DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

TRAPPIST-1の生命体の可能性はゼロ! あまりにも恒星に近すぎると...

今回の記事は最近発見されたTRAPPIST-1と呼ばれる恒星に生命体はいる可能性はあるかについて書きたいと思います。

 

1. TRAPPIST-1とは

TRAPPIST-1はみずがめ座の方向にある太陽系から39.13光年離れた箇所に位置する恒星であり、太陽と比較しても...

と言うよりも全恒星中でもトップレベルに軽量な天体であります。

 

ここでみずがめ座について書くとみずがめ座は黄道12星座の1つであるが知名度の割に明るい星は少なく、最も明るい星であるβ星サダルスウドと次に明るいα星サダルメリクの2星以外には3等星が1つだけ存在しているだけであまり明るい星座とは言えません。

そして、サダルスウドやサダルメリクは超巨星(超巨星界では最弱レベルだが)であり、絶対等級もマイナス3等を若干超えるぐらいの明るさで大体両者とも530光年程度離れているため遠くても明るい星ですがこのような星は全恒星中でも一握りであり、大体の星は数光年先にあっても肉眼で観測できないような恒星であります。

 

このTRAPPIST-1もそのような暗い星であり、更には暗い星の中でも最下位程度であるため恒星としてはギリギリの質量なのであります。

もし、少しでも質量を失うと核融合反応が起こせなくなり、恒星でさえなくなってしまうほどです。

 

では、この暗くて小さい星、TRAPPIST-1についてのデータを書いていきたいと思います。

直径 0.117 太陽直径

質量 0.0802 太陽質量

光度 0.00000307 太陽光度 

全波長 0.000524 太陽光度

絶対等級 18.6 (13.03)

表面温度 2,559 K

wikipedia 参照

 

となっており、太陽とは比較にならないほど低温かつ低エネルギーの天体であります。

ここで、全波長と書きましたがこの恒星の表面温度を見れば分かるように太陽(5,778 K)の半分も無いため、可視光ではなく赤外線を中心に放たれているため太陽と同じエネルギーを受ける箇所から観測しても太陽の100分の1の明るさにも満たないです。

極めつけはこの恒星の直径が極めて小さい(155,486 kmと木星と大差がない)上に密度は信じられないほど高い(金を軽々と凌ぐほど)で太陽とはこの点でもかなり違う恒星であると言えます。

 

この恒星の周りには7つもの惑星が発見されてはいるもののいろいろな事情があるために例え液体の水が存在できる箇所でも生命体が生まれる可能性は極端な話0と言えます。

 

 

 

2. 何故生命体が住めないのか?

先ほどの説明でTRAPPIST-1に生命体が生まれる可能性は0と書きましたがなぜそうなるのかを順を追って説明していきたいと思います。

 

初めにこの恒星からどれほど離れれば地球と同じ温度になるかを考えたいと思います。

ここでこの惑星を地球と全く同じ環境と仮定します。

TRAPPIST-1の総エネルギー量は太陽の0.000524倍であり、そして太陽-地球間は149,600,000 km離れています。

エネルギーは2倍離れると0.25倍になるので太陽と同じエネルギーを得るためには何と3,424,500 kmまで近づかなければならず、この距離は太陽の直径の2.46倍程度しかなく、その近さが分かります。

しかし、ここまで近づいて太陽と同じエネルギーを得たとしてもいろいろな問題が存在します。

まず第一にこれほど近づくと恒星からの重力もすさまじいことになり加速度に換算すると0.908 m/s^2と地球の重力加速度の11分の1以上の加速度を受ける羽目になります。

これほどの加速度を受けると恒星からの凄まじい力によって表面が固定化され、恒星に向く半球は灼熱の昼が延々と続き、そして向かないほうの半球は日の昇ることの決してない極寒の夜がやはり延々と続きます

このようなことが起こると当然ではあるが液体の水など存在することはできなくなり当然生命体が生まれることなど決してなくなります。

そして、恒星から凄まじい力を受けた惑星はいつも同じ面を恒星に向けながらすさまじい速度で恒星を公転し続けることになるでしょう。

 

更に低質量星は意外にも太陽程度の恒星よりも不安定であり、時折元の光度の2倍近く明るくなる変光がしばしば起きます。

当然ではあるが恒星の明るさがこんなにも変化すると生命体には到底耐えられるわけもなく、確実に死の惑星になってしまうでしょう。

 

ちなみに奇しくも内側から3番目の惑星は恒星から320万キロ程度離れており、一応ハビタブルゾーン(液体の水が存在するエリア)に位置しているものの上記のように一面を恒星に向け、片側は灼熱、もう片側は極寒の惑星となっており、わずか4日と言うすさまじい速度で公転をしていると考えられます。

仮にも地球と同じ3番目の惑星なのに...

 

このように恒星の大きさが小さすぎると恒星の性質はもちろんのこと恒星からの影響がとんでもなくなるため生命体が生まれることはまずありえないと思います。

恒星の寿命は5兆年もあるのに...