DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

最も遠い3等星 おおいぬ座ο2星

今回は最も遠い3等星について書いて行きたいと思う。

 

1. 最も遠い恒星

地球から観測できる恒星は銀河系全体から見るとほんの一部ではあるが多くの恒星を観測することが出来る。

そして、当然ではあるが明るい恒星のほうが数は少なく、最も明るい恒星の部類であるマイナス1等星はわずか2個しか無く、次いで0等星が8個、1等星が11個と続く。

その後は2等星, 3等星と続くわけであるが最も暗い6等星ともなると総数は数千個単位となり、その中には太陽よりも暗い恒星も含まれる。

では、それぞれの階級で最も近い恒星と遠い恒星についてリストアップしていきたいと思う。

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このようにマイナス1等星は2つしか無いがタイプは全くと言っても良いほどに異なり、シリウスは単純に近距離に位置しているから明るいだけであるのに対し、カノープスは恒星自体の明るさが極めて明るいために遠くに位置していても全天で二番目に明るく見えるほどである。

そして、この傾向は他の等級にも当てはまり、最も遠い恒星のほうはいずれの恒星もカノープスよりも絶対等級の強い恒星ばかりである。

また、近い恒星のほうはどの恒星もシリウスよりも絶対等級が弱く、特にリギル・ケンタウルスとアキルドに至っては太陽と大差がないほどである。

 

更に等級が下がれば下がるほど遠い星の距離は地球からどんどん遠ざかっていき、マイナス1等星で最も遠い恒星であるカノープスは309光年の距離であるのに対し0等星で最も遠い恒星であるリゲルの距離は863光年とカノープスの3倍近くもの距離に及ぶ。

そして、1等星で最も遠いデネブは1,000光年をオーバーし、2等星で最も遠いアルドラは2,000光年近くも離れている。

更に今回紹介する3等星で最も遠いおおいぬ座ο2星は2,764光年と更に遠くに位置しており、この恒星よりも明るい恒星で近い恒星は1つも存在せず、この恒星よりも遠い恒星で最も明るい恒星は4等星であるほ座b星(3.77等, 4,868光年)である。

※ケフェウス座μ星は最も明るくなった時の明るさは3.43等となる。そして地球からの距離は5,930光年も離れているからこの星こそが3等星で最も遠い恒星として見ることが出来るがあくまで一時的なものであるのでおおいぬ座ο2星が最も遠い恒星として扱っている

 

ではここからはおおいぬ座ο2星について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. おおいぬ座ο2星

おおいぬ座ο2星は当然おおいぬ座に属している恒星であり、地球からの明るさは3.02等と明るくは無いが肉眼で余裕で観測できる恒星である。

そして、2等星で最も遠い恒星も同じおおいぬ座に属しているアルドラであり、この恒星もおおいぬ座に属している恒星である。

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おおいぬ座ο2星はおおいぬ座の真ん中あたりに位置している恒星であり、近くにはおおいぬ座ο1星が輝いている。

そして、おおいぬ座ο星はあまり使われていないがメンケルブ(Menkelb)と言う固有名がついており、ο1星のほうはメンケルブ・プリオル(Menkelb・Prior), ο2星のほうはメンケルブ・ポステリオル(Menkelb・Posterior)という名称である。

 

メンケルブ・ポステリオル、つまり今回紹介するο2星は地球からの距離が2,764光年も離れた所にある大変遠い恒星であるがο1星であるメンケルブ・プリオルも地球からの距離が非常に遠く、1,977光年も離れている。

また、ο1星(プリオル)はK型超巨星であるため表面温度が低く、赤色で見えるのに対してο2星(ポステリオル)はB型超巨星であるので青色の恒星として観測される。

 

ここまではおおいぬ座ο2星の位置と近くに位置しているο1星について書いてきたがここからはおおいぬ座ο2星の物理的性質について書いて行きたいと思う。

おおいぬ座ο2星は地球からの明るさが3.02等星であり、地球からの距離は2,764光年であるので絶対等級はマイナス6.62等にも及ぶ。

この明るさはリゲルには及ばないもののアルドラよりかは明るく、更にこの恒星はスペクトル型はB3Ⅰaであるのでリゲルやアルドラと比較すると表面温度は高く、大体16,200 Kほどもある。

そのため、総合的なエネルギー量だとリゲルを上回っていると推測されており、質量もリゲルよりも重い22太陽質量ほどもあると言われている。

けれども直径は太陽の42倍とリゲル(78倍)はおろかアルドラ(49倍)よりも小さいがこの理由はリゲルやアルドラよりも若いからである。

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おおいぬ座ο2星(Menkelb Posterior)は直径は他の青色超巨星(リゲル, アルドラ)と比較すると小さいが表面温度は高いのでこれらの恒星よりもエネルギー量は強い。

まあ、言うまでも無いがここでの太陽は表面温度が低い上に直径が小さい軽量の主系列星ではあるが...

 

そして、おおいぬ座ο2星の今後は他の超巨星と同じように表面温度を低下させながら直径は更に大きくなっていき、最終的には太陽の1,000倍以上の赤色超巨星と化した後に超新星爆発を起こし、中性子星になると考えられる(ブラックホールになるには太陽の30倍以上の質量が必要でありため中性子星の段階で留まる)。

このように、おおいぬ座の主星であるシリウスは地球からの距離が非常に近い星ではあるが他のおおいぬ座の明るい恒星はシリウスとは裏腹に距離が非常に遠いものが多く、特にアルドラとおおいぬ座ο2星に至っては同じ等級の中で最も遠い恒星である。

 

 

以上、おおいぬ座ο2星についてでした。

 

広大な塩湖 カスピ海とアラル海

今日はカスピ海とアラル海について書いて行きたいと思う。

 

1. カスピ海とは

カスピ海は「海」と付いているが湖であり、周辺部は陸地に囲まれている。

しかし、湖と言っても普通の湖とは異なり非常に面積が広く、日本の国土面積に匹敵するほどもある。

更に湖ではあるが海水と同じく水は塩水であるため湖と言うよりも周辺部を陸地で囲まれた海と言ったほうが正しく、水深もバイカル湖と比較すると浅く平均水深は200 mよりも若干低いものの水量はバイカル湖よりも多く、水量の面でも世界一の湖である。

ちなみに世界で二番目に広い湖はアメリカの五大湖の一つであるスペリオル湖であるが面積はカスピ海と比較すると非常に狭く、4分の1も無い。

そのため、カスピ海は他の湖と比較すると群抜きの1番である。

 

また、カスピ海は緯度が東北地方から北海道程度の位置に位置しているが内陸部に位置しているので降水量は非常に少なく、またカスピ海から流出している川は無いのでカスピ海からの水の流出は蒸発のみとなっており、カスピ海には塩分がどんどんたまっていくこととなる。

そのため、カスピ海は先述したように湖であるにもかかわらず、塩湖となっており、塩湖はカスピ海のように周辺部が乾燥している地域, または流出河川が無い地域で形成されやすく、実際に世界で最も塩分濃度が濃い死海も流出河川が無く、更に乾燥地域に形成されている湖である。

このようにカスピ海は塩水であるので直接利用することは不可能であるが非常に広大であるので生態系が形成されており、そのため漁業も盛んにおこなわれている。

 

ここまではカスピ海について簡潔に書いてきたがここからはカスピ海へと注ぐ川について書いて行きたいと思う。

カスピ海は流出河川は無いものの流入河川は多数存在しており、その中で最も長い川はヴォルガ川である。

ヴォルガ川はロシアのヴァルダイ丘陵(北緯57度, 東経33度)を源流としている非常に長い川であり、全長は3,690 kmほどと信濃川の10倍以上もあるが源流の標高は非常に低く225 mほどしか無い。

そして、ヴォルガ川は緯度の高い亜寒帯地域のヴァルダイ丘陵から南に向かって流れていき、やがては乾燥地域であるカスピ海へと注ぐこととなる。

ヴァルダイ丘陵は標高は低いもののカスピ海の標高はさらに低く、水面の標高が海抜を下回っているのでやがてカスピ海に流れることとなるがその差も250 m程度しか無いので流速はかなり遅くなっていると思われる。

このようにカスピ海は流入河川と蒸発量が釣り合っているので湖のバランスが保たれているがカスピ海の東側にあるアラル海では流入河川に対して滅茶苦茶な灌漑を行ったので非常に深刻な問題と化している。

 

 

 

2. アラル海とは

アラル海はカスピ海の東側に位置している広大だった湖であり、その面積はカスピ海には及ばないものの世界で4番目に広く、塩湖の中では2番目に広い湖であった

そして、アラル海はカスピ海と同様に川が流入するだけであり、流出河川は無いのでカスピ海と同じように塩湖である。

流入河川としてはシルダリア川とアムダリア川の2つの川が代表的なものとなっており、これらの川の流入と水面からの蒸発量のバランスが保たれていたのでアラル海の水量は長年保たれていた。

しかし、1960年代にシルダリア川とアムダリア川に対して滅茶苦茶な灌漑を行ってしまった結果、両河川からの流入量が極端に減少していき、今までは蒸発量と流入量が保たれていたが流入量が減少したので水量は瞬く間に減少していくこととなった。

水量が減少していくにしたがって水深や面積も急速に低下していくようになり、ついには湖が分裂する事態にまで発展した。

湖が分裂した結果、小アラル海と大アラル海の2つに分裂するという異常な事態に発展し、更にここからも分裂することにもなった。

ここで、繰り返すようになるがアラル海は世界で4番目に広大な湖であり、かつての面積は68,000 ㎢と琵琶湖の100倍ほどもあった湖で普通ならばこのように広大な湖が分裂することなどあり得ない。

しかし、現にアラル海は2つ以上の湖に分裂しており、分裂した理由は水深の浅い所の水深がゼロになった、つまり完全に水が無くなったことに他ならない。

このようにアラル海は完全に干上がった場所が出現し始めており、しかもその場所が8年前の時点で50,000 ㎢を超えており、面積は5分の1程度となっている。

しかも、5分の1となったのは8年前の話であるので現在は更に縮まっている可能性も高く、このままいくとアラル海全体が消滅する危険性もある。

 

このようにアラル海は消滅の危機にあるがその影響で悪影響が出始めている。

その悪影響とは

  • 湖の生態系の崩壊
  • 干上がった場所の砂漠化
  • 異常気象の多発

である。

 

では、はじめに湖の生態系の破壊について書いて行きたいと思う。

アラル海は非常に広大な湖であったのでかつては良い漁場となっていた。

しかし、湖の面積や水深が急速に減少していった結果、塩分濃度が上昇していき、多くの魚が滅びていくことになった。

魚が滅びたということは当然漁業にも悪影響が出ていき、更に湖の面積が小さくなっていったために船が干上がった場所に放置されるようになり、このような状況はやがて船の墓場と呼ばれるようになった。

このように河川流入が無くなるということは一方的に蒸発することを意味しており、蒸発するのは水だけであるので結果として塩分濃度は濃くなっていく。

塩分濃度が濃くなっていくと当然生物に悪影響が出ていき、現に塩分濃度が最も濃い死海には生物が生息することは不可能である。

このようなこともあったのでアラル海で漁業をすることはもはや不可能となってきており、多くの漁場が滅びていくようになった。

 

また、蒸発した後の湖は塩分濃度の高い砂漠と化すようになり、この塩分濃度の高い砂漠は生物に有害な物質を多く含んでいるので周辺部の町はこの有害物質の被害にあうようになり、健康被害が多く生じるようになった。

 

そして、アラル海周辺部は乾燥地域であったもののアラル海の影響で降水も見られ、更に温度の差も抑えられていたがアラル海が消滅したことにより降水はアラル海が健在の時と比較するとかなり少なくなっている上に気温差も大きくなったために夏はより暑く、冬はより寒い気候となった。

つまり、アラル海が消滅したことによりアラル海周辺の気候は砂漠の気候により近いものとなり、更に元々湖であった場所は有害な砂漠と化すようになり、結果として不本意ながら人工的に砂漠を形成するようになってしまった。

 

このように、いくら広大な湖であったとしても流入河川を止めてしまうと水量のバランスが崩壊し、結果として広大な湖を有害な砂漠とするようになり、カスピ海でも同じようなことをすると確実にアラル海と同様の状況になる危険性が非常に高い。

以上のことより環境問題は少しのことでも大きく崩壊し、やがては自分の身を滅ぼすことになるので環境問題は一日も早く問題点に気づき、解決してほしいと思う。

 

 

以上、カスピ海とアラル海についてでした。

金以上の元素 レントゲニウム

今回はレントゲニウムについて書いて行きたいと思う。

 

1. レントゲニウムとは

レントゲニウム(Roentgenium)は原子番号が111番の元素であり、名称はX線を発見した物理学者であるヴィルヘルム・レントゲン(Wilhelm Roentgen)に由来している。

そして、レントゲニウムは周期表では第7周期11族に属している元素であり、原子番号があまりにも大きすぎるので安定同位体は存在しない。

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また、レントゲニウムは周期表では上図に位置しており、すぐ下には金(Au)が属しており、更に下には銀(Ag), 銅(Cu)が属する形となっており。

つまり、周期表からレントゲニウムは金の上位に当たる金属とも言え、仮に金メダルの上があったとしたらレントゲニウムメダルとなるわけだが残念ながらレントゲニウムには安定同位体が存在せず、更に最も高寿命のものでも数十秒したら半減期が来るのでレントゲニウムを長時間留めておくことは不可能である。

その上、崩壊する際には放射線を放つことになるため健康的にも環境的にも不安定であるためやはり金メダル以上のメダルは現実性が無くなるのである。

しかし、それでもやはりレントゲニウムは金よりも高位の金属であることには変わりはないのでここからはレントゲニウムについて詳しく書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. レントゲニウムの同位体と崩壊

レントゲニウムの原子番号は111番と極めて高いので自然には存在せず、人工的に作られたものしか存在しない。

そして、レントゲニウムの同位体はいくつかあるものの最も寿命が長いレントゲニウム281(陽子数111, 中性子数170)でさえ、26秒間で半減するため現在この世にレントゲニウム原子は1つも存在していない状況となっている。

レントゲニウム281は最も高寿命のレントゲニウムであるが先ほども書いたように半減期が26秒と非常に短く、1分程度で元々あった数の5分の1程度にまで減少し、281の場合は自然核分裂する形で崩壊するが他のレントゲニウムはα崩壊する形となる。

α崩壊とは原子核がα線(ヘリウム4の原子核, 陽子数2, 中性子数2)を放出する形の崩壊であり、原子番号は2, 質量数は2減るようになる。

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レントゲニウムは281以外(272,274,278,279,280,282)は非常に短期間の間にα崩壊することによりヘリウム4原子核を放出した後に原子番号が2小さいマイトネリウム(Mt, 109番)に変化をする。

そして更にマイトネリウムにも安定同位体が存在しないためα崩壊やβ崩壊(中性子が陽子と電子に分裂した後に電子が放出される崩壊, 原子番号は1増えるが質量数はほぼ変わらない)を繰り返すことで鉛のような安定同位体になるまで崩壊し続ける。

そのため、レントゲニウムは最終的には原子番号が29も小さい鉛になるまで崩壊するためレントゲニウムメダルを作ったところで多量のα線やβ線を浴び続けた後に鉛のメダルを得るだけとなる(最終生成物が鉛になるとは限らないが鉛に原子番号が近い元素になることは確実である)。

 

ちなみに初めて生成されたレントゲニウムはそこまで安定ではないレントゲニウム272(陽子数111, 中性子数161)であり、1994年にわずか3つだけ生成が確認されただけであった。

その上、半減期はわずか0.0016秒であるので生成してから0.003秒後には全てのレントゲニウム272がマイトネリウム268に変化をし、更にマイトネリウム268も半減期が0.0042秒しか無いためどんどん原子番号の小さな元素となっていった。

このようにレントゲニウムにはいくつかの同位体はあるものの全ての原子の半減期が非常に短いためレントゲニウムはこの世にほんのわずかしか存在出来ない元素である。

 

 

 

3. レントゲニウムの性質

レントゲニウムはほんのわずかで崩壊する上に原子数個分子化生成しないので目に見える形で見ることは確実に不可能ではあるがもし見えた場合はどのようになっているのだろうか?

レントゲニウムが属している11族には銅, 銀, 金が属しており、その中でも銅と金は特有の色があるためレントゲニウムにも特有の色があるようにも見えるが現在では銀と同じように特有な色は無いと考えられている。

そして、レントゲニウムの原子軌道は以下のようになっていると考えられ、[Rn]とはラドンの電子軌道を省略して書かれたものである。

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レントゲニウムの軌道はラドンの軌道に5f電子が14個、6d電子が9個、そして7s電子が2つ加わったものであり、この中で5f軌道、及び7s軌道はすべて埋まっている形となっている。

そして、6d軌道は1つ空の軌道があるがこれは銅, 銀, 金とは異なり、銅, 銀, 金はd軌道はすべて埋まっており、代わりにs軌道は1つ空いている形となっている。

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銅, 銀, 金軌道は上記のようになっており、確かにd軌道は電子10個と埋まってはいるがイオン化するとd軌道から電子が出ていくのでd軌道に空の軌道が生じ、遷移金属としての性質が現れる(遷移金属はd軌道が不完全に埋まっている形となっているため)。

 

また、元素は一般的に同じ族の場合だと下に行くほど(原子番号が増えるほど)反応性が低くなる傾向があり、その中でも11族は反応性が小さいので金は全金属中最も反応性が小さい金属である。

そのため、金は非常に酸化されづらい金属であるので金を空気中に放置しても決して酸化されることは無く、その上その他の薬品にも極めて強く、王水でしかイオン化できないと言われているほどである。

しかし、レントゲニウムは周期表では金のすぐ下に位置しているため金以上に反応性に乏しい金属であると考えられており、塩素とも反応をしないので王水とも反応しないと考えられている。

つまり、現実にはあり得ないがもしレントゲニウムの単体金属が存在したら、金以上に錆びづらく、更に王水にも溶けない最強の金属である可能性が高い。

けれども11族元素は薬品や酸には強いが耐久性はかなり低い金属であるため衝撃等には非常に弱く、原子番号が増えれば増えるほど弱くなるので最も原子番号が大きなレントゲニウムの耐久性は非常に弱いと考えられ、少しの衝撃でもすぐ曲がると考えられる。

そのため、単純にレントゲニウムが最強の金属とは言えず、薬品には無敵だが耐久力は最弱級であるため、この点ではダイヤモンドのほうが優れていると考えられる(ダイヤモンドは金属では無いが)。

まあ、レントゲニウムは原子核がすぐ崩壊するのでそれ以前の問題ではあるが...

 

 

 

以上、レントゲニウムについてでした

世界一長い国 チリ

今回は南米に位置してる世界一細長い国、チリについて書いて行きたいと思う。

 

1. チリとは

チリ(Chile)は南米の西岸に位置している国であり、正式名称はチリ共和国である。

チリはスペイン系の国であるのでスペイン語が公用語となっており、メキシコ以南の国ではスペイン語が公用語の国は多い。

そして、チリと言ったら非常に細長い国であり、幅は平均175 km程度しかないものの南北方向の長さは5,000 km近くにも及び、この長さは水星の直径に匹敵するほどである。

そのため、チリは東西方向は非常に世界ものの南北方向が東西方向の30倍近くもあるため面積は意外なほど広く、日本の2倍程度の面積を有している。

しかし、人口は日本と比較すると少なく、東京都と大阪府の人口合計よりも少ない。

 

このようにチリは面積の割には人口が少ない国であるがその理由は気候が日本と比較すると暮らしにくいからと考えられ、実際にチリが細長くなったのにはとある山脈が関係している(世界中の国の大半は人口密度がかなり小さく、チリが極端に低いと言う訳ではない)。

その山脈とは言うまでも無くアンデス山脈のことであり、チリの東側には非常に高いアンデス山脈が迫っている。

アンデス山脈は南アメリカ大陸に位置している同大陸最大の山脈であり、標高も極めて高く、南アメリカの一部の国はこのアンデス山脈の平地に位置している。

ここで平地と言ったがアンデス山脈の平地は標高が非常に高く、例えばボリビアの首都ラパスの標高は富士山頂とほぼ一致するほどである。

そのため、ラパスは緯度的に見ると熱帯であるのにもかかわらず、平均気温は年がら年中低くなっており、あと少し気温が低下すると温帯から寒帯に移行する程度である。

勿論ラパスよりも平均気温の低い地域では最暖月の平均気温が10℃を下回る地域も存在しており、その地域は緯度が低いのにもかかわらず寒帯に属している。

しかし、寒帯と言っても緯度が高いタイプの寒帯ではなく、標高によって平均気温が底下げされた高山性の寒帯であるので最寒月の平均気温が東京よりも高い地域もあるほどである(元が熱帯であり、年較差が非常に小さいため)。

 

このように南アメリカ大陸には海岸沿いに山脈があるのでアンデス山脈の西側にあるチリの国土が非常に細長くなることはある意味では必然であり、そのためチリの低緯度側と高緯度側では気候は大きく異なるほどである。

チリの最北端(つまり低緯度側)の気候は亜熱帯気候となっており、この地域では海岸沿いに寒流が流れており、上昇気流が発生しないため非常に乾燥しており、砂漠気候となっている。

そして、南に行くにつれてステップ気候(半砂漠気候), 地中海性気候, 西岸海洋性気候となっており、最近では地球温暖化の影響で気温が上昇しているため低温の西岸海洋性気候となっているが最南端では寒帯であるツンドラ気候に近い気候となっている。

チリは言うまでも無く大陸の西岸に位置している国であるのでこの気候の順は典型的な大陸西岸の気候の並びであり、大陸東岸と比較すると気温の年較差が小さいので亜寒帯気候は存在しない(そもそも亜寒帯気候は南半球には存在しない)。

 

では、次章ではチリの気候について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. チリの気候

チリは非常に細長い国であるので北端の緯度は南緯20度程度と低めであるが南端の緯度は南緯54度とかなり低く、そのため北端と南端では気候が大きく異なる。

北端の緯度は20度程度であるため亜熱帯の属しているが西岸性の亜熱帯であるため亜熱帯高圧帯の影響を受ける上に、海岸沿いには寒流が流れており、この寒流の影響で上昇気流が発生しないので世界一乾燥している地域と言っても過言ではない。

しかし、乾燥の原因は亜熱帯高圧帯よりも寒流の影響が大きいためアラビア半島やサハラ砂漠と比較すると気温はかなり低く、灼熱地獄となることは無いが降水量はアラビア半島と比較しても比べ物にならないほど少なく一年中降水が無いと言っても過言ではないほどである。

 

では、チリ最北端の州であるタラパカ州の州都イキケ(Iquique)の雨温図を載せていきたいと思う。

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イキケの気候は言うまでも無く砂漠気候(BW)に分類されるが他の砂漠気候と比較しても降水は全くないと言っても過言ではなく、半年間降水がゼロであることが普通であるほどである。

そのため、イキケと比較するとアラビアの都市が超湿潤気候に見えるほどであり、イキケがいかに乾燥しているかが分かる。

ここで、イキケが極端に乾燥していると書いたが実を言うとそれは間違った表現であり、正確には乾燥をしているというよりも降水が無いと言ったほうが正しいのである。

イキケは海岸沿いに寒流が流れていることが降水が無い原因であるので典型的な亜熱帯砂漠とは異なり太陽が強烈に照り付ける砂漠ではないので気温も比較的低くなっており、あまり砂漠のような環境ではない。

しかも降水が無いのにもかかわらず近くに海岸があるので湿度が非常に高く、場合によっては100%近くにも達し、更に霧も発生しやすい。

このようにイキケは砂漠と言っても普通の砂漠ではなく、寒流性の砂漠であるので気温も低く、湿度も高いが降水の少なさで言ったら普通の砂漠とは比較にならないほど低い。

 

 

では、ここからは南(低緯度側)に進んでいきたい。

イキケから南に進むとチリの首都であるサンティアゴ(Santiago)が位置しており、サンティアゴの緯度は大体大阪と同じぐらいである。

そして、サンティアゴの気候はイキケと比較すると過ごしやすい気候であり、緯度が大体大阪と同じぐらいであるため四季は存在するが西岸に位置しているので夏場は乾燥しやすい気候となっている。

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サンティアゴの年平均気温は大阪と比較するとやや低めであるが年較差は比較的小さくなっているので最寒月平均気温は大阪と比較しても高くなっている。

そして、サンティアゴの特徴は最暖月の平均気温がかなり低い所にあり、最暖月の平均気温は20.7℃と22℃を下回っているので温暖湿潤気候のようなa気候ではなく、夏場の気温が低いb気候となっており、日本と比較するとかなり過ごしやすくなっている。

しかし、それは気温の面での話であり、降水量は大陸西岸にある関係上夏場の降水量が非常に少なく、この気候は地中海性気候(夏場の降水量が少ない)と呼ばれている。

そのため、サンティアゴの気候はCsbタイプとなっており、これは地中海性気候に加えて夏場の気温があまり上がらない気候のことである。

けれどもサンティアゴの緯度は大阪程度であるので比較的小さく、この緯度は亜熱帯よりも少し高い程度の緯度であるためサンティアゴの気温は低すぎるぐらいである。

その理由は先ほど書いたイキケの海岸沿いを流れているペルー寒流の影響であり、この寒流がサンティアゴの気温を底下げしていると言っても過言ではなく、もしこの寒流が無ければサンティアゴの気温は上昇し、イキケの乾燥も今ほどは酷くならなくなる。

 

 

最後に南米最南端の都市であるウシュアイア(Ushuaia)について書いて行きたいと思う。

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ウシュアイアは南緯54度ほどに位置している都市であり、南半球最南端の都市でもある。

そして、気温に着目してみると年間を通して低くなっており、最暖月の平均気温でさえ10℃を少し上回っている程度であるので非常に寒帯に近い気候である。

しかし、最寒月の平均気温は意外なほど高くなっており、0℃を上回っているので亜寒帯には属しておらず、年較差の小さいCfc気候となっている。

Cfc気候は西岸海洋性気候の中でも気温が低い気候であり、西岸海洋性気候の条件に10℃以上の月が3カ月未満であると言う条件が加わった場合はこの気候となる。

この気候は世界的に見ても珍しい気候であり、西岸の高緯度側(と赤道付近の高山地域)のみに見られる気候であり、大陸内陸部や東岸部ではこの気候になる前に亜寒帯気候となるためこの気候は非常に限定的な気候となっている。

また、ウシュアイアは大陸西岸部であるが同時に東岸部でもあり、周辺を海洋に囲まれているのでこのことがウシュアイアの年較差を小さくしている要因であるとも考えられる。

 

 

このように、チリは非常に細長い国であるので様々な気候が見られるが西岸に寒流が流れているので平均気温はやや低めになっている。

以上、チリについてでした。

 

 

参照記事

イキケ 雨温図

https://en.wikipedia.org/wiki/Iquique

サンティアゴ 雨温図

https://en.wikioedia.org/wiki/Santiago#Climate

ウシュアイア 雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウシュアイア

 

※ウシュアイアはチリではなく、ペルーの都市であるが筆者はウシュアイアをチリの都市であると勘違いしていました。

しかし、位置的にはチリに非常に近いので一応ここに載せておきます。

常温常圧で液体の金属 水銀

今回は水銀について書いて行きたいと思う。

 

1. 水銀とは

水銀(Hg)は常温・常圧化で唯一液体である金属であり、金属以外でも常温・常圧化で液体である元素は水銀以外には臭素(Br), オガネソン(Og)しか存在せず、オガネソンは原子番号が今まで発見されている元素の中で最も原子番号が多いため安定して存在することが出来ないので実質常温・常圧化で液体の金属は水銀しか存在しない。

そして、水銀の外見はまさに銀が液体と化したようにも見えるが実際には銀と水銀は全く無関係の元素であり、銀が液体になるためには1,000℃近くもの温度が必要となり、ここまで温度を上昇させると赤熱するために銀の銀色の液体を見ることは不可能である。

また、水銀の沸点は銀の融点よりも余裕で低いので水銀と銀が同時に液体である状態は実質作ることは不可能である。

ちなみに水銀の融点はマイナス40℃よりも若干高いぐらいであるのでシベリアの亜寒帯地域の冬に水銀を持っていくと凍った水銀、即ち固体の水銀を見ることが可能となる。

 

ここまでは水銀と銀の違いについて大雑把に書いてきたがここからは詳しく書いて行きたいと思う。

水銀の原子番号は80番であり、これは放射性元素を除くと3番目に大きく、水銀の原子番号が非常に大きいことが伺える(原子番号83番のビスマスに1つであるビスマス209は半減期が極めて長いので安定同位体と見なすことが出来るのでこれを含めると4番目に大きいことになる)。

そして、原子番号80番は12族であるので同じ族には亜鉛(Zn), カドミウム(Cd), コペルニシウム(Cn)があり、これらの元素はd軌道が埋まっているので典型元素と見なされることもある。

※d軌道と言う軌道が空ではない上に埋まっていない元素は遷移元素と呼ばれ、それに対して空である、または埋まっている元素のことを典型元素と呼ばれるが丁度埋まっている12族は明白にどちらであるかが決められていない

 

それに対して銀は原子番号が47番の元素であり、11族に属している。

11族に属している元素は反応性が低く、更に特有の色を有しているものが多く、銀以外には銅(Cu)と金(Ag)が含まれており、他にもレントゲニウム(Rg)と言う非常に原子番号の大きな元素も含まれている。

 

ちなみに周期表では水銀と銀は以下の所に位置している。

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水銀と銀は意外にも周期表では似たような位置にあり、斜め違いである。

そして、水銀の隣には金があり、元素は原子核によって決められるため水銀の原子核から陽子を一つ飛ばして金を生成するという技術も理論的には可能である。

つまり、数千年の間不可能とされていた錬金術も可能となるわけであるが水銀から作られる金の量は目に見えないぐらいにわずかであるので錬金術は可能ではあるが現実的ではなく、やはり錬金術は夢物語に過ぎないのである。

 

また、水銀は常温・常圧化で液体であるのにもかかわらず原子番号が非常に大きいので密度は融点付近では13.5 g/㎠もあり、この密度は鉄はおろか銀よりも大きいので銀や鉄を水銀の上に置くと浮かび上がるのである。

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このように水銀の密度は非常に大きいので浮力が大きく働き、密度小さい水中では鉄は簡単に沈んでしまう物の水銀中では重力が浮力を上回るので鉄球が浮かび上がるのである。

水銀は他の液体と比較すると密度が群抜きで大きいので密度の大きな金属でも浮かび上がる現象が見られるがさすがにオスミウムやイリジウムのような密度が水銀よりも大きな金属であると水銀と言えども浮かび上がることは無く沈み込む。

 

以上のことより水銀は銀とは異なり、単に融点が極端に低い金属であり、名前の由来も普通の金属の色を「銀色」として見なしていたからであり、ここで言う「銀」とはシルバー(Silver)のことではなくメタル(Metal)のことであると考えられる。

ちなみに水銀は英語で言うとマーキュリー(Mercury)であるがこれは水星の名称に由来する。

 

 

 

2. 水銀の化合物と性質

先ほどまでは水銀がどのような金属であるかについて説明したがここからは水銀の性質について書いて行きたいと思う。

水銀と言うとそこまで健康には良い印象は無く、「有機水銀」のように有毒物質の印象が真っ先に思い浮かぶぐらいである。

そして、水銀と言うと温度計に使われているが現在では水銀が温度計として使われなくなったのでなおさら水銀が有毒物質のようにも思える(単にデジタル化が進んだだけとも言えるが)。

しかし、意外にも金属水銀はそこまで有毒な物質と言う訳でもなく、金属水銀を飲み込んだとしても消化器からはほとんど吸収されることは無いので水銀中毒を起こすことは無いと言われている。

まあ、金属水銀が何の反応も起こさないことなどまず考えられず、イオン化するなどの反応が起こると有毒な物質になるので無事に済むということはまずありえないが...

けれども金属水銀であっても蒸気は人体には有毒であり、肺などに悪影響を及ぼすため、蒸気の場合は金属水銀であったとしても安全なものとは言えない。

 

ここで、大体わかったとは思われるが蒸気を除くと水銀で危険な物質は酸化数0の金属水銀ではなく、酸化数がある有機水銀であり、有機水銀はその名の通り有機物と水銀が結合した形態の水銀のことである。

そして、有機水銀の有機とは主にメチル基のことを指しており、メチル基は最も簡単なアルキル基(炭素と水素のみで構成され、多重結合を含まない基)である。

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メチル水銀は水銀原子にメチル基が直接結合した形態を取っており、正電荷を帯びているのでメチル水銀には電荷を釣り合われるための負電荷のイオンが必要となっている。

そして、メチル水銀は水銀金属とは違い、生物に直接的に害をなす物質である上に生物により濃縮を受けやすい特徴があるので初めの内は濃度が薄くても食物連鎖が重なるにつれてメチル水銀がたまっていき、食物連鎖の上位の生物ともなると危険性があるほどにたまっており、その生物を食すると高濃度のメチル水銀を摂取することになるので水俣病のような公害が発生するようになる。

つまり、メチル水銀の量が初めは少なくても自然のサイクルでどんどん濃縮するようになるのでこの点がメチル水銀の恐ろしい所とも言える。

 

 

また、水銀は特定の金属を置くと吸収する性質があるがこれは水銀とその金属が合金となる現象であり、水銀は液体であるため他の金属と容易に合金を形成するのである。

水銀との合金はアマルガム(Amalgam)と呼ばれ、これは主に歯科用として用いられることがあったが現在では水銀の印象が良くないのかあまりつかわれることは無い。

そして、アマルガムには銀アマルガムや銅アマルガムなどがあり、意外なほど多くの金属と合金を形成する。

 

 

このように水銀には様々な化合物があり、それ以外のも常温・常圧下で唯一の液体の金属であるため古来から注目度の高い金属ではあるが同時に環境には良くないので現在では水銀の使用はそこまでメジャーとはなっていない。

 

 

 

以上、水銀についてでした。

標高の高い気候 高山気候

今回は高山気候について書いて行きたいと思う。

 

1. 高山気候とは

ケッペンの気候は気候の分類の中で最も有名なものであり、これは植生の結果論によって分けられている。

気候は赤道に近ければ近いほど太陽がより直角に近い形で当たるようになるため気温が上がり、赤道に近い地域では太陽の南中(北中)高度が年がら年中高いので気温は年間を通して高い。

そして、赤道から少し外れると亜熱帯地域に入り、亜熱帯地域は冬場になると太陽の角度が熱帯と比較すると若干低くなるうえに日照時間も短くなるので弱い形であるが一応季節は存在するようになる。

更に高緯度側に行くと冬場の太陽の高度が明確に低くなり、日照時間も短くなるため寒い冬が存在する温帯となり、温帯では四季が明白となっている。

更に温帯よりも高緯度側に行くと亜寒帯地域に入り、亜寒帯地域では冬場の日照時間が限りなく短くなるか場合によっては短い極夜が生じ、更に太陽との角度も非常に小さくなるので冬場は温帯とは比較にならないほど冷え込むようになる。

けれども夏場の日照時間は太陽の南中高度は低いものの非常に昼が長くなり、場合によっては白夜ともなるので温帯ほどでは無いが気温は上がり、少なくとも東京都の冬場よりも高くなる。

このように、亜寒帯気候は冬場の気温は極端に低くなるものの夏場の気温はそこそこ高くなるので英語のsubに相当する「亜」という字が入る。

つまり、亜寒帯はましな寒帯と言うよりも「夏場に気温の上がる」寒帯のことであるので亜寒帯だからと言って寒帯よりも冬場の気温がましになるわけでは無い。

そして、最も高緯度側に位置しているのが寒帯であり、寒帯は季節はあるものの夏場の気温でさえ東京の冬場の気温よりも低く、冬場になるとさらに過酷な気候となる。

 

このようにケッペンは緯度が低い順からA,B,C,D,E気候と分類し、熱帯がA, 亜熱帯がB, 温帯がC, 亜寒帯がD, そして寒帯がE気候のように分類したが実はBだけは異なり、ケッペンの気候区には「亜熱帯」という分類は存在しない。

亜熱帯地域は亜熱帯高圧帯の影響により、大陸西岸側は極度の乾燥地域になっているのでB気候は亜熱帯ではなく「乾燥帯」となっており、この分類は亜熱帯地域の多く見られる気候である。

しかし、B気候は亜熱帯特有の気候ではなく、とにかく乾燥していればこの気候区に分類されるので気候的には温帯に近いゴビ砂漠や亜寒帯に近いウランバートルも降水量が少ないのでB気候に分類されている。

このように乾燥帯は亜熱帯に乾燥地域が多いために変更された気候区であり、乾燥していない亜熱帯は熱帯モンスーン気候(Am), 熱帯雨林気候(Af), 温暖湿潤気候(Cfa), 温暖冬季州気候(Cw)に分類されることが多い。

 

そして、実を言うともう一つイレギュラーな気候区が存在しており、それが今回紹介する高山気候である。

高山気候は標高が極端に高い地域に見られる気候区であり、アルファベットでは「H」で表されることがあるがこれはめったに使われることは無い。

高山気候が存在している地域は同緯度の地域と比較すると気温が低い傾向にあり、例えば標高が富士山頂並みにあるボリビアのラパスの雨温図は以下のようになっている。

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ラパスは南半球にある年であるので夏と冬は北半球とは真逆になっている。

そして、最暖月気温は10.4℃、最寒月気温は6.4℃であり、更に乾燥限界以上の降水量があるので温帯に分類される。

また、最大降水月の降水量は1月(夏)の242.2 mm、最小降水月の降水量は7月(冬)の11.2 mmなので冬季少雨型に分類される。

そのため、ラパスの気候区は温暖冬季少雨気候(Cwc)に分類され、小文字のcは平均気温が10℃以上の月が3カ月以下であることを示している。

このようにラパスは温帯に属しているが11月の気温が後0.5℃も低ければ寒帯に分類されるようになり、ラパスが非常に寒い気候であることが分かる。

 

しかし、よく見てみるとかなり奇妙な気候となっており、寒帯すれすれの気候であるのにもかかわらず最寒月の平均気温が6.4℃と異常に高く、この気温は東京都の最寒月の平均気温よりも若干高い。

そして、気温の年較差も非常に小さく、年較差が非常に小さい地域と言えば熱帯地域であるがラパスの気温は熱帯とは思えないほど低い。

ラパスの緯度は南緯16度ぐらいであり、この緯度は普通だと熱帯のサバナ気候(Aw)に分類され、冬場に降水が少なくなる地域である。

雨温図より、ラパスの降水量は冬場に少なく、更に気温の年較差も非常に小さいので気温さえ高ければ確実にサバナ気候になる気候である。

では、何故ラパスの気温は低いかというと先述したようにラパスの標高が富士山頂ほどの高さであるからであり、実際に同じ緯度にある地域の気温をそのまま下げたような気候となっているので寒帯に近い温帯であるのにもかかわらず年較差が小さいのである。

つまり、ラパスは本来ならば熱帯であるべきだが標高が高くなっているので年較差の小さい寒帯に近い気候となっており、このような気候は単純に緯度の高さではまずありえない気候であるので高山気候と呼ばれるのである。

 

 

 

2. 高山気候の特徴

ケッペンの分布を調べてみると低緯度にもかかわらず寒帯の地域が見られることがあるがこの地域に当たる所はまず標高が高いとみて間違いはない。

標高が高い地域は近くに位置している標高が低い地域と比較すると気温だけがそのまま下がっているという特徴があり、これは単純に標高が高くなればなるほど気温が下がるからである。

 

例えば赤道直下で標高が高い場合には年較差はほとんど無いが平均気温が低い地域となり、標高が低い場合には熱帯雨林気候であるが標高が高くなればなるほど熱帯雨林気候→西岸海洋性気候→ツンドラ気候→氷雪気候の順となっていき、気温の年較差の大きな亜寒帯気候になることはまずありえない。

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仮に年較差が0の場合には18℃以上の場合は最寒月が18℃以上ということになるので熱帯ではあるが18℃を下回ると最暖月が22℃以上の温暖湿潤気候とはならずに10~22℃の西岸海洋性気候となり、10℃を下回ると最暖月が10℃を下回るのでツンドラ気候となり、最終的に0℃を下回ると氷雪気候となる。

そして、ラパスは赤道直下では無いため多少の年較差はあるがそれでも年較差は小さいので熱帯地域の高山地域が亜寒帯となることは無く、亜寒帯になるためには年平均気温の年較差が13℃以上必要となる。

この年較差は熱帯地域ではまずありえないが温帯では考えられるので今度は東京都の標高が高くなった場合について考えたいと思う。

 

東京23区の最寒月の平均気温は5.2℃であり、最暖月の平均気温は26.4℃である。

そして、仮に東京23区の標高を0 m、標高による逓減率を100 m当たり0.6℃とし、単純に標高が高くなるとどの月の気温も平等に下がると仮定する。

標高が1,367 mに達した時に最寒月の平均気温がマイナス3℃となり、最暖月の平均気温は18.2 ℃となるので東京23区は亜寒帯気候に分類されるようになり、更に標高が2,733 mに達した時に最暖月の平均気温が10 ℃になるので寒帯のツンドラ気候になる。

そして、標高が4,400 mに達した時には最暖月の平均気温が0℃となるのでこれ以上の標高となると東京23区は氷雪気候となる。

このように東京23区は温暖湿潤気候であるが年較差がある程度あるので標高が高くなると亜寒帯湿潤気候→ツンドラ気候→氷雪気候となり、熱帯とは違い亜寒帯気候が加わるなどの違いがある。

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このように東京都では標高がある程度高くなると亜寒帯気候となり、更に高くなれば熱帯地域と同じようにツンドラ気候となり、更に高くなると氷雪気候となるが氷雪気候となるには富士山頂よりも標高が高くなる必要があり、実際に富士山頂の気候は氷雪気候ではなくツンドラ気候となっている(日本で唯一の寒帯気候)。

 

そして、亜寒帯で標高が高い場合は割と早い段階でツンドラ気候となり、その後はやはり氷雪気候となる。

 

このように、標高が高くなると気候が高緯度側の気候にずれていくが赤道付近の熱帯地域では年較差が小さいので亜寒帯気候とはならず、亜寒帯気候となるには年較差が大きくなる温帯以降の高山地域でなければならない。

ちなみに南極は北極よりも寒いと言われるがその理由は標高が高いことも原因の一つであり、更に南極は厚い氷が張っているので大陸の標高に加え氷の高さも加わるので平均標高も数千メートル級となっている。

 

以上のことより高山地域は同じ緯度の地域と比較すると気温がそのまま下がったような気候となっており、低緯度にもかかわらず寒帯が位置している場合はまず標高の極端に高い地域であることには間違いないが年較差の関係上亜寒帯とはならず、アンデス山脈には寒帯は存在するが亜寒帯は存在しないのである。

 

以上、高山気候についてでした。

 

参照記事

ラパス 雨温図

http://blog.livedoor.jp/ventedesu/archives/1897280.html

太陽系の天体の質量と大きさ

今回は太陽系の天体について書いて行きたいと思う。

 

1. 太陽系とは

太陽系はG2タイプの主系列星、つまり太陽を中心とした恒星系のことである。

そして、太陽系には恒星が1つと8つの惑星、多数の準惑星と衛星, 小惑星が含まれているが恒星の質量は惑星とは比べ物にならないので太陽系の質量は太陽がほぼすべてを占めていると言っても過言ではない。

そのため、太陽系では太陽が中心となっており、太陽は他の惑星からの影響をほとんど受けることは無いが連星系の場合は大質量の物体が2つ以上あるので中心は恒星とはならない。

例えばケンタウルス座α星系では太陽の1.1倍と0.9倍の質量の恒星が相互公転をしている形となっており、恒星系の中心部は質量の大きな恒星に若干寄っている所に位置しており、質量の大きな恒星にあるわけでは無い(厳密には太陽系の中心は太陽の中心とは若干ずれている)。

 

そして、太陽系は恒星から近い順に水星, 金星, 地球, 火星, 木星, 土星, 天王星, 海王星の順に並んでおり、質量の小さな惑星は太陽に近く、大きな惑星は遠くに位置している傾向にある。

ちなみに質量が大きい順に並べると木星, 土星, 海王星, 天王星, 地球, 金星, 火星, 水星の順になっている。

しかし、これらの惑星の質量を合計しても太陽の質量の1%を軽々と下回る質量にしかならず、更に木星以外の惑星の質量を合計しても木星の質量には軽く及ばないほどである。

このように太陽系は恒星が一つしかないので恒星(太陽)の質量が系全体のほぼすべてを占めており、更に二番目に質量の大きな木星の質量は三番目以降の天体の質量の合計を足した量よりも多く、質量に大きな偏りがあることが分かる。

では、次章では太陽系の天体のデータについて書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. 太陽系の天体

太陽系には無数の天体があるが系の大半は太陽によって占められ、二番目に大きな木星の質量ですら太陽の1,000分の1も無いほどである。f:id:DS930810:20180418101207j:plain

太陽系の質量の大きな順に並べると上図のようになり、太陽の質量がいかに大きいかが分かる。

また、海王星と天王星では天王星のほうが直径は大きいが質量は小さいので海王星のほうが大きい天体として扱われており、これと同様に水星とガニメデではガニメデのほうが直径は大きいが質量は水星のほうが倍以上もあるので水星のほうが大きい天体として扱われている。

よく、ガニメデとタイタンは「水星よりも大きな衛星」として扱われることが多いが質量は水星のほうが大きいので個人的には水星よりも大きいと言う表現は間違っていると思う。

現に水星の組成や密度は地球型惑星そのものと言っても過言ではないので水星はやはり太陽系の惑星であると言える。

ちなみに2006年に惑星から外された冥王星はかつては地球型惑星に分類されていたが組成や密度は地球型惑星とは似ても似つかないものであり、どちらかというと衛星のような組成や密度であるためこの判断は妥当であると言える。

 

そして、太陽系の惑星は質量が大きく主にガスで形成されている惑星(木星, 土星, 海王星, 天王星)と岩石が主成分となっている小さな惑星(地球, 金星, 火星, 水星)に分けられいたが天王星と海王星は木星や土星と比較すると違いが見られたので現在では木星型惑星, 天王星型惑星, 地球型惑星の3種類となっている。

当然質量の大きさで並べると

木星型>天王星型>地球型となっており、地球型は岩石が主成分となっているので密度は大きい傾向となっている。

 

また、直径は木星型が一番大きいがそれでもある程度の質量を持った恒星(太陽)と比較すると非常に小さく、大体10分の1程度の直径しか有していない。

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太陽と太陽系の惑星の大きさの比は上図のようになっており、惑星の並びは太陽から近い順となっている。

太陽の大きさは惑星とは比較にならないほど大きく、最も大きな惑星である木星でも太陽の10分の1強の大きさしか無く、太陽の大きさがいかに大きいかが分かる。

しかし、宇宙には太陽とは比較にならないほどの巨体を誇る恒星も存在しており、これほど大きな太陽ですら点に見えないほどの大きさのものも宇宙にはある。

けれどもそれほど大きな恒星でも質量はせいぜい太陽の十数倍程度しか無く、質量の面では圧倒することは無く、太陽も年齢が経つと現在の100倍以上の大きさに膨れ上がるので恒星と惑星では大きく違うことが分かる。

 

 

 

3. 太陽系の質量比

最後に太陽の質量比について書いて行きたいと思う。

太陽の質量は太陽系の大半を占めていると書いたが初めに惑星の質量の合計値について書いて行きたいと思う。

太陽系の惑星の合計質量は2.669×10^27 kgであり、この質量は太陽の745.3分の1程度にしかすぎず、惑星の質量の小ささと同時に太陽の質量の大きさがうかがえる。

そして、太陽, 惑星以外の天体の質量は太陽の質量と比較すると無いに等しいので実質太陽の質量は太陽系の99.87%も占めており、地球にとって太陽は非常に大きな存在ではあるが反対に太陽から地球を見ても存在自体に気づかないほどの小ささである。

 

また、木星以外の惑星の質量合計は7.699×10^26 kgであり、この質量は木星の質量の2.47分の1にしかすぎず、太陽ほどでは無いがやはり惑星の質量も木星に偏っていることは否めない。

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木星の質量はかなり大きく、同じガス惑星の土星と比較しても3倍以上もあり、内部の組成の違いから密度の大きさも木星の2倍近くもある。

また、天王星と海王星の密度は木星に似ており、質量は地球と大差があるわけでは無いが同等とも言えず、やはり質量が大きいことには変わりはないが木星と比較するとかなり小さい。

そして、地球型惑星の質量は地球と金星が大きめの傾向があり、火星と水星の質量は小さめとなっているが火星と水星の質量は意外にも2倍程度の差しか無く、その理由は火星の密度は地球型惑星の中ではかなり小さいほうに入るからである(地球; 5.52, 火星; 3.88)。

 

 

 

以上、太陽系の天体についてでした。

オリオン座の近い星 π3星

今回はオリオン座の近い恒星について書いて行きたいと思う。

 

1. オリオン座の近い恒星

オリオン座の明るい恒星はどの恒星も非常に遠くに位置しており、最も遠いアルニラムは1,977光年、最も近いベラトリックスでさえ252光年も離れている。

そして、オリオン座の中で最も明るい恒星であるリゲルは全天で7番目に明るい恒星であるのにもかかわらず863光年も離れており、この遠さはオリオン座の7恒星の中で2番目に遠く、1.5等星以内の恒星の中でも2番目に遠い。

そのため、リゲルは極端に明るい恒星であり、可視光だけでも太陽の50,000倍以上の光度を有しており、肉眼で観測が可能な恒星の中でも16番目に可視光が強いほどである。

 

また、リゲル以外の恒星もアルニラム以外はリゲルよりも近いものの地球からの距離が数百光年離れた恒星ばかりであり、当然絶対等級も非常に強い。

しかし、オリオン座の恒星の中にも近い恒星は存在しており、7恒星の次に明るいι星はアルニラムよりも遠くに位置している上に表面温度も非常に高いので輻射込みの絶対等級ではリゲルをも上回っているがその次に明るいπ3星は太陽系とかなり近い位置にある。

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オリオン座π3星はベラトリックスの西側に位置している恒星であり、オリオンの腕に位置している。

そして、オリオン座π3星にはタビト(Tabit)という固有名がついており、オリオン座の恒星の中では9番目に明るい恒星である。

また、この恒星の特徴は先ほども書いたように地球からの距離が非常に近いことであり、タビトよりも明るい恒星は全て250光年よりも遠い上に絶対等級も余裕でマイナス入りしている恒星ばかりであるがこの恒星は地球からは26.3光年しか離れておらず、この距離はベガよりも少し遠い程度である。

タビトは地球から見ると3.19等と比較的明るい恒星として観測できるがこの理由は単純に地球からの距離が近いからであり、実際の明るさは太陽とそこまで差があるわけでは無く、絶対等級も3.65等とプロキオンよりも1等程度暗く、太陽の3倍程度の明るさしかないほどである。

 

ここまではタビトについて簡潔に書いてきたがここからはより詳しく書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. タビトの物理的性質

オリオン座に位置している明るい恒星は軒並み明るい恒星ばかりであるがタビトは地球からは26光年程度しか離れておらず、太陽の3倍程度の明るさしか有していない。

そのため、タビトは太陽と極端に差がある恒星と言う訳ではなく、巨星, 超巨星ぞろいの他のオリオン座の恒星とは違い若い主系列星である。

タビトのスペクトル型はF6Ⅴであり、これは太陽よりも若干表面温度が高い主系列星であることを意味しており、表面温度は6,500 K程度とプロキオンよりも若干低い程度である。

そして、直径は太陽の1.3倍程度と推測されており、これをキロメートルに換算すると181万キロメートルほどであり、金星軌道の半分程度の大きさを有するリゲルや地球軌道よりも巨大なベテルギウスと比較するとかなり小さい。

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左が太陽、右がタビト。タビトの直径は太陽とそこまで大きさ差があるわけでは無く、太陽系に最も近いアルファ・ケンタウリの主星の直径と同等か少し大きい程度である(アルファ・ケンタウリの主星の直径は170万キロメートル程度)。

 

また、質量は太陽の1.2~1.3倍程度と推測されており、この質量はプロキオン(1.4倍程度)と比較すると若干軽く、この質量の恒星の寿命は50億年程度と推測されているので仮に周囲に惑星があった場合には生命が誕生する可能性も十分考えられるがこれ以上重くなると寿命的な問題が発生し、生命が誕生する前に恒星が巨星化するのでタビト程度の質量の恒星が生命誕生の上限ではないかとも考えられている。

 

そして、現在タビトは主系列星の段階ではあるが数十億年後には巨星と化すこととなり、質量が南十字座γ星と同等程度であるので将来的には南十字座γ星のような恒星と化すと考えられる。

参照までに南十字座の記事です(γ星は仲間外れの恒星)

www.rigelultragiant.com

 

このようにタビトは地球からの距離が近い上に生命が存在する可能性も低確率ではあるが考えられ、興味深い恒星であるがまだそこまで年を取っている恒星ではないので生命体はまだ誕生していないと考えられている。

 

 

 

3. 他のπ星

ここからは少し話がずれるが他のπ星について書いて行きたいと思う。

タビトはオリオン座π3星であったが「π3」と言うようにπの後に3がついているので当然「π1」星も存在するように見え、実際にオリオン座にはπ星は6つ存在している。

タビト以外のπ星は地球からの明るさが暗い恒星ばかりであり、固有名もついていないが地球からの距離はまちまちであり、中には非常に遠い恒星も存在する。

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オリオン座π星は上から1,2,3,4,5,6の順に割り当てられており、この中でタビトは最も明るい恒星である。

では、ここからはオリオン座π星のデータについて書いて行きたいと思う。

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オリオン座π星の中で1,2はそこまで明るい恒星ではなく、A型の主系列星であり、タビトと比較するとかなり遠めではあるが絶対等級もマイナスに入ってはおらず、1星に至ってはシリウスよりも暗い。

けれども4~6星は地球からの距離が遠い明るい恒星であり、いずれの恒星もリゲルよりも遠い。

特に4,5星は1,000光年以上も離れている高温の巨星であり、最も明るい5星は絶対等級も非常に強く、この絶対等級はオリオン座κ星サイフとほぼ同等である。

そのため、これらの恒星の寿命は短く、今後は超新星爆発を起こし、短い一生を終えると考えられる。

そして、6星は4,5星と比較すると表面温度が低い恒星であり、絶対等級も4,5星と比較すると暗めではあるがそれでも明るめの恒星であり、わし座のタラゼド(γ星)と姿の似ている輝巨星である。

 

このようにオリオン座のタビト以外のπ星は地球からの距離がそこまで遠くないものもあるが半分はかなり遠くに位置している恒星であり、特に4,5星は非常に明るく質量の大きな恒星である。

まあ、タビト以外のπ星は太陽と比較すると明るく重いので生命体が誕生することは無いと考えられているが...

 

 

 

以上、オリオン座の近い恒星についてでした。

宿主を操る寄生生物 ハリガネムシ

今回はハリガネムシについて書いて行きたいと思う。

 

1. 寄生生物とは

ハリガネムシと聞くとあまりなじみのない生物のように聞こえるがこの生物の正体は寄生生物である。

寄生生物は他の生物の体内を利用して暮らしていく生物のことであり、あまり良い印象を持つ生物ではない。

例えば寄生生物と言うとサナダムシや回虫などのような生物を思い浮かべ、これらの生物が規制していることで体内に悪影響が生じたりするのである意味では寄生生物は病原菌の様な生物とも言える。

そして、寄生生物はある種の生物を宿主とし、生活サイクルを繰り返すので人体に寄生するタイプのものは人体を生活サイクルの一つにしており、当然人体を宿主としていないタイプの寄生生物も多く存在する。

人体に寄生しないタイプの寄生生物には大雑把に分けて人体に入るとすぐ体外に出てくるタイプと人体に悪影響を及ぼすタイプの二種類に分けられ、今回紹介するハリガネムシは幸運にも人体に入るとすぐ体外に出ていくタイプであるので人体には無害である。

しかし、人体に入ると有害なタイプのものもおり、例としてはエキノコックスと言う狐に寄生する寄生生物がいる。

この寄生生物はサイクルに人体は含まないがひとたび人体に入ると人体から出ていかず、肝臓に寄生をし、増殖するので当然悪影響が生じ、最悪の場合死亡することさえもある。

このように本来なら人体に寄生しないタイプの寄生生物=安全と言う訳ではなく、場合によっては死亡することもあるので寄生生物は決して侮れない生物と言える。

 

けれども今回紹介するハリガネムシは前述したとおり、人体に入ったとしてもすぐ吐き出されるタイプの寄生生物であるので人類に脅威となることは無いが生活サイクルに含まれているカマキリなどにとっては脅威となりうる生物である。

 

 

 

2. ハリガネムシとは

ハリガネムシは前述したように寄生生物の一種であり、人類には特に脅威となる生物ではない。

そして、この寄生生物は主に昆虫類をサイクルの一環としているが簡単に言うと初めにプランクトンの体内に侵入をし、そのプランクトンはボウフラのような小さな昆虫に捕食されます。

その後、ボウフラは蚊になり、蚊が陸上に上がると今度はカマキリのような強い昆虫に捕食されます。

更にその後はカマキリにとある操作をすることでカマキリを水辺に誘導し、カマキリの体内から出てきて再び水中に戻り、交尾をすることで産卵するサイクルを繰り返すこととなる。

 

ここまではハリガネムシのサイクルについて簡潔に書いてきたがここからはもう少し詳しく書いて行く。

まず初めにハリガネムシが水中で孵化した後はプランクトンに捕食されることになるがここでは捕食と言うよりは体内に侵入すると言ったほうが正しい。

そして、プランクトンに捕食された後はボウフラなどの小さな昆虫の幼虫に捕食されることとなり、この時ハリガネムシも当然ではあるがボウフラの体内に侵入することになる。

 

ボウフラの体内に侵入した後はボウフラが成長して蚊になるわけだがこの蚊がカマキリのような強い昆虫に捕食されることとなり、ついにはカマキリの体内に侵入することとなる。

そして、ここからがハリガネムシの本領と言っても過言ではない状態となり、カマキリの体内に侵入したハリガネムシは今までは成長をしていなかったがカマキリの体内に侵入すると成長を始め、やがてハリガネムシは成虫にまで成長することとなる。

しかし、ハリガネムシは水中で産卵を行わなければ子孫を増やすことができず、カマキリは陸上で暮らしているのでこのままでは子孫を残すことはできないため、ハリガネムシは何とかしてカマキリを水中に行かせなければなりません。

そこでハリガネムシはある種のたんぱく質をカマキリの脳に送り込み、何とカマキリを水中に行くように操ってしまいます

つまり、ハリガネムシはカマキリの思想?を水中に行くように変えてしまい、カマキリを水辺へと自らの意思で行くように仕向けます。

当然カマキリは水中で呼吸をするすべを持たないので水中に入ると生きていくことが出来なくなり、やがては水中で力尽きることになり、カマキリが力尽きた後にハリガネムシはカマキリの体内から突き破るように水辺へと出ていき、そこで産卵をするようになります。

 

以上のことより、ハリガネムシはサイクルを繰り返しているが最終宿主であるカマキリにとっては最悪であることには間違いなく、ハリガネムシに寄生されたカマキリは思想を操られたのちに溺死させられる運命となり、ハリガネムシのいいように利用されるだけとなる。

そして、ハリガネムシはこのサイクルを繰り返すのでハリガネムシが1サイクルを迎えるたびにカマキリが犠牲となり、更に次のサイクルへと周るのでカマキリの犠牲が止まることは決してないのである。

このように寄生生物の中には宿主を操るタイプのものも存在し、ひとたび寄生されると悲惨な末路をたどることになるが一応カマキリを救う方法ならある。

 

その方法とはハリガネムシに寄生された後のカマキリを頭部が陸上に出た状態で水につければよく、このようにするとハリガネムシがカマキリの体内から出てくるようになり、カマキリは陸上に頭部が出ているので死ぬことも無く、ハリガネムシも無事水に行くことが出来る。

けれどもこれには欠点があり、以下のようになっている。

  • ハリガネムシがグロテスクすぎて精神衛生に悪い
  • カマキリの鎌でケガをする可能性もある
  • 結局カマキリは突き破られるので生存するかどうかも怪しい

 

実際にハリガネムシは精神衛生に良い生物とは言えず、カマキリの体内から複数のハリガネムシが出てきたとなると最悪トラウマとなるのでできれば行わないほうが吉である。

※ハリガネムシが寄生したカマキリを水に浸け、ハリガネムシが出てくる動画がYoutubeでアップされているので興味のあるかたは「ハリガネムシ カマキリ」で検索するとその手の動画を見ることは可能である

 

このようにハリガネムシは宿主を殺すタイプの寄生生物ではあるが仮に人体に入ったとしても口から吐き出されるので人体に害をなることは無いが口からグロテスクな生物が出てくること自体が精神衛生に悪いのである意味では人類にとっても有害な寄生生物とも言える。

そして、今回は画像を用いることは無かったが「ハリガネムシ」で検索すると出てくるのでどのような生物であるかが気になる方は検索することを進める(あまりしないほうが良いとも言えるが)。

 

 

 

以上、ハリガネムシについてでした。

1光年先からでも見えない恒星 直径も非常に小さく...

前回の天文の記事では肉眼で見える最も小さな恒星について書いてきたが今回は観測されている中で最も小さな恒星について書いて行きたいと思う。

 

1. 小さく暗い恒星

恒星は銀河系に2,000億個もあるといわれており、更に銀河系外にも恒星は数多くある。

恒星は質量によって命運が分けられると言っても過言ではなく、質量の大きな恒星は明るいが寿命は短く、小さなものは暗いが寿命は長くなる。

そして、質量の大きな恒星は数自体は少ないものの非常に明るいので遠くにあったとしても明るく見え、逆に暗い恒星は数自体は非常に多いものの非常に暗いために近くにあったとしても見ることは不可能となる。

そのため、全天で輝いている恒星は明るいものが非常に多いために太陽が宇宙で元も暗い恒星のようにも思えるが夜空で輝いている恒星は高倍率を勝ち抜いてきたものばかりであるので相対的に太陽が暗い恒星のように思えるだけである。

もし、夜空の恒星がリゲルのように極端に明るい恒星ばかりだと当然夜空が異常に明るい恒星ばかりで占められることとなり、その中でも最も明るい恒星がマイナス11.4等に達するほどとなる。

 

このように夜空の恒星の大半は明るい恒星ばかりで占められており、肉眼で観測できる恒星の中で最も暗い恒星は白鳥座61番星の伴星であり、この恒星の絶対等級は8.31等しか無いがこれでも全恒星の中では明るいほうであり、この恒星よりも近い恒星でも見えない恒星は意外なほど多く含まれており、むしろ見えない恒星のほうが多いほどである。

 

ここからは12光年以内の恒星について書いて行きたいと思う。

太陽系から12光年以内にある恒星は太陽も含めて29個もあり、そのなかで太陽は4番目に明るい。

つまり、太陽は名のある恒星の中ではワーストクラスではあるが全恒星の中ではかなり上位に入っているほうであることが伺える。

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121光年以内のはこのように29個もの恒星が含まれているが肉眼で観測が可能な恒星はわずか10個しか無く、残りの19個の恒星は肉眼で観測することが不可能な恒星である。

つまり、これほど近辺に位置している恒星でも肉眼で観測が可能な恒星はわずか3分の1程度にしかすぎず、当然ではあるが更に距離が遠い恒星は肉眼で見える割合はさらに小さくなる。

そして、更にこの中で有名な恒星は太陽, アルファケンタウリA,B, シリウス, プロキオンの5つしか無く、残りの恒星はあまり有名な恒星ではない。

強いて言うならばエリダヌス座ε星とくじら座τ星はそこそこ明るく、固有名もあるので無理やり有名な恒星ということも可能ではあるがインディアン座εと白鳥座61番星A,Bは肉眼でも暗いのでとても明るい恒星とは言えず、固有名も存在しない。

 

そして、肉眼で観測可能な恒星のスペクトルはA(シリウス), F(プロキオン), G(太陽, アルファケンタウリA, くじら座τ星), K(アルファケンタウリB, エリダヌス座ε星, インディアン座ε星, 白鳥座61番星A,B)であるが残りの恒星は最も下位のスペクトル型であるM型である。

M型の恒星の中で最も明るい恒星はラカーユ9352であるがこの恒星の明るさでも7.34等と非常に暗く、この明るさでは肉眼で観測することは不可能である(前の記事でラランド21185が最もM型主系列星で明るいと書いたが実際にはラカーユ9352のほうが明るい)。

ちなみにラカーユ9352はK型主系列星と比較すると暗いもののM型主系列星の中では絶対等級が10等よりも明るく、可視光だけでも太陽の100分の1以上もあるので他のM型星を圧倒している。

まあ、あくまでM型主系列星の中での話であるので暗いことには変わりは無いが...

※ラカーユ9352は白鳥座61番星Bの26.3%ほどの明るさがあるので一応K型主系列星と比較できるほどの明るさはある

 

ここまでは上位層について書いてきたがここからは下位層について書いて行きたいと思う。

最も暗い恒星はみずがめ座EZ星Cであり、この恒星はみずがめ座EZ星系の第二伴星である。

そして、この恒星系はどの恒星も非常に暗いものばかりであり、主星の明るさでさえラカーユ9352の100分の1の明るさも無く、極めて暗いものとなっているが第二伴星であるC星は更に輪をかけて暗いものとなっている。

その暗さは太陽の10万分の1さえも無く最も暗い恒星と言っても過言ではないほどの明るさであり、あとほんの少し質量が小さいだけで恒星として輝くことが出来ないほどである。

けれども恒星系であるので合計光度は太陽と比較すると無いほどではあるがワーストということにはならず、本当のワーストは単独星であるかつ非常に暗い恒星ということとなる。

 

つまり、最も暗い恒星と言える恒星は単独星であるかに座DX星であり、この恒星の絶対等級は17.10等と極めて暗く、太陽の8.1万分の1程度の明るさしかない(みずがめ座EZ星系の明るさの合計は太陽の8,200分の1程度である)。

この恒星は太陽系からは11.83光年とインディアン座ε星と同等程度の位置にあり、地球化の距離は非常に近いもののインディアン座ε星とは違い肉眼では余裕で観測することは不可能である(インディアン座ε星も暗いが...)。

当然これほど暗い恒星であるので肉眼で観測できるようになるには非常に近づかなければならず、肉眼で観測することが可能(6.5等以上の明るさ)となるには0.2471光年にまで近づく必要が出てくる。

この距離は1光年よりも余裕で近い距離であり、裏を返すとこの恒星は1光年先からでさえ余裕で観測できないほどの暗さということである。

1光年先からでも観測できない恒星は比較的多くあるものの4分の1程度にまで近づかなければ観測することが不可能な恒星はほとんどなく、この恒星の明るさがいかに暗いかが分かる(1光年先からでも見えるようになるには太陽の5,000分の1以上の明るさが必要である)。

ここまではかに座DX星という恒星がいかに暗いのかが分かったがここからはかに座DX星の物理的性質について書いて行きたいと思う。

 

※恒星のデータはWikipediaと天体のソフトを参照しました

 

 

 

2. 木星サイズの恒星

12光年以内の恒星系で最も暗い恒星はかに座DX星であったがこの恒星は先ほども書いたように非常に暗い恒星であり、1光年はおろか0.5光年先でも見えないほど暗い恒星である。

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そして、かに座は有名な星座ではあるがどこにあるかについてはあまり知られておらず、その理由は単純にかに座が暗い星座だからである。

かに座はふたご座としし座の間にある星座であり、これらの星座は明るい恒星が比較的多いもののかに座は最も明るいアルタルフ(Altarf)でも3.53等とかなり暗く、そのためかに座には3等星までの恒星が存在しない。

また、かに座DX星は先ほども書いたように極めて暗い恒星であるので地球から観測すると14.90等にしかすぎず、肉眼はおろか望遠鏡でも観測することは不可能なほどであり、位置的にはかに座ι星の近くに位置している。

 

では、ここからはかに座DX星の物理的なデータについて書いて行きたいと思う。

かに座DX星は太陽の8.7%の質量しか有していない恒星であり、この質量は木星の91倍程度にしかすぎない。

そして、恒星は太陽の8パーセント以上の質量を有していないと核融合が起こらず、これよりも質量が軽いと重水素による核融合は起こるが軽水素による核融合は起こらないので持続させることはできず、最終的には冷え続ける褐色矮星となるのでもはや恒星とは言えない。

かに座DX星は質量的に見ると恒星と褐色矮星のボーダー上にある恒星と言っても過言ではなく、何らかの原因で質量が失われると褐色矮星化する程度の恒星であるが現在の段階では一応恒星として輝いている。

また、主系列星は質量が軽ければ軽いほど表面温度が下がる傾向があるので質量の小さなかに座DX星の表面温度も当然ではあるがかなり低く、3,000 K程度と太陽の半分程度の表面温度しかないほどである。

この表面温度はベテルギウスやアンタレスのような晩期の赤色超巨星よりも低いがこれらの恒星は主系列星時代には25,000~30,000 K程度の表面温度を持っていたものが高齢化が原因で表面温度が下がったものであり、元々表面温度が低いM型超巨星とは訳が違う。

かに座DX星は表面温度は低いものの寿命は数兆年もあるので相対的に見ると生まれたての恒星と言っても過言ではなく、アンタレスのような超高齢な恒星と比較すると非常に若い恒星ではあるが絶対的な年齢ではアンタレスを軽々と上回っている。

 

このようにかに座DX星は若い恒星である上に質量も非常に小さいために直径も当然のことながら非常に小さく、大体太陽の5.2~11パーセント程度の直径程度である。

この大きさは72,384~153,120 km程度であり、下方の大きさの場合は木星の半分程度の直径しか無いこととなる。

しかし、かに座DX星は褐色矮星ですらない木星とは違い、恒星であるので質量は木星の91倍もあるので密度は凄まじく高くなり、直径が下方の場合は871.4 g/㎤と現実味の無い超高密度となるのでおそらく最も大きな太陽の11パーセント程度の直径を有している可能性のほうが高い(太陽の核の密度は156 g/㎤であり、いくら何でもこの密度を上回ること自体がおかしいから)。

つまり、かに座DX星の直径は153,120 kmと木星を若干上回る程度ではないかと考えられるがこれでも密度は92 g/㎤と非常に高いものの太陽の中心核よりかは小さいので現実味は十分考えられる。

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左から、かに座DX, ラカーユ9352, 白鳥座61番星B, 太陽の順であり、最も大きなM型主系列星であるラカーユ9352は同じM型主系列星であるかに座DX星と比較すると非常に大きく、肉眼で観測可能な恒星の中で最も絶対等級の暗い白鳥座61番星Bとも大差がないほどである。

 

このように最も小さな恒星は直径も非常に小さく、光度に至っては1光年先からでも余裕で観測不可能なほどであるがこれでも中心核で核融合反応が起こっているので一応は恒星だと定義されている。

 

 

 

以上、最も暗い恒星についてでした。

雑食動物は草食動物? その理由は...

今回は動物の食性について書いて行きたいと思う。

そろそろ話に限界が近づいてきたので過去の記事と似たような内容の記事について書いて行きたいと思う。

 

1. 草食動物の肉食

草食動物が肉を食べるという話は比較的聞くと思われるが実際に草食動物が肉を食べるという事実について書いて行きたいと思う。

草食動物の中で最も肉を食べる動物はカバであり、雑食動物であると書かれている記事さえもあるほどである。

例: 「カバ 食性」と検索すると「雑食性」と出てくるほどである。

 

カバはかつては完全な草食動物ではないかと考えられてきたが20年少し前にカバの群れがオオカモシカを狩って肉を食べるところが目撃され、更にハイエナから獲物を奪う所も目撃されているほどである。

このようにカバは肉食をしている所を目撃されて以来、肉を食べる報告が後を絶たなくなり、どうぶつ奇想天外ではシマウマ、Youtubeではバッファロー、そして最近ではカバの肉を食べている所が目撃されている。

このことよりカバは近年になってから肉を食べるようになっており、カバが肉食化しているようにも思えるが実際には違い、単に目撃されていなかったのではないかと考えられている。

その理由は現地の人々の話にあり「カバは凶暴であり、肉も食べる」と昔から言われていたからである。

しかし、学者たちはその話を一掃したのでカバが肉を食べることを信じてはもらえず、結果としてカバが肉を食べるところが目撃されるまでカバは完全な草食動物であると思われていた。

そのため、カバは昔から草食、時折肉食の動物であり、雑食性の動物であった可能性が非常に高い。

 

けれどもカバの体質は草食性の体質をしており、肉を消化するのには適していないという話もあるので肉食をしても意味が無く、むしろ悪影響が出ないのではないかという話も考えられる。

確かにカバは肉食には適した体では無いが肉を消化できないわけでは無く、これは他の草食動物にも言えるので極端な話、純粋な草食動物はいないとも言える。

つまり、カバは肉を食べることで栄養を取ることも可能であるため肉を食べていたとしてもそこまでおかしな話と言う訳でもなく、正直どうぶつ奇想天外でカバが肉を食べる映像で出演者が驚いていたところを見ると若干ではあるがおかしな話ではあると思う。

しかし、やはりカバは「草食動物」のイメージが強いのでそのギャップから驚かれるのであり、実際に幼少期にカバが肉を食べている所を目撃したとしてもそこまでは驚くことは無く、筆者もカバが肉を食べることを知った時はまだ小学生であったのでそこまでは驚かず、むしろ出演者が驚いたことのほうが印象に残ったほどである。

 

このように草食動物は肉を消化できないわけでは無いので肉食をすることは当然考えられ、実際にカバ以外の草食動物も肉食をすることはある。

例えばキリンが鳩を食べる、トナカイがレミング(ネズミの一種)を食べるところも目撃されており、キリンの場合は高タンパク質のものを与えたら鳩を食べなくなったので単純に動物質のものから栄養を取っているだけであることが分かった。

 

 

 

2. 肉食動物の草食

ここまでは草食動物の肉食について書いてきたが反対に肉食動物が草食をすることはあるのだろうか?

その答えはどちらかというとNoではあるがこれは直接的には取れないと言うだけである。

動物にとっては同じ動物から栄養分を取るよりも植物から栄養分を取ることのほうが難しく、先ほども書いたが草食動物が肉からも栄養を取れるのに対し肉食動物が植物から直性次栄養を取ることは不可能である。

例えば肉食動物の代表的な動物として有名なネコ目の動物(イヌ科, ネコ科)が草から直接栄養を取ることは不可能である。

植物から栄養を取るには特殊な体系が必要であり、例えばウシ目の動物は反芻をすることで草から栄養を取っており、この性質は草食動物の中では最も効率が良い方法である。

そのため、肉食動物が草から栄養を取ることは不可能ではあるがとある方法を用いれば草からも栄養を取ることが可能となる。

その方法とは仕留めた草食動物の胃の中にある草から摂取するという方法であり、草食動物の胃の中の草は既に分解されているのでここから栄養を吸収することは可能である。

 

このように肉食動物は植物性のものからだと直接栄養を吸収することはできないので肉食動物が草を食べるなどということはまずありえず、たとえあったとしても体内の調子を整える程度の役割でしか無いので一般的に草食動物と言われている動物が肉を食べることはあってもその逆はまずありえないのである。

しかし、先ほども書いたように草食動物の消化能力を利用して栄養を取ることは可能であり、肉食動物では無いがカバも消化された草を食べているのではないかともいわれている。

まあ、カバは基本的には草食で草を消化することは可能ではあるがウシ目であるにもかかわらず反芻をしないので、反芻が可能である他のウシ目の肉を食べてるだけの可能性もあるが...

しかし、それでは反芻をしないシマウマの肉を食べる理由にはならないのでやはりカバには肉が必要なだけなのかもしれないが...

 

 

 

3. 肉食動物と草食動物の違い

このように草食動物と肉食動物の違いは基本的には植物性のものを消化できるか否かの違いによるものではないかと考えられるが実際には純粋な草食動物はいないと考えられる。

その理由は草食動物は単純に草を食べることに特化しているだけであり、肉からも栄養を取ることが可能であるので理論上はどの草食動物も肉を食べる可能性があるからである。

そのため、草食動物と言う分類はそもそも成り立たず、強いて言い換えるならば草食可能動物と言ったほうが正しいのである。

それに対して肉食動物は植物からは直接栄養を取ることは不可能であるので完全な肉食動物とも言える。

 

では、ここからは短いものの雑食動物について書いて行きたいと思う。

草食と肉食の間である雑食動物は個人的な意見ではあるが草食動物に近いとも言え、その理由は「植物性のものからも栄養を吸収できる」からである。

実際に肉食動物は植物性のものからは栄養を吸収することは不可能であり、草食動物の中にもカバのように肉を食べるものもいるので雑食動物は草食ではあるが「肉からも栄養を吸収しなければならない動物」であると言ったところである。

 

以上のことより、草食動物、肉食動物にはボーダーはあることにはあるがそれは完全に分けられるのではなく、植物性のものから栄養が吸収できるか否かで分けられるのではないかと考えられる。

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このように雑食動物も草食(可能)動物の一種ではあるが草食があまりうまくないので肉からも栄養を摂取しなければならないことがあると考えられる。

原子とその構成物質について

今回は陽子と中性子と電子の比較について書いて行きたいと思う。

 

1. 粒子と素粒子

かつて原子はこれ以上分割できないものとして考えられており、原子こそが全てのものを構成する中で最も小さいものとして考えられていた。

例えば水素の場合は水素原子が、ヘリウムの場合はヘリウム原子が最も小さいものとして扱われ、決して水素原子がヘリウム原子になるとは考えられてはいなかった。

しかし、太陽の中心核で起こっている核融合反応は4つの水素原子が1つのヘリウム原子になる反応であり、原子が最小の単位であったとすると説明はつかない。

そのため、原子は最小単位ではなく、更に陽子と中性子と電子によって構成されていることが判明し、核融合反応も原子核(陽子と中性子)の反応によって起こっていることが判明した。

勿論核融合反応だけではなく核分裂反応も原子核での反応であり、ウラン235がヨウ素131とイットリウム103と中性子に分裂する反応は核分裂の一種で重い原子が軽い原子と中性子に分裂をしている。

 

このように原子は物質の最小単位ではなく更に原子核と電子に分割することが可能であり、その上原子核は陽子と中性子に分割することが出来る。

では、物質の最小単位は陽子, 中性子, および電子であるかというと3分の1は当たっているが3分の2は間違っている。

当たっている所は電子が最小単位であるということであり、電子はレプトンと言われる素粒子の一種であり、これ以上は分割することはできない。

そして、レプトンは6種類あり、電子はその中の1つにしかすぎないがこれ以上深入りすると話がややこしくなるのでここでは電子についてだけ書いて行きたいと思う。

電子は負電荷を帯びており、その大きさはマイナス1.602×10^-19 Cとかなり小さく、この単位は電子素量と呼ばれ、eで表される(電子はマイナスなので-eとなる)

 

そして、電子が最小単位であるということは陽子と中性子は違うかというとその通りであり、陽子と中性子はクォークと呼ばれる素粒子に分割することが可能となる。

クォークはレプトンと並ぶ素粒子であり、6種類あるもののレプトンと同じようにこれ以上深入りすると説明が難しくなるのでここではアップクォークとダウンクォークについて書いて行きたいと思う。

アップクォークの電荷が+2/3 eであり、ダウンクォークの電荷は-1/3 eである。

そして、陽子の電荷は+e, 中性子は0であるので陽子は2つのアップクォークと1つのダウンクォーク、中性子は1つのアップクォークと2つのダウンクォークにより構成されている。

 

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このように陽子の電荷は2×(2/3)e+(-1/3)e=+eとなっており、中性子の電荷は(2/3)e+2×(-1/3)e=0なので中性子は電荷を持たない。

そして、陽子と中性子はほぼ同じ質量であり、中性子のほうが若干質量が大きいが電子の質量は陽子や中性子と比較すると非常に小さく、1,840分の1程度しかない。

このことよりアップクォークとダウンクォークの質量は電子の613倍程度ほどであると考えられるが実際の質量は大きく異なり、アップクォークの質量は電子の10倍程度、ダウンクォークの質量は電子の20倍ほどしか無い。

このままでは質量の大きな矛盾が生じるがその理由はアップクォークとダウンクォークは強い結合力があり、この結合力の影響で大きな質量が生じている。

つまり、陽子と中性子の大きな質量はほとんどが結合力によるものであり、この世の物質の質量の大半は陽子と中性子によるものなので結合力がこの世の質量のほぼすべでであると言っても過言ではない。

 

 

 

2. 原子の大きさ

ここまでは原子の中の陽子, 中性子, 電子, 更に細かいクォークについて書いてきたがここからは原子と原子核の大きさについて書いて行きたいと思う。

原子核は先ほども書いたように陽子と中性子によって成り立っており、当然ではあるが原子核には大きさがある。

そして、最も簡単な原子核は軽水素の原子核であり、軽水素の原子核の大きさは1.75×10^-15 mと非常に小さく、この大きさは陽子の大きさと言ったほうが正しい。

その理由は軽水素原子核は陽子1個のみから成り立っているからである。

また、水素原子の大きさは1.06×10^-10 mほどと小さいものの原子核と比較すると比較にならないほどの大きさがあり、これは原子核の60,571倍もの大きさである。

この大きさの比はすさまじく、もし原子核の大きさが1円玉程度(直径2 cm)ほどであったとすると水素原子の大きさは1.21 kmほどとなり、この大きさは東京タワーの三倍の高さよりも長い。

そのため、原子核の大きさは原子の大きさと比較しても非常に小さいものの質量は原子核にほとんど集中しており、その理由は原子核の外側には軽量の電子しかないからである。

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軽水素原子核は1,000倍に拡大しても原子核の大きさと比較すると非常に小さいが質量は原子核のほぼすべてを占めている。

そのため、原子核単体で見てみると密度はとてつもなく高いこととなり、陽子の質量は1.673×10^-24 g、半径は8.751×10^-14 cmであり、仮に陽子が完全な球体であると仮定すると密度は5.96×10^14 g/㎤ととてつもなく、この密度は1 ㎤の大きさで世界の米の生産量に匹敵するほどである。

そして、中性子の密度も同じようにとてつもなく大きいので原子は超高密度の原子核とスカスカの空間からなっており、外層部には電子が周回している構造となっている。

また、超新星後に残る中性子星は中性子が非常に密に詰まっている状態となっており、通常は原子はスカスカの状態ではあるがこのような状態だと中性子の隣に中性子があるような状態であるので密度がとてつもなく大きくなっている。

 

そして、ここでは軽水素原子核について書いてきたが水素よりも原子番号の大きな原子は原子核に多くの陽子と中性子が含まれることになるので当然大きさが大きくなるが電子が周回する軌道、即ち原子の大きさはあまり大きくならないので原子核と原子の大きさの比は軽水素ほどでは無くなるがやはり非常にスカスカの状態であることには変わりはなく、東京ドームと1円玉の比に例えられるほどである。

 

このように物質同士はぶつかるものの原子は非常にスカスカの状態であり、更に原子核の質量もほぼ全てが相互作用によるものなので宇宙に存在する物質はほぼ実態を持たないと言っても過言ではない。

 

 

 

以上、原子と原子を構成する物質についてでした。

超内陸都市 ウランバートル

今回はウランバートルについて書いて行きたいと思う。

 

1. ウランバートルとは

ウランバートルはモンゴルの首都であり、非常に内陸部に位置している。

それもそのはずであり、モンゴルは日本の4倍以上の面積を有しているのにもかかわらず周辺部は陸地に囲まれており、海は存在しない。

そのため、モンゴルの気候は典型的な内陸性であり、日本の中でも内陸部に位置している長野県とは比較にならないほどである。

そして、ウランバートルはモンゴルの北中部に位置しており、海からは遠いものの広大な面積を有する湖のバイカル湖とはかなり距離が近く、直線距離では1,000 kmも離れていないほどである。www.rigelultragiant.com

バイカル湖は広大な面積を有する湖ではあるが海ではないので周辺部は典型的な内陸気候となっており、緯度が53度ほどしか無いのにもかかわらず非常に寒い気候となっている。

 

そして、ウランバートルはバイカル湖よりかは幾分かは南に位置しているものの内陸性であることには変わりはなく、そのため平均気温は極めて低くなっている。

このことに関しては次章で詳しく書いて行きたいと思うがここからはウランバートルの面積と人口について書いて行きたいと思う。

 

ウランバートルの面積は4,700 ㎢ほどと非常に広く、この面積は千葉県よりも若干狭いほどであるがモンゴルの面積から考えるとそこまでは広くはない。

また、人口は122万人程度とそこまでは多くないもののモンゴル自体が人口の非常に少ない国であり、わずか308万人しかいないのでウランバートルはモンゴル全体の40%ほどの人口を有しているのである。

そのため、モンゴルの人口密度はわずか2人/㎢ほどであるがウランバートルの人口密度は259人/㎢とモンゴルの130倍近くも有しており、かなり多いようにも見えるがそれでも日本全体の人口密度よりも少ない。

このようにモンゴルの人口密度は非常に小さく、ウランバートルの人口密度はモンゴル全体から見ると非常に多いもののやはり日本と比較すると小さい理由はおそらくではあるがモンゴルの気候と大きく関係していると考えられる。

 

 

 

2. ウランバートルの気候

モンゴルの気候は典型的な内陸性気候であるがここからはウランバートルの気候について書いて行きたいと思う。

ウランバートルは北緯48度ほどと札幌市と比較すると高いもののロンドンと比較すると意外にもロンドンのほうが高く、緯度の面に関してはそこまでは高くない。

けれどもウランバートルは標高が1,350 mほどと比較的高い上に海からは極端に遠いので冬場の気温は異常と言えるほど下がる。

そして、モンゴルの雨温図はどのようになっているかというと...

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このように緯度が50度を超えておらず、更に標高は高いものの極端ではないのにもかかわらず気温が極端に低く、冬場になるとマイナス20℃を下回る時もあるほどである。

そのため、夏場になるとそこそこ気温は上がるものの冬場の気温が低すぎるので年平均気温も0℃程度と非常に低い。

また、気温ばかり目に行くと思われるが降水量も非常に少なく、年間の降水量を合計しても256 mmしか存在せず、これはウランバートルの乾燥限界である278 mmよりも低いので亜寒帯(D)ではなくステップ気候(BS)に分類される。

ステップ気候は乾燥帯の中でもそこまで降水量が少なくない気候であり、樹木は生育できないもののステップと呼ばれる草は生育することは可能であり、この気候は降水量が乾燥限界の半分から乾燥限界までの場合の時に分類される。

そして、亜寒帯地域では水分の蒸発量が非常に少なく、ステップ気候に分類されることはめったにないがウランバートルは海からの距離が極めて遠いので降水量がかなり少なくなり、結果として乾燥帯になるのである。

このように海からの距離が非常に遠い場合には降水量が極端に少なくなる場合があり、モンゴルの南部に位置しているゴビ砂漠などは海からの距離が遠いことにより砂漠と化している。

以上のことより、ウランバートルの気温は低いものの降水量はそれ以上に低いので一見亜寒帯のように見えるものの実は乾燥帯に分類されており、ウランバートルは世界で最も北に位置している乾燥帯であると同時に最も寒い乾燥帯であるとも言える。

 

また、ウランバートルのすぐ北側にはバイカル湖があると書いたがバイカル湖周辺部はウランバートルと比較すると降水量が多いので亜寒帯に分類される。

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これはバイカル湖周辺部の都市の中で最も栄えた都市であるイルクーツクの雨温図であり、気温自体はウランバートルと大差は無いが降水量はウランバートルと比較するとかなり多い。

そして、この気候は亜寒帯冬季少雨気候(Dw)に分類され、冬場の降水量は少ない気候であり、シベリア東部だけに見られる気候である。

亜寒帯の気候は大きく4つに分けられ、気温が高い順から

Da: 最暖月の平均気温が22℃以上

Db: 最暖月の平均気温が10~22℃であるかつ月平均気温が10℃以上の月が4月以上

Dc: 最暖月の平均気温が10~22℃であるかつ月平均気温が10℃以上の月が3月以下

Dd: 最寒月の平均気温がマイナス38℃以下

である。

※Dd以外の最寒月の平均気温はマイナス38~マイナス3℃の間である

 

イルクーツクはギリギリDb気候であり、亜寒帯冬季少雨気候と合わせるとDwb気候となり、夏の期間が比較的長いものの冬場の気温は北海道とは比較にならないほど低くなる。

また、ウランバートルの降水量がもう少し多くなると亜寒帯気候となるが月平均気温が10℃以上になる月が3月しかないのでDwc気候となる。

ちなみにイルクーツクはバイカル湖周辺部では比較的気温が高いほうであり、他の都市ではDwc気候が多く見られる。

 

このように内陸性の気候は海洋性の気候と比較すると気温が極端に下がりやすくなる傾向があるので緯度はロンドンと同じぐらいではあるがウランバートルやイルクーツクの気温は非常に低くなっている。

 

以上、ウランバートルについてでした。

 

 

 

参照記事

モンゴルの雨温図

https://ja.climate-data.org/location/490/

イルクーツクの雨温図

https://ja.wikipedia.org/wiki/イルクーツク

 

肉眼で観測できる最も暗い恒星

今回は肉眼で観測が可能な恒星の中で最も暗い恒星について書いて行きたいと思う。

 

1. 最も暗い恒星 白鳥座61番星

肉眼で観測することが可能な恒星は8,600個ほどもあると言われており、その中でも明るい恒星はほぼ全てが太陽よりも明るい恒星である。

その理由は単純に恒星の明るさが明るいから見えるからであり、暗い恒星だと1光年先にあったとしても見えないほどである。

そして、地球から見て明るい恒星は近いから明るい恒星と恒星の明るさが非常に明るいために遠くから見ても明るいタイプの2通りに分けられる。

しかし、3.5等星であるくじら座τ星や3.74等星であるエリダヌス座ε星は大して明るく見えない割には地球からの距離が極めて近く、くじら座τ星は11.9光年とアルタイルよりも近くエリダヌス座ε星に至っては10.5光年とプロキオンよりも近い。

そのため、両恒星の絶対等級は太陽よりも暗く、くじら座τ星は太陽の43%ほどでエリダヌス座ε星に至っては太陽の28%の明るさしかない。

そして、くじら座τ星やエリダヌス座ε星は肉眼で観測することが可能な恒星の中では最も暗い部類に入るが全恒星から見るとかなり明るい部類に入っており、例えば太陽系から8.3光年しか離れていないラランド21185という恒星は肉眼で観測することは不可能なほどの明るさではあるが上位25%に入っているほどである。

 

ここまでは肉眼で見える恒星の中にも太陽よりも暗い恒星があることを書いてきたがここからは肉眼で見える恒星の中で最も暗い恒星について書いて行きたいと思う。

肉眼で見える恒星で最も暗い恒星は冒頭でも書いたように白鳥座61伴星という恒星であり、この恒星は地球からは11.4光年程度しか離れておらず、この距離はプロキオンとほぼ同等である。

しかし、プロキオンはお世辞にも明るい恒星と言う訳では無いが0.37等と非常に明るく、この理由は単純に地球からの距離が近いからであるが白鳥座61番星は肉眼で観測することが困難であるほど暗い。

白鳥座61番星は2つの恒星が周り合っている連星系であり、主星は5.2等星、伴星は6.03等星である。

この明るさは肉眼で観測することは可能ではあるが郊外でも観測することは困難であり、光が無い所でようやく観測することが可能となる程度の明るさである。

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白鳥座61番星はデネブ, γ星(デネブの右側の明るい恒星), ε星(61伴星の右側の明るい恒星)とほぼひし形を作れる位置にあるが観測には困難を極める。

 

そして、当然ではあるが白鳥座61番星は両恒星とも太陽よりも非常に暗く、明るい主星でも太陽の8.7%, 暗い伴星に至っては太陽の4パーセント程度の明るさしか無く、絶対等級はそれぞれ7.48等, 8.31等とかなり暗いものとなっている。

当然表面温度, 直径, 質量ともに太陽と比較すると非常に小さく、どちらの恒星もスペクトル型がK型の主系列星である。

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白鳥座61番星は軽量の主系列星であり、表面温度はアルクトゥルスやアルデバランのような赤色巨星と大差が無いのでオレンジ色の恒星ではあるが年齢は若く、太陽が寿命を迎えた後でもまだ余裕で輝いているほどである。

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また、直径も太陽と比較しても小さく、両恒星共に100万キロを下回っている上に質量もかなり軽い(左から太陽, 61番星A, 61番星B)。

 

このように白鳥座61番星は主星, 伴星共に非常に暗い恒星であり、両恒星は肉眼で見える恒星の中では主星が2番目, そして伴星は最も暗い恒星である。

 

 

 

2. 他の暗い恒星

白鳥座61番星は非常に暗い恒星であり、肉眼で見える恒星の中では最も暗い恒星であるがここからは他の恒星と比較していきたい。

肉眼で見える恒星の中でワースト1,2は白鳥座61番星だがその次に暗い恒星は何だろうか?

その答えはへびつかい座70番星の伴星であり、絶対等級は7.47等と白鳥座61番星の主星とほぼ同レベルの明るさである。

この恒星は太陽系とは16.6光年離れており、アルタイルよりも若干近い所にある連星系であり、主星は太陽よりも幾分か小ぶりの恒星である。

そして、その伴星がこの恒星であり、肉眼で一応観測することが可能ではあるが非常に暗く、やはりギリギリ見える程度の明るさではあるが主星は太陽と比較すると暗いもののくじら座τ星程度の絶対等級を有しているので恒星系ならそこそこ明るく見えるほどである。

 

その次に暗い恒星は同じくへびつかい座に位置している36番星の第二伴星であり、この恒星系は3重連星によって成り立っている。

また、いずれの恒星も太陽と比較すると暗いものの全て肉眼で観測することが可能な恒星であり、どの恒星もK型の主系列星である。

そして、この中で最も暗い恒星が全天の恒星の中では4番目に絶対等級が暗い恒星であり、7.45等とやはり白鳥座61番星の主星やへびつかい座70番星の伴星と大差がないほどである。

 

5番目に暗い恒星はインディアン座ε星であり、この恒星はギリシャ文字がついている恒星の中では絶対等級が最も暗い恒星である。

この恒星は地球からの距離が11.8光年と非常に近距離にあるものの4.68等と非常に暗く、褐色矮星の伴星があるものの恒星系には恒星が1つしかないので実質的には単独星として見なすことが出来る。

インディアン座ε星は単独星の中でも最も絶対等級が小さな恒星であり、6.89等しかないので太陽の15パーセント程度の光しか放っていない計算となる。

ちなみに直径は太陽の74パーセント程度なので一応100万キロメートルよりかは大きく、103万キロメートルほどである。

そして、質量は太陽の76%、表面温度は4,590 Kと太陽よりかは低いものの白鳥座61伴星と比較すると若干高い。

 

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上恒星は肉眼で見える恒星の中でワースト5位の恒星と太陽であり、太陽は肉眼で観測できる恒星の中ではワーストクラスではあるがこれらの恒星と比較すると非常に明るい。

また、これらワースト5位までの恒星はいずれもK型の主系列星であり、更に下位のM型主系列星の中で地球から肉眼で観測できる恒星は存在しておらず、最も明るいラランド21185(8.3光年)でさえ7.47等しかない。

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ラランド21185は地球から見て最も明るいM型主系列星の中では最も明るい恒星であると同時に物理的にも最も明るいM型主系列星でもあり、直径は64万キロほであり、質量は太陽の46%にも及ぶ。

しかし、シリウスよりも近いのにもかかわらず肉眼で観測することが不可能なほど暗く、更に白鳥座61番星Bと比較してもかなり暗い。

このように肉眼で見える恒星の中にも太陽よりも暗い恒星は多少ながら存在しており、これらの恒星は少しでも離れるとすぐ暗くなるのでいずれも近隣の恒星ばかりである。

 

 

 

以上、肉眼で観測できる最も暗い恒星についてでした。