DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

地球から最も明るい恒星シリウス その実態とは?

全天で一番早い恒星はシリウスであることは有名です。

そして、シリウスはそこそこ前の記事に書いた通り、距離が近いため明るいのです。

その近さ故、どこでもドアで行くことが可能であるがあくまで恒星としては近いだけであり、現在の技術では行くことなど到底不可能です。

 

 

 

1. シリウスとは

シリウスは冬の大三角形の一端の星であり、全天で一番明るい星です。

ではシリウスのデータを書いていきます

直径 1.68太陽直径 (2,338,560 km)

質量 2.02太陽質量 (絶対等級1.42等)

光度 23太陽光度(可視光)

表面温度 9,670℃

自転速度 16km/s 

スペクトル型 A1Ⅴ

 

だそうです。

シリウスの直径は太陽の1.68倍大きく、およそ234万キロの巨体をほこります

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地球を圧倒した木星ですら余裕でかなわない太陽よりもシリウスは100万キロ近く大きいのです。もう、この大きさだと地球は点にすらなりません。

 

また、シリウスの表面温度は9600℃と太陽(5500℃)に比べてもかなり高いため、単位面積当たりの放射量も大きく、そのため太陽の23倍もの光度を持っております。

それでも他の恒星はそのシリウスですらかなわないほどの明るさを持つものもあり、それらの星は数百光年隔てても相当明るいです。

シリウスの次に明るいカノープスなんてそりゃ...←詳しくは全天第二の恒星の記事を参照にしてください。

 

ちなみにシリウスを太陽の位置に持ってきますと木星当たりが結構住み心地が良くなります。←まあ、正確には木星の衛星だけど

 

また、スペクトル型とは恒星の温度を示した指標であり(正確にはもっと細かくて難しいです)、表面温度が高い順からO,B,A,F,G,K,Mとなり、シリウスはAなので上から三番目です。

これだとシリウスの表面温度は高いほうになると思いますが実際にはそこまで高くありません。何故ならBの有効温度は非常に広く、10000~29000K(Kは絶対温度で℃よりも273高い)の範囲を取っているからです。

ここでシリウスのスペクトルはA1ですがこの1というものは単に温度の高さを示すもので0が一番高く、9が一番低いです。つまり、シリウスはAの中ではかなり高温な部類に入るということです。

最後にⅤと言うのがありますがこれは5の意味であり(Ⅰは1、Ⅱは2、Ⅲは3、Ⅳは4)、恒星の分類を示しています。

Ⅰは超巨星、Ⅱは輝巨星、Ⅲは巨星、Ⅳは準巨星、そしてⅤは主系列星を示しております。

主系列星とは恒星の中心核で水素の核融合を起こしている若い星であり、太陽やシリウス、そして大半の星が属しております。

主系列星が老化すると準巨星を経て巨星化し、質量が重いと輝巨星、超巨星となります。

 

つまり、シリウスは表面温度が9600℃くらいの主系列星です。

 

 

 

2. シリウスの伴星

実はシリウスは連星であり、小さい伴星が存在し、この星の直径は金星ほどの大きさしかありません。

シリウスとは違い、大きさの小さい星なのです。大きさだけは...

では、質量はと言いますと...

 太陽ほどの質量があります。

 

つまり、この恒星?は異常なほどの密度を持った恒星?であり、

その密度は水の200万倍近くあります!

 

実はシリウスの伴星は恒星ではないのです。

恒星と言うのは中心部で核融合を起こし、自ら発光する天体と定義されています。

シリウスの伴星の内部ではもはや核融合は起こっておらず、シリウスの伴星は白色矮星と呼ばれる恒星の死骸です。

 

つまり、かつてはシリウスの伴星は核融合反応が起こっており、質量が現在のシリウスよりも重かったため(つまりこちらが主星だった)寿命が尽き、現在のような姿となりました。

 

また、これとは話がずれますが2,000年ほど前の記録でシリウスが赤い星と記載されていましたがこのシリウスの伴星と関係があるのではないかと言う説もあります。

もしこれが正しければシリウスの伴星は2,000年ほど前には赤色輝巨星(質量的に)であり、赤く見えた可能性があります。

しかし、この説はありえないと考えられます。

何故ならシリウスの伴星が赤色輝巨星なら絶対等級は質量的にマイナス2.7等ほどになり、現在と位置が変わらないとするとマイナス5.6等ほどで観測されているはずであり、この光度は金星以上です。

しかし、金星よりも明るいなどと言う記録は一切見つかっておらず、このことよりこの説には無理があると考えられます。また、どんどん暗くなったという記録もありません

更に物理学的にもシリウスの伴星が死んだのは2,000年よりもかなり前であると判明しています。

以上のことよりシリウスが赤く見えたというのは他の説だと考えられます。

 

追記

シリウスの伴星は生前(変な言い方だが)質量が5~6倍ほどと考えられています。

現在の恒星で質量が太陽の5~6倍で年を取っているものとしてわし座ガンマ星のタラゼド(Tarazed)があります。タラゼドは5.7倍の質量で表面温度が4,000Kぐらいの恒星です。そして、絶対等級はマイナス2.7等ほどなのでタラゼドがシリウスの位置にあると仮定しました。

 

 

 

3. シリウスの自転は遅い?

先ほどのデータではシリウスの自転速度は16km/sと書きました。

この速度ではシリウスは約5.3日で自転をすることになります。

太陽はシリウスよりも小さく、更に自転するのにシリウスの5倍ほどの時間を有するため、シリウスの自転は速いように見えます。

しかし、シリウスと太陽は大きさや質量が異なるためあまり比較になりません。

 

そこで、似たような構成としてベガとアルタイルが挙げられます。

アルタイルはシリウスよりも小ぶりでベガはシリウスよりも大振りです。

具体的にはアルタイルは太陽の10.7倍の明るさでシリウスの半分ほど、

ベガは太陽の49倍の明るさでシリウスの倍ちょっとです。

つまり、シリウスはアルタイル、ベガの間に入ります。

 

では、ベガとアルタイルの自転速度はと言いますと

ベガは274km/sアルタイルは242km/sと非常に早いです。

ベガもアルタイルもシリウスの10倍以上の速度で、自転周期は半日ほどです。

そのため、アルタイルとベガは球体ではなく、その凄まじい遠心力によって楕円形をしています。

 

では何故シリウスの自転が遅いかと言いますとシリウスの伴星が影響しているからと考えられています。

アルタイルやベガには質量の重い伴星が発見されておらず、高速自転が起こっているがシリウスには先ほどにも挙げた通り、大質量の白色矮星があるため、その影響で自転が遅くなっていると考えられています。