DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

ブラックホールは穴ではなく点!? 光も逃れられない領域とは?

ブラックホール(Black Hole)は非常に有名ですが実はホールと言う割には穴では無かったりします。

そのことについて順を追って説明していきたいと思います。

 

1. 万有引力による位置エネルギー

今回も万有引力の話になりますが前にも書いた通り、万有引力による力は下式のようになります。

f:id:DS930810:20170906202222j:plain

実はこの万有引力から万有引力による位置エネルギーを求めることができます。

順を追って説明するとエネルギーは力と距離の積であり、力の式が分かっていればエネルギーを求めることができます。

f:id:DS930810:20170906204435j:plain

グラフの形は実際とは異なるが距離と力の関数の積分値からエネルギーを求めることができ、この式と積分範囲を用いることになります。

エネルギーを持っているということは不安定であるともいえ、近づくと安定化するので無限遠を0と取り、それ以上はエネルギーは増えません。

よって式には負符号がつきます。

そして、万有引力位置エネルギーを用いるときは0となる点、即ち無限遠までを考え、距離rから無限遠積分すると距離rでの位置エネルギーが分かります。

よって万有引力位置エネルギー

f:id:DS930810:20170906210509j:plain

赤字のようになります。

この赤字こそが万有引力位置エネルギーであり、運動エネルギーの式(1/2)mv2と比較することでブラックホールの大きさを求めることができます。

正確にはブラックホールに大きさは無いので大きさと言うのはおかしいですが

 

 

 

2. ブラックホールの大きさ 

運動エネルギーはその物体から逃れるためのエネルギーであり、位置エネルギーはその物体に引き付けられるエネルギーであるのでその物体から逃れられないということは位置エネルギーと運動エネルギーの総和が0以下になるということです。

 

ブラックホールは光速でも逃れられない領域のことを示すため、運動エネルギーの速度が光速(299,792,458 m/s)となっており、位置エネルギーと運動エネルギーの和が0以下となればよいので...

f:id:DS930810:20170906211625j:plain

質量Mのブラックホールから逃れられない距離は2GM/光速の2乗になり、

この時の距離をシュワルツシルト半径と呼びます。

 

 

 

3. 太陽や地球がブラックホールになったら

実際にこの式を用いて太陽や地球がブラックホール化した時のことを考えます。

太陽の質量は1.989×10の30乗㎏、万有引力定数は6.67259×10のマイナス11乗(m3 s-2 kg-1)、光速は299,792,458 (m/s)より、

太陽のシュワルツシルト半径は2,953メートルであり、3㎞を若干下回っております。

しかし、太陽の直径は1,392,000,000メートルもあるので太陽がブラックホールとなることは絶対にありません(太陽直径の471,385分の1の大きさ)。

ブラックホールとなるにはシュワルツシルト半径よりも小さくならないといけませんから。

 

そして、地球の場合だと質量は6.0×10の24乗㎏なのでシュワルツシルト半径は

8.9ミリメートルと太陽の大きさを軽々と下回ります。

 

ちなみにシュワルツシルト半径は下限が無いのでどのような物体にも適応されます。

けれども普通の物体ではシュワルツシルト半径を下回ることはまずないのでブラックホールとなることはありません。

なったらなったで怖いが...

シュワルツシルト半径は式から見れば分かるが意外にも1次関数的に比例するので質量とのグラフを書くと直線になります。

ここで、1㎏の物体のシュワルツシルト半径を求めると1.485×10のマイナス27乗メートルともはや0に近い数値となります。

 

では、この世の中で最も密度の高い物体と考えられている中性子星のシュワルツシルト半径を求めてみたいと思います。

中性子星の質量の上限は太陽の2.5倍にあるので太陽の2.5倍の質量の中性子星のシュワルツシルト半径を求めると7,383メートルになります。

中性子星が更につぶれるとブラックホールと化すため、質量2.5倍の中性子星の半径は大体7,383メートルほどだと考えられます。

この時の密度は2.950×10の18乗 (㎏/m3)となり、これほどの密度になってから初めてブラックホール化すると考えてもよいです。

中性子星ブラックホール化する場合の例ですけど...

 

 

 

4. 超低密度ブラックホール!?

上記よりブラックホールの密度は非常に小さいと考えられますが超大質量ブラックホールの場合だとどうなるのでしょうか?

この世の中には太陽の180億倍の質量を持つとんでもないブラックホールが存在し、キログラムに換算すると3.5802×10の40キログラムにもなります。

当然これほど大きなものとなるとシュワルツシルト半径も凄まじくなり、5.316×10の13乗メートルとなります。

この長さはキロメートルにすると531.6億キロとなり、冥王星の軌道を軽々と上回ります。

では、密度はどうかと言いますと0.2383 (㎏/m3)と水の密度を軽々と下回ります

 

これはどういうことかと言いますとシュワルツシルト半径は質量に比例する、即ち質量が10倍になったらシュワルツシルト半径も10倍となるが半径と言うのは質量の3分の1乗にしか比例せず、半径がシュワルツシルト半径に追いつかなくなり、このようなことを引き起こします。

 

では、超低密度ブラックホールかと言うとそうではなく、実はブラックホールには大きさが存在しません

ここでのブラックホールの大きさと言うのはシュワルツシルト半径以内の領域のことであり、この領域よりも内側だと光が見えないために便宜的にブラックホールの大きさとしているわけです。

 

つまり、ブラックホールのホールと言うのは光が見えない範囲のことであり、実際のブラックホールと言うのは単なる点にしかすぎません。

正直ブラックポイントにしたほうがいいのでは...