DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

めったに無い黄色極超巨星 そして、非常に明るい光を放つ

今回は黄色極超巨星について書いて行きたいと思う。

極超巨星は文字だけ見ると強大な超巨星のようにも見えるが実際には半分だけしか当たっていない。

では、黄色極超巨星とはいったい?

 

1. 黄色極超巨星

黄色極超巨星について書く前に極超巨星について書いて行きたいと思う。

極超巨星は英語ではHypergiantと呼ばれており、これだけ見ると超巨星(Supergiant)の中でも強大な恒星のようにも思えるが実際には半分当たっていて半分は違うのである。

しかし、もともと極超巨星は強大な超巨星のように使われており、絶対等級がマイナス7等を超えるような天体に使われていた。

絶対等級がマイナス7等と言うと太陽の54,000倍近い明るさであり、確かにこれほど明るい恒星は「極」超巨星と言うのにふさわしい。

けれどもこの定義に当てはめるとリゲルはマイナス7等を超えることもあり、極超巨星に分類されてしまうがリゲルは強大な超巨星として扱われ、極超巨星には分類されていない。

実際に平均して絶対等級がマイナス7等を超える恒星は肉眼で観測できる中では14個しか存在しておらず、リゲルも平均したらマイナス7を超えることは無い。

 

では、極超巨星とはどのような恒星かと言うと大気が拡張しているか質量損失が激しい恒星のことを指しており、このような恒星は例外なく寿命が尽きそうな恒星である。

つまり、極超巨星とは質量が極めて大きな恒星の末路であり、絶対等級も極端に強い恒星ばかりであり、実際にマイナス7等を驚愕しているものも多い。

極超巨星となるような恒星は主系列星時代の表面温度は最も高いO型(30,000 K以上)であり、このO型の主系列星が高齢化し、赤色超巨星となった後の姿が極超巨星である。

要するに極超巨星は赤色超巨星よりも更に高齢な恒星であり、質量の小さい赤色超巨星(小さいと言っても太陽の15倍以上ある)は黄色極超巨星に、質量の大きい赤色超巨星は青色極超巨星(LBV)となり、直径は縮まり表面温度は上昇する。

 

そして、質量の小さい大質量星は黄色極超巨星となるわけだがこのタイプの恒星の絶対等級はマイナス9.5等(太陽の54万倍弱)を超えることは無いと言われており、これ以上の絶対等級を持つ恒星は青色極超巨星(LBV)である。

 

 

 

2. 黄色極超巨星の例

黄色極超巨星は極超巨星の中では暗いほうではあるが低温であるが故に可視光領域が強く、絶対等級がマイナス7等を超えているものも多い。

地球から見て最も明るい黄色極超巨星はりゅうこつ座のV382星であり、地球からの明るさは3.93等である。

この恒星の年周視差は0.52ミリ秒であるのでここから距離を求めると6,272光年であり、絶対等級はマイナス7.49等であることが分かる。

この明るさは太陽の85,000倍近くにも及び、この恒星は1秒間で太陽の1日分の可視光線をほとんど生成していることが分かる。

実際にこの恒星は肉眼で観測できる恒星の中では4番目に絶対等級が強く、4等星までの恒星ではナンバーワンである。

ちなみにこの恒星を522光年先から観測するとシリウスと同じ明るさで観測することができ、裏を返すと500光年先から観測してもシリウスよりも明るいことが分かる。

 

また、この恒星は相当南にあるために東京から観測することは不可能であり、南十字星の近くに位置している。

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画像右下のマーカーが付いた恒星がV382星であり、南十字星の西側に位置しているケンタウルス座λ星(画像の下中央の明るい恒星, 3等星)よりも更に西側に位置している。

 

 

ここまではりゅうこつ座V382星について書いたが今度は北天にある黄色極超巨星について書いて行きたいと思う。

北天に位置しているカシオペア座はα~ε星が形成するW型で有名であり、更にη星は太陽に似ている恒星であるがρ星はη星とは裏腹に非常に絶対等級が強い恒星である。

カシオペア座ρ星はりゅうこつ座V382星と並ぶ黄色極超巨星であるがこちらは東京から観測すると年がら年中見える周極星となっている。

けれども地球から見た明るさは4.51等とかなり暗く、都会からだとまず観測が出来ない恒星である。

そして、年周視差は0.28ミリ秒とりゅうこつ座V382星と比べてもかなり小さく、地球からの距離は11,649光年と10,000光年すら驚愕している。

10,000光年と言うと絶対等級が強いことで有名なカノープスの光でさえ届かないほどの距離であり、これほどの距離にいても肉眼観測が出来るほどであるので絶対等級も当然すさまじく、マイナス8.25等にも及ぶ。

この恒星の絶対等級はマイナス7はおろかマイナス8等をも軽く驚愕しており、太陽と比較すると17万倍強の明るさにも及び、肉眼で観測できる恒星の中では2番目に可視光が強い。

※最も可視光が強い恒星はりゅうこつ座y星であり、絶対等級はマイナス8.34等にも及び、肉眼で観測できる恒星の中では唯一3,000光年先から観測しても1等星で観測することが可能である。ちなみに極超巨星では無い

 

ここまでくると感覚がつかないほどの明るさであり、この恒星をシリウスと同じ明るさで観測するためには742光年まで離れなければならず、可視光で観測できるギリギリの距離は3万光年近くにまで及ぶ。

また、この明るさは先ほど紹介したりゅうこつ座V382星の倍程度であり、この恒星が黄色極超巨星の中でも明るい部類であることが伺える。

実際にはこの恒星以上の絶対等級の恒星も少なからず存在するが...

 

ちなみにこの恒星の位置はカシオペア座β星の近くに位置しているがカシオペア座のW自体はあまり明るくないので観測自体は光があると困難を極める。

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カシオペア座のWの最も右側の恒星がβ星、そしてそのすぐ近くにあるマーカーのついた恒星がρ星(極超巨星)

 

 

 

以上、黄色極超巨星についてでした。