次は生物について書いていきたいと思います。
世の中の生物は大雑把に分けて単細胞生物と多細胞生物の2種類に分けられます。
多細胞生物は文字通り、多数の細胞からなる生物であり我々人類を含む生物です。
ちなみに人間の細胞は60兆個もあります。
それとは裏腹に単細胞生物の細胞は1つだけであり、生殖方法も分裂と言うかなり奇妙な増え方をしています。
このように単細胞生物は大変興味深い生物であります。
1. 単細胞生物の増殖
単細胞生物は単純に分裂を行い、全く同じ個体が2つ発生するという単純かつかなり便利そうな増殖方法を行います。冷静に考えると怖いが...
ここでは単細胞生物として代表的な生物であるゾウリムシについて書いていきたいと思います
ゾウリムシは名前の通り草履(ゾウリ)に似た形状をしているためにゾウリムシと呼ばれています。
ちなみに英名ではパラメシウム(Paramecium)とかなりかっこいい名称です。
ゾウリムシは当然分裂で増殖しますがその周期が異常に早いです。
どれほどかと言いますと条件さえよければ8時間に1回分裂することができ、この周期だと1日に3回分裂することができます。
言い換えると生誕1日でひ孫ができるとも解釈できます。
まあ、どれも同じ個体で区別がつかないのでたとえ自体がおかしいが...
また、この分裂には限界があり、大体700回が上限と言われています。
それでも十分すぎるぐらい多いが...
もしも、どの個体も死なずに全個体が8時間周期で分裂をしたとすると
5.26×(10の210乗)匹になります!
しかも、ここまでかかる時間は大体8か月弱と相当短いです。
まあ、当然ではあるが個体が全て生き残ることなどあり得ず、ほとんどの個体が死に絶えます。
700回も分裂できる個体なんてそもそもいるかどうか分からず、たとえいたとしてもほんのわずかだと思います。まあ、いないと次の話に進めないが...
これよりゾウリムシの寿命は最長でも8か月弱であることが分かります。
が、実はそれは間違いであり、単細胞生物には寿命という物はありません!
何故かと言いますと老化したゾウリムシは2匹のペアーが接合と言う形で遺伝子を交換し、何と生まれたばかりの状態まで若返るからです。
すみません。専門ではないのでどうしてそうなるのかは分かりませんが...
とまあ、このような形で若返ることはできますがゾウリムシの個体によって合う、合わないがあるので合わない個体だと接合することはできません。
当然その個体は死にます。
寿命は無いと書きましたが当然このような経緯があるため死なないなんてことは無く、ゾウリムシ誕生から現在まで生きているゾウリムシなんて当然いません。
当然ではあるがゾウリムシは相当弱く、少しのことで死にます。
2. 単細胞生物の恐怖
実は単細胞生物はかなり恐ろしい生物であり、中世の時代に流行したペストや日本のかつての死亡原因第一位の原因である結核は単細胞生物が原因で起こっています。
細菌も単細胞生物の一種であり、非常に数多く存在し中には非常に恐ろしい物もあります。それが上記に挙げたペスト菌や結核菌であり、他にも様々な細菌があります。
しかし、単細胞生物は最近だけではなく原生生物と言われる生物も含まれており、例を挙げるとゾウリムシ、アメーバ、マラリア原虫等です。
マラリアは非常に恐ろしい病気であり、東南アジアの死亡の主な原因となっております。
また、意外にもアメーバはかなり恐ろしい生物なのです。
アメーバが恐ろしい生物なんて信じられないと思いますが一部の種は相当危険です。まあ、大半のアメーバは危険ではありませんが。
参照(左) : References/Bibliography | Amoeba proteus
URL(左) : https://davidwangblog.wordpress.com/referencesbibliography/
参照(右) : What We Do—and Don't—Know About Brain-Eating Amoebas
左の画像のアメーバはプロテウスアメーバと言う皆さんが良く思い浮かべるアメーバですが右の画像の悪魔のような顔のアメーバは外見だけではなく内面も悪魔のように恐ろしいネグレリア・フォーレリと言う殺人アメーバです。
このアメーバの恐ろしい点は脳を溶かして栄養素にするという凶悪極まりないアメーバであり、実際に侵入するときは鼻から脳に上がり込んで脳を溶かしてしまいます。
そして、死亡率はほぼ100%で最初の症状は軽いものの後から段々と重くなり、脳が溶けることで昏睡状態と化し、やがて死に至ります。
実際に感染した患者の脳は溶けており、中には原型を留めていないものもあるぐらいです。
更に恐ろしいのは比較的高温の水の中には当たり前のように存在していることで、感染する危険性とは常に隣り合わせだということです。
まあ、感染する確率は極めて低い上に胃に入れば問題は全くないのでそこまで気にする必要はありません。
0とは言えませんが...
また、ペスト菌も非常に恐ろしく、感染者数でいえばアメーバなんかとは比較になりません。一説にはヨーロッパの全人口の3分の1がペストに感染して死去したと言われ、日本の人口に当てはめると4,000万人以上が死去するという計算になります。
3. 単細胞生物の恩恵
先ほどは極悪非道な単細胞生物について書いたが実は単細胞生物の中にも有用なものはいます。というより単細胞生物がいないと生きていけません。
例えば大腸菌なんかがそうであり、大腸菌がいないと生きていくことはできません。
また、納豆菌も非常に有用な生物であり、大豆を発酵させるのには必須で納豆菌がいなければ納豆なんてものはこの世に存在しません。
納豆嫌いにとってはいないほうがありがたいかもしれませんが...
更に、細菌以外にもクロレラという植物性プランクトンもかなり有用な生物となっています。
このように単細胞生物の中にも有用なものは多く、この世は単細胞生物によって成り立っているとも考えられます。