DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

物質は熱すると大きくなる その理由と応用例

 よく熱い空気は軽いと言われているがあれにはきちんと訳があり、今回はその理由について書いていきたいと思う。

目次

1. 熱い空気は激しいから軽くなる

 初めに結論から書くと熱い空気が軽い理由は激しく空気分子が動き回っているからある。では何故激しく動き回っていると軽くなるかと言うと気体の体積は気体の動ける範囲で決まっており、激しく動き回っている空気は当然ではあるが動ける範囲も広くなる。そして、同じ質量の場合だと暖かい空気のほうが動ける範囲が大きくなるために体積が大きくなり、結果として単位体積当たりの質量は暖かい空気のほうが軽くなる。

 このことは気象現象などにも関わっており、低気圧が発生する要因は海の空気が暖められることによって水蒸気が発生し、暖かい水蒸気は軽いために上昇し、上昇気流を生み出すこととなる。そして、上昇気流が生じると気圧が低くなるために低気圧が発生するようになり、降水が発生する。

 また、自然現象だけではなく、応用例も存在しておりその代表としては気球がある。気球は熱気球と呼ばれることもあり、気球の中に熱した空気を入れることによって浮かぶことができる。

 そして、この時起こっている現象は言うまでもないが浮力であり、浮力は体積が大きいほど大きくなる。ここで浮力の要因となっているものは周りにある常温の空気であるため、周りの空気よりも気球内の空気が軽ければ重力よりも浮力のほうが大きくなるために気球は上方向に移動するようになる。

 そして、気球には当然ではあるがバルーンの部分だけではなく、ゴンドラの部分もあるためにその重さを考慮しても浮くぐらいバルーンを大きくしなければならない。

 また、温度を高いままにしてしまうと上に行き続けてしまい、空気の密度と気球内部の空気の密度が釣り合う所まで行くと酸欠や気温の低下が起こり、とても生きていけるような状態ではなくなるので温度を下げる調整を行わなければならなくなる。

 気球で熱を調整する理由はそのようなところにあり、気球と言う乗り物は空気の温度が制御しているといっても過言ではない。

 また、言うまでもないが気球は個人でできるようなものではなく、ゴンドラの重さが重くなるとバルーンの大きさが相当大きくならないと浮かぶことさえもできないため、特殊なものを使わなければならなくなる。更に調整も難しく、調整に誤ると地上に激突したり巨大な加速度がかかるので非常に危険な状態となってしまう。

 このように空気が温度によって重さが変わる現象は熱気球に応用されているが実は気体だけではなく、液体、固体も熱いほうが軽くなる。

2. 液体の場合は

 液体の場合も気体ほどではないが体積が膨張する。液体は分子が形状を保たないもののお互いの分子が影響を及ぼすぐらいの範囲を動き回っているものであり、気体とは違って体積はかなり小さい。しかし、液体も温度が上がると当然ながら動き回る範囲が大きくなるため、気体ほどでは無いが体積が大きくなる。

 その応用例として代表的なものとしては温度計があり、温度計の中には灯油や水銀が入っており、この灯油などが膨張することで目盛の部分が移動するようになる。

 そして、ここからは若干脱線しますが温度計の話をしたいと思う。

 初めに灯油温度計の話をすると灯油温度計は灯油を用いているので万が一温度計が割れてしまってもそこまで悪影響は起こらず、安全性の面では水銀を上回っている。そして、灯油温度計の中身は数種類存在し、エタノール, ケロシン, トルエンなどであり、有効温度は以下の様になっている。

  1. エタノール : マイナス50~50℃
  2. ケロシン : マイナス30~200℃
  3. トルエン : マイナス100~80℃

 そのため、高温のものを図りたいときはケロシン温度計、低温の場合はトルエンを用いればよい。

 そして、もう一つの温度計である水銀温度計は精度の面に関しては体積膨張率が低いがゆえに灯油温度計を上回っているが安全性の面では水銀が有毒物質であるがゆえに下回っており、割ってしまうと大変危険なこととなる。

 ちなみに有効温度の範囲では水銀の液体でいられる範囲より、下限はマイナス38℃とそこまで高くないが上限は360℃と灯油に比べると非常に高くなっている。そのため、水銀温度計の利点は何としても上限の高さと精度であるので高温の物体を図りたい場合は水銀温度計を使うべきである。

 逆に日常生活にはあまりにも危険すぎるので使うことは控えたほうが良い。

 以上のことをまとめると

灯油温度計の特徴

  • 安全性が高い(日常生活に使える)
  • 低温の範囲は広い(極寒の地域でも使える)
  • あらゆる種類がある
  • 精度はあまり高くない

水銀温度計

  • 精度は非常に良い
  • 300℃ぐらいのものにも有効
  • 安全性は低い(日常生活には使えない)

となっているため、灯油温度計は日常生活に、水銀温度計は実験用に使うべきである。

3. 固体の場合

 固体は液体や気体と違い、秩序よく分子が並んでいる状態であるので一見熱しても体積が増えないようにも見える。しかし、実際は分子運動が激しくなるので若干ではあるが固体でも膨張するようになる。

 けれどもこれに至ってはあまり良い応用例は無く、かえって生活に不備を及ぼしている。。その例としては線路が挙げられ、実は夏と冬では長さが若干異なっており、高温の夏のほうが線路が長くなっている。

 そして、当然ではあるがそのことを考慮せずに設計すると脱線事故が多発する状態となるため、大変危険である。実際に伸びる長さは40℃の時は10℃の時と比較して25mに対して9mmほどであり、あまり大きいとは言えないが気温と地表の温度は全く異なる上に鉄の比熱は相当小さいために信じられないような温度となっており、気温が40 ℃でも線路はそれ以上の温度となっていることが多い。

 実際に鉄道は60℃を超えると曲がってしまい、危険ゾーンに入る。一見60℃と言う温度は一見ありえないように見えるが炎天下の状態だと意外なほどあっさりとこの温度に到達するので危険性は相当高くなる。

 当然このままだと先ほど書いたように脱線多発で死傷者が数多く出る上に鉄道が崩壊するために対策も当然なされている。その方法とはレールの間に脱線しない程度の隙間を作り、線路が伸びた時でも安全でいられるようにすることである。

 よく電車に乗っている時にガタンゴトンと言う音がなるがあれはその隙間の上を通っているからであり、あの音は熱膨張に対する対策音とも言えるのである。

 つまり、夏場になるとガタンゴトンの音は冬場よりもはっきりと聞こえなくなっており、更にガタンゴトンの音が小さくなりすぎると危険なサインとなっていると考えたほうが良いと思う。

 このように、物質の熱膨張は役に立つこともあるが危険なことにもなることもある現象でもある。