DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

四番目の金属マグネシウム 二酸化炭素中でも燃える!?

今回はマグネシウムについて書いて行きたいと思う。

 

1. マグネシウムとは

マグネシウムは原子番号が12番の金属であり、全金属原子中では四番目に原子番号が小さく、そして単体で見ることが出来る中では最も軽いものである。

マグネシウムよりも原子番号が小さい金属はリチウム, ベリリウム, ナトリウムの3つであり、これらの金属は珍しい、または反応性が高く単体では普段から目にすることは無いがマグネシウムは反応性が高く、空気中で放置すると酸化マグネシウムに酸化されてしまうがリチウムやナトリウムのように即座に酸化されるほどではない。

 

また、リチウムやナトリウムは水に混入すると水と爆発的に反応して陽イオンと化し、代わりに水は水酸化物イオンと水素となる反応が起き、この時発生した水素が反応熱によって酸素と反応し爆発する現象が起きるがマグネシウムの場合は水と反応することは無い。

ただしそれは常温の水に限った話であり、高温の水蒸気とは反応を起こしリチウムやナトリウムと同様の反応を起こし、マグネシウムはイオン化する。

ここでリチウム等と同様に水酸化物が生じるが水酸化リチウムなどとは違い、塩基性は弱く、pHは大体10~11程度と比較的小さなものとなっている。

このようにマグネシウムは確かに反応性は高いがリチウムほどではなく、更に水酸化物の塩基性も小さいのでリチウムなどと比較するとかなり性質が異なるが同じ族であるカルシウムはどちらかというとリチウムのように反応性が高い。

 

マグネシウムは2族に属する元素であり、2族に属する元素としてはマグネシウム以外にベリリウム(4)、カルシウム(20)、ストロンチウム(38)、バリウム(56)、ラジウム(88)があり、ベリリウム以外の元素の反応性はマグネシウムよりも高く、水と容易に反応を起こし、生成する水酸化物の塩基性も非常に高くなっている。

このような元素のことをアルカリ土類金属と呼び、ベリリウム、マグネシウム以外の2族元素は全てこれに属している。

つまり、マグネシウムは2族元素であるのにもかかわらずカルシウム以降のものとは性質も似ていないという特徴があり、どちらかというと安定したものとなっている。

 

そして、ここからはアルカリ土類金属の話に入っていきたいと思う。

アルカリ土類金属は水と容易に反応し、水酸化物と水素を生じる点ではアルカリ金属と共通しているがいくつかの違いも同時に存在する。

ここで、アルカリ金属(Na)とアルカリ土類金属(Ca)の水との反応について書いて行きたいと思う。

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アルカリ金属であるナトリウムとの反応ではナトリウム原子1つと水分子1つが反応して水素分子が0.5個生じるがカルシウムの場合だとカルシウム原子1つと水分子2つから水素原子が1つ生じることとなっている。

つまり、ナトリウムの場合だと原子一つ辺りから生じる水素分子の数はカルシウムの半分となっているわけだがこれには水酸化物の違いが理由となっている。

ナトリウム原子はネオン配列と言う安定した配列の外側に電子が1つ周回した軌道を持っており、この電子が外れたら原子配置が安定するためにナトリウムは電子を1つ放出した軌道になりたがる。

このことがナトリウムの高い反応性とつながっており、ナトリウムが放出した電子が水と反応することにより水が水酸化物イオンと水素分子に分解することとなる。

そして、ナトリウムは1価の陽イオンとなり、それを補うためには1価の陰イオンである水酸化物イオンが必要となるために水酸化ナトリウムはナトリウムイオン:水酸化物イオン=1:1の組成比となっている。

 

それに対してカルシウムイオン等の2族の原子は安定配置の外側に電子が2つ周回した軌道を取っており、こちらもナトリウムと同様に電子が2つ放出された状態となると安定軌道となるため、カルシウムイオンは2価の陽イオンの状態が安定である。

つまり、水酸化カルシウムはカルシウムイオン:水酸化物イオン=1:2の組成比となっているのでカルシウムイオンと水は1:2で反応することとなり、最終的に発生する水素分子の数は水分子の半分の数となるのでカルシウムイオンと同じ量だけ発生することとなる。

 

このように2族元素は大きな反応性を持っているのにもかかわらず、マグネシウムは持っていない理由としては原子核と最外殻との距離が近いからである。

原子番号が大きくなればなるほど原子核との距離が大きくなり、最外殻の電子が外れやすくなる、つまり反応性が高くなる傾向があり、一般的に他の物質と反応しない18族の元素でもキセノン(54)ほど原子番号が大きくなると最外殻電子と原子核との距離が大きくなり、最外殻の電子が外れ、他の物質と化合物を形成することが知られている。

18族の中で最も原子番号が小さいヘリウムは他の物質と化合物を形成した例は今のところは無く、このように原子番号が小さい元素は原子核の束縛が大きいため、反応性は薄くなる。

このことがマグネシウムやベリリウムにも言え、マグネシウムやベリリウムは原子番号が小さいために反応性が薄くなっている。

 

しかし、マグネシウムには他の元素にはない面白い反応が見られ...

 

 

 

2. マグネシウムの燃焼

マグネシウムは金属元素であり、カルシウムのように反応性は高くないが全金属中では反応性は非常に高いほうであり、マグネシウム金属自体が燃焼することが出来る。

一般的に鉄などの金属は燃えることも無く、酸素と反応する時も時間をかけて反応し、酸化鉄を形成するがマグネシウムの場合は周囲に酸素がある場合、強烈な光を放って酸化マグネシウムを形成する。

よく中学校の理科の実験などでマグネシウムに火をつけると強烈な光を放ち、酸化マグネシウムが生じる反応を一度は見たことがあると思うがあれこそがマグネシウムと酸素の反応であり、このような性質を示す金属を筆者は他に知らない。

金属は一般的に酸素と反応し、リチウムやナトリウムのような金属は空気中に放置すると常温で反応した後に酸化物を形成するが燃焼は「光と熱を伴った酸素との反応」であるので光を放たないこの反応を「燃焼」と呼ぶべきかは微妙である。

そして、鉄などの反応性が普通の金属は即座に反応することは無く、徐々に反応するのでこちらも燃焼と呼ぶかはやはり疑問となる。

けれどもマグネシウムは光と熱を伴った反応をするので自信をもって「燃焼」と呼ぶことができ、マグネシウムは「燃焼する金属」と呼ぶことが出来る数少ない金属であるとも考えられる。

 

ここまでは酸素との反応についてでしたがマグネシウムは実は二酸化炭素中でも燃焼することができ、二酸化炭素中で燃焼することが出来る数少ない(というよりも筆者はマグネシウム以外は知らないが)金属でもある。

二酸化炭素と言うと反応性が小さく、安定な分子であるのでたまりやすく、光合成等の一部の反応でしか反応をしないが実はマグネシウムは二酸化炭素と反応して、酸化マグネシウムと炭素を生じる。

これもマグネシウムが反応後に「酸素」と結びついており、更に光と熱を伴っているので「燃焼」と呼ぶことができ、酸素との燃焼の違いは二酸化炭素であるので当然炭素を含んでいるため、燃焼後に黒い炭素が生じることである。

普通は炭素を燃やしたら二酸化炭素が生じるがこちらの燃焼では二酸化炭素が燃え、燃えた後には炭素が生じ、逆の反応が起こっているのである意味では興味深い。

 

ちなみに反応は以下のように起きている(上:酸素、下:二酸化炭素)

f:id:DS930810:20180125172736j:plainこのように生成するものはどちらも酸化マグネシウムだが二酸化炭素の場合は炭素が追加で生じる。

 

 

 

以上、マグネシウムについてでした。