DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

セシウムとは何なのか? 実は普通のセシウムは危険ではない

 

今回は比較的前から話題になっているセシウムについて書いて行きたいと思う。

セシウムと言う物質はニュースなどの影響で有毒物質であると考えられているが実際には違い、ある種のセシウムが有毒物質なだけである。

では、このことについて順を追って書いて行きます。

 

1. セシウムとは

セシウムとは原子番号が55番の元素であり、同時に金属元素の1つでもある。

そして、セシウムは周期表で言うと第6周期1族に属している金属であり、1族であるために反応性は極めて高く、天然には単体として存在することは無いと考えられるほどである。

また、セシウムは他の1族の元素(リチウム, ナトリウム, カリウム, ルビジウム)と比較すると原子番号が非常に大きいので最外殻電子は非常に飛び出しやすくなっており、そのため反応性もこれらの元素よりも高いです。

1族元素は反応性が極めて高いがセシウムはその中でも反応性が極めて高いため、セシウムは全元素中で最も反応性が高い元素と言っても過言ではありません。

 

例えば水の中にセシウムを放り投げるとセシウムから即座に電子が水に向かって飛び出し、その飛び出した電子が水と反応することにより、水は水酸化物イオンと水素原子に分離します。

水素原子は1つだと不安定であるため、即座に他の水素原子と結合することにより、水素分子と化します。

そのため、セシウムと水が反応すると最終的には水酸化物イオンと水素分子が生成することとなり、その反応は以下のように行われる。

f:id:DS930810:20171210173938j:plain

このように最終的には水酸化セシウムと水素が生成し、水酸化セシウムは1族の水酸化物の例にもれず非常に強塩基であるために危険性は極めて高くなっています。

また、この時水素分子も発生している上に反応する際に熱も発生するため水素分子が空気中の酸素と反応して燃焼します。

そして、この時相当なエネルギーが発生するために爆発が起こり、最終的には水素分子は再び水分子となるのです。

つまり、セシウムを水中に放り込むと水が強塩基となり、汚染される上に水素と酸素の反応によって大爆発が起こるため、このような実験は厳禁であり、よくYoutubeでこのような実験を行っている動画が出回っているがあのような行為は決して行ってはいけません。

ちなみに他の1族金属でも同じ反応が起こるため、他の1族金属でも同じことをしてはいけません。

 

ここまではセシウムの高い反応性について書いたが今度はセシウムの性質について書いて行きたいと思う。

一般的に1族元素は金属であるにもかかわらず柔らかい性質を持っており、また密度も他の金属と比較しても小さいがセシウムは原子番号が大きいため、密度は水の2倍近くもある。

そして、セシウムは融点も非常に低い値を取っており、全金属原子中では2番目に低い28.4℃程度しか無いがセシウムの反応性の高さを考えると単体で取り出すことは不可能なため、この値を実感することは不可能とも言える。

また、炎色反応も示し、これは他の1族元素も同様であり、

リチウムは赤, ナトリウムは黄色, カリウムは紫色, ルビジウムは暗い赤色を示す。

そして、セシウムは青紫色と他の1族元素と比較すると高エネルギーの光を放ち、原子番号が大きいためにそうなるかと思いきや、実際にエネルギー順に並べると

セシウム>ナトリウム>リチウム>カリウム>ルビジウムの順となり、原子番号だけに比例するとは限らない。

 

このようにセシウムは他の1族元素と似たような特徴があり、共通点としては

  • 反応性が極めて高い
  • 炎色反応を示す
  • 密度が他の族の金属と比較すると非常に小さい
  • 柔らかい

という傾向が見られる。

 

 

 

2. セシウムにもいろいろな種類が

先ほどはセシウムと言う元素についての性質を書いたが今度は原子核について書いて行きたいと思う。

原子番号は原子核に含まれる陽子数を示しているが特に質量数については言及がない。

原子核は中性子と陽子によって構成されており、いくら中性子の数が多くても陽子の数が同じだと同じ元素として見なされ、この理由は化学的な性質は原子核の周囲を起動する電子によってほぼ決まるためである。

しかし、原子核の質量が違うと当然ではあるがマクロな視点で見た質量も異なり、例えば質量数が1の軽水素と2の重水素では質量数が2倍も異なるため化学的な性質にも影響が出てくる。

生物に取って重要なものは軽水素であり、重水素の場合だと質量が重すぎるために水素結合等での影響も出てくることとなり、重水素で構成された水の中では生物は暮らしていくことが出来ない。

 

これより、同じ元素でも質量数が異なると化学的性質にも影響が出るがこの世の中にある原子は大半が1種類の原子が大きな割合を占めているために影響はそこまで大きくない。

実際に原子には安定同位体と放射性同位体が存在し、放射性同位体は崩壊を繰り返すことにより他の安定同位体となるため、この世の中にある原子はほとんどが安定同位体である。

ちなみに軽水素も重水素も安定同位体であるが三重水素は放射性同位体であり、この原子は崩壊することによりヘリウム3へとは変貌する。

 

ここからはセシウムのほうに話を向けていきたいと思うがセシウムは質量数が133のものであるセシウム133が安定同位体であり、このセシウム133は崩壊することは無いと考えられている。

そして、ニュースなどで報道されているセシウムはセシウム137と言うセシウムであり、安定なセシウムは中性子数が78に対してこちらは82存在する。

セシウム原子は質量数が78のものは安定ではあるが82のものは安定ではなく、安定になろうと他の原子に変換されようとする。

この時、セシウム137はβ崩壊と言う中性子が陽子と電子に分裂する崩壊をし、この時電子がβ線として放出されることにより、バリウム137と言う原子へと変貌する。

β崩壊の時は電子分の質量が減少するが電子の質量は陽子の1,840分の1しか無いために原子核の質量は変わらないと見なされる。

そして、ここで生じるバリウム137もまだ安定な状態では無いためにガンマ線と呼ばれる超高エネルギーの電磁波を放出することにより、安定なバリウム137へと変化する。

つまり、セシウムの毒とはこの放射線のことであり、さらに細かく言うと高エネルギーの電子とガンマ線のことである。

この電子とガンマ線はエネルギーが非常に高いため、生物が浴びるとDNA螺旋が切断されることとなり、このようになると遺伝情報が破壊されるために突然変異種が発生したり放射線による病気と化す。

このことが原子力の恐ろしいことであり、セシウムが危険ではなく、放射線が危険であるため、セシウム=有毒と勘違いしないようにしたいと思うf:id:DS930810:20171210183123j:plain

 

 

 

ちなみにセシウムを水に放り込むと危険と書いたがあれはセシウムが危険ではなく、水素と酸素の反応、及び水の還元により発生する水酸化物が危険なだけであって、セシウム自体には毒性があるとは言えない。

実際に重金属イオンは有毒ではあるがセシウムは軽金属であるためにイオン化しても人体に害を及ぼすことは無い(勿論セシウム133の場合ではあるが)。

 

また、セシウム137は元々あったものではなく、ウラン235などが核分裂した時に生じた副産物であり、この分裂時に発生した超高エネルギーが原子力発電として使われる。

 

 

 

以上セシウムについての記事でした。

 

 

 

関連記事ですwww.rigelultragiant.comwww.rigelultragiant.com