DS930810のブログ

筆者は自然や自然現象に関心が相当あるので自然に関する記事(天文, 地理, 生物)を書いていきたいと思います。かつては1日2記事を適当な時間に投稿していましたが今のところは午後6時に1記事投稿する形にしています。

亜熱帯=乾燥していない砂漠 

今回は砂漠と亜熱帯の関係性について書いて行きたいと思う。

亜熱帯と砂漠は一見関係が無さそうに見えるが実際には意外な関係性があり、両者はほぼ同じ緯度に位置している。

けれども両者では降水量は全く異なり、この理由はとあるものが大きく関係しているからである。

 

1. 砂漠の発生要因

砂漠は降水がほとんどない地域であり、緯度的には回帰線から30度の間ぐらいに位置し、この理由はとある高気圧が原因となっている。

その高気圧とは中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)と呼ばれるものであり、主に回帰線と緯度30度の間に滞在しており、北半球、南半球の2カ所に存在している。

そして、この中緯度高圧帯の発生要因は赤道直下に太陽が強烈に照り付けることが原因となっており、このことについて簡潔に書いて行きたいと思う。

赤道直下では太陽が年がら年中照り付けており、結果として海水温が上昇し、海水が蒸発することで低気圧を形成する。

この低気圧は赤道直下に多くの雨をもたらすことになり、そのため赤道直下では年がら年中高温多湿である熱帯雨林気候(Af)となっており、この時発生した雨雲はより高緯度側に移動する。

そして、高緯度側に雨雲が移動する際に水分は段々と雨として降り注ぐために空気は乾燥していき、回帰線付近に来ると乾燥した空気が下降をすることで下降気流が発生する。

その時に生じる下降気流こそが中緯度高圧帯であり、この地域では高気圧が年がら年中滞在しているために雨が降らず砂漠となるのである。

 

この緯度(回帰線~30度)に位置している場所として有名なところはサハラ砂漠やアラビア半島であり、これらの地域は代表的な砂漠地帯となっている。

そして、中緯度高圧帯の影響は回帰線から30度だけではなくそれよりも南の位置にも影響を及ぼしており、乾燥帯(B気候)の真下にはサバナ気候(Aw)が広がっているがこの気候の冬場は雨がほとんど降らない状態になっている。

この理由はまさに中緯度高圧帯が原因であり、サバナ気候は冬場のみが砂漠のような状態であると言っても過言ではなく、赤道付近に存在している熱帯雨林が生育することは決してない。

このように砂漠は中緯度高圧帯が原因で発生するが砂漠の発生要因はそれだけではなく、ゴビ砂漠のように緯度が30度よりもずっと高緯度の砂漠も存在する。

 

ゴビ砂漠の緯度は40度よりも高く、ここまで緯度が高い地域には中緯度高圧帯の影響は及ばず、一見砂漠になった理由が分からないがこちらは山脈が原因で砂漠化している。

その山脈とはヒマラヤ山脈であり、ご存知の通りヒマラヤ山脈は世界で最も高い山脈であるのでこの山脈を超えると空気に水分がほとんどなくなり、最終的にこの乾燥した空気がゴビ砂漠のある地域に行くことにより、乾燥するのである。

 

以上のことより大半の砂漠は中緯度高圧帯により形成するがゴビ砂漠のように山脈が原因で形成するものもあり、砂漠の要因は単純に高気圧だけではないことが分かる。

 

 

 

2. 亜熱帯と砂漠

先ほどまでは砂漠について書いたが今度は亜熱帯について書いて行きたいと思う。

亜熱帯とは熱帯には及ばないものの温帯よりかは暖かい地域のことを指し、日本では沖縄県が有名である。

亜熱帯の特徴としては夏場の温度は熱帯並みに上がるものの冬場になると最寒月の気温が18℃を下回り、熱帯よりかは涼しくなるが東京都のような温帯と比較すると気温は高く、雪が降ることはまず無いのである。

このように亜熱帯は四季がある熱帯のような印象があるが実はケッペンの分類には亜寒帯と言う区分はあるが亜熱帯と言う区分は無く、沖縄県は東京都と同じ温帯に分類されている。

ケッペンの分類は5段階に分けられており、赤道から近い順に書くと熱帯(A)、乾燥帯(B)、温帯(C)、亜寒帯(D)、寒帯(E)のようになっている。

先ほど亜熱帯は熱帯よりかは涼しいが温帯よりかは暖かいと書いたがケッペンの区分で見ると乾燥帯がちょうどこの部分に当てはまっており、実際に亜熱帯と乾燥帯(ゴビ砂漠を除く)の緯度はほぼ同じである。

つまり、沖縄県は本来なら砂漠となるわけであるが実際には砂漠ではなく、雨は普通に降っている。

では、何故沖縄県は砂漠となっていないかと言うと大陸東岸に位置している場合にはモンスーンと呼ばれる季節風が吹き、降水が発生するからである。

降水が発生すると乾燥限界よりも降水量が多くなり、沖縄県の場合だと最寒月の気温が18℃を下回るために温帯に分類され、このような地域では温暖湿潤気候(Cfa)や温帯夏雨気候(Cw)に分類されていることが多い。

 

逆に大陸の西岸に位置している場合はモンスーンの影響を受けないために湿潤となる要素が無くなり、結果として乾燥帯となるのである。

乾燥帯の気温は極端であり、昼間になると50℃を超えることがあるが冬の夜になると0℃程度まで下がり、一見冬の夜も寒そうに見えるが実際には東京都の冬の夜のほうが気温は低くなる。

その理由は先ほども書いたように乾燥帯の緯度は沖縄県程度しかなく、太陽が高角側で照り付けているためそこまで気温が下がらないことに起因しており、高緯度のゴビ砂漠の冬の夜はマイナス40℃程度にまで下がる。

 

このように亜熱帯と砂漠は同じ緯度にあるが降水量は大きく異なり、モンスーンの影響を受けたら亜熱帯、受けなかったら砂漠となり、もし沖縄県がモンスーンの影響を受けなかったら砂漠となっていたであろう。

 

 

 

以上、亜熱帯と砂漠の関係についてでした。

最も重い恒星r136a1 その質量は...

今回は最も質量の大きな恒星について書いて行きたいと思う。

恒星の質量は最低でも太陽の8%は無いといけなく、その理由はこれ以上に質量が軽いと中心核で軽水素の核融合が起こらないからである。

そして、質量は下限だけではなく上限も...

 

1. 超質量星

初めに質量が極端に大きな恒星について書いて行きたいと思う。

恒星の質量は軽いものほど多く、恒星の内の76%はヘリウム核融合反応が起こせないほど軽量なM型主系列星と言われている。

そして、太陽のようなG型主系列星は意外なほど明るい部類に入っており、太陽は全恒星の内で上位5%に入っているぐらいである。

勿論太陽の質量の恒星は上位5%入っているものの肉眼で明るく観測できる恒星の質量は全てが太陽よりも重い恒星と言っても過言ではなく、3等星までの恒星で最も明るく重い恒星と言われているアルニラム(オリオン座ε星)の質量は太陽の34倍と言われているほどである。

では、アルニラムが最も重い恒星かと言うとそうではなく、アルニラムは銀河系にある2,000億個の恒星の中でも上位数千番ぐらいに入るほど明るい恒星であり、質量に関しても同等のレベルであると考えられるがこれでも上には上がいるほどである。

アルニラムのスペクトル型はB0Ⅰaであり、表面温度が26,000 Kほどもある極めて明るい恒星で可視光の絶対等級だけでも5,000光年以内の中ではトップの恒星である。

けれども銀河系の中にはアルニラムを凌ぐ天体も少量ではあるが存在しており、銀河の中心付近に存在するピストルスターやLBV1806-20などがそれに当てはまる。

これらの恒星の質量はアルニラムの質量を優に超え、ピストルスターの質量は太陽の120倍、LBV1806-20は太陽質量の65倍の恒星同士の連星系である。

当然ではあるがこれらの恒星は質量だけではなく光度も凄まじく、太陽の200万場合以上の放射を放っており、これは太陽が1年間に放つエネルギーを15~16秒程度で放っている計算となる。

当然ではあるがこれほどすさまじいエネルギーを放射していると寿命も信じられないほど短くなり、太陽の寿命が120億年程度に対し、わずか300万年程度の寿命しか持たないと言われている。

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左から太陽(小さい点)、アルニラム、ピストルスターの順。

ピストルスターの表面温度は大体リゲルと同等であり、リゲルの直径は太陽の78倍程度しか無いがピストルスターの質量は太陽の306倍とリゲルの4倍近くもあり、表面積が大きいぶん放射も凄まじくなる。

また、アルニラムは表面温度が極めて高く、直径だけ見るとリゲルはおろかアルデバラン程度しか無いが表面温度が極めて高いために放射量はリゲルのそれを軽々と上回っている。

 

そして、これらの恒星は高光度青色変光星(LBV)と呼ばれ、全恒星の中で頂点に立つ天体であり、極めて短い一生を終えた後には極超新星爆発を起こし、ブラックホール化する。

けれどもピストルスターが恒星の上限かと言うとそうでもなく...

 

 

 

2. 太陽の265倍、R136a1

先ほどまでは銀河系内にある質量が極めて大きな恒星について書いてきたが今度は大マゼラン星雲内にある質量の極めて大きな恒星について書いて行きたいと思う。

大マゼラン星雲は地球から16.5万光年ほどはなれたところにいちしている銀河であり、天の川銀河と比較するとかなり小規模な銀河である。

そして、天の川銀河に最も近い銀河はアンドロメダ銀河と言われているがあれは銀河系と同じような規模を持った中での話であり、アンドロメダ銀河よりも近い銀河は数多くある。

そして、大マゼラン星雲は大きさこそ小さいものの非常に強力な恒星が数多く含まれており、絶対等級が時にマイナス10等を超えるかじき座S星(大マゼラン星雲はかじき座にあるため)や可視光絶対等級が常にマイナス9等を超えている白色極超巨星 HD 33579なども含まれている。

これらの恒星は極めて明るいものの質量に関してはかじき座S星は45太陽質量、HD 33579は30太陽質量と先ほど書いたピストルスター等と比較すると小さく、そしてエネルギー放射量も小さい。

では、これ以上に質量の大きな恒星があるかというともちろん存在しており、特にR136と言う星団内には数多くの超質量星が含まれている。

この星団の中には質量が想像もできないほど大きな恒星が数多く含まれており、これらの恒星の表面温度は50,000 K以上あるものも数多く存在している。

そして、恒星のスペクトル型はO3タイプのものが多く、O型星と言うだけでも非常に珍しい上にO3型と言うとその中でもトップクラスに表面温度が高く、これらの恒星は銀河系の中にも数えるぐらいしかないと考えられる。

当然ではあるがこれらの恒星の質量は異常なほどに大きく、この超質量星団の中で最も重いR136a1という恒星は太陽の265倍もの質量を有している。

 

この質量は先ほど紹介したピストルスターやLBV1806-20よりも格段に重く、エネルギー量もそれらの恒星よりも凄まじくなっている。

そして、この恒星はウォルフ・ライエ星と言われるタイプの恒星であり、これらのタイプの恒星は余りにも大きな恒星が中心部からの莫大な放射によって表面を吹き飛ばした形態であり、太陽の30倍以上の質量を有する恒星にしか見られない。

外層部を吹き飛ばした後には恒星の中心核に近い所だけが残るために最も表面に近い部分でも炭素が多く、また質量を吹き飛ばした後なので恒星自体は軽くなる。

当然外層部を吹き飛ばした後なので表面温度は極めて高く、40,000 Kを超える恒星も珍しくはなく、最も明るいウォルフ・ライエ星であるアル・スハイル・アル・ムーリフ(ほ座γ星)の伴星の表面温度は46,000 Kもあると言われている。

 

そして、ほ座γ星の伴星の元々の質量は太陽の35~40倍であり、現在の質量は太陽の10倍程度であるのに対してR136a1の質量は265倍であり、ウォルフ・ライエ星になる前は320倍もあったと推測されている。

当然ではあるがR136a1はほ座γ星の伴星よりも質量が重く、放射しているエネルギー量も比べ物にならないほど多く、太陽の870万倍ものエネルギーを放っている。

このエネルギー量は太陽が1年間で放つエネルギーをわずか4秒足らずで放つほどであり、現在の所これ以上に大きなエネルギーを放つ恒星は観測されておらず、恒星の上限より発見されることも無いと考えられる。

ちなみにこの恒星の直径は太陽の35.4倍と意外なほど小さく、この理由は単純に外層部が失われたからである。

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このように直径だけ見るとR136a1はピストルスターには到底かなわないが総合的なエネルギー量や質量を見るとこちらのほうが大きいのである。

 

以上のことより最も質量の大きな恒星は思いのほか小さく、意外かもしれないが質量が大きすぎると逆に外層を吹き飛ばし、巨大化できなくなるため最も大きな直径を持つ恒星の質量は意外なほど軽く、太陽の20倍程度しかないと推測されている。

 

 

 

以上、最も重い恒星についてでした。

熱く巨大な青色超巨星 しかし熱いけれども高齢である

昨日はM型主系列星について書いたが今回は青色超巨星について書いて行きたいと思う。

青色超巨星は巨大な直径を持っている上に表面温度も高い恒星であり、青色超巨星の中には赤色巨星よりも巨大なものも存在する。

では、ここからは青色超巨星について語っていきたいと思う。

 

1. 青色超巨星とは

青色超巨星とはスペクトル型が高温のO, B型であるかつ超巨星であるⅠを示すものであり、B4Ⅰa, O9Ⅰb, B3Ⅰb等の恒星は超巨星である。

また、青色超巨星と書くと赤色超巨星の若いバージョンや青色巨星の巨大なバージョンのように聞こえるが実際には上記のようにスペクトル型から判断しているので必ずしもそのようにはならない。

例えばケンタウルス座β星のハダルは青色巨星であり、スペクトル型はB1ⅢとB型の中でも高温の部類に入っており、絶対等級も可視光だけでマイナス4.8等もあり、総合的なエネルギー量だと更に上回るがスペクトル型がⅢであるので超巨星では無い。

そして、ペルセウス座ζ星という恒星のスペクトル型はBⅠbであり、こちらはれっきとした超巨星ではあるが絶対等級はマイナス3.96等程度とハダルよりも暗く、表面温度も同等であるので総合的なエネルギー量でもハダルの量を下回っている。

このようにペルセウス座ζ星は超巨星ではあるものの明るさではハダルの量を下回っており、必ずしも青色超巨星が青色巨星の明るさを上回っているわけではない。

けれどもこれはあくまで例外であり、大半の青色超巨星のエネルギー量は青色巨星の量を上回っている。

また、青色超巨星は高齢化すると赤色超巨星になるものもあるが質量が過剰になると赤色超巨星から黄色極超巨星の段階に移行したり、更に質量が大きいものとなると外層部を吹き飛ばし、中心の高温部分だけがむき出しになったウォルフ・ライエ星になったり高光度青色変光星と言う高温の恒星のまま極超新星を起こし、ブラックホールと化したりもする。

つまり、質量が非常に大きい青色超巨星は赤色超巨星になることは無く、さらに高温な青色超巨星となって一生を終えるのである。

 

ここまでは青色超巨星についての大雑把な説明を書いたがここからは青色超巨星の種類について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. 青色超巨星の例

一概に青色超巨星と言っても質量は様々であり、小さいものから太陽の百倍を超えるものさえもある。

しかし、最も軽量な青色超巨星でも太陽の10倍以上の質量があり、実質青色超巨星は全て超新星爆発を起こすと考えられる。

また、青色超巨星は元々そのような状態ではなく、スペクトル型が早期のB型やO型の主系列星から進化したものであり、B型の主系列星から進化したものはあまり強くないがO型の主系列星から進化したものは非常に強烈な光を放つこととなる。

では、初めにあまり強くない青色超巨星について書きたいと思う。

 

2.1 普通の青色超巨星 (BⅠb)

普通の青色超巨星はスペクトル型が普通の超巨星であるⅠbを示したものであり、B1, B0当たりの主系列星から進化したものである。

このタイプの青色超巨星のスペクトル型はBであり、その理由は単純に主系列星が巨星と化す時には表面温度が下がるからで、スペクトル型がBの主系列星がより高温のO型になることは無いからである。

そして、この恒星の例として挙げられるものとしては先ほど紹介したペルセウス座ζ星があり、他にもほ座φ星(B5Ⅰb, 絶対等級マイナス4.92等)などが挙げられる。

これらの恒星の絶対等級は強いことには強いものの段階がより低い青色輝巨星(Ⅱ型)の絶対等級とそこまで大きな差がなく、あまり超巨星と言えるほどの明るさはない。

では、より強い青色超巨星ともなると...

 

2.2 強大な青色超巨星(BⅠa, OⅠa, OⅠb)

先ほど書いた青色超巨星はそこまで質量が大きくなく、多くても質量は15倍程度であるがスペクトル型がⅠaの青色超巨星ともなると話が変わってくる。

スペクトル型がⅠaの恒星は絶対等級がより強い超巨星のことであり、筆者は高光度超巨星と呼んでいる。

これらの高光度超巨星である青色超巨星はO型主系列星から進化したものであり、絶対等級はマイナス6を超えることもそこまで珍しくもない。

また、O型主系列星から進化し、準巨星を終えたばかりの恒星はより高温なO型超巨星となり、そしてこれらの超巨星は非常に珍しく、オリオン座ζ星アルニタクやきりん座α星、とも座ζ星、ほ座γ星程度しか見られない。

これらの恒星は当然ではあるが全てO型主系列星から進化したものであり、例えスペクトル型が普通の超巨星であるⅠbタイプでも光度は極めて大きいものとなっている。

そして、きりん座α星は銀河系の中でも屈指の明るさを有する天体であり、表面温度が30,000 Kを超え、可視光領域にはほとんど観測さえないにもかかわらず可視光の絶対等級でさえマイナス7を驚愕しているほどである(マイナス7.16等、総エネルギーだとマイナス9をも超える)。

この恒星のスペクトル型はO9Ⅰaであり、質量は太陽の30倍以上もあるので近い将来、極超新星爆発を起こし、ブラックホールと化すと考えられる。

 

ここまではO型超巨星について書いたが今度は青色超巨星の大半を占めるB型超巨星について書いて行きたいと思う。

B型高光度超巨星(BⅠa)は非常に明るい恒星であり、代表的なものにはリゲルが挙げられ、リゲルは全天21星の中で唯一の青色超巨星であると同時に最大の絶対等級を誇る。

他には同じオリオン座のアルニラム(ε星, 1.70等)、おおいぬ座η星アルドラ(2.45等)、おおいぬ座ο2星(3.02等)、しし座ρ星(3.84等)があり、これらの恒星の絶対等級は可視光だけでもマイナス6.4等を超えるほどである。

特にアルニラムとしし座ρ星の絶対等級は先ほど書いたきりん座α星に匹敵するほどであり、表面温度が25,000 Kほどもあるにもかかわらず可視光だけで絶対等級がマイナス7.2等を超えているほどである。

 

また、これら以外にもBⅠa型の恒星は意外なほど多くあり、特にアルゴ座(りゅうこつ座、ほ座)に多くあり、肉眼で観測できる中でもりゅうこつ座にはHD 92964 (B2), HD 94367 (B9), HD 96919(B9)、ほ座にはHD 74371 (B5), HD 75149 (B3), HD 79186 (B5)等が存在する。

これらの恒星は可視光だけでもマイナス5.8等を超えているほどでBⅠa型の恒星の明るさが相当なものであるとうかがえる。

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太陽は小さすぎるので背景は黒塗りである。

左から太陽, アルデバラン, リゲルであり、リゲルは表面温度が高いのにもかかわらず直径がアルデバランを軽々と上回っている。

 

そして、更に明るいものとしては青色極超巨星があり、青色極超巨星は高光度青色変光星(LBV)とウォルフ・ライエ星(WR星)のみが属しており、太陽の100倍以上の質量のものさえも含まれている。

 

ちなみに青色超巨星の表面温度は高く、一見見ると若いようにも見えるが主系列星から進化したものであるので年齢自体は若くはなく、かなり年を取った恒星である。

この点では表面温度が低いのにもかかわらず若いM型主系列星とは対照的とも言える。 

 

 

 

以上、青色超巨星についてでした。

M型主系列星 最も軽いが高密度な恒星たち

今回はM型主系列星について書いて行きたいと思う。

M型主系列星とは恒星界の中で最も軽量な恒星であり、安定している主系列星の時期から既にベテルギウスのように表面温度が低い恒星である。

そして、宇宙の中で最も多い恒星であり、M型主系列星は全恒星中(巨星や超巨星も含む)の4分の3程度も占めている。

 

1. M型主系列星とは

M型主系列星とは最も軽量な恒星であり、太陽の0.08~0.46倍程度の質量しか持っていない。

そして、M型主系列星のMとは恒星のスペクトル型であり、表面温度が高い順からO, B, A, F, G, K, Mとなっており、M型は最も低温な部類であり、太陽はG型に分類されている。

M型の恒星として有名なものはベテルギウスやアンタレスなどであり、これらの恒星の表面温度は非常に低くなっているがこれは恒星が高齢化したからであり、主系列星時代のスペクトル型はO型に非常に近いB型であったと推測されている。

けれどもM型主系列星は生まれた時から低温のM型スペクトルを有しており、その理由は単純に質量が軽いからであり、主系列星は質量が軽いほど表面温度が下がる傾向がある。

また、恒星の明るさは表面積と表面温度に比例しているので両方とも小さいM型主系列星の明るさは太陽と比較しても非常に暗く、M型主系列星の中でも質量が軽いものは1光年から先から見ても余裕で観測できなく、このような恒星の割合は非常に多い。

具体的に言うと太陽の表面温度は5,500 ℃ほどもあるがM型主系列星の場合は3,000 ℃程度のものが多く、直径に関しても太陽は140万キロほどもあるがM型主系列星の場合は40万キロ(0.3太陽質量)程度しかなく、最軽量のものともなると木星よりも小さいものさえもある。

このようにM型主系列星は非常に小規模な天体であり、太陽は63億年後には赤色巨星となるがM型主系列星は質量が軽すぎるが故に核融合反応は水素→ヘリウムで打ち切りとなり、赤色巨星となることさえも無く白色矮星になると考えられる。

しかし、M型主系列星は核融合の速度が極めて遅いので寿命は非常に長く、数千億年から数兆年もあるので寿命が尽きたM型主系列星は存在せず、現在の宇宙の年齢の数十倍経た後に最も重量級のM型主系列星の寿命が尽きると考えられる。

では、M型主系列星の例について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. M型主系列星の例

2.1 グリーゼ581

グリーゼ581はてんびん座の方向に見えるM型主系列星であり、太陽系からの距離は20光年強とベガよりも近い位置に存在する。

けれども地球から肉眼で観測することは不可能であり、その理由は地球から見た明るさが11.6等と極めて暗いからである。

グリーゼ581の光度は太陽と比較しても非常に暗く、逆にグリーゼ581から太陽を観測すると3.8等程度に見え、お世辞にも明るいとは言えないが肉眼で観測することは余裕でできる。

グリーゼ581の光度はこのように非常に暗いがその理由は単純に星から放たれるエネルギーが弱いだけではなく恒星から放たれる電磁波のピークが高波長側にあるからであり、グリーゼ581から放たれる電磁波は赤外線側に寄っている。

赤外線は肉眼で観測することは不可能であるので恒星の放たれるエネルギー以上に暗く見え、グリーゼ581は太陽の1.3%程度のエネルギーを放っているものの肉眼であると太陽の100分の1を軽々と下回っている。

 

そして、ここからはグリーゼ581の直径などについて書いて行きたいと思う。

グリーゼ581の直径は太陽と比較すると非常に小さく太陽の29%、キロメートルに換算すると403,680 km程度と地球-月との距離よりも若干大きい程度に過ぎない。

40万キロと書くと非常に大きいようにも思えるが太陽の直径は1,392,000 kmと月軌道を余裕で埋められる程度の大きさがあるので恒星としては非常に小さいと言える。

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太陽とグリーゼ581の比較図、黒い円は月軌道。

 

また、質量のほうも軽く、太陽の31パーセント程度の質量しか無く、この質量の小ささが核融合反応を遅くし、結果として光度が暗くなるのである。

このようにグリーゼ581は非常に小規模な天体ではあるがM型主系列星の中ではそこそこの大きさであり、全恒星の中では真ん中程度の質量を有しているのではないかと考えられる。

では、これ以上に小さい恒星はと言うと...

 

2.2 プロキシマケンタウリ

プロキシマケンタウリは太陽系から現在の時点で最も近い恒星であり、リギルケンタウルス系の伴星であると考えられている。

リギルケンタウルス系までの距離は4.37光年であるのに対してこの恒星までの距離は4.246光年とかなり近い所にあり、逆にリギルケンタウルス系とこの恒星が連星系であるとすると時間が経ったときにリギルケンタウルス系から遠くなることとなる。

また、この恒星はリギルケンタウルス系とはかなり離れた所に位置しており、1兆キロメートル以上も離れている。

そのため、リギルケンタウルス系からこの恒星を観測しても明るくは見えず、実は太陽のほうが50倍近くも明るく見える

このように同じ連星系であったとすると連星とは思えないほど暗く観測され、その理由は連星から遠いだけではなく、恒星自体の光が極めて小さいことも理由である。

実際にプロキシマケンタウリの位置に太陽を置くとリギルケンタウルス系からはマイナス6等星程度の明るさとして観測することができ、地球から見た金星よりも明るく見ることができる。

プロキシマケンタウリはグリーゼ581よりも更に小規模な天体であり、M型主系列星の中でもかなり小さい規模の天体であり、可視光だけでは太陽の1万分の1の明るさすらない。

 

では、どれほどの直径かと言うと木星と大差がないほどであり、19.6万キロほどしか無い。

実はこれぐらいの直径の惑星は太陽系外には存在しており、更に言うと20万キロ以上の直径を有する惑星も存在するのでプロキシマケンタウリは惑星よりも小さい恒星ということになってしまう、

けれども質量は太陽の12.3%ほどもあり、これほどの質量を有する惑星は言うまでも無く存在はしておらず、もし、これほどの質量を有する惑星があったとしても中心核に凄まじいほどの圧力がかかり、直ちに核融合反応を引き起こし、もはや惑星とは言えなくなる。

つまり、ある程度の質量を有してしまうと中心核で強制的に核融合反応が発生し、恒星となってしまうために恒星以上の質量を有する惑星は存在せず、恒星の下限と惑星の上限には6倍ほどの質量比がある(間の質量は褐色矮星と言う重水素の核融合が起きたことのある天体の質量)。

 

このことより、プロキシマケンタウリの密度は凄まじいこととなっており、この件に関しては次の章で書いて行きたいと思う。

 

 

 

3. 高密度なM型主系列星

M型主系列星の密度は太陽と比較しても非常に高く、太陽系で最も密度の大きい地球と比較しても非常に大きくなっている。

例えばグリーゼ581の直径は403,680 kmで質量は6.1659 × 10^29 kgであるので密度を計算すると

6.1659 × 10^29 kg ÷ ((4/3) × π × 201840000^3) m^3 = 17901 kg/m^3

、g/cm^3で表すと17.901 g/cm^3であるため、地球の密度の3倍以上となり、常温・常圧での金の密度に近いものとなる。

太陽の密度が1.41 g/cm^3であるのでこれと比較すると非常に密度が大きくなり、グリーゼ581よりも更に小さいプロキシマケンタウリの場合だと直径196,272 km、質量は2.44647 × 10^29 kg であるので

2.44647 × 10^29 kg ÷ ((4/3) × π × 98136000^3) m^3 = 61797 kg/m^3

g/cm^3で表すと61.797 g/cm^3であるため、最も密度の大きい元素であるオスミウムの密度の二倍をも大幅に上回っている。

 

このように恒星は質量の小さなものほど密度は大きくなる傾向にあり、太陽の倍の質量を有するシリウスの密度は0.55 g/cm^3と太陽よりも逆に小さくなる。

また、これほど密度が大きいということは表面重力も大きくなり、グリーゼ581の表面重力は1,010 m/s^2、プロキシマケンタウリの表面重力は1,695 m/s^2でいずれも太陽の表面重力(274 m/s^2)を上回っており、グリーゼ581は太陽の3.7倍、地球の100倍以上の表面重力を有しており、プロキシマケンタウリに至っては太陽の6.2倍ほどの重力を有している。

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左からプロキシマケンタウリ、グリーゼ581、太陽

 

以上のことより低質量星は質量こそ小さいものの直径がそれ以上に小さくなるので密度や表面重力は極めて大きいものとなる。

 

 

 

以上、M型主系列星についてでした。

復讐する動物 カラスや象以外にも

今回は復讐を行う動物について書いて行きたいと思う。

今までもカラスや象が復讐することについて書いてきたが今回はそれらの動物以外にも復讐する動物について語っていく。

 

1. 復讐する動物は何類

復讐する動物はある程度知能が高い動物だけであり、昆虫が復讐することは絶対に無い。

もし、昆虫が復讐するとなるとアリを踏んづけたら翌日蟻の集団に襲撃されたりするので昆虫が復讐すると非常に恐ろしく、外を歩くこともできなくなる。

そして、例え脊椎動物であっても魚類や両生類、爬虫類が復讐することは無くサメやヘビなどは人を襲うことはあったとしてもそれは復讐のために襲っているのでない。

また、勘違いされがちだがヘビをたたくと襲われたということがあるがあれは復讐ではなく単に反撃をしているだけであり、復讐と言うのは酷い目に遭わせた相手を憎み、同じようにやり返すことを指している。

 

このように復讐と言う概念はほとんどの動物には見られなく、復讐と言う概念を持っている動物はほとんどが哺乳類であり、哺乳類以外で明確に復讐の概念を持っている動物はカラスしかいない。

カラスは鳥類ではあるが非常に知能が発達しており、一度ひどい目に遭わされたらひどい目に遭わせた相手を同じように酷い目にあわさないと気が収まらず、更に同じ仲間がひどい目に遭わされたら仲間も酷い目に遭わせた相手のことを憎み、カラスには強い仲間意識があることも確認されている。

このようにカラスは鳥類はおろか哺乳類以外の動物の中では最も頭のいい動物と言っても過言ではなく、復讐以外にも恩を感じることさえもある。

 

では、哺乳類の話に入っていきたいと思う。

哺乳類は他の動物と比較すると非常に知能が発達しており、実際に芸をすることもできる動物さえも数多くいる。

哺乳類以外の動物で芸をすることが出来る動物は一部の鳥類のみであり、爬虫類以下ともなると芸をすることは実質不可能であるとも言え、爬虫類以下の動物はほぼ本能のみで生きていると言っても過言ではない。

勿論、知能が発達しているということは悪いようにも発達しているとも言え、その悪いこととは復讐のことである。

実際に復讐する哺乳類は比較的多く確認されており、例を挙げると象, 霊長類, シャチなどであり、 意外なところではアフリカスイギュウも復讐の概念を持っている。

他にも復讐すると明確には分かっていないが犬や猫も知能が高く、一回いじめられた相手に対しては非常に警戒心が強くなるため復讐する可能性も考えられる。

 

このように復讐と言う概念は知能が高いからこそ起こりうるのであり、全動物の中で最も知能が発達している哺乳類がそのような概念を持っていても別に不思議ではない。

では、実際に復讐について書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. 復讐する哺乳類たち

先ほどは哺乳類には復讐の概念を持つものがいると書いたが実際に抽象的ではあるが復讐について書いて行きたいと思う。

 

2.1 シャチ

シャチは海に生息している巨大な哺乳動物であり、外見だけ見ると巨大な魚のように見え、実際に漢字で書くと「鯱」となっており、魚偏が入っている。

けれどもシャチは魚とは全く関係のない生物で肺呼吸を行い、また旁の部分は虎となっているが別に虎とも近縁な動物と言う訳ではなく、むしろ牛のほうに近い動物である。

実際にシャチは生物学的には「目」単位で牛と同じ所に分類される動物であり、完全に肉食ではあるがライオンや虎のような肉食動物ではなく、先ほども書いたようにウシやシカなどの草食動物に近縁な動物である。

そして、シャチは非常に強いことで有名ではあるが同時に非常に知能が高いことでも有名であり、その知能の高さは哺乳類の中でもトップクラスに高いのである。

ここまで書くと肉食な上に知能も高いので人類にとって脅威になりそうだが意外なことにシャチは人間を捕食することは無く、その理由はシャチは非常に偏食であるためと言われており、特定の動物しか食べないからである。

つまり、シャチは人類にとっては脅威となることは無く、サメと違って知能も高いためアシカと間違って襲われるということも無さそうではあるが人を襲うことはごくまれにあるとされる。

その理由は復讐であり、漁船がシャチに危害を加えた後、シャチの群れが数週間にもわたりその漁船の漁を妨害し続けたという例がある。

シャチは非常に仲間意識が強い動物であり、仲間に危害を加えられたために漁船のことを憎み、このような行為に走ったとみられるが正直に書くと復讐方法はかなり緩やかであり、漁を邪魔しただけで人そのものには危害を加えてはいない。

つまり、シャチは過激な復讐をする象(踏みつぶすなど)と比較するとかなり平和的な復讐をしており、ある意味では人類にとっては非常に安全な動物とも言え、実際にクジラ類はサメからダイバーを守ったりするほどの動物でもある。

このような動物は非常に珍しく、クジラ類は平和を好み、争いごとを避ける良い動物ではないかと考えられる。

 

2.2 アフリカスイギュウ

アフリカスイギュウは文字通り、アフリカに生息するスイギュウであり、意外かもしれないが復讐の概念を持っている。

アフリカスイギュウはライオンと同じ所に生息しており、当然ライオンに襲われることもあるが襲われるだけではなく、自分の仲間を捕食したライオンに対して復讐をすることもある。

以前動画サイトで見たものであるがライオンが一頭でいるときにアフリカスイギュウが群れでライオンのことを襲っており、ライオンはただ逃げ回っているだけに対してアフリカスイギュウは執拗に攻撃を繰り返していた。

実際にアフリカスイギュウが自らライオンを襲うとなると反撃される可能性も十分考えられ、とても自分が有利になるとも考えられず、どちらかと言うと不利な状況となるが復讐心を持っているとそのようにはならず、実際に復讐心が強くなると

憎い相手をひどい目に会わせたい>リスク

となるのでアフリカスイギュウには復讐心があると考えられる。

 

他にも以前自分を襲ったハンターを見かけた時に、そのハンターを執拗に襲撃した例もあるのでやはりアフリカスイギュウには復讐心があると見ることが出来る。

 

 

 

このようにだがが動物だからと言って侮っていると復讐されることもあり、哺乳類は知能が非常に高いためこのようなことは実際に起こるのである。

以上、動物の復讐についてでした。

地球は海に覆われた惑星 そして、その水を集めると...

今回は海について書いて行きたいと思う。

地球はご存知の通り、海に覆われた惑星であり、地球の表面の内7割は海に覆われており、このような惑星は宇宙全体から見ても非常にまれである。

しかし、水の量は意外にも...

 

1. 地球上の海

地球は衛星写真で見ると分かるように海に覆われており、地球の7割は海洋面積となっている。

そして、地球の海の割合は北半球よりも南半球のほうが大きく、南半球の大半は海に覆われているが実は北半球でも陸の割合よりも海の割合のほうが大きいのである。

また、世界中にはたくさんの海があるが特に大きなものには太平洋、大西洋、そしてインド洋の3つがあり、これらは三大洋と呼ばれている。

 

では、初めに太平洋について簡単に書いて行きたいと思う。

太平洋はご存知の通り世界で最も大きな海であり、地球の面積の3分の1を占め、この面積は地球上の陸地の総面積よりも広い

また、太平洋の真ん中には日付変更線があり、この理由は海上には人が住めないからであり、もし陸上に日付変更線があると大混乱が起こるであろう。

更に太平洋の面積は世界中の海の半分近くも占めており、大西洋やインド洋とは比較にならないほど(言い過ぎかもしれないが)広く、日本の面積の500倍近くも占めている。

このように太平洋は極めて広い海であるがそれは地球儀や世界地図を見ても一目瞭然であり、北はアラスカ、南は南極付近と非常に広く、また東西に着目しても日本とアメリカの間に広がっているぐらいだからその広さは計り知れない。

もし、太平洋の真ん中で遭難なんかしたらある意味サハラ砂漠の真ん中で遭難する以上に恐ろしいことになりそうだ。

 

次に大西洋について簡単に書いて行きたいと思う。

大西洋は日本人にとってはあまりなじみ深い海ではないが、ユーラシア大陸の西側から北・南アメリカ大陸の東側まで広がっている海であり、世界で二番目に面積の広い海である。

そして、その面積はどれぐらいかと言うと太平洋の55パーセント程度であり、太平洋と比較するとかなり狭いもののユーラシア大陸の面積よりかははるかに広い。

 

最後にインド洋について簡単に書いて行きたいと思う。

インド洋は世界で三番目に面積の広い海であり、アフリカ大陸の東側とオーストラリア大陸の西側に位置しており、面積は太平洋の半分を若干下回るほどである。

そして、インド洋の名前の由来はインドの下に位置しているからであり、太平洋、大西洋とは違い国の名称が海洋の名称に入っている。

 

このように地球上には三大洋が存在しているが三大洋以外にも北極海、南極海を始めとした広大な海が存在しており、結果として地球上の海の面積は陸の面積の2倍以上あるのである。

 

 

 

2. 海と地球上の水の体積

先ほどは地球の面積の7割は海に覆われており、地球は海に覆われていることについて書いたが地球の海の深さはどのようになっているのだろうか?

地球の海の深さは地域によってさまざまであり、浅い所から水深が10 kmをも超す海溝まで存在しており、平均すると大体富士山の高さと同じぐらいの深さである。

このように書くと地球の海は相当深く、更に海の面積は地球の7割も占めているので水の量は莫大であるように見える。

確かに地球上に存在する海の量は莫大であり、体積にすると13.86億㎦ほどもあり、この中の97.5%は海の水に由来するが地球の体積から考えるとかなり小さいものとなっている。

地球の半径は6,378 kmであり、これより水の体積は1.087兆㎦にも及び、地球上の水の体積の総計の784倍にも及ぶ。

この結果を聞くと確かに地球の水の体積は地球の体積と比較するとかなり小さいようにもみえるが比べ物にならないほど小さいわけではなく、月の体積が地球の約50分の1であることを考えると水の量がかなりの量のようにも思えてくる。

 

では、この水の塊を球で表した時の半径はどれぐらいになるかと言うと691.7 km、直径では1,383 kmほどで、冥王星よりかは小さいものの小惑星帯で最も大きなケレス(準惑星)よりかは余裕で大きなサイズである。

つまり、地球上の水だけを浮かべたとしても準惑星程度の大きさにはなり、水だけの惑星は実現するがこれだけの質量があると重力の影響で水の塊は縮まることとなるため直径は1,383 kmよりかは小さくなるうえに中心に向かえば向かうほど圧力も強くなるため、中心核付近では熱い氷のような状態となると考えられる。

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このように地球上の水の量を総計すると意外なほどの大きさにはなるが実際に地球の水を集めて準惑星化しても重力の影響によって大きさが縮まり、海水の密度である1.03 g/㎤よりも密度は確実に上がるであろう。

 

以上のことより海水は地球目線で見ると表面にこびりついているだけのようにも思えるが実際に集めてみると意外なほどの大きさとなり、改めて地球が水の惑星であることが分かる。

 

 

 

以上、地球の海についてでした。

灼熱の恒星 O型星

今回は高温の恒星について書いて行きたいと思う。

恒星の表面温度は高ければ高いほど青色に見てるようになっていき、7,500 Kを超えたあたりからは青白い恒星として観測できる。

このことより青白い恒星であっても表面温度は様々であり、カノープスのように表面温度が低いものからオリオン座の三ツ星のように非常に高温なものまでさまざまである。

では、最も熱い恒星はどれぐらいの表面温度かと言うと...

 

1. 灼熱のO型星

恒星のスペクトル型は表面温度が高い順からO, B, A, F, G, K, Mとなっており、表面温度が最も高いものはO、そして低いものはMとなっている。

地球から見て最も明るい恒星であるシリウスのスペクトル型はA、カノープスはFであり、そこまでは表面温度は高くないが0等星に着目してみると

リギル・ケンタウルス G

アルクトゥルス K

ベガ A

カペラ G

リゲル B

プロキオン F

ベテルギウス M

アケルナル B

となっており、B型星も2つ含まれている。

 

また、1等星ともなると

ハダル B

アルタイル A

アクルックス B

アルデバラン K

スピカ B

アンタレス M

ポルックス K

フォーマルハウト A

デネブ A

ベクルックス B

レグルス B

となっており、この中でもハダル、アクルックス、スピカ、ベクルックスの表面温度は非常に高く、全天21星の中ではアクルックスが最も表面温度が高い恒星である。

その表面温度は29,000 Kであり、太陽の5倍ととてつもなく高い表面温度ではあるがこれでもスペクトル型はO型ではない。

つまり、スペクトル型がOの恒星は1等星以上の恒星の中には存在せず、2等星以降となるが一番地球から見て明るいO型星はどの恒星なのだろうか?

その恒星はアルニタクアル・スハイル・アル・ムーリフという恒星であり、地球から見た明るさは両者とも1.75等程度である。

アルニタクはオリオン座の三ツ星の1つであり、ベテルギウス側の恒星であり、アル・スハイル・アル・ムーリフはほ座で最も明るい恒星であり、日本から観測することはあまり容易ではない。

では、これらの恒星について書いてそれぞれ書いて行きたいと思う。

 

 

 

2. 三ツ星アルニタク

アルニタクはオリオン座の三ツ星の中で二番目に明るい恒星であり、最も明るい恒星であるアルニラム(真ん中)とそこまで大差はない明るさである。

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アルニタクはオリオン座の三ツ星の左側の恒星であり、地球からは736光年も離れているがリゲルと比較すると近い。

そして、アルニタクの表面温度はどの恒星よりも高いと言っても過言ではなく、スペクトル型がO9の超巨星であり、その表面温度は30,500 Kもある。

アルニタクは天の赤道付近に位置している恒星であり、日本からでも比較的観測しやすい...

と言うよりもオリオン座にあるため冬場になると嫌でも観測することが可能となるため特に貴重な恒星と言う訳でもない。

アルニタクの明るさは1.76程度と北極星よりも明るく、オリオン座全体から見ても5番目に明るい恒星である。

また、アルニタクの反対側に位置している恒星、ミンタカも表面温度が非常に高く、スペクトル型もO型ではあるが地球から見た明るさはあまり明るくなく、オリオン座の7恒星の中でも最も暗い2.23等となっている。

そして、オリオン座の7恒星の内、スペクトル型がO型の恒星はアルニタクとミンタカだけであり、他の5つの恒星は表面温度が高い順にアルニラム(三ツ星の真ん中)、サイフ(左下)、ベラトリックス(右上)、リゲル(右下)、ベテルギウス(左上)となっており、ベテルギウスのスペクトル型は最も低温なM型であり、他の恒星はO型に次ぐB型ではあるがリゲルの表面温度のみ他の恒星よりも圧倒的に低い。

 

 

 

3. アル・スハイル・アル・ムーリフ

アル・スハイル・アル・ムーリフという恒星は日本では聞きなれない恒星であり、その理由はわけの分からない名称である上に日本からは観測しづらい恒星だからと思われる。

実際にこの恒星は赤緯がマイナス45度よりも南にある恒星であり、日本から観測することは容易ではない上にほ座(帆座)と言うマイナーな星座にある恒星である。

そして、この恒星のギリシャ文字はγであるのにも関わらず同星座中で最も明るい恒星であり、この理由はおおぐま座やオリオン座と同じようにも思えるが実際には異なる。

ほ座と言う星座には当然α星もあるようにも思えるが実際にはα星は存在しておらず、強いて言うならばα星はりゅうこつ座のカノープスである。

何故、ほ座にもかかわらずα星がりゅうこつ座のカノープスかと言うと元々ほ座はアルゴ座と言う巨大な星座であり、あるときアルゴ座は余りにも大きいという理由でりゅうこつ座、ほ座、とも座の3星座に分割され、カノープスやアル・スハイル・アル・ムーリフ(以下スハイル)のギリシャ文字は分割される前のものであったのでカノープスのαやスハイルのγはアルゴ座の時のものであったからである。

 

また、この恒星は地球からは1,116光年も離れており、1,000光年オーバーの恒星の中ではデネブ, アルニラムに次ぐ明るさを有し、地球からは1.78等星として観測できる。

そして、このスハイルという恒星は非常に表面温度の高い恒星同士の連星系であり、主星はスペクトル型がO7.5の超巨星で、中心核がむき出しになったウォルフ・ライエ星と言う極めて高温な恒星と連星系をなしている。

つまり、スハイルは単独の恒星ではなく、表面温度が極端に高い恒星同士の連星系であり、主星の表面温度も極めて高いが伴星の表面温度は主星のものを軽々と上回っている。

更に主星のスペクトル型はO7.5であるため、アルニタクよりも高温であり、表面温度は推定35,000 Kほどもあると考えられ、伴星に至っては46,000 Kほどもあると推測されている。

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スハイルの位置、画像上の3つのマーカーはおおいぬ座の三角星(δ, ε, η)、三角星から見つけられるマーカーはとも座πアハディ、更に左にある天体はとも座ζナオス、ナオスの下の天体がスハイル。

ちなみにとも座ζナオスの表面温度も42,000 Kと非常に高く、更に2.21等星とそこそこ明るい恒星であるのでこちらも注目度がかなり高いと思う。

 

余談ではあるがスハイルと言う名称の恒星はこの恒星以外にもほ座λ星がこのような名称となっており、今日ではλ星のほうがスハイルと言う名称で通っていることが多い。

そのため、ほ座γ星がスハイルと呼ばれることはあまりなく、現在では「レゴール」という名称のほうが浸透している。

更にスハイル(レゴール)は連星であると書き、これではまるでアルニタクが単一星のようにも見えるが実際にはアルニタクも連星であり、3つの恒星が共通重心を公転し合っている。

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画像左がλ星、右がγ星でありかつてはλ星はアル・スハイル・アル・ワズン、

γ星はアル・スハイル・アル・ムーリフと呼ばれていたが現在ではλ星がスハイル(Suhail)、γ星がレゴール(Regor)と呼ばれることが多い。

ちなみにレゴールのほうは先ほども書いたように表面温度が極めて高くなっているがスハイルのほうはスペクトル型がK5の超巨星であるためアルデバラン程度の表面温度しかなく、オレンジ色に見える。

 

 

 

以上、灼熱の恒星についてでした。

二酸化ケイ素とは? 名前は似ているが二酸化炭素とは大きく異なる

今回は二酸化ケイ素について書いて行きたいと思う。

二酸化ケイ素と聞くと二酸化炭素のようにケイ素原子に酸素原子が2つ結合した分子を想像しがちですが実際には異なり、軽量な分子は形成していない。

では、どのような形状かと言うと...

 

1. 二酸化ケイ素と二酸化炭素

二酸化ケイ素の話をする前に二酸化炭素について書いて行きたいと思う。

二酸化炭素は炭素原子が中心にあり、その炭素原子に酸素原子が2つそれぞれ二重結合で結合した分子形態を取っている。

そして、二酸化炭素は軽量な分子であるため、分子同士に働く分子間力はかなり弱く、常温では気体で存在しており固体(ドライアイス)にするためには温度をマイナス77℃にまで下げなければならない。

ドライアイスは分子同士が分子間力で結合した固体であるためかなり脆く、ドライアイスは少しの衝撃でも簡単に割れてしまうほどである。

 

では、ここからは二酸化ケイ素について書いて行きたいと思う。

二酸化ケイ素は名称だけ見ると二酸化炭素の炭素原子がケイ素に置き換わったようにも見え、ケイ素原子に酸素原子が2つ二重結合で結合した分子のように思える。

更に、ケイ素の原子番号は14であり、炭素と同じ14族元素であるのでますますこの形態を取っていてもおかしくないとも感じられる。

しかし、このような形態を取っていると分子量が二酸化炭素よりも大きいため、二酸化炭素よりかは昇華点(場合によっては沸点)は高く、より固体になりやすい分子になると思えるがこの分子よりも分子量が大きく、更に似たような形態を取っている二酸化硫黄が気体であることを考えると二酸化ケイ素分子が常温で液体, または固体の状態であるようには考えられない。

けれども現実に存在する二酸化ケイ素は固体の状態を取っており、また融点も1,650 ℃程度と鉄の融点をも上回っている。

仮に二酸化ケイ素が二酸化炭素のような分子であるとすると融点がこんなにも高くなることはまずありえず、このことより二酸化ケイ素が二酸化炭素のような分子形態を取っているようにはとても思えない。

また、二酸化ケイ素は非常に硬い固体であり、ドライアイスのように分子同士が分子間力で結合した結晶の場合だと硬くなることはまずありえないため、この点から見ても二酸化ケイ素が二酸化炭素のような分子を形成しているようには思えない。

では、二酸化ケイ素はどのような形態を取っているかと言うと...

 

 

 

2. 二酸化ケイ素の正体

二酸化ケイ素が仮に二酸化炭素のような分子であるとすると非常に脆い上に常温では固体でいられるわけがないので二酸化ケイ素の形態は二酸化炭素とは全く異なることが伺える。

では、どのような形態を取っているかと言うとケイ素原子と酸素原子が交互に結合した巨大分子となっている。

この巨大分子は二酸化炭素のように分子量が一定ではなく、様々な分子量の結晶が存在するので分子式で表すことはできず、酸素とケイ素の電荷から求められた組成式を用いることとなる。

組成式は分子で表すことが出来ない物質に使われるのものであり、例えば塩化ナトリウムのNaClもナトリウムイオン1つと塩化物イオン1つからなっているのでNaClは分子ではなく式量で表されている。

二酸化ケイ素の場合は酸素の電荷はマイナス2、ケイ素の電荷はプラス4であるので電荷がゼロになるにはケイ素が1つに対して酸素が2つ必要となるために組成式はSiO2となっており、これは先ほども書いたように単に組成比を表したものであり、分子の形態を表したものではない。f:id:DS930810:20180113111726j:plain

二酸化ケイ素は名称こそ二酸化ケイ素とケイ素と酸素2つが結合した分子のようにも思えるが実際には二酸化ケイ素はケイ素1つに対して酸素が2つある巨大分子のことであり、単に組成を表しているだけである。

つまり、二酸化炭素と二酸化ケイ素は共に「二酸化」が付くものの意味的には大きく異なることが伺える。

 

また、このような形態を持つ分子のことは「共有結合結晶」と呼び、非常に硬い固体であるという特徴を持っており、二酸化ケイ素以外にはダイヤモンドが代表として挙げられる。

ちなみに分子結晶も分子であるが故に共有結合を持っているがあちらは分子同士が共有結合で結びついていないという違いがあり、原子全てが共有結合で結びついた結晶とは異なる。

 

そして、二酸化ケイ素の結合はケイ素と酸素が交互に結合した形態を取っていると書いたがケイ素を中心に4つの酸素原子が結合した正四面体構造をユニットとし、このユニットが組み合わさった形態を取っている。

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このように書くと組成式はSiO4となるようにも思えるが酸素原子は2つのケイ素原子に共有されているためケイ素原子には0.5個分の酸素原子が4つ結合していると見なせるためにケイ素原子1つに対して酸素原子は2つ結合していると見なせる。

 

一見すると二酸化炭素と二酸化ケイ素は同じように見えるが実際には全く異なった形態を取っており、二酸化ケイ素の場合は酸素原子とケイ素原子が巨大分子を形成している形態を取っているので二酸化炭素よりもずっと頑丈で融点も高いのである。

 

 

 

以上、二酸化ケイ素についてでした。

地球の核は火星よりも大きい!? 地球の内部構造とは?

今日ははてなブログ解説からちょうど半年ではあるが記事に関しては半年とは全く関係がないものについて書いて行きたいと思う。

今日のテーマは地球の内部構造についてであり、以前も似たような記事を書いた記憶はあるもののすみませんが今回も似たような記事について書いて行きたいと思う。

 

1. 地殻

地球の内部構造は地表から近い順に地殻、マントル, 外殻, 内核となっており、内部に進むにつれて温度も圧力も上昇していく。

そして、初めに地球の表面から一番近い地殻について書いて行きたいと思う。

地殻は地球の表面から一番近い所であり、表面近くは特に高温ではないが内部に進むにつれて温度は上昇していき、また圧力も上昇していく。

地殻は一見非常に深そうに見えるが実際には地球の構造のほんの一部しか占めておらず、近くの深さは陸上の場合だと30 kmほどであるが海底からだと6 kmほどしか無く、海底の地殻は陸上と比較しても非常に浅く、少し掘っただけでも(それでも6 kmもあるが)マントルに到達するのである。

実際に6 kmと言うとエベレストの高さを下回っており、今まで人類が掘った最も深い穴の深さの半分程度しかない(ロシアの西にあるコラ半島と言う半島で20年ほどかけて12 kmほどの穴を掘った例がある)。

そのため、一見マントルと遠そうな海底はマントルと非常に距離が近く、マリアナ海溝の深さ>海底の地殻の厚さとなっている。

 

また、陸上の近くの深さは30 kmほどと海底と比較するとかなり深いものの地球の半径が6,378 kmもあることを考えると非常に浅く、例えるなら卵の殻程度の厚さしか無いとも言える。

ちなみに最も深い地殻の厚さは70 kmほどもあり、海底のものと比較すると非常に厚くなっている。

 

ここまでは地殻の厚さについて書いたが今度は成分について書いて行きたいと思う。

地殻の成分は酸素とケイ素が大半を占めており、この二つだけで75%ほどの重量を占めているがこれは地殻が岩石(主に二酸化ケイ素から成る)によって構成されているからである。

ケイ素と酸素以外にはアルミニウムやカルシウムの割合が大きく、その理由は地殻は二酸化ケイ素が大半を占めているがその次に多いのが酸化アルミニウムと酸化カルシウムとなっているからである。

また、言うまでも無いがこれらの物質は全て固体からなっており、地殻の温度はそこまで高くないからである。

しかし、マントル以降となると...

 

 

 

2. マントル

マントルは地殻の下にある層であり、地殻とは比較にならないほど熱く、そして厚いのである。

マントルはご存知の通り、マグマが存在している層であり、このマグマが地表に噴出したものが溶岩と呼ばれ、大災害を起こすと同時に温泉などの恵みを与えているのである。

マグマは呼び名は違うが溶岩と同じものであり、地表に出たものが溶岩、そして地表に出ていないものをマグマと呼んでいるだけであり、マグマは主に岩石で構成されている。

つまり、マントルの成分は地殻とそこまで大きく違わず、酸素とケイ素が大半を占めているがマグネシウムの割合が地殻と比較するとかなり大きくなっている。

 

また、マントルは地殻の重量が加わっているために圧力は地殻とは比較にならないほど強く、深くなればなるほど上部にあるマントルの重力も加わるために圧力はどんどん増えていくこととなる。

そして、マグマの層と言うだけあり、温度も地殻とは比較にならないほど高く、深い所では1,000℃を軽く超えている。

更にマントルは深さも相当深く、地殻の場合は深い所でもせいぜい70 kmほどの厚さしかなかったもののマントルの場合は2,900 kmまで続いているのでマントルの厚さは最低でも2,830 kmはあることとなり、この厚さは札幌-博多間の2倍ほどにも及ぶ。

 

つまり、マントルは地殻とは比較にならないほどの厚さ, 熱さ, 圧力を有しており、また体積の合計値は地殻, マントル, 核の中では圧倒的にマントルが多く、地球の体積の85%ほどはマントルとなっている。

 

 

 

3. 核

最後に核について書いて行きたいと思う。

核は地球の中で最も深い所であり、マントルの最下層である2,900 kmから地球の中心部である6,378 kmの所まで続いている。

つまり、核の半径は3,478 kmもあり、この大きさは月の2倍程度で火星の大きさよりも若干ではあるが大きい。

また、核は当然であるがマントル, 地殻の重量が上からかかっているので圧力や密度も非常に高くなっており、核だけの質量であっても火星の質量を軽々と上回っている。

 

そして、核の密度が大きい理由は地殻, マントルの重力がかかっており、圧縮されているだけではなく核そのものの成分にも原因があり、核は主に鉄やニッケルが主成分となっているからである。

更に核の温度はマントルよりも更に熱く、地球の中心部の温度は太陽の表面温度とほぼ同じぐらいであり、地表であるといかなる物質も気体と化すほどの温度であるが核における鉄やニッケルは意外にも液体や固体となっている。

では、何故恒星の表面温度ほどの温度であるにもかかわらず気体ではなく液体や固体となっているかと言うと凄まじい圧力が原因であり、先ほども書いたように核にはマントルの莫大な重量がかかっている上に深くなればなるほど核そのものの重量がかかってくるので地球の中心部に近い所では液体はおろか固体にさえなってしまうのである。

この地球に近い所の固体の鉄やニッケルの層を内核と言い、内核の周辺部にある液体の鉄やニッケルの層を外殻と呼び、区別されている。

内核は5,100 km~地球の中心部の層(と言うよりも球だが)であり、先ほども書いたように超高温の鉄やニッケルによって構成されており、これほど圧力や温度が強いと核融合反応も起こせそうだが核融合反応を起こすには最も起こしやすい重水素の場合であったとしても圧力と温度は雀の涙程度しかなく、例え太陽と同じ条件であっても成分が鉄とニッケルであるため核融合を起こすことは決してなく、重力崩壊を起こすだけである。

そして、外殻は内核よりも加わる質量が小さいので圧力も小さく、温度が低いのにもかかわらず液体の状態となっている。

 

このように地球の核はすさまじい温度ではあるが圧力がそれ以上に凄いため、鉄やニッケルの一気圧での沸点を超えているのにもかかわらず液体や固体となっている。

 

 

 

以上、地球の内部構造についてでした。

新星爆発とは? 実は超新星とは全く関係がない

今回は新星爆発について書いて行きたいと思う。

超新星爆発はかなり有名な現象であり、赤色超巨星などが起こすことで有名ではあるがこの言葉の元となった新星爆発については意外と知られていない。

では、新星爆発とは何なのか?

 

1. 新星爆発

新星爆発は名称から見ると小規模な超新星爆発のようにも思えるが実際には超新星爆発とは全く関係がない現象である。

確かに超新星爆発とは何の関係も無い現象ではあるが新星爆発と超新星爆発の名前の由来は同じであり、共に新しい恒星が生まれることに由来している。

勿論そのようなことは無く、超新星爆発に至っては大質量の恒星などが崩壊する現象であるので新星の本来の意味とは真逆である。

では、何故新星や超新星と呼ばれるようになったかと言うと恒星の光度が今までとは比較にならないほど明るくなり、新星爆発の場合は絶対等級にしてマイナス8等、超新星爆発に至ってはマイナス19等ほどにまで光度が上がるため、今まで見えなかった領域に突然明るい恒星が出現したかのように見えたからである。

以上のことより明るさだけなら確かに「超」新星は新星の強大なバージョンのようにも思えるが別に新星爆発と超新星爆発には突然明るくなる以外には共通点は無い。

 

では、新星爆発とはどのような天体が引き起こす現象かと言うと白色矮星である。

白色矮星は質量の小さな恒星の残骸であり、太陽の8倍以下の恒星が最終的にこのような姿と化す。

そして、この白色矮星が突然明るくなる現象こそが新星爆発ではあるが白色矮星が単体の場合には新星爆発はいつまでたっても起こることは無い。

新星爆発が起こるには白色矮星だけではなく、相方の天体が必要であり、相方の天体の大半は赤色巨星である。

つまり、新星爆発は連星系でしか起こらず、また片方の質量の大きな天体が寿命を迎えた後にもう片方の天体が高齢化し、赤色巨星と化した時にようやく新星爆発が起こる条件に達するのである。

けれども相方が赤色巨星でなくても新星爆発は起こるものの赤色巨星はある理由があるために新星爆発が起こりやすくなっている。

そして、これからはその理由を交えた上で新星爆発が起こるメカニズムについて簡単に書いて行きたいと思う。

 

新星爆発は白色矮星で発生すると書いたが白色矮星がただあるだけでは新星爆発は起こることも無く、白色矮星に水素ガスが降り積もった時に新星爆発は起こるのである。

そのためには相方となる天体が必要であり、またその天体と白色矮星は近くなければ恒星のガスが白色矮星に降り積もることも無いために両天体は接近していなければならない。

では、新星爆発のメカニズムを赤色巨星と白色矮星の架空の連星系を例にしてあげていきたい。

白色矮星と赤色巨星は互いに至近距離を公転し合っており、赤色巨星の表面重力は重心との距離が非常に大きいので極めて小さくなっているため、ガスは非常にはがれやすくなっている。

その一方で白色矮星は質量が恒星並みにあるために赤色巨星上のガスを強大な重力によって剥がし、取り込んでいる。

白色矮星の直径は非常に小さいため、表面重力は極めて強く、一回表面上に取り込んだガスは剥がれることは無く、更に赤色巨星からガスが常に流入することとなるのでガスは白色矮星上にどんどんたまっていき、ガスの質量はどんどん増えていくことになる。

そして、赤色巨星から取り込んだガスの質量が増えていくとガスの温度はどんどんと上昇していき、更に密度も上がっていくために白色矮星上にたまったガスは核融合反応を引き起こすこととなる。

その後、核融合反応が起こったガスは白色矮星上で暴走するかの如く反応し、その暴走した水素ガスこそが新星爆発として観測されるのである。

新星爆発が起こった後は表面上のガスは白色矮星の莫大な重力を振り切り、宇宙空間に放出されるので白色矮星上にはガスが無くなり、再び赤色巨星のガスが降り積もるのである。

 

このように新星爆発が起こる理由は

  • 白色矮星の表面重力の強さ
  • 赤色巨星の表面重力の弱さ

が大きく関係しており、赤色巨星は表面重力が小さいためにガスがはがれやすく、このことが赤色巨星が新星爆発を起こしやすい理由となっている。

実際に主系列星-白色矮星系の新星爆発の周期は1万年程度であるのに対して主系列星-赤色巨星系の新星爆発の周期は数十年程度と比べ物にならないぐらいに短い。

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このように新星爆発は赤色巨星の寿命が尽きるまで反復的に行われる。

 

 

 

2. 新星爆発はリゲルを超す!?

ここまでは新星爆発のメカニズムについて書いたが今度は新星爆発の明るさについて書いて行きたいと思う。

新星爆発は白色矮星上に積もった水素ガスの核融合暴走によって引き起こされ、また超新星爆発とは異なり、赤色巨星の寿命が尽きるまで行われるがその時の明るさはどうなっているのだろうか?

その明るさは勿論大質量星が崩壊する超新星爆発には軽く及ばないものの非常に明るく、大半のものは太陽の十万倍以上の可視光を放出する。

ここで新星爆発の例を挙げていきたいと思う。

さそり座U星と言う地球から39,000光年も離れた所に位置している恒星は地球から見た明るさは普段は19.3等と非常に暗いものであるが新星爆発が起きた時は7.5等まで上昇する。

7.5等でも19.3等でも肉眼で観測できる明るさではないが明るさに換算すると5.25万倍も異なり、この明るさの差は太陽とリゲルの差ほどもある。

もし、太陽が突然リゲルになったりすると地球は当然崩壊し、海王星も地獄の熱さになるが新星爆発が起きている時と起きていない時では明るさは実際にこれぐらい違うのである。

では、元の明るさと新星時の明るさを絶対等級で書いて行くとそれぞれ3.91等とマイナス7.89等となる。

ここで、元の明るさは3.91等と書いたが勿論これは白色矮星の明るさではなく、ガスを供給する恒星の明るさであり、この恒星は赤色巨星では無く準巨星と呼ばれる主系列星が巨星に移行していく段階の恒星である。

先ほどは赤色巨星と白色矮星の連星系で起こる現象と書いたが主系列星や準巨星でも新星爆発は頻度は少なくなるものの起こる。

準巨星になると絶対等級は1等程度上昇するのでこの準巨星の質量は太陽程度と推測でき、太陽程度の恒星が白色矮星にガスを供給しているのである。

そして、新星時の明るさに着目するとマイナス7.89等もあり、この明るさは太陽の12万倍強にも及び、絶対等級が強大なことで知られるリゲルの2倍以上も明るいこととなる。

つまり、新星爆発が起こった時の明るさは高光度超巨星(1aタイプ, リゲルやデネブなど)の明るさを上回ることもあり、非常に明るいことが伺える。

勿論これは一時的なものであるが一回ではなく、何回も起こる現象であり、白色矮星と相方の恒星が近く、また相方の恒星が赤色巨星となっている場合には周期は短くなる。

けれども超新星爆発と比較すると明るさは1万分の1にも及ばず、非常に明るい高光度超巨星や極超巨星の中には普段からこの明るさを超えるものも存在しており、肉眼で観測できる恒星の中にはカシオペア座ρ星(極超巨星, マイナス8.25)やりゅうこつ座y星(高光度超巨星, マイナス8.34)が挙げられる。

勿論これらの恒星はあと数十万年で新星爆発を超える超新星爆発を引き起こし、中性子星やブラックホールとなるわけだが...

 

※高光度超巨星と言う言葉は存在しておらず、筆者が勝手にそのように読んでいるだけであり、リゲルやデネブのようなスベクトル型が1a(非常に明るい超巨星)の恒星のことを指している。

 

 

 

以上、新星爆発についてでした。

原子番号13番アルミニウム 酸ともアルカリとも反応し、水素を生じる

今回はアルミニウムについて書いて行きたいと思う。

現代ではアルミニウムは1円玉をはじめとして様々なところで利用されており、鉄と並ぶほど重要な金属となっています。

 

1. アルミニウムとは

アルミニウムは現代では見ないことがないほどあふれた金属であり、いろいろな用途で活用されているがアルミニウムがどのような金属であるかはあまり知られていない。

アルミニウムは元素の一つであり、原子番号は13番と非常に小さく、金属元素中ではリチウム, ベリリウム, ナトリウム, マグネシウムに次いで小さい。

そして、これほど原子番号が小さいということは重さも当然軽く、アルミニウム原子の重さは1 mol (6.02 × 10^23 個)あつまった時で27 gしかなく、この重さは原子番号が倍である鉄の半分を若干下回っている。

更にアルミニウムの密度は結晶構造の関係から金属としてはかなり小さく、水の2.7倍ほどしか無く、それに対して鉄の密度は7.87 g/㎤とアルミニウムの3倍近くもある。

つまり、アルミニウムは鉄などの金属と比較するとかなり軽い金属であり、外見だけ見るとそこまで変わらないが金属としては非常に軽い部類に入る。

しかし、アルミニウムは軽いだけではなく、強度が弱い、酸などに弱いなどの弱点があるが強度のほうは合金化されることによってある程度は克服されている。

 

ここで、アルミニウムと鉄はよく比較されていると思われるが実際には鉄とアルミニウムは

  • 金属であること
  • 原子番号が13の倍数であること
  • 有名であること

以外にはまるで共通点が無く、実際には全く関係のない金属である。

 

では、アルミニウムと鉄には関連性がない理由について書いて行きたいと思う。

まず第一の理由としてはアルミニウムは典型元素であり鉄は遷移元素であるという点にある。

典型元素は電子軌道にd電子が関わらない元素のことであり、d軌道とは原子にある軌道の1つである。

原子の軌道は小さい順からs, p, d, f とあり、d軌道は3番目に小さく、第三周期から現れるものである。

しかし、アルミニウムは第三周期の金属であり、一見3d軌道がかかわっているようにも見えるがエネルギーの関係より3d軌道は空の状態であるためアルミニウムの軌道は小さい順から1s, 2s, 2p, 3s, 3p となっており、それぞれ電子が2, 2, 6, 2, 1つ入っている状態となっている。

それに対して鉄の場合は小さい順から1s, 2s, 2p, 3s, 3p, 4s, 3d となっているために3d軌道にも電子がしっかりと入っているため鉄は遷移金属である。

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このようにアルミニウムの場合は原子番号が小さすぎるために電子の数も少なく、そのため3d軌道には電子が1つも無いが鉄の場合は原子番号が大きく、電子数も多いので3d軌道に電子が6つも入っている状態となっている。

また、電子は1軌道当たり最大で2つ入ることが出来るが軌道は1電子のほうが安定であるので同列の場合にはなるべく電子が2つそろわない状態となるために鉄の3d軌道には電子が1つの軌道が4つ、2つの軌道が1つとなっている。

そして、このことが金属の陽イオン化した時の色に関係しており、陽イオンとなる際には3d軌道内でもエネルギー順位が変わり、その時に光を吸収することにより遷移金属の陽イオンは色がつくようになっている。

このように書くと訳が分からなくなるが簡潔に言うと3d軌道内に電子が入っている状態の金属原子(10個の場合を除く)は陽イオンになった際に色がつくと言う訳である。

そのためにd軌道に電子が無いアルミニウムイオンには色が無く、鉄イオンには色があるのである(Fe^2+イオンは淡緑色、Fe^3+イオンは黄褐色)

 

そして、他にも融点も大きく異なり、アルミニウム金属の融点は660 ℃程度に対して鉄金属の融点は1540 ℃ほどにも及び、鉄のほうがより液体になりにくいのである。

更に族も異なり、アルミニウムは13族で同じ族の元素にはホウ素, ガリウム, インジウム, タリウム, ニホニウムがあるのに対して鉄の場合はルテニウム, オスミウム, ハッシウムがある。

このように一般的に使用されている二金属も元素の観点から見ると全く異なることが分かる。

 

 

 

2. 酸にもアルカリにも溶ける金属

アルミニウムの特徴としては酸にもアルカリにも溶ける性質を持っており、どちらに溶かした場合にも水素を発生する。

このように書くと金属が溶けて両方とも水素が発生するので同じような反応が起こっているようにも見えるが実際には全く異なる反応が起きている。

では、初めに酸に対する反応について書いて行きたいと思う。

 

アルミニウムを酸に溶かした時の反応はかなり単純であり、他の金属の場合にも同様の反応が起こる。

アルミニウムを酸に溶かした時に起こる反応は水溶液中に多量に存在する水素イオンがアルミニウムと反応することによって電子を獲得し、水素分子となると同時にアルミニウムは電子を失うこととなるので陽イオンと化す。

このようにアルミニウムは溶けているのではなく、電子を水素イオンによって奪われ、単純にアルミニウムイオンとなっているだけである。

そして、金属によっては陽イオンへなりづらいものもあり、陽イオンへのなりやすさのことをイオン化傾向と呼び、イオン化傾向が大きい順に書くと

Li, K, Ca, Na, Mg, Al, Zn, Fe, Ni, Sn, Pb, H, Cu, Hg, Ag, Pt, Au

となっており、アルミニウムは金属の中でも比較的陽イオンになりやすい傾向があり、水素よりも陽イオンとなる傾向があるため水素イオンが多量に存在する酸に混入すると水素に変わり陽イオンとなるのである。

つまり、この時発生する水素はアルミニウムよりもイオン化しづらいが故に発生したものであり、水素よりもイオン化傾向が大きい金属は酸と反応すると水素を発生し、陽イオンと化すのである。

また、水素よりもイオン化傾向が小さい元素を強酸に混入した時も反応が発生する場合もあるがあれらの反応は水素イオンが水素分子に還元されている反応ではなく、また別の反応である(例: 金と王水の反応)。

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以上が酸との反応であるが今度はアルカリとの反応について書いて行きたいと思う。

アルカリとの反応はどの金属とも起こるのではなくアルミニウム以外には亜鉛などの金属でも発生し、逆にリチウムとアルカリは反応をすることは決してない。

その理由は酸との反応とは全く異なる反応が起きているからであり、酸との反応と比較すると若干複雑な反応が起きているのである。

アルカリ水溶液中には多量の水酸化物イオンが存在しており、当然この水酸化物イオンと反応するわけだがその反応とは

2 Al + 2 OH^- + 6 H2O → 2 Al(OH)4 + 3 H2

であり、確かに水素は発生しているがアルミニウムイオンにOHが4つもくっついた状態となっている。

このOHが4つくっついたイオンは「テトラヒドロキソアルミン酸イオン」と言う名称であり、アルミニウムイオンに水酸化物イオン(OH)が配位した状態となっている。

つまり、この反応は金属イオンに水酸化物イオンが配位する反応であり、アルミニウムは水酸化物が配位する金属であるためこの反応が起こるのであり、このような性質を持つ金属のことを「両性金属」と呼び、アルミニウム, 亜鉛, 錫, 鉛が知られている。

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このようにアルミニウムとアルカリは反応するが酸との反応とは違い、水素は副産物的に発生するだけに過ぎない。

けれども水素が発生する以外にも共通点があり

  • アルミニウム2原子から3分子の水素が発生する
  • アルミニウムがイオンとなる

と言うものである。

 

また、言うまでも無いが一円玉を酸やアルカリと反応させることは犯罪であるので決してやらないようにしましょう。

 

以上、アルミニウムについてでした。

 

織姫星ベガ 全天で5番目に明るくそして自転も速い

今回はベガについて書いて行きたいと思う。

ベガはご存知の通り、織姫星として知られており、全天でもトップクラスに明るい星である。

また、明るいだけではなく...

 

1. 明るく輝くベガ

ベガはこと座の主星であり、地球から見た明るさの平均で0.03等とシリウス, カノープス, リギル・ケンタウルス, そしてアルクトゥルスに次ぐ明るさを有している。

そして、夏の恒星だけに限定すると最も明るい恒星であり、夏の星空を見上げ、最も明るい星は一瞬でベガであると分かる。

ベガがこれほどの明るさを有している理由はシリウスと同じく地球から近いからであり、地球からの距離はわずか25光年である。

けれども太陽をこの位置から観測するとお世辞にも明るい恒星とは呼べないぐらいに暗くなり、郊外でようやく観測することが出来るほどの暗さとなってしまう。

つまり、ベガの明るさは太陽と比較すると非常に明るく、絶対等級は0.60等と太陽の49倍ほどもあり、リゲルやカノープスのような強大な超巨星と比較すると微々たる明るさではあるが太陽系から10パーセク(32.6光年)以内の恒星では最も明るい恒星である。

10パーセク以内でベガの次に明るい恒星は意外にもシリウスであり、シリウスの次はフォーマルハウト, アルタイル, プロキオンの順に続く。

ここでアルタイルと表記したがアルタイルは絶対等級の面では10パーセク以内で4番目とそこまでは明るくなく、ベガと比較すると暗めの恒星ではあるがベガと対をなしている恒星であるので次の項ではベガとアルタイルを比較していきたい。

 

 

 

2. ベガとアルタイル

ベガとアルタイルは共にA型の主系列星であり、一見すると似ているようにも思えるが実際にはベガのほうが強力な天体である。

ベガは先ほど書いたように地球からは25光年ほど離れている恒星であるがアルタイルは16.7光年とベガの3分の2ほどしか離れていない。

けれども地球から見た明るさはベガが0.03等に対してアルタイルは0.77等とベガの半分ぐらいの明るさしかなく、アルタイルは地球からの距離が近いのにもかかわらずベガよりも暗い。

このことはアルタイルがベガよりも暗い恒星であるということを意味しており、実際にベガの明るさはアルタイルの4倍以上もある。

では、アルタイルとベガのデータをまとめていきたいと思う。

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このようにアルタイルのステータスはベガと比較すると幾分か小さく、直径ではアルタイルの平均は250万キロほどにたいしてベガの場合は360万キロほどもある。

ここで直径に2通りの数字があるがアルタイルとベガは非常に高速度で自転をしており、そのため赤道が遠心力によって膨らんだ楕円状となっている。

その速度は恒星が崩壊する限界近くにもなっており、ベガに至ってはあと6%速く自転をすると崩壊すると言われているほどである。

 

また、質量に関してもアルタイルのほうがずっと軽量であり、ベガの質量は他のサイトでは2.13倍程度しかないと書かれているがこの質量だとベガの光度は異常に明るいことになる。

何故ならベガは主系列星であり、主系列星は質量に比例する形で明るくなるが絶対等級が0.4等ほどの主系列星であるおおぐま座β星, γ星、そしてかんむり座α星の質量は2.6倍程度と言われているのに対して絶対等級が1.42等のシリウスの質量は2倍と言われているからである。

当然ベガはシリウスよりも絶対等級0.4等ほどの恒星のほうに性質が近く、そのため質量も2.6倍のほうに近いと考えられる。

このため、ベガの質量は2.5倍ほどであり、この質量であると絶対等級にも丁度当てはまる。

 

更に表面温度に関してもアルタイルのほうが低く、これも主系列星の表面温度は質量が大きいほど高くなると言う法則に当てはまっているだけであるが実際にはこれも平均の表面温度であり、実際には高速自転の影響で赤道付近と極付近では大きな差が生じており、ベガの極の温度は10,000 Kを超えている。

 

このように見るとベガとアルタイルはベガのほうが大質量の主系列星であり、このためベガのほうが明るくなっているが恒星は質量の大きなものほど寿命が短いため、ベガのほうが先に寿命が尽きる。

そして、ベガとアルタイルの明るさには比較的大きな差があるが実はベガとアルタイルの中間程度の明るさの非常に有名な恒星が存在する。

その恒星とはシリウスのことであり、シリウスの明るさはちょうどアルタイルとベガの中間程度である。

ここで言う中間とは倍数的に見て中間程度ということであり、アルタイルは太陽の10.7倍、ベガは49倍の明るさで輝いているため、倍数的な中間とは10.7×49の平方根となり、その大きさは大体23倍である。

そして、シリウスの明るさはまさに太陽の23倍ほどであるのでシリウスこそがアルタイルとベガの中間的な恒星と言える。

 

ここで、太陽, アルタイル, シリウス, そしてベガを図で比較していきたいと思う。

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このようになっており、直径だけならアルタイルはシリウスよりも大きいが表面温度が低いので光度はシリウスのほうが大きい。

そして、形状に注目するとアルタイルやベガは自転速度の影響が楕円型となっているがシリウスは円形である。

ここがシリウスとアルタイルやベガとの最大の違いであり、シリウスは高速自転をしていない。

このことについては次の章で書いて行きたいと思う。

 

 

 

3. シリウスとベガの違い

シリウスはアルタイルとベガの中間的な恒星と書いたが実際にはそこそこ異なり、シリウスはアルタイルとベガと決定的に違う点が2つある。

それは

  • 自転が遅い
  • たて座δ型の変光星ではない

ことであり、初めに前者について書いて行きたいと思う。

 

シリウスの自転は本来ならベガよりは遅いがアルタイルよりも速いはずであるが実際にはアルタイルの自転速度を軽く下回っているほどである。

この理由はシリウスに伴星があるからではないかと言われており、シリウスには質量の大きい白色矮星の伴星が存在する。

質量の大きな伴星が主星の近くを周っていると潮汐力と言われる力によって自転速度が遅くなり、結果としてシリウスは現在のような低速自転となっている。

また、シリウスはAm星と言う特殊な天体であり、このタイプの恒星は光の吸収が大きい金属元素が押し上げられ、代わりに他の元素が恒星内部に沈み込む形の恒星で、恒星の自転速度が遅い時のみ生じるものである。

このためシリウスの自転はベガやアルタイルと比較すると非常に遅くなっており、言うまでも無いがベガやアルタイルはこのタイプの恒星ではない。

そして、シリウス以外にもやぎ座γ星という恒星がこのタイプの恒星ではないかと言われており、この恒星の質量はベガと同じぐらいであるが自転速度はシリウスと同様にかなり遅い。

 

ここまでは自転の速度について書いたが、今度はもう一つの違いの変光型について書いて行きたいと思う。

アルタイルとベガはたて座δ型変光星と呼ばれるタイプの変光型を示しており、ベガはこのタイプの恒星の中では最も明るく、アルタイルはその次に明るい恒星である。

このタイプの恒星はアルタイルやベガ以外にはデネボラ(しし座β星)、カシオペア座β星、とも座ρ星、そしてたて座δ星などが知られており、これらの恒星はいずれもスペクトル型がA0~F5までの若めの天体であり、絶対等級はそこまで明るい恒星は含まれていない。

このタイプの恒星はスペクトル型A0~F5までの若めの天体全てに当てはまっているわけではなく、これらの恒星に属するシリウス, フォーマルハウト, おおぐま座β, γ星などはこのタイプの恒星ではない。

 

このようにシリウスは一見見るとアルタイルやベガに似ているように見えるが実際には大きく異なる点もあり、質量が似通った主系列星だからと言って全てが全て似ているわけではない。

 

 

 

以上、ベガ(とアルタイルとシリウス)についてでした。

勘違いされがちな表面重力 表面重力は弱くても...

今回は誤解されやすい表面重力について書いて行きたいと思う。

表面重力は読んで字のごとく天体の表面の重力のことであり、必ずしも重い天体が強いわけではない。

例えば地球よりもずっと巨大な天王星の表面重力は意外にも地球よりも小さく、天王星の上にもし立てたとすると地球上よりも体重は軽くなる。

けれども天王星自体の重力はと言うと...

 

1. 表面重力

表面重力は質量の大きな天体上の重力のことであり、天体と比較すると極端に小さい質量のものが感じるものである。

例えば地球の質量は5.972×10^24 kgであり、地球上にある全ての物体はこの質量と比較すると無いに等しいぐらい軽いので地球に引っ張られているようにも思える。

けれども実際には地球上にある物体も地球のことを地球が物体を引っ張る力と同じ力で引っ張っており、地球は地球上にある物体から相当な力を受けている。

しかし、それほどの力を受けているのにもかかわらず地球が動かない訳は物を動かす物理量、即ち加速度は質量に反比例するからであり、地球の莫大な質量が地球を引っ張る膨大な力をほぼゼロにしているのである。

 

例えば質量が1 kgの物質は地球と9.80 Nほどの力で引き合っており、質量1 kgの物体にかかる加速度は9.8 m/s^2であるが地球にかかっている加速度は1.64×10^-24 m/s^2ともはやないに等しい程度の力であるので地球に一方的に引っ張られているように見える。

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このように力は同じだけかかっているものの質量は全く違うために加速度に大きな差が生じ、質量の小さい物体には「重力」と言う形で一方的に引っ張られているように見える。

 

そして、物体の質量が倍になると力も倍になるため地球からの加速度は半分の時と変わらず、9.8 m/s^2のままであるが地球にかかる加速度は倍になり、その加速度こそが重力加速度であり、表面重力でもある。

また、表面重力は対象となる天体の質量に比例し、重心が天体の中心部にあると仮定しているために天体の半径の2乗に反比例する形となっている。

ちなみに地球の場合は質量が大きいためにほぼ球体となっているが質量の軽い天体は球状になることはできず、非常にいびつな形となっているため、場所によっては表面重力が大きく違うのである。

まあ、このような天体は質量自体が非常に軽いため、重力自体も極めて小さいが...

 

このようなこともあるので必ずしも質量の大きな天体の表面重力が大きいわけではなく、地球の4倍の半径を誇る天王星の表面重力は地球のものよりも実は小さいのである。

その理由は天王星の質量が天王星の半径と比較すると小さいからである。

天王星の質量は地球の14.5倍ほどしか無いのに対して半径は4倍もあり、地球との相対値では天王星の質量<天王星の直径の2乗となっているため、地球よりも表面重力が小さくなるのである。

 

 

 

2. 表面重力と万有引力は違う

ここまでは表面重力について書いたが今度は表面以外に物体が位置している場合について書いて行きたいと思う。

ここでいきなり問題を書きたいと思うが地球と天王星を仮に固定した時に地球と天王星のちょうど真ん中に物体を置いたときにどっちの天体に引き寄せられるかと言うものである。

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このような状況となっており、また、物体との距離は地球と天王星の重心との距離のことであるため、表面と重心の差を無くすために3天体は十分に離れているものとする。

先ほどのことを考えると天王星のほうが表面重力は小さいために地球のほうに引っ張られるようにも見えるが...

 

実は天王星のほうに物体は引っ張られることとなり、この理由は単純に天王星のほうが重いからである。

確かに天王星の表面重力は小さいが表面重力とは重心と天体の半径によって生じるものであるため、重心との距離が等しい場合は単純に質量の大きいほうに引き寄せられるのである。

つまり、天王星が物体を引き寄せる力は地球の14.5倍であり、これほど力が異なると物体は天王星のほうに引き寄せられるのである。

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このように両重心と同じ距離にあると力の大きさは単純に重心との距離となるので天王星のほうが引っ張る力は強くなる。

 

その一方で表面重力の場合だと天王星は地球の半径の4倍もあるため、重心との距離も地球の4倍になってしまうために力の大きさは地球の場合の16分の1となり、結果として地球のほうが表面重力は強くなるのである。

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このように表面重力と同じ条件となると地球の16分の1の力しか働かなくなるために天王星の表面重力は単純計算で地球の0.91倍となり、地球よりも小さくなる。

 

 

 

このことより表面重力と天体の重力と言うものは全く異なり、例えば太陽と同じ質量の白色矮星は太陽とは比較にならないほどの表面重力を有しているが万有引力の大きさは太陽と同じ距離にある場合は太陽と全く変わらないのである。

 

 

 

以上、表面重力と実際の重力との違いでした。

 

めったに無い黄色極超巨星 そして、非常に明るい光を放つ

今回は黄色極超巨星について書いて行きたいと思う。

極超巨星は文字だけ見ると強大な超巨星のようにも見えるが実際には半分だけしか当たっていない。

では、黄色極超巨星とはいったい?

 

1. 黄色極超巨星

黄色極超巨星について書く前に極超巨星について書いて行きたいと思う。

極超巨星は英語ではHypergiantと呼ばれており、これだけ見ると超巨星(Supergiant)の中でも強大な恒星のようにも思えるが実際には半分当たっていて半分は違うのである。

しかし、もともと極超巨星は強大な超巨星のように使われており、絶対等級がマイナス7等を超えるような天体に使われていた。

絶対等級がマイナス7等と言うと太陽の54,000倍近い明るさであり、確かにこれほど明るい恒星は「極」超巨星と言うのにふさわしい。

けれどもこの定義に当てはめるとリゲルはマイナス7等を超えることもあり、極超巨星に分類されてしまうがリゲルは強大な超巨星として扱われ、極超巨星には分類されていない。

実際に平均して絶対等級がマイナス7等を超える恒星は肉眼で観測できる中では14個しか存在しておらず、リゲルも平均したらマイナス7を超えることは無い。

 

では、極超巨星とはどのような恒星かと言うと大気が拡張しているか質量損失が激しい恒星のことを指しており、このような恒星は例外なく寿命が尽きそうな恒星である。

つまり、極超巨星とは質量が極めて大きな恒星の末路であり、絶対等級も極端に強い恒星ばかりであり、実際にマイナス7等を驚愕しているものも多い。

極超巨星となるような恒星は主系列星時代の表面温度は最も高いO型(30,000 K以上)であり、このO型の主系列星が高齢化し、赤色超巨星となった後の姿が極超巨星である。

要するに極超巨星は赤色超巨星よりも更に高齢な恒星であり、質量の小さい赤色超巨星(小さいと言っても太陽の15倍以上ある)は黄色極超巨星に、質量の大きい赤色超巨星は青色極超巨星(LBV)となり、直径は縮まり表面温度は上昇する。

 

そして、質量の小さい大質量星は黄色極超巨星となるわけだがこのタイプの恒星の絶対等級はマイナス9.5等(太陽の54万倍弱)を超えることは無いと言われており、これ以上の絶対等級を持つ恒星は青色極超巨星(LBV)である。

 

 

 

2. 黄色極超巨星の例

黄色極超巨星は極超巨星の中では暗いほうではあるが低温であるが故に可視光領域が強く、絶対等級がマイナス7等を超えているものも多い。

地球から見て最も明るい黄色極超巨星はりゅうこつ座のV382星であり、地球からの明るさは3.93等である。

この恒星の年周視差は0.52ミリ秒であるのでここから距離を求めると6,272光年であり、絶対等級はマイナス7.49等であることが分かる。

この明るさは太陽の85,000倍近くにも及び、この恒星は1秒間で太陽の1日分の可視光線をほとんど生成していることが分かる。

実際にこの恒星は肉眼で観測できる恒星の中では4番目に絶対等級が強く、4等星までの恒星ではナンバーワンである。

ちなみにこの恒星を522光年先から観測するとシリウスと同じ明るさで観測することができ、裏を返すと500光年先から観測してもシリウスよりも明るいことが分かる。

 

また、この恒星は相当南にあるために東京から観測することは不可能であり、南十字星の近くに位置している。

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画像右下のマーカーが付いた恒星がV382星であり、南十字星の西側に位置しているケンタウルス座λ星(画像の下中央の明るい恒星, 3等星)よりも更に西側に位置している。

 

 

ここまではりゅうこつ座V382星について書いたが今度は北天にある黄色極超巨星について書いて行きたいと思う。

北天に位置しているカシオペア座はα~ε星が形成するW型で有名であり、更にη星は太陽に似ている恒星であるがρ星はη星とは裏腹に非常に絶対等級が強い恒星である。

カシオペア座ρ星はりゅうこつ座V382星と並ぶ黄色極超巨星であるがこちらは東京から観測すると年がら年中見える周極星となっている。

けれども地球から見た明るさは4.51等とかなり暗く、都会からだとまず観測が出来ない恒星である。

そして、年周視差は0.28ミリ秒とりゅうこつ座V382星と比べてもかなり小さく、地球からの距離は11,649光年と10,000光年すら驚愕している。

10,000光年と言うと絶対等級が強いことで有名なカノープスの光でさえ届かないほどの距離であり、これほどの距離にいても肉眼観測が出来るほどであるので絶対等級も当然すさまじく、マイナス8.25等にも及ぶ。

この恒星の絶対等級はマイナス7はおろかマイナス8等をも軽く驚愕しており、太陽と比較すると17万倍強の明るさにも及び、肉眼で観測できる恒星の中では2番目に可視光が強い。

※最も可視光が強い恒星はりゅうこつ座y星であり、絶対等級はマイナス8.34等にも及び、肉眼で観測できる恒星の中では唯一3,000光年先から観測しても1等星で観測することが可能である。ちなみに極超巨星では無い

 

ここまでくると感覚がつかないほどの明るさであり、この恒星をシリウスと同じ明るさで観測するためには742光年まで離れなければならず、可視光で観測できるギリギリの距離は3万光年近くにまで及ぶ。

また、この明るさは先ほど紹介したりゅうこつ座V382星の倍程度であり、この恒星が黄色極超巨星の中でも明るい部類であることが伺える。

実際にはこの恒星以上の絶対等級の恒星も少なからず存在するが...

 

ちなみにこの恒星の位置はカシオペア座β星の近くに位置しているがカシオペア座のW自体はあまり明るくないので観測自体は光があると困難を極める。

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カシオペア座のWの最も右側の恒星がβ星、そしてそのすぐ近くにあるマーカーのついた恒星がρ星(極超巨星)

 

 

 

以上、黄色極超巨星についてでした。

静電気はとてつもなく高電圧 けれども危険でない理由は...

今回のテーマは静電気についてである。

静電気はご存知の通り、冬場によく発生するものであり、できれば発生してほしくないものである。

けれども静電気は「静」電気と言う名前に反してとてつもないほどの電圧を持っており、その電圧は乾電池の二千倍にも及ぶとも言われている。

では、ここからは静電気について書いて行きたいと思う。

 

1. 静電気とは

 静電気は異なる物質同士を接触させることで発生し、異なる物質を接触させると電荷に偏りが生じる。

電荷は素粒子がもつ性質であり、電気科学界の質量と言うべきものであるが

質量と異なる点は正と負が存在していることである。

そして、陽子には正電荷、電子には負電荷が存在しており、電荷は質量とは対照的に同符号の場合は反発し、異符号の場合は引き合う性質を持つ。

質量の場合は同符号の場合は万有引力が働き引き合い、現実には存在しないが異符号の場合はおそらく反発すると考えられる。

このように電荷と質量には共通する点があるが全てが同じわけではなく

  • 正負が存在する
  • 同符号の場合は反発する

と言う違いがある。

 

さて、ここからは電荷の話を中心に行っていきたいが電荷がどちらかに偏っている状態のことを帯電していると言い、帯電していない場合とは正電荷と負電荷が釣り合っている状態である。

普段は(ほとんど)電荷が釣り合っている状態ではあるが違う物体同士を接触させると電荷が移動をし、両者に電荷の偏りが発生する。

物体によっては正電荷に帯電しやすい物や負電荷に帯電しやすい物もあるが同じ物体同士を接触させても摩擦などが発生すると電荷は移動する。

 

そして、この電荷が移動した物体、即ち帯電した物体は正, または負の電荷を持っており、この電荷を持った物体が別の物質に触れると電荷の移動が生じる、即ち電流が流れるのである。

この電流こそが静電気であり、静電気は電荷の移動によって正か負に偏った物体が他の物質に触れることによって発生する電流のことである。

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若干異なる点もある可能性もあるが静電気の発生要因は大体上図のように起こる。

 

 

 

2. 静電気の意外な電圧

先ほどまでは静電気の発生要因について書いたが今度は静電気の電圧や電流について書いて行きたいと思う。

電圧の単位はボルトであり、一般的なアルカリ, マンガン電池の電圧は1.5 Vであり、電圧が高い電池であるリチウムイオン電池でも3 V程度である。

では、静電気の電圧はどれぐらいなのだろうか?

アルカリ電池で1.5 V、リチウムイオン電池でさえ3 Vであるので静電気の電圧は0.01 V程度だと思われるが実際の電圧は電池の電圧とは比較にならないほど高く、3,000 Vほどもあると言われている。

信じられないようにも思えるが静電気の電圧は非常に高く、これだと静電気が起こるたびに全身が黒焦げになり、即死者が多発するように見えるが実際に静電気で死亡することはおろか、けがをすることさえない。

では、何故このように電圧が異常に高いにもかかわらず静電気の威力は小さいのだろうか?

その理由は流れる電流の量が極めて小さく、実際に電気によるエネルギーは電流と電圧の積に依存するからである。

電流とは単位時間あたりに流れる電荷の量のことであり、単位はアンペアで表され、電荷は先ほども書いたように万有引力界では質量に相当する。

その一方で電圧は万有引力界に例えると重力加速度と高さの積に相当するものであり、電場と高さの積で表すことが出来る(重力加速度は電場に相当する)。

 

つまり、静電気は万有引力界に例えると非常に低質量な物体を非常に高いところから落とすことに例えられ、非常に高いところから落としても質量が極めて小さかったら威力は当然低くなる。

その一方で電圧が小さく電流が大きい状態と言うと質量が極めて大きな物体を低い所から落とすことに例えられ、例え1メートル程度の所からでも1トンもある物体を落とされると威力は非常に強くなり、場合によっては命を落とすことさえも考えられる(まあ、ほとんどの確率で命を落とすと思うが...)。

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上図で静電気は右に相当し、落とす高さが高くても物体の重さが小さいので威力自体は低いが左の場合は右とは対照的に高さが低くても重さが極めて大きいので威力は左のほうが圧倒的に大きいのである。

 

つまり、静電気は電圧自体は高いものの電流は非常に小さいので威力自体は弱く、本当に威力が高い状態にあるには電流も大きくなければならない。

電流は1アンペアでも即死するほど強いが静電気は1アンペアの1,000分の1ほどしか無いために非常に弱い。

エネルギーは電圧×電流×時間, または電流×電流×抵抗×時間で表され、単位時間(1秒)当たりのエネルギーは静電気の場合は

3000 V × 0.001 A =3 J

となるが1アンペアが人体に流れた時のエネルギーは人体の抵抗が4000 Ωと言われているためエネルギーは

1 A × 1 A × 4000 Ω = 4000 J

と静電気とは比較にならないほど大きいことが分かり、これほどのエネルギーが流れると確かに危険である(高電流で体の機能がおかしくなるため)。

また、時間が流れれば流れるほどエネルギーも強くなるが静電気はほんの一瞬だけしか電流が流れないため実際のエネルギーは3 Jよりもずっと小さくなる。

 

以上のことより静電気の電圧は確かに強いが

  • 電流値が非常に小さい
  • 流れる時間がほんの一瞬だけ

であるため、静電気によって命を落とすことはまずないのである。

 

ちなみに静電気は冬場に起きやすいがその理由は寒いから起きやすいのではなく、乾燥しているからであり、空気が乾燥していると電荷を発散させるものが無くなるのである。

実は水分は電荷を発散させる性質を持っており、そのため湿度が高い夏場は静電気が発生する前に電荷が発散し、結果として静電気は起きないのである。

実際に冬場は湿度が小さい上に飽和水蒸気圧量も小さく、湿度100%でも空気中に水分が少ない状態なのである。

 

 

 

以上、静電気についてでした。