DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

酸っぱい原因は水素イオンにあった 酸と塩基の関係

今回は酸っぱく感じる原因と解説を書いていきたいと思います。

味の感覚に酸っぱいという物があるがあれはある成分の量が多いから感じるものであります。

その成分とは水素イオンのことであり、水素イオンの濃度が多いと酸性が強い、即ち酸っぱく感じるようになります。

 

1. 酸性とは

酸性という言葉は結構耳にしますが実際にどのようなものであるかということを知っている人はあまりいません。

酸性とは水の中に存在する水素イオンの濃度がある数値より多い状態のことであり、逆に少ない状態のことを塩基性と呼びます。

そして、水素イオン濃度が1.0×10^-7 mol/l、即ち水1リットルの中に水素イオンが

10^-7 mol(=6.02京個)存在する時の状態のことを中性と呼びます。

 

また、中性の水の中に水素イオンが存在する理由は水分子が水素イオンと水酸化物イオンに電離するからであり、完全な中性の水では水分子約5.55億個中たった1個の水分子が電離している状態となっているのです。

ちなみに水酸化物イオン濃度と水素イオン濃度の積は温度にもよるが一定の値を示しており、25℃の時は10^-14 (mol/l)^2を示しています。

f:id:DS930810:20170920200045j:plain

余談だが水素イオン濃度の対数値にマイナスをかけた値をpHと呼び、中性だと7、酸性は7より小さい、塩基性は7より大きい値を示します。

ちなみにpHは1増えると水素イオン濃度は10分の1となり、水酸化物イオン濃度は10倍になり、水素イオン濃度は相当な量が変化することが分かります。

 

このように水素イオンの濃度で酸性、中性、塩基性と決まっているもののこれらのことより完全な中性と言う物は実質的に存在せず、酸性か塩基性のどちらかであることが分かります。

そして、次に水素イオンについて書いていきたいと思います。

 

 

 

2. 水素イオンとは

水素イオンとは一般的に水素原子から電子が外れた状態の陽イオンのことであります。

けれども水素原子は陽イオン以外にも電子を1つ取り入れた陰イオンの形態もとり、この形態のことをヒドリド(Hidride)と呼びますがここでは陽イオンの話が中心となります。

 

水素原子は陽子1つの周りを電子が周っている状態であり、もしこの電子が抜けてしまうと電子が一切なくなり原子核しか残らなくなります。

水素原子の原子核は陽子1つだけの軽水素核、または陽子1つと中性子1つを含む重水素核の2種類が天然には存在するがほとんどが軽水素であります。

また、ここで気づくと思いますが軽水素から電子が抜けると陽子だけになってしまいます(重水素の場合は陽子+中性子)。

つまり、軽水素イオンは陽子そのものであるので軽水素イオンのことをプロトン(Proton,陽子の意)と呼ぶこともあります。

そして、先ほど酸っぱい原因は酸性である、つまり水素イオンの多い状態であるのでこれらのことを踏まえると陽子は酸っぱいのでは?

f:id:DS930810:20170920202413j:plain

と思いますが実は少し違います。

 

実は水素イオンは水分子の酸素の所にある2つの電子対に配位することでオキソニウムイオン(H3O+)という陽イオンの形態をとるため、陽子単体で存在すると言う訳ではありません。

f:id:DS930810:20170920203502j:plain

水素イオンは正電荷を帯びており、水分子上の酸素原子には負電荷を帯びている電子対があるため水素イオンはその電子対と結合し、水素原子3つと酸素原子1つを有する陽イオン、オキソニウムイオンを形成します。

なお、オキソニウムイオンとは3つの化学結合を有した酸素の陽イオンのことであり、このイオンは正確にはヒドロニウムイオンと呼びます。

 

つまり、酸性を決めているのはヒドロニウムイオンということになるがヒドロニウムイオンが酸っぱいかどうかはすみませんが分かりません。

 

 

 

3. 代表的な酸、塩基

酸性が強い物質として有名なのは塩酸ですが塩酸の酸性が強い理由は塩酸とは塩化水素(HCl)が水に溶けた物質のことであり、この時塩化水素が水素イオン(H+)と塩化物イオン(Cl-)に分離し、多量の水素イオンが生じるからです。

ちなみに塩化水素はイオンではなく、塩素と水素が共有結合をしているれっきとした分子であり、水に溶かすと共有結合に使われている電子が塩素のほうに寄り、やがて塩化物イオン(陰イオン)と水素イオンに分かれます。

 

逆に塩基性の強い物質として挙げられるのは水酸化ナトリウム(NaOH)であり、こちらは塩化水素に対してイオン化合物であります。

水酸化ナトリウムはナトリウムイオン(Na+)と水酸化物イオン(OH-)によって構成されており、水に溶かすと単純にナトリウムイオンと水酸化物イオンが拡散するので強塩基性を示します。

ちなみに水酸化物イオン(OH-)は共有結合をすることは決してなく、OHが共有結合したものはアルコールと呼ばれますがこれは塩基性とは全く関係のない物質です。

 

 

少し変わったものとして挙げられるのはアンモニア(NH3)であり、この分子は特に水素が分離するわけでもなく、かといって水酸化物イオンを含むわけではありません。

しかし、アンモニアは水分子と同じように窒素原子上に電子対があり、この電子対が水の水素原子を引き抜くことでアンモニウムイオン(NH4+)を形成し、水分子から水素原子を引き抜いたものが水酸化物イオンとして残るために塩基性を示します。

 

また、塩素(Cl2)を水に溶かすと酸性になるがこの理由は塩素が水と反応をし、酸性を示す塩酸(HCl)と次亜塩素酸(HClO)になるためであります。

f:id:DS930810:20170920210119j:plain

ちなみにこれらの水溶液の酸性、塩基性は比較的弱いです。

 

このように直接水素イオンや水酸化物イオンを放出しなくても間接的に酸、塩基になる物質もあります。