかなり似ている。

ここまで書くとこの恒星は太陽と比較的似ており、太陽よりも若干強力なだけの恒星にしか見えないが実は太陽にはないある特徴を持っている。

それはこの恒星自身にあるのではなく、この恒星を周回している巨大ガス惑星(木星や土星のような直径, 質量が大きなガス状の惑星)にある。

太陽の周りを公転しているガス惑星はどちらも地球からの距離が遠く、表面温度も相当低くなっているがこの恒星を公転しているガス惑星は太陽-水星間など比にならないほど恒星の近くを公転しており、当然表面温度も凄まじいことになっている。

その表面温度は1,200℃程と言われており、その理由は先ほども書いたように恒星との距離が極めて近く、大体670万キロ程度しかはなれていないからである。

この距離は太陽-地球間の4.5パーセント程度と極めて近く、この恒星の直径(161.75万キロ)の4倍強程度しか無いほどである。

f:id:DS930810:20180207124605j:plain

2星の距離は上図のように極めて近く、惑星から恒星を観測すると地球から見た太陽の25.8倍程度の大きさで観測することができる。

更にこの惑星から見た恒星の明るさは太陽の820倍もあり、これを視等級に換算すとマイナス34等にも及び、この光度は太陽の位置に絶対等級がマイナス2.45等の恒星を置いたときの地球と同じような状況となる。

このように恒星との距離が非常に近いために惑星は非常に熱せられているのと同時に凄まじく膨張しており、質量は木星の69%程度と比較的軽量ではあるが(土星の2.32倍, 地球の219倍)直径は木星の直径を大幅に上回る19.3万キロメートルほどもあり、この大きさは太陽系から最も近距離にある恒星のプロキシマ・ケンタウリとほぼ同じほどである。

そのため、密度もかなり小さく土星の密度をも軽く下回っている上に表面重力も地球よりも小さくなっている。

 

更に恒星との距離が近いということは熱だけではなく重力の影響も非常に大きくなっており、地球が太陽から受ける重力の567倍もの重力を受けている。

そのため恒星の周りを安定して公転するにはすさまじい遠心力が必要となり、遠心力は速度の2乗に比例し、距離の1乗に反比例するために公転周期はわずか3.5日ほどとなっている。

ちなみに、この惑星にはオシリス(Osiris)と言う名称がつけられており、この名称は古代エジプト神話の神の名に由来している。

 

 

 

2. ペガスス座51番星

先ほどまで書いた恒星との距離が極めて近い木星型惑星のことをホット・ジュピター(Hot Jupiter)と呼び、このような惑星は太陽と似た恒星であるG型主系列星、またはF型主系列星の周囲に形成される傾向がある。

そして、この項で紹介する恒星も太陽と同じG型主系列星であり、先ほどのHD 209458もF型主系列星である。

HD 209458もペガスス座の恒星であったが今回紹介するぺガスス座51番星もぺガスス座に属する恒星であり、HD番号(ヘンリー・ドレイパー番号)は217014である。

 

ぺガスス座51番は地球から見ると5.49等で観測することが可能であるため肉眼での観測も可能である。

そして、地球からの距離は50.9光年とHD 209458と比較すると3分の1程度の距離しか離れておらず、絶対等級は4.52等とHD 209458と比較すると若干暗く、アルファケンタウリよりも暗いが太陽よりかは明るい。

また、この恒星の年齢は71億歳程度と推測されており、更に直径も太陽の27%程度も膨張しているが表面温度は太陽と同等程度は若干低い程度であるのでであるので準巨星に移行している段階であると考えられている。

更に質量は太陽の1.11倍, 1.04倍の説があるが1.11倍の質量があるとアルクトゥルスのような巨星に既に達していると考えられるため、1.04倍のほうが正しいと推測できる

f:id:DS930810:20180207132917j:plain

 

一応地球から肉眼で観測できるので位置も載せていきたいと思う

f:id:DS930810:20180207132659j:plain

位置はぺガススの四辺形のシェアト(画像中央上の恒星, 2.42等, 赤色)とマルカブ(画像中央やや下の恒星, 2.49等, 青白色)を結ぶ線の中央右寄りに見える。

 

 

ここまでがぺガスス座51伴星についてのデータであったがここからは本題に入っていきたいと思う。

ペガスス座51伴星にはHD 209458と同じように恒星の至近距離を公転する惑星があり、この惑星は主星とは788万キロ程度しかはなれていない。

この距離は先ほど書いたオシリスの恒星間距離よりも長く、更に中心星の質量、光度もこちらのほうが下回っているのでオシリスよりかは幾分かはましではあるがそれでも強烈な光を浴びることには変わりない。

では、どれほどの光を浴びているかというと地球が太陽から浴びる光の479倍程度であり、視等級はマイナス33.44等にも及ぶために表面温度は1,000℃程度となっていると推測されている。

また、当然重力の影響も大きいために公転周期はわずか4.23日ほどとなっており、先ほど書いたオシリスと比較するとまだ長いほうではあるが水星(88日)と比較すると相当短い。

 

以上が恒星の至近距離を公転する惑星についてであったが当然至近距離を公転する惑星はこれ以外にもあり、全主系列星の内11%はFG星であるので至近距離を公転する惑星の数も百億単位であると考えられる(太陽は違うが)。

 

 

ちなみに太陽がリゲルならば木星の表面温度はこれ以上になると考えられる。

リゲル: 可視光絶対等級, マイナス6.98等 (52,966太陽光度)

     輻射絶対等級, マイナス7.87 (120,000太陽光度)

木星-太陽間, 5.2天文単位 (777,920,000 km)

地球から見た太陽の光度, マイナス26.74等

 

リゲルは非常に巨大ではあるがその大きさを無視し、木星の位置にリゲルを置くと木星からは可視光だけでも

52,966 × (5.2^2)^-1 ≒ 1958.8 

オシリスから見たHD 209458の倍以上の明るさで観測され、これはマイナス34.97等にも及ぶ。

ちなみに総エネルギー量だとマイナス35.86等になる。

 

 

 

以上、恒星と非常に近い惑星についてでした。