DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

最も遠い一等星デネブ 1,000光年以上も離れているが...

今日は最も遠い一等星であるデネブについて書いて行きたいと思う。

デネブは夏の大三角形の恒星であり、その中でも暗いが実は距離が非常に遠いために暗く、実際の明るさは非常に明るい。

 

1. 極端に明るい恒星

デネブは全天で19番目に明るい恒星であり、地球からの明るさは1.25等とかなりのものとなっている。

けれども全天21星の中では非常に暗いほうであり、デネブよりも暗い恒星はベクルックス, レグルスの2星しかない。

しかし、地球から見て暗い理由は地球からの距離が非常に遠いからであり、地球からは1,411光年と全天21星の中で唯一1,000光年をオーバーしており、そして実際の明るさも非常に明るい。

その明るさは極端に明るい恒星の代表であるリゲルに匹敵するほどで、絶対等級もマイナス7等に近いほどである。

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※直径, 質量, 光度は太陽との相対値

上の表のようにリゲルとデネブでは若干リゲルのほうが明るく、表面温度も高いのでデネブはリゲルには若干及ばないがそれでも全天21星の中では二番目に明るい恒星である。

更にスペクトル型に着目すると両者ともにⅠaとなっており、このスペクトル型は超巨星の中でもとりわけ明るいものだけにつくものであり、このタイプの恒星は1等星の中ではリゲルとデネブだけである。

そして、デネブは白鳥座α星型変光星の代表例であり、このタイプの変光型はスペクトル型がⅠaの恒星に見られるものであり、リゲルもこの変光型に分類されている。

 

また、デネブの距離は先ほども書いたように他の一等星とは比較にならないほど遠く、二番目に遠いリゲルの1.63倍も遠い。

ちなみにリゲルとデネブは絶対等級がそれぞれマイナス6.98等、マイナス6.95等と太陽はおろか普通の超巨星と比較しても極端に明るいので距離が非常に遠くても相当明るく見え、仮にリゲルから太陽を見ると11.94等、デネブから太陽を見ると13.01等と肉眼はおろか望遠鏡でも観測することは困難な程度の明るさとなる。

 

 

 

2. 他の一等星からも遠い星

デネブまでの距離は太陽から1,411光年と非常に遠いがデネブまでの距離が遠いのは太陽だけではなく、他の一等星からでも同じである。

例えばリゲルを例に挙げていきたいと思うが実はリゲルとデネブが属している星座はオリオン座と白鳥座であるため両者はほぼ逆方向に位置している。

そのため両者の距離は非常に遠く、2,009光年と2,000光年以上も離れている。

2,009光年と言うと光の速度で2,009年もかかる距離であり、この距離は2.5等星までの恒星で最も遠いアルドラ(おおいぬ座η星)の距離よりも遠い(アルドラは1,988光年離れた所にある恒星でスペクトル型はリゲルやデネブと同じくⅠa型と非常に明るい)。

そして、リゲルからデネブを見るとどれほどの明るさかというとほぼ2等星であり、大体北極星と同じぐらいである(ちなみにリゲルはデネブから見ると1.97等星として観測でき、この明るさは北極星の明るさと一致する)。

けれども北極星は太陽系から434光年しか離れておらず、デネブやリゲルは2,000光年先から見てこの明るさなのでリゲルやデネブの光度が北極星のものとは格が違うことが分かる。

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ちなみにアルドラはおおいぬ座の尾に位置している恒星であり、地球からの明るさは2.45等とあまり明るくないが実際には非常に明るい恒星である。

また、質量自体はデネブと同じぐらいであり、更に「尾」に位置しているという共通点があり、更に白鳥座α星タイプの変光星であるが年齢はデネブと比較したら若く高温であるため可視光領域はあまり強くなく、可視光だけの絶対等級はマイナス6.47等程度に収まっている。

 

ここまではリゲルとの位置関係について書いたが一等星の多くは地球からの距離が近いので他の一等星とも距離が遠く、デネブと一番距離が近い一等星は実はベガである。

ちなみにアンタレスは地球からの距離が遠く、更に夏の恒星なのでデネブとは近そうに見えるがアンタレスは南の恒星、そしてデネブは北の恒星であるので距離は地球との距離に当たる1,411光年よりも遠く、1,500光年以上も離れており、更に他の地球からの距離が遠い恒星であるリゲル, ベテルギウス, ハダル, アクルックス, カノープス, ベクルックスはどれもデネブと似た方向を向いていないため、デネブとの距離は地球よりも遠くなっている。

このようにデネブは他の一等星とは明らかに離れた位置にあり、ある意味では孤独な一等星とも言えるであろう。

 

 

 

3. デネブよりも強大な白色超巨星

先ほどまではデネブという恒星は非常に遠く、そして非常に明るい恒星であると書いてきたが肉眼で観測できる恒星の中にはデネブよりも更に遠く、そして更に明るい恒星も存在する。

その中でもデネブと表面温度が似ている白色超巨星についていくつか例を挙げていきたいと思う。

デネブはスペクトル型がA2Ⅰa型の恒星であるが先ほど挙げたアルドラの近くにはこのスペクトル型と同じであるかつ更に明るい恒星が位置している。

その恒星はとも座にあるとも座3番星(HD 62623)という恒星であり、地球からの距離は5,528光年も離れている。

そして、地球からの明るさは3.94等であるので絶対等級はマイナス7.2等にも及び、これは太陽の65,000倍も明るい。

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位置は先ほど紹介したアルドラのほぼ左側に位置しており、星座境界線をまたぎ、とも座に位置している(左のマーカー, 右はアルドラ)。

この恒星は肉眼で観測できる恒星の中では11番目に絶対等級が明るい恒星であり、極めて明るいことが伺えるが実はこの恒星よりも明るいスペクトル型がAの恒星(白色超巨星)は3つもある。

では、その恒星はと言うと...

 

りゅうこつ座P星(HD 90772), ケフェウス座ν星(HD 207260), りゅうこつ座y星(HD 97534)の3つであり、どの恒星も聞いたことが無ければ地球からの明るさも暗く見どころが無いように見えるが実は絶対等級が異常なほどに明るい白色超巨星である。

その絶対等級はりゅうこつ座P星がマイナス7.3等, ケフェウス座ν星がマイナス7.34等、そしてりゅうこつ座y星に至ってはマイナス8.34等と肉眼で観測できる恒星の中では最も明るい。

そして、これらの恒星はいずれも白鳥座α型の変光星であるが恒星自体が非常に恒星化しているためにケフェウス座ν星以外の恒星は不規則変光星でまとめられることが多いほどである。

このようにデネブよりも明るい恒星は数自体は非常に少ないがあることにはあり、これらの恒星はいずれも非常に高齢化している。

 

 

 

以上、デネブとそれ以上に明るい恒星についてでした。