DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

青酸カリは何が危険なのか? 実は「カリ」のほうは特に問題はなく...

今回は毒物(青酸カリ)について書いていきたいと思います。

青酸カリはかなり危険な物質であり、毒物の代表例のように扱われますが

今回はこの物質の何が危険であるかについて書いて行きます。

 

1. 青酸カリ

青酸カリと言うと非常に有名な毒物であるが何が有毒なのかはあまり知られていません。

青酸カリと言う名前は青酸+カリに分けられますがここで言う青酸とはシアン化水素と言う物質のことであり、またカリとはカリウムのことを指しています。

では、青酸とはどのような物質であるかと言いますと水素元素に炭素原子と窒素原子が結合した液体のことであり、酸と言うことで一応酸性を示しますが弱酸であります。

また、液体ではあるものの液体でいられる範囲はかなり狭く、融点はマイナス13℃ほどであり、また沸点は26℃程度と夏の日になると気体と化します。

更にこの気体は揮発性を示しており揮発性とは常温で液体が気体になる性質のことであり、シアン化水素以外にもアセトンなどがこの性質を示します。

一般的に揮発性のある物質を手に付けたりすると蒸発をして手が冷えますがその理由は蒸発をするためには熱が必要であり、その時周囲から熱を奪うために冷えます。

※アセトンは多量に吸引しない限りそこまで有毒では無いためできることでありますがシアン化水素の場合はかなり有毒なのでアセトンと同じことを行ってはいけません。

 

ここまではシアン化水素について書きましたが今度はシアン化水素が電離した物質であるシアン化物イオンについて書いて行きたいと思います。

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シアン化水素は水素と炭素が単結合、炭素と窒素の部分が三重結合で結びついており、単結合よりも三重結合のほうが結合の強度は非常に強いため、水素-炭素間で結合が切れます。

そして、この時発生したシアン化物イオンは陰イオンであり、炭素の方向が負電荷に帯びているので正電荷と結合しやすくなっております。

実はこの負電荷に帯びていることが青酸カリ(シアン化水素)の毒性に大きく影響しており、このシアン化物イオンが赤血球中にある鉄(Ⅲ)イオンと結合をしてしまいます。

血液の酸素を運搬している物質はヘモグロビンと言う物質であり、ヘモグロビンは酸素濃度の高い所では血液と結びつきやすくなり、反対に酸素濃度の低い所では酸素を放すという性質を持っております。

この性質があるからこそ酸素を全身に運搬することが可能となりますがシアン化物イオンは酸素よりも優先的にヘモグロビン(中の鉄(Ⅲ)イオン)と結合するため、酸素を運搬することが出来なくなり、結果として細胞が死に絶えてしまいます。

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このように呼吸には鉄(Ⅲ)イオンが大きくかかわっているがシアン化物イオンは陽性である鉄(Ⅲ)イオンと優先的に配位するために酸素を運ぶことを阻害します。

 

以上のことより青酸カリの危険な部分は青酸のほうであることが分かります。

シアン化物は他にもシアン化ナトリウム(NaCN)がありますがこの物質もシアン化物イオンを含んでいるため有毒であることには変わりません。

 

 

ちなみに青酸カリは英語では「Potassium Cyanide」と言いますが

カリウムは英語ではカリウム(Kalium)とは言わずにポタシウム(Potassium)と呼ばれております。

また、カリウムと同様にナトリウムも同様にナトリウム(Natrium)ではなくソディウム(Sodium)と呼ばれており、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)のソーダ(Soda)の部分はナトリウムを意味しています。

 

そして、シアニド(Cyanide)のほうは当然シアン化物イオンのことでありますがこの単語も「cyan+anide」に分けることが出来、前者の「cyan」はこのシアン(CN)と言う物質のことを指しており、後者の「anide」は陰イオンを意味するアニオン(anion)から来ています。

 

 

 

2. イオン以外のシアン化物

ここまではシアン化物イオンについての話でしたがここからはイオン以外のシアン化物について書いて行きたいと思います。

イオン化しないシアン化物にはアクリロニトリルと言う物質が存在し、下のような構造を取っております。

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この物質のシアノ基は二重結合をした炭素の部分で結合をしているため、シアン化物イオンが電子する構造は取っておらず、シアン化物イオンによる毒性はありません。

けれども毒性が無いかと言うとそうではなく、この物質は腐食性などの毒性があるためにシアン化物イオンとは別の意味での危険性があります。

まあ、毒物ではない物質のほうが稀ではありますが...

 

しかし、この物質は高分子化合物の材料として用いられており、その高分子とはポリアクリロニトリルと呼ばれるものです。

ここで言う「ポリ」とは多数と言う意味であり、代表的なものとしては多角形を表すポリゴン(Polygon)が挙げられます。

他にも高分子(ポリ化合物)は多数存在し、ポリエチレンテレフタレート(ペットボトルに用いられる)、ポリエチレン、ポリスチレンなどがあります。

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ポリアクリロニトリル分子、単位ユニットが何千回も繰り返され、高分子を形成する

 

そして、このアクリロニトリルを用いた高分子であるポリアクリロニトリルは様々な用途があり、代表的なものとしては食品包装、医薬品、化粧品包装などが挙げられます。

また、このポリアクリロニトリルには毒性が特にないので(固体であるかつ高分子で結合が切れずらいため?)安心して使うことが出来ますがそれはあくまで外にある場合であり、体内に取り入れると分解してシアン化水素が発生するため、体内には取り入れてはいけません。

まあ、体内に取り入れなければ良いわけですが...