DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

温泉の硫黄の匂いとは? 

今回は硫黄について書いていきたいと思います。

硫黄と言うと温泉のイメージがありますがあの匂いの正体は硫黄と言えば正しいですが硫黄そのものではありません。

そして、硫黄には様々な化合物があるのでその違いについて書いていきたいと思います。

 

1. 硫化水素とは

硫黄と言うと温泉で発生する不快な臭いを連想させますがあの匂いは硫黄だけの匂いではありません。

あの正体は硫化水素と言う気体であり、硫化水素の硫は硫黄、水素はもちろん水素のことを示しており、硫黄原子1つに水素原子が2つ結合した形態を取っています。

要するに温泉地の硫黄という単語は硫黄を含んだ化合物のことを指しているのであり、

硫黄そのものを表しているのではありません。

 

そして、化学式で表すとH2Sとなっており、この形態は水分子に似ています。

何故、水分子に似ているかと言うと硫黄原子は酸素原子と同じ16族に属しており、硫黄原子は酸素原子のちょうど真下に位置し、

硫化水素と水は両者ともに16族の原子に水素が2つ結合した形態を取っています。

しかし、硫化水素は水と異なり生物に取っては有害であり、多量に吸い込んでしまうと死に至ります。

 

硫化水素の臭いがするという程度の状態では硫化水素の濃度が低いので今すぐ危険な状態であると言う訳ではありませんが

高濃度の硫化水素を吸い込むと非常に危険であり、意識がもうろうとします。

実際に筆者も高校の授業で発生した硫化水素を吸った時に意識が飛びそうになったため、硫化水素と言う物質は非常に危険であり、ほんの少しの硫化水素を吸っただけで感じるぐらいであるので温泉地に行ったときは硫化水素に気を付けるべきです。

 

そして、硫化水素は硫黄を含んでおり、空気よりも若干重いので下にたまりやすい性質があります。

つまり、温泉地に行ったときに窪地に行くと硫化水素がたまっているために窪地があってもそこには絶対に行かないようにしましょう。

アンモニアは空気よりも軽いので下にかがめばよいですが硫化水素の場合はその逆なので有害気体の重さは良く知っておくべきだと思います。

 

また、卵が腐った時の臭いで硫化水素は有名ですが

その発生要因は卵に含まれる硫黄を含んだタンパク質が分解する時に生じることであるためもし、卵から硫化水素の臭いがしたら絶対に捨てるようにしましょう。

硫化水素は上記で書いたように非常に危険な物質であるので。

 

 

 

2. 他の硫黄化合物

硫化水素以外にも様々な硫黄化合物があるが非常に紛らわしいので一つ一つ書いていきたいと思います。

 

2.1 二酸化硫黄(SO2)

二酸化硫黄はその名の通り、硫黄原子に酸素原子が2つ結合した物質であり、

分子の構造は二酸化炭素に似ており、硫黄原子に酸素原子が2つ、それぞれ二重結合で結合しています。

そして、二酸化硫黄は無色、刺激臭を伴う気体であり、酸性雨の原因ともなっております。

覚え方は二酸化という単語に着目をし、硫黄(S)に酸素(O)が2つ結びついた化合物と覚えておけば簡単に覚えられます。

 

2.2 三酸化硫黄(SO3)

三酸化硫黄は二酸化硫黄が酸化されることによって生じ、三酸化の名の通り硫黄原子に酸素原子が3つ結合した形態を取っています。

そして、分子の形態は硫黄原子に酸素原子3つが二重結合で結合した形態を取っており、硫黄原子が酸素原子と異なり多数の結合を取れる理由は硫黄原子には酸素原子にはない空のd軌道があるためであり、この軌道に電子が入り込むことにより結合が生じるからです。

覚え方は二酸化硫黄と同じように硫黄に酸素が3つ結合していると覚えればよいです。

 

2.3 硫酸(H2SO4)

硫酸は塩酸、硝酸と並ぶ非常に強力な酸として知られており、やはりこの物質も非常に危険な物質であります。

誤解されがちですが硫酸は水に溶けた時に強力な酸となるだけであるため硫酸だけでは強力な酸にはなりません。

酸はあくまで水に溶けた時に水素イオン(H+)を発じる性質であるため水がないと酸にはなりえないからです。

ちなみに三酸化硫黄が水と反応した時に生じ、この物質こそが酸性雨の直接的な要因となっています。

そして、硫酸は水に溶けた時にH2SO4→2H+ + SO4 2-

に電離し、この時発生したH+(水素イオン)が強酸の原因となっており、

また、SO4 2-は硫酸イオンと呼ばれているが硫酸が電離した時に生じるのでこのような名前となっています。

覚え方はという単語に着目し、酸は水素イオンを発生するのでH2があるものと覚えておけばよいです。

しかし、亜硫酸(H2SO3)と言う物質もあるのでこのままだと間違えるため、硫酸は4と覚える方法も用いたほうが良いと思います。

 

2.4 硫黄(S)

これは化合物ではなくただの硫黄ですが

硫黄単体では黄色固体であり、硫黄原子が8つ結合した形態を取っております。

また、当然ではあるが特に臭いも無く、本来の硫黄と水素原子が2つ結びついた硫化水素では性質が大きく異なります。

そして、燃焼をするがこの時生じる炎は赤色ではなく青色であり、燃焼をすると炭素の時と同等に酸素が2つ結びついた二酸化硫黄が発生します。

 

 

 

3. 硫化水素の反応

ここまでは様々な硫黄化合物について書きましたが今度はまた硫化水素の話に戻りたいと思います。

硫化水素は実は硫酸とは違い、弱いですが酸性を示すために塩基性の物質と反応させると中和します。

ここで反応させる物質として主にあげられるのは炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)であり、この物質はかなり弱いですが一応塩基性を示します。

そして、これらの物質の反応は

H2S + NaHCO3 → NaSH + CO2 + H2O 

となり、硫化水素と炭酸水素ナトリウムが硫酸水素ナトリウムと二酸化炭素と水に変わります。

この方法は硫化水素の臭いを取る方法として有名で、

炭酸水素ナトリウムは重曹とも呼ばれているので水に重曹を溶かした水溶液に硫化水素で汚れた衣服をつけると臭いが取れるということは有名であるのでこの方法が臭い取りには最適であると思います。

 

そして、硫化水素は還元性があるので酸化性がある二酸化硫黄とも反応し、

反応後は硫黄と水に変化します。

2 H2S + SO2 → 3S + 2 H2O

つまり、二酸化硫黄を混ぜても硫化水素は除去できるが二酸化硫黄自体が有毒な上に手に入りづらい物質であるのでこの方法は使えません。