DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

新星爆発とは? 実は超新星とは全く関係がない

今回は新星爆発について書いて行きたいと思う。

超新星爆発はかなり有名な現象であり、赤色超巨星などが起こすことで有名ではあるがこの言葉の元となった新星爆発については意外と知られていない。

では、新星爆発とは何なのか?

 

1. 新星爆発

新星爆発は名称から見ると小規模な超新星爆発のようにも思えるが実際には超新星爆発とは全く関係がない現象である。

確かに超新星爆発とは何の関係も無い現象ではあるが新星爆発と超新星爆発の名前の由来は同じであり、共に新しい恒星が生まれることに由来している。

勿論そのようなことは無く、超新星爆発に至っては大質量の恒星などが崩壊する現象であるので新星の本来の意味とは真逆である。

では、何故新星や超新星と呼ばれるようになったかと言うと恒星の光度が今までとは比較にならないほど明るくなり、新星爆発の場合は絶対等級にしてマイナス8等、超新星爆発に至ってはマイナス19等ほどにまで光度が上がるため、今まで見えなかった領域に突然明るい恒星が出現したかのように見えたからである。

以上のことより明るさだけなら確かに「超」新星は新星の強大なバージョンのようにも思えるが別に新星爆発と超新星爆発には突然明るくなる以外には共通点は無い。

 

では、新星爆発とはどのような天体が引き起こす現象かと言うと白色矮星である。

白色矮星は質量の小さな恒星の残骸であり、太陽の8倍以下の恒星が最終的にこのような姿と化す。

そして、この白色矮星が突然明るくなる現象こそが新星爆発ではあるが白色矮星が単体の場合には新星爆発はいつまでたっても起こることは無い。

新星爆発が起こるには白色矮星だけではなく、相方の天体が必要であり、相方の天体の大半は赤色巨星である。

つまり、新星爆発は連星系でしか起こらず、また片方の質量の大きな天体が寿命を迎えた後にもう片方の天体が高齢化し、赤色巨星と化した時にようやく新星爆発が起こる条件に達するのである。

けれども相方が赤色巨星でなくても新星爆発は起こるものの赤色巨星はある理由があるために新星爆発が起こりやすくなっている。

そして、これからはその理由を交えた上で新星爆発が起こるメカニズムについて簡単に書いて行きたいと思う。

 

新星爆発は白色矮星で発生すると書いたが白色矮星がただあるだけでは新星爆発は起こることも無く、白色矮星に水素ガスが降り積もった時に新星爆発は起こるのである。

そのためには相方となる天体が必要であり、またその天体と白色矮星は近くなければ恒星のガスが白色矮星に降り積もることも無いために両天体は接近していなければならない。

では、新星爆発のメカニズムを赤色巨星と白色矮星の架空の連星系を例にしてあげていきたい。

白色矮星と赤色巨星は互いに至近距離を公転し合っており、赤色巨星の表面重力は重心との距離が非常に大きいので極めて小さくなっているため、ガスは非常にはがれやすくなっている。

その一方で白色矮星は質量が恒星並みにあるために赤色巨星上のガスを強大な重力によって剥がし、取り込んでいる。

白色矮星の直径は非常に小さいため、表面重力は極めて強く、一回表面上に取り込んだガスは剥がれることは無く、更に赤色巨星からガスが常に流入することとなるのでガスは白色矮星上にどんどんたまっていき、ガスの質量はどんどん増えていくことになる。

そして、赤色巨星から取り込んだガスの質量が増えていくとガスの温度はどんどんと上昇していき、更に密度も上がっていくために白色矮星上にたまったガスは核融合反応を引き起こすこととなる。

その後、核融合反応が起こったガスは白色矮星上で暴走するかの如く反応し、その暴走した水素ガスこそが新星爆発として観測されるのである。

新星爆発が起こった後は表面上のガスは白色矮星の莫大な重力を振り切り、宇宙空間に放出されるので白色矮星上にはガスが無くなり、再び赤色巨星のガスが降り積もるのである。

 

このように新星爆発が起こる理由は

  • 白色矮星の表面重力の強さ
  • 赤色巨星の表面重力の弱さ

が大きく関係しており、赤色巨星は表面重力が小さいためにガスがはがれやすく、このことが赤色巨星が新星爆発を起こしやすい理由となっている。

実際に主系列星-白色矮星系の新星爆発の周期は1万年程度であるのに対して主系列星-赤色巨星系の新星爆発の周期は数十年程度と比べ物にならないぐらいに短い。

f:id:DS930810:20180113002601j:plain

このように新星爆発は赤色巨星の寿命が尽きるまで反復的に行われる。

 

 

 

2. 新星爆発はリゲルを超す!?

ここまでは新星爆発のメカニズムについて書いたが今度は新星爆発の明るさについて書いて行きたいと思う。

新星爆発は白色矮星上に積もった水素ガスの核融合暴走によって引き起こされ、また超新星爆発とは異なり、赤色巨星の寿命が尽きるまで行われるがその時の明るさはどうなっているのだろうか?

その明るさは勿論大質量星が崩壊する超新星爆発には軽く及ばないものの非常に明るく、大半のものは太陽の十万倍以上の可視光を放出する。

ここで新星爆発の例を挙げていきたいと思う。

さそり座U星と言う地球から39,000光年も離れた所に位置している恒星は地球から見た明るさは普段は19.3等と非常に暗いものであるが新星爆発が起きた時は7.5等まで上昇する。

7.5等でも19.3等でも肉眼で観測できる明るさではないが明るさに換算すると5.25万倍も異なり、この明るさの差は太陽とリゲルの差ほどもある。

もし、太陽が突然リゲルになったりすると地球は当然崩壊し、海王星も地獄の熱さになるが新星爆発が起きている時と起きていない時では明るさは実際にこれぐらい違うのである。

では、元の明るさと新星時の明るさを絶対等級で書いて行くとそれぞれ3.91等とマイナス7.89等となる。

ここで、元の明るさは3.91等と書いたが勿論これは白色矮星の明るさではなく、ガスを供給する恒星の明るさであり、この恒星は赤色巨星では無く準巨星と呼ばれる主系列星が巨星に移行していく段階の恒星である。

先ほどは赤色巨星と白色矮星の連星系で起こる現象と書いたが主系列星や準巨星でも新星爆発は頻度は少なくなるものの起こる。

準巨星になると絶対等級は1等程度上昇するのでこの準巨星の質量は太陽程度と推測でき、太陽程度の恒星が白色矮星にガスを供給しているのである。

そして、新星時の明るさに着目するとマイナス7.89等もあり、この明るさは太陽の12万倍強にも及び、絶対等級が強大なことで知られるリゲルの2倍以上も明るいこととなる。

つまり、新星爆発が起こった時の明るさは高光度超巨星(1aタイプ, リゲルやデネブなど)の明るさを上回ることもあり、非常に明るいことが伺える。

勿論これは一時的なものであるが一回ではなく、何回も起こる現象であり、白色矮星と相方の恒星が近く、また相方の恒星が赤色巨星となっている場合には周期は短くなる。

けれども超新星爆発と比較すると明るさは1万分の1にも及ばず、非常に明るい高光度超巨星や極超巨星の中には普段からこの明るさを超えるものも存在しており、肉眼で観測できる恒星の中にはカシオペア座ρ星(極超巨星, マイナス8.25)やりゅうこつ座y星(高光度超巨星, マイナス8.34)が挙げられる。

勿論これらの恒星はあと数十万年で新星爆発を超える超新星爆発を引き起こし、中性子星やブラックホールとなるわけだが...

 

※高光度超巨星と言う言葉は存在しておらず、筆者が勝手にそのように読んでいるだけであり、リゲルやデネブのようなスベクトル型が1a(非常に明るい超巨星)の恒星のことを指している。

 

 

 

以上、新星爆発についてでした。