DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

金属と非金属 何故金属元素は多いのか

今回は周期表の金属元素について書いて行きたいと思います。

周期表に関することは今までの記事の中でも数多く書いてきたが今回は金属元素を中心に書いて行きたいと思う。

金属元素は非金属元素と比較すると数が非常に多く、周期表の大半は金属であると言っても過言ではない。

では、何故そのようになるかと言うと...

 

1. 金属の状態とイオン化

金属は基本的には固体であり、水銀以外の金属は常温下では全て固体である。

そして、金属結晶内では何が起こっているかと言うと金属原子から自由電子と呼ばれる電子が結晶内に放たれ、この自由電子が結晶内を動き回ることにより金属結合を形成している。

金属から陽イオンが放たれているということは金属原子は実質陽イオンの状態となっており、強引に言い換えると金属原子は金属陽イオンと電子からなるイオン結晶ともとることもできる。

このようなことがある故に金属は他の化合物と反応すると陽イオンになりやすい性質を持ち、この時結晶内を動き回っていた電子は陰イオンになりやすい物質にとらわれることとなり、その物質が陰イオンと化したものとイオン結合を形成することとなる。

例えばナトリウム金属と塩素が反応する時はナトリウム金属内を動き回っている電子が塩素を捕らわれることとなり、ナトリウムはナトリウムイオン、塩素は塩化物イオンとなり、イオン結晶を形成する。

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上図ではナトリウムイオンの周りを電子が動き回っている状態、つまり金属状態であり

塩素は2つの塩化物イオンが結合しているので分子の状態となっている。

そして、塩素分子は陰イオンを受け取って塩化物イオンと言う陰イオンの状態になりたがる性質を持っており、この性質は塩素の電子親和力と言う値が大きいことに起因する。

また、ナトリウム金属は電子を手放すと非常に安定な配置となるため、一刻も電子を手放したい状態となっている。

ここで、もしナトリウム金属と塩素分子が出会うとどうなるかと言うとナトリウム金属が塩素分子に電子を受け渡すこととなる。

このことを想像することはたやすく、ナトリウムは電子を放したい、そして塩素は電子が欲しいという状態であり、上記のようにナトリウムが塩素に電子を渡すと両者ともに得をすることとなり、まさに一石二鳥と言う状態となる。

そして、電子を渡した後はどうなるかと言うと...

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このようになり、ナトリウムイオンと塩化物イオンが交互に並び、お互いイオン結合をした状態、即ちイオン結合を形成することとなる。

この状態では自由電子は塩化物イオンに捕らえられているためにもはや結晶内を動き回っていることは無く、金属としての性質は失われている。

こうなると金属原子が含まれていてももはや金属ということは不可能となっており、一般的に鉄分を取る、ナトリウムを取ると言われているがその時の鉄やナトリウムはもはや金属結合を形成していない陽イオンとなっているために金属状態とは全くの別物であると考えるべきである。

 

 

 

2. 遷移金属の電子配置

周期表を見れば分かると思うが典型元素と遷移元素の2種類に分けられる。

典型元素とは水素, ヘリウム, リチウム, ベリリウム,...のような元素のことであり、実は非金属元素はすべてここに含まれている。

そして、この中には金属元素も含まれており、代表的なものとしてはマグネシウムやアルミニウムがある。

では、初めに典型元素について書いて行きたいと思う。

 

2.1 典型元素

典型元素とは族で言うと1族である水素とアルカリ金属、2族であるベリリウム, マグネシウム、及びアルカリ土類金属と12族から18族の元素のことであり、現在発見されている118元素の内、1族: 7種, 2族: 6種, 12族: 4種, 13族: 6種, 14族: 6種, 15族: 6種, 16族: 6種, 17族: 6種, 18族: 7種の計54種の元素がここに含まれている。

そして、原子番号が増加するにつれて金属になる傾向があり、1,2,12族のものは全て金属となっているが18族に金属の性質を持ったものは存在しない。

この理由は電子配置に起因しており、1族や2族は少しでも電子を失うと安定した配置になるために電子を手ばなしたくなる傾向があるために結晶内を電子が動き回る金属結合を形成するからである。

その一方で族が大きくなると反対に電子を受け入れたほうが安定するために金属結合を作りたがらず、同じ分子同士で共有結合を形成したほうが安定するために2原子分子を形成したがる傾向が出る。

更に18族元素はこのままで十分安定であるため、他の原子とのなれ合いを拒み、結果として単原子分子を形成し、金属結合を作ることはまずないとみて良い。

また、外れる電子は最外殻の電子であるために中心核と最外殻の電子が遠い原子番号が大きい元素では電子が外れやすくなる傾向がある、つまり金属になりやすいということである。

このことより、周期表の中ではフランシウムが最も金属らしい金属であると言え、反対にヘリウムが最も金属とはかけ離れていると言ってもよい。

 

2.2 遷移元素

実は周期表に金属元素が多い理由はこの遷移金属に原因があり、遷移金属は3族から11族までの計64元素であるが実はこれらの元素は全て金属元素である。

これだけ書くと非常に不思議なように思えるが実際にこの理由は電子配置に起因しており、電子配置こそが遷移金属を全て金属化させていると言ってもよい。

では、電子配置について書いて行きたいと思うが例として遷移金属中最も原子番号の小さいスカンジウムの電子配置について書いて行きたいと思う。

スカンジウムの電子配置は(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^1)(4s^2)である。

そして、ここからは3dと4sの所に注目していってほしい。

次に小さいチタンの場合だと(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^2)(4s^2)

バナジウムは(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^3)(4s^2)

クロム(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^5)(4s^1)

マンガン(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^5)(4s^2)

(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^6)(4s^2)

コバルト(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^7)(4s^2)

ニッケル(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^8)(4s^2)

(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^10)(4s^1)

亜鉛(1s^2)(2s^2)(2p^6)(3s^2)(3p^6)(3d^10)(4s^2)

となっており、実を言うと3d電子だけ増えてきており、4s電子の数は全て1か2であり4p電子が埋まっていくことはありません。

4p電子が埋まっていくのは亜鉛の次のガリウムからであり、遷移金属の場合はひたすらd軌道が埋まっていくだけであります。

 

何故このようになるかと言うと電子のエネルギーの問題であり、電子はエネルギーが安定する順番に並べると1s, 2s, 2p, 3s, 3p, 4s, 3d, 4p,...の順になっており、本来外側の核に位置している4sよりも3dのほうが後に埋まることとなり、このため最外殻の電子の数は遷移金属の領域にいる場合には最外殻の一つ前の電子のみが埋まっていく状態であるために最外殻の電子数は1~2の状態のままであります(4の領域にはs電子しか無いため)。

この傾向は5sと4dの状態の時も同じであるために遷移元素の最外殻の電子数は少ない状態にいることとなり、電子が外れやすい傾向にあります。

電子が外れやすい、即ち自由電子として結晶内を動き回りやすいとも取れるために遷移元素は全て金属状態を取っております。

 

ちなみに原子番号57~71の間の元素はランタニドと呼ばれているがあちらはf電子が埋まっていく状態となっており、やはりこの時はp電子が後に埋まっていくこととなる。

 

(補足)

電子の埋まっていく順番と対応元素

1s: H~He

2s: Li~Be

2p: B~Ne

3s: Na~Mg

3p: Al~Ar

4s: K~Ca

3d: Sc~Zn 遷移金属の始まり

4p: Ga~Kr

5s: Rb~Sr

4d: Y~Cd

5p: In~Xe

6s: Cs~Ba

4f:  La~Lu ランタニド

5d: Hf~Hg

6p: Tl~Rn

7s: Fr~Ra

5f:  Ac~Lr アクチニド

6d: Rf~Cn

7p: Nh~Og

 

以上のことより、周期表の中で金属元素が多い理由は最外殻電子数が金属になるかならないかを決定しており、遷移金属の領域では最外殻に起因するsp軌道の電子数が増えずにdf軌道の電子数だけが増えるだけであり、最外殻の電子数が少なくなる、

つまり、最外殻の電子が外れやすいためである。

 

 

 

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