DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

意外なところで生物の役に立っているアンモニア 答えはその軽さにあった

今回の記事はアンモニアについて書いていきたいと思います。

アンモニアと聞くと理科の実験で使われる有毒で悪臭がするイメージがあるが意外なところでアンモニアは生物の体で使われています。

生物に有毒なアンモニアが何故?

と思いますがこのことについて解説をしていきたいと思います。

 

1. アンモニアとは

アンモニアは窒素原子に水素原子が3つ結合した気体(NH3)であり、悪臭を放つ有毒物質であります。

窒素原子は結合に関する電子を5つ持っているがそのうちの2つは電子対を形成しているために残りの3カ所で水素原子と結合をする形態を取っています。

 

気体分子は単純に気体の分子量で重さが決まっているため、窒素原子1つ+水素原子3つのアンモニアの分子量は17(14+3×1)であり、空気の分子量(混合物なのでこの表現はおかしいですが便宜上こう書きます)は28.8なのでアンモニアは空気よりも軽い、つまり空気と混ぜると上のほうに行きます。

要するに実験中でアンモニアが漏れてしまった場合は上に行くために、かがんでいれば吸う確率は大きく減ります。

あまり役に立たないと思いますが参照になると思うのでここに書きました。

 

そして、アンモニアは塩基性(水溶液中で水酸化物イオンが水素イオンよりも多い状態)を示す物質であるがアンモニアにOH-はどこにもありません。

塩基性の高い物質には水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)など水酸化物イオンを含む化合物がほとんどですがアンモニアはその特徴がありません。

では、何故塩基性を示すのでしょうか?

 

その答えはアンモニア分子の特徴にあり、アンモニア分子の窒素原子上には電子対があります。

この電子対は電子であるために負電荷を帯びており、この負電荷が正電荷を引き付けます。

この電子対は水分子の水素原子を水素イオンとして引き抜き、アンモニアはアンモニウムイオン(NH4+)と化し、残った水分子は水酸化物イオンとなります。

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このように水から水素イオンを引き抜くと水酸化物イオンとなるのでアンモニアは塩基性を示します。

まあ、アンモニアは水からはあまり水素イオンを引く能力が無いので塩基性は弱いですが...

 

 

 

2. 生物にとってのアンモニア

次に生物にとってアンモニアはどのような物質であるかを書いていきたいと思います。

アンモニアは先ほども書いたように生物にとっては有害であり、生物に役に立つことなどない!

と思いますが実はアンモニアを利用している生物はいるのです。

 

それはダイオウイカであり、ダイオウイカはご存知の通り、世界最大のイカで全長が数メートルから十数メートルもあります。

では、何故ダイオウイカはアンモニアを使っているのでしょうか?

それはダイオウイカはあまり遊泳能力が高くなく、放っておくと海の底に沈んでしまうからです。

そこでアンモニアが活躍しますが正確に言うとアンモニアではなく塩化アンモニウムであります。

塩化アンモニウムは先ほども書いたようにアンモニアの電子対に水素イオンが付加したアンモニウムイオンに塩化物イオン(塩素の陰イオン)が結晶を構成している物質であり、浮力が働きます。

ダイオウイカはこの塩化アンモニウムを筋肉中に含んでおり、この塩化アンモニウムによって得られる浮力で浮かぶことができます。

つまり、ダイオウイカにとっては塩化アンモニウムは必須であり、もし無かったら上記で書いたように海底に沈んでしまい、行きていくことができなくなります。

 

要するにダイオウイカはアンモニア(正確にはアンモニウムだが)の浮力があるという性質を利用して、泳ぐことができているわけです。

ちなみにダイオウイカに限らず軟体動物は一般的に遊泳能力が低いため、アンモニア類縁物質を体に含んでいる場合が多く、それらの生物が死ぬと分解されてアンモニアが発生します。

特にダイオウイカは巨大であり、塩化アンモニウムを相当な量含んでいるために食用には全く適しておらず、食べようとしてもアンモニア臭があまりにも酷すぎるため健康的にも問題が発生します。

まあ、他のイカにもアンモニアが含まれているが量が違うために処理もしやすく、普通に食用として用いることができる上にダイオウイカも手間をかければ食用にできるみたいだが割に合わないのでダイオウイカが市場に出回ることは無いと思います。

 

 

ちなみに魚類はアンモニアをあろうことか尿として放出しており、その理由はアンモニアが有毒で体内にためてはいけないことと周りには水が多量にあり、アンモニアは水に実質無限大に溶けるため、尿として流しても問題が無いからです。

そして、よく尿はアンモニアであるという話があるがこれは魚類に限った話であり、哺乳類の尿は尿素(H2NCONH2)の形で出しているため蜂に刺されたときには

〇○〇〇〇をかければいいという迷信は全くのデタラメであり、絶対に行ってはいけません。

まあ、アンモニアをかけることも禁句ですが...