DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

低質量星の最期 白色矮星

新年二日目は白色矮星について書いて行きたいと思う。

白色矮星は質量の大きくない恒星の最期の姿であり、太陽も最終的にはこのような姿と化す。

しかし、白色矮星と言う名は正しくはなく...

 

1. 白色矮星とは

白色矮星は質量が太陽の0.08~8倍までの恒星が核融合反応を停止させた後になる姿であり、言うならば恒星の残骸とも言える天体である。

勘違いされがちだが白色矮星は自ら光を放っているもののこの光は単なる余熱であるために白色矮星は恒星ではない

なぜなら、恒星とは中心核、または中心核付近で核融合を起こしている天体であり、核融合を既に停止させている白色矮星は恒星とは言えないからである。

そして、白色矮星は元の恒星の質量によってさまざまなタイプに分けられ、例えば質量が太陽の0.5倍以下の天体は水素→ヘリウムまでしか核融合が起こらないため白色矮星の成分はヘリウムの原子核となるがこのタイプの白色矮星は元の恒星の寿命が長すぎるためにまだ存在していない。

太陽程度の質量の恒星が形成する白色矮星はヘリウムが更に炭素や酸素に変換されるために無論成分は炭素と酸素の原子核が中心となり、このタイプの白色矮星は発見されている。

そして、もっと質量が重い恒星が形成する白色矮星にはネオンタイプやマグネシウムタイプのものがあるがこれ以上恒星が重くなると超新星爆発を起こすためにここまでが白色矮星の範囲となる。

 

ここまで白色矮星について書いたが白色矮星の構成要素は原子核となっており、普通の原子としては存在せず、原子核と電子が分離したプラズマの状態として存在している。

そして、白色矮星の特異性は密度にあり...

 

 

 

2. 白色矮星の密度

白色矮星は恒星の残骸であり、そこまでないような印象があるが実は意外なほど多く存在しており、連星の場合は質量の重いほうの恒星の寿命が尽きた場合にその恒星の残骸である白色矮星が伴星として観測される場合がある。

例えば白色矮星で最も有名なものはシリウスの伴星であり、シリウスはマイナス1.47等と非常に明るい光を放っているがシリウスの近くに8.4等程度の暗い伴星の姿がある。

この恒星と思われていた伴星の直径は観測の結果、地球並である11,500 kmほどの直径しかないが質量は太陽と同等であることが判明した。

しかし、光度は非常に小さく、太陽と比較しても100分の1も無かったが表面温度は非常に高いのである。

このような天体は普通の恒星では考えられず、謎の恒星のように思えたがその正体は恒星ではなく、恒星が既に寿命が尽きて非常に高密度になった天体であり、直径が小さく白色に見えたために白色矮星と呼ばれるようになった。

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こちらがシリウスの伴星であり、111万キロ先から見たものであるが大きさは非常に小さく、直径は地球型惑星程度しかない。

 

また、先ほど直径は地球並ではあるが質量は太陽程度と書いたが当然密度も非常に大きく、シリウスの伴星の直径が11,500 km、質量が太陽の1.06倍だとすると密度は

1.989×10^30 (kg) ÷ (11500×10^3)^3 (m^3) ≒ 1.308 × 10^9 (kg/m^3)であり、

g/cm^3に換算すると1.308 × 10^6 (g/cm3)で水の130万倍もあることが分かる。

 

そして、表面重力も当然すさまじいこととなっており、万有引力の式から算出すると

4255,949 g/m^2 となり、これは地球の表面重力の43.43万倍に相当する。

つまり、シリウスの伴星の表面に立つと、体重が60 kgの場合にはおよそ2.6万トンの重量となり、これは即座に潰されることを意味している。

実際に上にシロナガスクジラの100倍超の重量をかけられると潰れますし...

 

このように白色矮星の密度がとてつもないことになっている理由は原子の構造に関係しており、実は原子は非常にスカスカで、原子の大きさを東京ドームに例えると原子核の大きさは一円玉の大きさ程度となってしまうのである。

白色矮星は原子核が密となった構造をしており、このような状態であると当然ではあるが密度はすさまじいことになる。

今まで東京ドームに1つしかなかったものが100万個も存在することになりますし...

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このように直径は100倍以上違うが質量はほぼ同等となり、万有引力は近づくほど強くなるため、中心核との距離が近いシリウスの伴星の重力は凄まじいことになる。

 

 

 

3. 白色矮星の名称

ここまでは白色矮星の特徴について書いたが最後に白色矮星の名称について書いて行きたいと思う。

白色矮星の名前の由来は白色に見えた小さい恒星(=矮星)であると思われたからである。

しかし、実際には白色矮星は恒星ではなく、恒星の残骸であるため矮星と言う名称はおかしいのである。

実際に矮星と言う言葉は太陽のような主系列星や褐色矮星のような天体に用いられるものであり、現に同じ恒星の残骸である中性子星やブラックホールには「矮星」という単語は使われてはいない。

 

また、「白色」と言う単語もおかしいと指摘できる。

白色矮星は中心核で核融合反応を起こしておらず、時間が経つにつれて表面温度はどんどん下がると同時に絶対等級も小さくなる。そして表面の色は初めは青いものが白色→黄色→橙色→赤色となっていき、やがては光を全く放たない密度と重力だけがと凄まじい黒色矮星へと変化していく。

このようになるともはや重力が小さいブラックホールと同等と言っても過言ではなく、まだ恒星のように見えた白色矮星の原型を留めていないと言っても過言ではない。

つまり、白色矮星の色は時間が経つにつれてだんだんと赤色のほうにずれていくために「白色」と言える期間は短く、結局のところ白色と言う名称は誤っていることが分かる。

 

以上のことより白色矮星と言う名称は根本的に間違いであることは分かったが本来の名称は何が有力であると考えられるのだろうか?

例えば中性子星は中性子が主な構成成分であり、中性子が縮退した残骸である。

その一方で白色矮星は電子が縮退した残骸であるため、中性子星の名称を参照すると「電子星」が適しているようにも思える。

しかし、白色矮星は電子が主な構成要素ではないため電子星はおかしいので個人的には「電子縮退星」が適任ではないかと考えられる。

けれどもあくまでこれは個人の意見であるためあまり参照にはならず、実際に白色矮星以外にもおかしい名称のものは多数あるので(例. ヘリウム)今までのように白色矮星のほうが便利ではあると思う。

実際は間違ってはいるが...

 

では、本当の意味での白色矮星とはどのような星のことであるのか?

それは白色とされている恒星、つまりスペクトル型がAの恒星であるかつ

矮星、即ち主系列星であるのでA型の主系列星であることが分かる。

A型の主系列星とはシリウス(主星)、アルタイル、ベガなどの恒星であり、このことから白色矮星と呼ばれるべき恒星はシリウスの伴星ではなくシリウスの主星であることが分かる。

実際に矮星の使用例としてはM型主系列星の赤色矮星、太陽のようなG型主系列星である黄色矮星、レグルスのようなB型主系列星の青色矮星があるためシリウス(主星)のようなA型主系列星は白色矮星と呼ばれるしかない。

 

このことより、本来の白色矮星はシリウスの伴星ではなく、むしろ主星のほうであり、ひと昔前に戻れるならば白色矮星の名称を電子縮退星に改名したいほどである。

 

 

 

以上、白色矮星についてでした。