DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

静電気はとてつもなく高電圧 けれども危険でない理由は...

 今回のテーマは静電気についてである。

目次

1. 静電気とは

 静電気は異なる物質同士を接触させることで発生し、異なる物質を接触させると電荷に偏りが生じる。電荷は素粒子がもつ性質であり、電気科学界の質量と言うべきものであるが質量と異なる点は正と負が存在していることである。

 そして、陽子には正電荷、電子には負電荷が存在しており、電荷は質量とは対照的に同符号の場合は反発し、異符号の場合は引き合う性質を持つ。

 質量の場合は同符号の場合は万有引力が働き引き合い、現実には存在しないが異符号の場合はおそらく反発すると考えられる。

 このように電荷と質量には共通する点があるが全てが同じわけではなく

  • 正負が存在する
  • 同符号の場合は反発する

と言う違いがある。

 さて、ここからは電荷の話を中心に行っていきたいが電荷がどちらかに偏っている状態のことを帯電していると言い、帯電していない場合とは正電荷と負電荷が釣り合っている状態である。普段は(ほとんど)電荷が釣り合っている状態ではあるが違う物体同士を接触させると電荷が移動をし、両者に電荷の偏りが発生する。

 物体によっては正電荷に帯電しやすい物や負電荷に帯電しやすい物もあるが同じ物体同士を接触させても摩擦などが発生すると電荷は移動する。

 そして、この電荷が移動した物体、即ち帯電した物体は正, または負の電荷を持っており、この電荷を持った物体が別の物質に触れると電荷の移動が生じる、即ち電流が流れるのである。この電流こそが静電気であり、静電気は電荷の移動によって正か負に偏った物体が他の物質に触れることによって発生する電流のことである。

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 若干異なる点もある可能性もあるが静電気の発生要因は大体上図のように起こる。

2. 静電気の意外な電圧

 先ほどまでは静電気の発生要因について書いたが今度は静電気の電圧や電流について書いて行きたいと思う。電圧の単位はボルトであり、一般的なアルカリ, マンガン電池の電圧は1.5 Vであり、電圧が高い電池であるリチウムイオン電池でも3 V程度である。

 では、静電気の電圧はどれぐらいなのだろうか?

 アルカリ電池で1.5 V、リチウムイオン電池でさえ3 Vであるので静電気の電圧は0.01 V程度だと思われるが実際の電圧は電池の電圧とは比較にならないほど高く、3,000 Vほどもあると言われている。信じられないようにも思えるが静電気の電圧は非常に高く、これだと静電気が起こるたびに全身が黒焦げになり、即死者が多発するように見えるが実際に静電気で死亡することはおろか、けがをすることさえない。

 では、何故このように電圧が異常に高いにもかかわらず静電気の威力は小さいのだろうか?

 その理由は流れる電流の量が極めて小さく、実際に電気によるエネルギーは電流と電圧の積に依存するからである。電流とは単位時間あたりに流れる電荷の量のことであり、単位はアンペアで表され、電荷は先ほども書いたように万有引力界では質量に相当する。

 その一方で電圧は万有引力界に例えると重力加速度と高さの積に相当するものであり、電場と高さの積で表すことが出来る(重力加速度は電場に相当する)。

 つまり、静電気は万有引力界に例えると非常に低質量な物体を非常に高いところから落とすことに例えられ、非常に高いところから落としても質量が極めて小さかったら威力は当然低くなる。

 しかし、電圧が小さく電流が大きい状態と言うと質量が極めて大きな物体を低い所から落とすことに例えられ、例え1メートル程度の所からでも1トンもある物体を落とされると威力は非常に強くなり、場合によっては命を落とすことさえも考えられる。

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 上図で静電気は右に相当し、落とす高さが高くても物体の重さが小さいので威力自体は低いが左の場合は右とは対照的に高さが低くても重さが極めて大きいので威力は左のほうが圧倒的に大きいのである。

 つまり、静電気は電圧自体は高いものの電流は非常に小さいので威力自体は弱く、本当に威力が高い状態にあるには電流も大きくなければならない。電流は1アンペアでも即死するほど強いが静電気は1アンペアの1,000分の1ほどしか無いために非常に弱い。

 エネルギーは電圧×電流×時間, または電流×電流×抵抗×時間で表され、単位時間(1秒)当たりのエネルギーは静電気の場合は3000 V × 0.001 A =3 Jとなるが1アンペアが人体に流れた時のエネルギーは人体の抵抗が4000 Ωと言われているためエネルギーは1 A × 1 A × 4000 Ω = 4000 Jと静電気とは比較にならないほど大きいことが分かり、これほどのエネルギーが流れると確かに危険である(高電流で体の機能がおかしくなるため)。

 また、時間が流れれば流れるほどエネルギーも強くなるが静電気はほんの一瞬だけしか電流が流れないため実際のエネルギーは3 Jよりもずっと小さくなる。

 以上のことより静電気の電圧は確かに強いが

  • 電流値が非常に小さい
  • 流れる時間がほんの一瞬だけ

であるため、静電気によって命を落とすことはまずないのである。

 ちなみに静電気は冬場に起きやすいがその理由は寒いから起きやすいのではなく、乾燥しているからであり、空気が乾燥していると電荷を発散させるものが無くなるのである。

 実は水分は電荷を発散させる性質を持っており、そのため湿度が高い夏場は静電気が発生する前に電荷が発散し、結果として静電気は起きないのである。実際に冬場は湿度が小さい上に飽和水蒸気圧量も小さく、湿度100%でも空気中に水分が少ない状態なのである。

 以上、静電気についてでした。