DS930810のブログ

主に役に立つような雑学を解説する形で書いていきたいと思います

南十字星とは? 実は1つだけ仲間外れがいる

つい最近、南十字星の近くにある南十字星以上の明るさの恒星について話しましたが今日は南十字星について話したいと思います。

 

1. 南十字とは

南十字座はご存知の通り、南天に輝く4つの明るい恒星が十字を形成している星座です。

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実は全星座中で一番面積が狭く、日本からも見ることができません。

しかし、それでも知名度が高いのはそれほど並びが良いことに起因していると思います。並びだけなら...

 

まあ、星一つ一つは知名度も低く、伝統的な名称はついていません。また、意外に明るさが偏っていたりもします。

では、一つ一つについて書いていきたいと思います。

 

1.1 最も明るいα星

南十字座α星(写真下の恒星)は南十字星の中でも最も明るく、1等星(0.5~1.5等星)の中ではハダル、アルタイル(同じぐらいだが)に次ぐ3番目の明るさで0.77等星です。

また、全恒星中では14番目に明るく、更に最も南に位置している1等星以上の明るさの恒星です。言い換えると日本から最も見づらい星だが...

ちなみに一番北の1等星以上の恒星はカペラ。

また、距離も322光年と比較的遠く、カノープスよりも若干遠い程度です。

これより絶対等級はマイナス4.20等と非常に明るく、この星よりも近い星でこれ以上の星はカノープスだけとなります。

まあ、連星なので主星だけだと光度は若干落ちるがそれでも順位は落ちないとか...

余談だが全天21星の中では表面温度が一番高いみたいです...

つまり、総合的なエネルギー量はカノープスを驚愕していると考えられています。

さすがにリゲルは無理だが...

 

更に余談だがこの星はケンタウルス-さそりOBアソシエーションの一員であり、かなり恒星が密集した所に存在しているがためにこの星から見ると非常に明るく他の恒星が見え、南十字座βハダル南十字星δHD 108501はえ座αはえ座βの6星がシリウスよりも明るく見えます。

 

 

1.2. 一応1等星なβ星

南十字座β(写真左の恒星)は南十字座の中で2番目に明るく、一応1等星です。

一応と言うのは1等星の中でも大して明るいほうではなく、デネブと同じぐらいの明るさの1.25等であり、比較的2等星に近いからです。まあ、ギリギリと言う訳でもないが...

ちなみにα星はアルタイル、β星はデネブとほぼ同じ明るさです。偶然だろうけど...

こちらもケンタウルス-さそりOBアソシエーションの一員であり、距離は279光年カノープスよりも若干近い距離に位置しています。

まあ、これらの恒星はカノープスと同じぐらいの距離にあると考えてもよいです。

また、絶対等級はマイナス3.41等であり、α星を結構下回っています。

まあ、これでも全恒星中ではトップクラスであり、おとめ座のスピカに似た恒星で、変光型も同じです。ちなみにおおかみ座α星とも似ています。

表面温度もα星とほぼ同等でやはり非常に熱い恒星です。

 

当然この星から見た他の恒星も明るいものが多いと思いきやシリウス以上のものは南十字座αハダルだけだったりします。距離の若干の違いが大きな差となったか...

 

1等星はここまでです。

 

 

1.3 低温の星、γ星

ここまでα星とβ星と書きましたが今度はγ星について書きます。

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γ星は表面温度が非常に高いα, β星とは異なり、非常に低温な恒星であり、赤い光を放っています。そして、南十字星の中では一番北に位置しています(写真上の恒星)

 

そして驚いたことにこの星は他の南十字星の星とは...

全く無関係な恒星です

 

どういうことかと言いますとγ星以外の3つの星は兄弟みたいなものですがこの星だけは地球とかなり距離が近く、ただ偶然南十字の一員に見えているだけなのです。

距離も88光年と相当近場の星だったりします。

 

ちなみに地球から見た明るさは1.59等星であり、実は2等星の中でもアダーラ(おおいぬ座ε星)、カストルに次ぐ明るさです。

また、この星も夏の恒星であるシャウラ(さそり座λ星)と同じぐらいの明るさであり、結果としてαβγ星は夏の星の中にほぼ等々の明るさの星があるということになります。

 

そして、絶対等級はマイナス0.52等であり、マイナスと言えばマイナスだがどうも見劣りするような明るさです。

 

あと、この星についての性質を書くとこの星は赤色巨星と呼ばれる低質量星の末期の姿だがアルクトゥルスアルデバランよりも更に高齢であり、スペクトル型は最も低温なM型です。

直径は1億キロ以上あるが(実は1億キロ越えの中では最も近い)、質量は太陽の1.3倍しかなく、シリウスはおろかプロキオンよりも低質量です。

今後は長い期間を待たず、白色矮星と化すと考えられています。

 

 

1.4 暗く輝くδ星

αβγと来たので最後にδ星(写真右の恒星)について話したいと思います。

δ星は写真でもわかる通り、他の3星と比較しても非常に暗く、2.79等の明るさしかありません。1等星はおろか2等星ですらないのです...

つまり、δ星のせいで南十字座のバランスは悪くなっているということに...

 

ちなみに距離は345光年と意外にも南十字星の中では最も遠く、このことが原因で暗いとも言えます。まあ、実際の明るさもαβ星よりも暗いが...

 

じゃあ絶対等級はどれぐらいかと言いますとマイナス2.33等星です。

αβよりかは1~2ランクぐらい下がりますが十分明るく、実はこの星もケフェウス座β型変光星だったりします。同変光型の中では最も暗い分類に入りますが...

ちなみにα星は何故かこの変光星では無かったりします。

 

当然この星もケンタウルス-さそりOBアソシエーションの一員であり、この星から見てシリウスよりも明るい恒星は南十字座αハダル南十字座βHD 104900の4星です。

...うわっ、またハダルかよ...

 

 

 

2. 南十字星とハダル

上記の通り、南十字星には明らかな仲間はずれがいました。

それはδ星...

ではなくγ星でこの星だけ全くの無関係な恒星であり、たまたま近くを通っているだけで地球から見ると南十字星の一員として認識されているだけの恒星です。

この星は高齢の星で、最期が近いようですが質量の関係上αβ星のほうが先に滅びそうです。

 

また、αβδ星は距離も近く、出身地?も同じであり兄弟と言えるような恒星です。

 

えっ? ハダルも兄弟?

その通りでハダルも南十字星の恒星と兄弟星であり、この星が一番明るいため(地球から見ても絶対等級的にも)南十字星の親玉と呼んでもいい星だと思います。

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この事実よりこれからはγ星を南十字から外し、ハダルを新たな南十字星にしよう!

何てことは当然起こらず、あくまで地球から見た基準であり、ハダルが南十字星だなんてことはありません。

 

と言いたいところだが実は南十字なんて星座はかつては無くケンタウルス座の一部だったのです。

つまり、かつては南十字星とハダルは同じ星座であるかつ、ケンタウルス座は0等星を1つ、1等星を3つも持つ大星座だったのです。

要するにハダルが南十字座の一員であるというのはあながち間違いではありません。

 

一つ言えることは物理的にはハダルは南十字座の恒星と兄弟であり、南十字座γ星は全く無関係の星であるということです。

 

なんかハダルが主役のように見えてきた...