今回はカバが泳げないことについて書いて行きたいと思う。
カバは川に生息しているが密度が水よりも大きいために泳ぐことができない。
けれども本当に泳げないかとなると断言できず、実際にはどうなのかについて書いて行きたいと思う。
1. カバは泳げると勘違いされたわけ
普通泳ぐときには水の上に浮かび泳ぐこととなるが密度が水よりも大きいと当然浮かび上がることはできず、結果として泳ぐことは不可能である。
そして、カバは生物としては密度が大きく、実は水よりも密度が高いために水の上に浮かび上がることはできないため、実質泳げないと見なされる。
しかし、カバは水で生息しているので泳げると勘違いされがちであり、更にかつて「泳げないカバ」と紹介されたカバがいたので普通のカバは泳げると勘違いされたこともある。
では、このことについて少し書いて行きたいと思う。
かつて、長崎バイオパークと呼ばれる動物園で「モモ」と呼ばれるカバがおり、このカバは水を怖がるために「泳げないカバ」と呼ばれた。
確かに「モモ」が泳ぐことはできないということは事実である。
けれどもこのような書き方をするとモモ以外のカバが泳げると言っているようなことであり、例えば「冷たくない雪」と言うとその雪以外は全て冷たいようにも思える。
このことはある名詞に否定のニュアンスを入れた形容詞を置くことによって起こるものであり、わざわざその形容詞を入れているということはその名詞と同じ事象に当たるものは全てその形容詞に反していると解釈される。
そのため、「泳げない」カバと書くと普通のカバは泳げると思われ、もしカバが泳げないとするとわざわざ「泳げない」と言う形容詞を入れる必要が無くなるのである。
つまり、普通のカバも泳げないのでこの「泳げないカバ」と言う言葉はおかしく、「水を怖がるカバ」と言ったほうが明らかに正しいのである。
その理由は言うまでも無いが普通のカバは水を怖がることは無く、「水を怖がる」と言う形容詞を入れることでこのカバが普通のカバと異なることを示せるからである。
まあ、最近になって肉を食べるカバが増えてきており、いままでのカバは肉を食べることは無いのでこの「肉を食べる」と言う形容詞を入れることで普通のカバとは異なるということを示すことができ、この「肉を食べる」という単語が普通のカバと異なるということを示すようになっている。
このように形容詞の使い方の誤りがカバは泳げるという勘違いにつながったがカバは先ほども書いたように密度が水よりも大きいので泳ぐことはできない。
しかし、実際に泳げないと断言できるかというとそうはいかず...
2. では、カバは泳げるのか?
先ほどまではカバは泳げないと書いたが実際にそうなのかについて書いて行きたいと思う。
カバは確かにクロールやバタフライのような泳ぎはできないものの完全に泳げないかと言うと実はそうでもない。
カバの密度は確かに水よりかは大きいものの鉄やアルミニウムのように密度が水を圧倒的に上回っているわけでは無く、ほんの少し上回っているだけなので水の中ではねることはでき、更に水の中を比較的速い速度で動き回ることもできる。
実際にカバは「カバ 跳ねる」と検索すると旭山動物園のカバが水中を跳ね回っている動画が検索に引っかかり、カバが水の中で不自由なく跳ね回っている映像を見ることができる。
このことよりカバが泳げないと聞くと水に入ったとたんに溺れてしまう所を想像してしまうが実際には水の中で軽やかな動きをしており、このような映像を見ると泳げないと断言することは難しくなる。
そして、カバが溺れる条件を作るとすると足場が無く、更に深さがカバの体高を余裕で上回っている所にカバを落とすような状況に限られていき、確かにこのようなことをするとカバはなすすべもなく溺れ、水中に沈んでいくこととなる。
しかし、カバが生息している川ではこのような状態となっている所は無く、比較的浅い上に足場もあるのでカバが溺れるということはほとんどありえない話となってくる。
つまり、カバは泳げるかというとそうでもなく、だからと言って泳げないかと断言することもできず、結論から言うとカバは泳げるわけでは無いが水の生活に適応しており、泳げるか泳げないかで断言することはできないと言える。
ちなみにカバの密度はどれほどかは分からないがカバが水の中で跳びまわっている所を見ると水と比較しても大して大きいわけでは無く、塩分濃度の極めて高い死海中では間違いなく浮かぶことができると思われる。
まあ、泳げるかどうかは分からないが...
以上、カバが泳げるか否かについてでした。