DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

雪に塩をまくと凍らなくなる! しかし、問題も当然ながら...

冬になると雪が降る地域が日本には数多く存在します。

東京都ではあまり雪が降らないので雪で困ることはほとんどないものの北陸地方ともなると雪が深刻な問題になってきます。

そして、今回はこの雪を防ぐための方法を書いていきたいと思います。

 

1. 塩をまくと凍りづらくなる

よく、雪に塩(というよりも塩化カルシウム)を混ぜると雪が凍りづらくなるのでこれらの物質は融雪剤として使われています。

では、何故塩を混ぜると雪が凍りづらくなるかと言うと塩が凝固点を下げているからです。

凝固点とは液体が固体になる温度のことであり、融点(固体が液体になる温度)と同義で、水の凝固点は言うまでもありませんが常圧下(1,013 hPa)で0℃(273.15 K)です。

 

つまり、水に塩を加えると水が凍る温度が0℃を下回ることとなり、氷点下でも水が凍らなくなり、雪が残りづらくなるということです。

ちなみに食塩が限界まで水に溶けた溶液(飽和水溶液)の凝固点はマイナス22℃程となり、北海道の気温でも凍らなくなります。

 

そして、何故塩をかけると凝固点が下がるかを簡単に言うと水に溶けている塩が水を凍りづらくさせているからであり、当然ではあるが塩の量が増えれば増えるほどどんどん凝固点は下がっていきます。

また、逆に沸点(液体が気体になる温度)は塩が溶けている物質のほうが高くなり、塩が多ければ多いほど液体でいられる範囲が広くなります。

 

では、どのような物質が良いかと言うと...

 

 

 

2. どのような物質が適しているのか

ここまでは大雑把に塩を水に溶かしたら凍りづらくなるという話を書いたが実際にどのような物質が良いのでしょうか?

 

実は一般的に塩と呼ばれている塩化ナトリウム(NaCl)は水に溶かすとナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)に電離します(NaCl→Na+ +Cl-)。

そして、凝固点を下げる物質はイオンの数に影響(分子なら分子)するので塩化ナトリウム1つ分では2倍の効果があるのです。

逆に電離をしない物質(砂糖など)では砂糖分子の数だけに影響するため凝固点を下げる効果はあまり無い上に砂糖の分子量は342と非常に大きいために量を増やしても大して沸点が下がることはありません。

 

ここで凝固点を下げる要因は分子,イオンのによるものだと書いたが分子やイオンの質量は物質によって大きく異なるためにある一定の数の分子を含む単位としてモル(mol)が使用されます。

1モルは分子がおよそ6.02×10^23個含まれる状態のことを示し、

砂糖分子1molは342gに相当します。

 

しかし、塩化ナトリウムはイオン化合物なので分子と呼ばれるものが無いために最小単位に当たるNaClを分子として見なしたものを1molとおき、NaClが6.02×10^23個ある状態のことを1molとしており、この時は分子量とは言わずに式量と言います。

 

要するに砂糖342g塩化ナトリウム(式量58.44)29.22gを溶かした時に生じる分子、イオンの合計数は同じになるために分子の違いによって凝固点の下がる割合などは変わりますが砂糖を融雪剤に使うことはまずありません。

 

 

ここまでは理論について書きましたが実際は非常に希薄な状態でしか理論通りには進まないので濃度が濃くなると理論通りには進みません。

 

例えば融雪剤によく使われている塩化ナトリウムと塩化カルシウムがあるが塩化ナトリウムは式量58.44に対してイオンが2つ生じ、塩化カルシウムは式量110.98に対してイオンが3つ生じるために単位質量あたりに生じるイオン数は塩化ナトリウムのほうが多くなるため一見塩化ナトリウムのほうが良さそうに見えるが実際は異なります。

 

塩化ナトリウムは先ほども書いたように飽和状態ではマイナス22℃程度にしか融点が下がらないが塩化カルシウムはマイナス55℃程に融点が下がります。

つまり、気温が極端に低い地域では塩化カルシウムを使ったほうが良くなります。

 

では、塩化ナトリウムにメリットがないかと言うとそうではなく、塩化ナトリウムの場合は持続性が大きいために凍結防止剤として用いることに適しています。

 

 

このように化学的な性質が豪雪地帯では役に立つことがあり、実際に応用されている例も数多くあります。

 

しかし、デメリットも無いわけではなく、塩化物イオンは金属に悪影響を及ぼす可能性があるので他の物質に置き換える必要性も考えられるがそうしたらそうしたらで

  • コストが高くなる
  • 効率が悪くなる

などの影響が出てくるので実際に変えることは難しいと言われています。