DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

おうし座の主星アルデバラン 黄道十二星座の中で最も明るく輝く星

今回はアルデバランについて書いて行きたいと思う。

今まではリゲルやカノープスのような極端に明るい絶対等級の恒星ばかりについて書いてきたが今回は極端には明るくない恒星、アルデバランを主題としていく。

 

1. アルデバランとは

アルデバランはおうし座の1等星であり、正確には0.85等と1等星よりも若干明るく輝いている恒星である。

そして、おうし座は黄道十二星座の一つであり、他の黄道十二星座にもいくつかの1等星が含まれている。

それはさそり座のアンタレス、おとめ座のスピカ、しし座のレグルス、そしてふたご座のポルックスであるがどの恒星も全天21恒星の中では暗いほうであり、アルデバランよりも暗い。

つまり、アルデバランは黄道十二星座の全恒星の中で最も明るい恒星であり、黄道十二星座の代表的な恒星とも言える。

ちなみにアルデバランよりも明るい恒星は

マイナス1等星

シリウス, カノープス

0等星

リギル・ケンタウルス, アルクトゥルス, ベガ, カペラ, リゲル, プロキオン, ベテ    ルギウス, アケルナル

1等星

ハダル, アルタイル, アクルックス

の13恒星である。

 

また、アルデバランは低温の恒星であるためオレンジ色に見え、オリオン座の近くに位置している恒星である。

オリオン座にはベテルギウスと言う超新星爆発を間近に控えているほど高齢の天体が存在しているがアルデバランもベテルギウスほどは低温ではないものの冬の星空でベテルギウスと並ぶ目立った橙色の恒星である。

f:id:DS930810:20180106230614j:plain

画像中央がオリオン座であり、左上のマーカーがアルデバランである。

このようにベテルギウスとアルデバランは似たような色をしており、同じような恒星のようにも思えるが実際にはベテルギウスのほうが圧倒的に明るい。

 

 

 

2. 小さい巨星

先ほどまではアルデバランの地球からの見え方について書いたが今度はアルデバランの恒星としての性質について書いて行きたいと思う。

アルデバランの外見はベテルギウスに似ているようにも見えるが実際にはベテルギウスのほうが圧倒的に遠くにあり、アルデバランは67光年ほどしか離れていないもののベテルギウスは497, または642光年も離れており、アルデバランとは比較にならないほど遠い。

※ベテルギウスの距離は正確には分かっておらず、資料によってまちまちである。

 

つまり、アルデバランは距離が近いために明るく見えるだけであり、ベテルギウスの距離まで遠ざけると目立たない一恒星に過ぎなくなる。

逆にベテルギウスをアルデバランの位置に持ってくるとシリウスの明るさを軽々と超えるほどの明るさとなり、変光も肉眼で判別できるほどになるであろう。

 

ここまで書くとベテルギウスの明るさが圧倒的に明るいことが分かるが両恒星はいったい何が違うのだろうか?

それは質量であり、アルデバランはアルタイルのような低質量星が高齢化したものであるのに対してベテルギウスは30,000℃程もある質量の重い恒星が高齢化したものである。

恒星は質量の大きなものほど早く高齢化するのでアルデバランの年齢は十数億歳ほどにたいしてベテルギウスはせいぜい千数百万歳程度にしかすぎない。

つまり、ベテルギウスは太古の昔から存在するように見えて実は恐竜が絶滅した時にはまだ生まれておらず、恐竜が絶滅してから5,000万年ほどたったときに現在見える恒星よりもずっと青い恒星として生まれたのである。

当然質量の大きな恒星は即座に水素を使い果たすために早い段階で超巨星と化し、現在のような赤色超巨星となり、絶対等級も圧倒的に強いのである。

 

恒星の高齢化

アルデバランはアルタイルのような低質量星から進化している

f:id:DS930810:20180106231837j:plain

 

その一方でベテルギウスは表面温度の非常に高い大質量星から進化し、直径はアルデバランとは比較にならないほど大きい。

f:id:DS930810:20180106232805j:plain

このようにベテルギウスの直径はアルデバランはおろか地球軌道さえも驚愕しており、もともとの恒星とは比較にならないほど巨大化しており、また表面温度も非常に低くなっている。

ちなみにベテルギウスはあまりに巨大化しており、表面重力が無いに等しいぐらいに小さくなっている上に非常に不安定であるため球体ではなく、更に大きさも脈動するたびに大きく変わり、場合によっては一億キロ以上も変化することもある。

 

つまり、アルデバランは大きいことは大きいがベテルギウスと比較するとかなり小さく、そして質量も小さいために「小さな巨星」と言っても過言ではない。

実際に太陽が高齢化するとアルデバランに似たような姿と化し、このような天体は恒星の中ではそこまで珍しいものではないのである。

まあ、高齢化するまでには時間がかかるので珍しいと言ったら珍しいが得に大きな質量を必要とはしないので時間さえたてばそこまで重くない恒星でもアルデバランのような姿となることができ、主系列星時代の何十倍、何百倍の光を放つこととなる。

 

 

 

3. アルデバランから太陽を見ると

最期にアルデバランから太陽を見たらどのように見えるかについて書いて行きたいと思う。

先ほどまではアルデバランのことを小さな巨星と書いたが太陽と比較すると圧倒的に大きく、直径は6,000万キロほどもある。

6,000万キロと言うと水星の軌道よりも若干大きいほどであり、「小さな」巨星と言えどもやはり巨星であると実感できる。

そして、アルデバランの絶対等級はマイナス0.7等ほどもあり、これは太陽のおよそ163倍もあると言える。

つまり、アルデバランは太陽と比較すると非常に大きな直径と明るさを有しており、そのためにアルデバランは地球から観測するとシリウスほど近くは無いが明るい恒星として観測することが出来る。

 

このことより、アルデバランから太陽を観測すると肉眼では見えないように思えるが実際にアルデバランから太陽を観測すると...

f:id:DS930810:20180106234516j:plain

画像のポインターのように観測することができ、位置的にはさそり座とへびつかい座の方向に観測することができる。

このときの太陽の明るさは6.38等であり、肉眼で観測できる限界の6.5等を若干ではあるものの上回っているために一応であるが肉眼で観測することは可能である。

ちなみに左のマーカーの星はアンタレスであり、真ん中のマーカーの星は太陽系から一番近くにある恒星であるリギル・ケンタウルスである。

 

このようにアルデバランから太陽を肉眼で観測することは可能であるが太陽の明るさは相当暗く、現にアルデバランは太陽系から見て14番目に明るい恒星であるのでアルデバランの明るさがうかがえる。

 

 

 

以上、アルデバランについてでした。